曇り空の夜のプリキュア   作:popoponpon

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第113話 秋物語

 

「「「「「いただきます!」」」」」

「まーす!」

 

6人の明るい声が虹ヶ丘家に響く。リビングの机の上にはリンゴやナシ、柿など様々な果物が並んでおり、それを美味しそうに6人は食べ始める。

 

「うーん!すっごく甘くて美味しいです!」

「本当にね」

「御近所さんからいただいたの。沢山食べてね。ヤクモさんも、後で家に持ち帰るといいわ」

「ありがとうございます、ヨヨさん」

 

飲み物を皆に運んできたヨヨに礼を言うヤクモ。ミクモや両親もこおの果物を食べたらきっと美味しいと感じる事だろう。それを持ち帰れるようにしてくれたヨヨには感謝しかない。

 

「どれも美味しくて止まらなーい!食欲の秋……やばっ!」

「食欲の秋……ってなんですか?」

「秋は食べ物が美味しいから食欲アゲアゲってこと!」

「涼しくて何をするにも快適だから、スポーツの秋や、芸術の秋と言ったりもするわね」

「なるほど……」

 

食欲の秋、というフレーズを聞いたことのないソラがあげはに質問すると、あげはとヨヨが答える。それを聞いたソラは納得しながら、

 

「それでは私は修行の秋です!ふぅー……ほっ!」

「ソラさんにぴったりだね」

「ありがとうございます!ではヤクモさんの秋は……なんでしょう?」

 

深呼吸をして拳を軽く突き出すような素振りを見せる。確かにソラにぴったりの秋だとヤクモも思ったが、ソラからヤクモはどうなのかと聞かれると答えに詰まってしまい唸ってしまう。

 

「それを言われると困るな……とりあえず今は食欲の秋でいいよ。美味しいものが目の前にあるんだからさ」

「確かに!」

 

最終的に何々の秋、というフレーズはいくらでもあるのだから、とりあえず今に相応しいものを選んでおこう。という結論にヤクモは落ち着いたようだ。

 

「……まぁ家の場合は恋愛の秋じゃないかな?」

「「え?」」

「エル、れんあいのあきー!」

 

そんな中、ましろが放った言葉にソラとヤクモが顔を見合わせ、エルが元気そうにはしゃぎながら自分を膝に座らせてくれているツバサの顔を見上げる。そしてソラとヤクモが少し照れた様子を見せ、嬉しそうにしているエルを見てツバサが苦笑してしまう。

 

「も、もうプリンセスってば……僕はそうですね……プリンセスと遊ぶことも大事ですが、もっと勉強して学びの秋にしたいです。プリンセスも、一緒に本を読みましょう!」

「ツバサといっしょによむー!」

 

ツバサとエルの微笑ましい光景を見ていたヤクモ達。一体この2人はどこまで行くんだろうなとヤクモ内心考えていると、

 

「ちなみにましろんは?」

「私は……」

 

あげはから話を振られたましろが一枚のチラシを取り出す。れはソラシド市の絵本コンテストの募集概要だった。

 

「これ!絵本の秋、だよ!」

「ソラシド市みんなの絵本コンテスト……」

「それって前にましろさんが応募した……」

「夏以外にもやってたんだね」

「うん、季節ごとにやってるみたいなんだ。前回は残念ながら落選しちゃったけどね……」

 

それは、夏にもましろが応募したコンテストだった。前回頑張ったが落選したことは確かに残念ではあった。しかし、こうしてもう一度挑戦する機会が巡ってきたのはましろにとっては嬉しいことだった。ぐっと握りこぶしを作ると、

 

「でも、また再チャレンジするんだ!今度こそ目指せ入選!だよ!」

 

気合十分の意気込みを語るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさま!」

「えらいえらい!エルちゃんいっぱい食べたね!」

 

十数分後。机の上には空になったお皿だけとなり、秋の味覚を堪能しつくしたエル達は満足そうに食後を過ごしていた。特に美味しい食べ物たちを前についつい食い意地が張ってしまったソラとツバサは少し苦しそうにお腹に手を当てながら脱力したようにソファの背もたれに背中を預けていた。

 

「お腹がパンパンではちきれそうです……」

「ふぁ……苦しい……」

「2人は食べすぎだね」

 

そんな2人を見ながら苦笑するあげはとヤクモ。と、納得いかないとツバサがどこか恨めしそうにあげはを見る。

 

「あげはさんだって同じぐらい食べていたのに……どうして苦しくないんですか……」

「昔から私、いくらでも食べられるんだよね」

「恐るべし……異次元のお腹です……」

 

くすくすと笑いながらいくらでも食べられる体質なのだと答えるあげは。そんな羨ましい体質を持っているとは思わず、なおも羨ましそうな表情を見せるツバサ。ソラも、あげはの胃袋に完全敗北したかのように悲しい表情を浮かべていた。

 

「まあ……腹八分目だね……」

「でも……美味しいものは食べたいです……もっと胃袋を強くしなければ……」

「鍛えられるものなのかな胃袋って……」

 

自分に合った量を食べるのが一番いいと諭すヤクモに項垂れながらもたれかかるソラ。それを見たエルがソラの真似をするようにツバサに背中を預けると、それに気付いたツバサが彼女の頭を撫でるのだが、ツバサ本人としてはこの満腹感へ対処の方が最優先なのかまだエルに意識を向けられるほどには回復していない様子だった。

 

「う、うう……!」

「……?」

 

と、ふとソラの耳に呻き声が聞こえてくる。気のせいかとヤクモを見ると、その呻き声の正体をヤクモが見たため、ソラもそちらを見ると、『めざせ入選!』と書かれた鉢巻を巻いたましろが真剣な表情でミラージュペンを手に、白紙の紙の前で唸っている姿があった。

 

「……あっちも苦しそうだね……」

「……これじゃ駄目!」

 

絵本作りのためにアイデアを捻り出そうとしているのだろう。しかし中々うまくいかないようで、描いては没になる、という図を何回か繰り返してしまっている。既に彼女の近くにあったゴミ箱はその残骸でいっぱいになってしまっており、中々道が切り開けないましろは机の上に倒れ込んでしまう。

 

「どうしよう……絵本のテーマが決まらないよ……やっぱり楽しいのがいいのかな?それともインパクト重視?全米が泣くような感動ものにするべき?いやいやここはこてこての恋愛ものとか!?」

 

段々とましろが迷走し始めているのに気付いたあげは達が、ここで素人意見ではあることは重々承知の上だが彼女に何かアドバイスができればと声をかけることにする。

 

「うーん……今まで描いた絵本がありますし、その中から応募したらどうですか?」

「それじゃあ駄目だよ!?皆きっと凄い絵本を描いてくるから、私も新作で挑まなきゃ!!」

「そ、そうですか……」

 

そしてツバサが妥協案として今まで描いた絵本の中から一番良さそうなのを出すのはどうかと提案する。が、ましろはそれはできないと強い意志を示す。今回のレベルに今まで描いた絵本では追いつけない、今度こそ入選するには、自分も今までを超えるクオリティの絵本を作り出さなければならないと。そう言われてしまい、ツバサも何も言えなくなってしまう。

 

「ましろさん、気合が入ってますね!」

「気合、入ってるよ!やる気で燃えてるよ!!……でも何を描けばいいのか全然わからないよ……」

 

やる気だけは確かにある。あるのだがそのやる気の注ぎどころが全く見えない。このまま絵本を描き始める事すらできないのであれば応募に間に合うわけがない。両手で頭を抱えながらましろは焦ったように声を張り上げる。

 

「どうしよう!このまま何も思いつかなかったら時間がどんどん過ぎて……地球がグルグル100回回っちゃうよ!」

「……地球?」

「季節が過ぎている……」

「いやそこじゃなくない?」

 

考えすぎてオーバーな表現を口走るましろ。頭を抑えながらあーでもないこーでもないと唸る彼女にソラが近づくと、

 

「まあまあ、ましろさんちょっと肩に力が入りすぎですよ。力を抜い……て……?か、硬……!?」

 

ましろの肩をほぐしてあげようとする。しかしましろの肩に手を置いたソラは、彼女の肩があまりにも堅いことに気付いて困惑してしまう。

 

「珍しいね。ましろんがこんなにいっぱいいっぱいになるなんて」

「本気でやりたいことを頑張ってる証拠ね」

 

そんなましろの様子を見守っていると、お皿の後片付けをしていたヨヨが通ってくる。と、彼女が持っていたお皿から装飾として乗っていたモミジが一枚床に落ちる。それを見たエルが気付く。

 

「赤い葉っぱ!」

「?ああ、モミジの葉っぱだね。今は紅葉の季節だから、いろんな色の葉っぱがいっぱいお外に落ちてるよ」

「いろんなはっぱ……ほしい!!」

 

床に落ちたモミジの葉を拾い、あげはがエルに見せる。エルは綺麗な赤いモミジを見て、他にもいろんな色の葉っぱがあると聞くと、もっと葉っぱを手に入れたいと思ったのだろう。そんな様子のエルを見たあげはは外に出ようと提案する。

 

「じゃあ公園に葉っぱ拾いに行こうか?」

「いくー!」

「!いいですね!ましろさんも行きましょう?」

「……皆で行ってきて……」

 

ならば全員で行こうとましろを誘うが、絵本作りに集中しすぎてそれどころではない様子。そこにヤクモが助け船を出す。

 

「自然を見てたらアイデアが湧いてくるかもしれないよ」

「そうそう!気分転換になりますよ!」

「ほらほら、ましろんも行こう!」

「ええー!?」

 

ヤクモの意見に同調するようにソラとあげはがましろの肩に腕を回して無理やり立たせる。ヤクモの言っていることが一理あるのはわかるのだが、今自分が考えているものに自然の風景などが影響を及ぼすとはいまいち結び付けられず、少し嫌そうにソラとあげはに引きずられていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、自然公園では。ホットドッグ屋を営んでいるキッチンカーでアルバイトをしている紋田の姿があった。

 

「紋田君、よろしく」

「はい、お待たせしました!零さないように気を付けてね」

 

店長からオレンジジュースを受け取ると、客として来ていた男の子に手渡す。しかし男の子は紋田からジュースを受け取った直後に誤って手を離してしまい、ジュースが地面に落ちてしまう。

 

「「「あ」」」

 

思わずその場にいた紋田、男の子、そしてその母親の言葉がシンクロする。紋田は驚いた表情を浮かべている裏で、血管がはち切れそうな程に怒りが湧いてきていた。

 

(気を付けろって言っただろうだよえーっ!?)

 

だが、こちらは注意をしたしお金だって受け取っている。こちらの行動を一発で無駄にしたことに対して怒りはあるが、これも自業自得だと言い聞かせていると、泣き始める男の子の姿が目に入る。

 

「ジュース……」

「大丈夫?濡れなかった……?すみません……」

「大丈夫ですよ、代わりのジュースをお持ちしますね……ああ、お母さん、片づけは僕がやりますから」

 

しかしその態度は表には出さず、店長が既に用意してくれていた代わりのジュースを貰うと改めて男の子に差し出す。男の子が今度はしっかりとジュースを持ったのを確認してから紋田が手を離すと男の子は泣き止んで嬉しそうにジュースを飲み始める。そして、

 

「おじちゃん、ありがとう!」

「また来てねー」

 

零したジュースの容器を片付け終えた紋田にお礼を言って2人は去っていく。内心、誰がおじちゃんだよ!?と悪態を吐きながらもバイト代の為に客を大事にしなければならないのだと自分を言い聞かせる。尤も、上から怒鳴られることも少ない以上普段やってる工事現場のバイトと比べればまだ紋田としてもマシな環境だったと言えるのはちょっとだけ救いだったか。

 

「ありがとね、紋田君。毎日手伝ってくれて凄く助かるよ」

「いえいえ」

 

本音を言えば首が回らない今の生活をどうにかするためにもバイト代が欲しくて必死なのだが、店主の機嫌を損ねたくないのでまたもでかけた言葉を呑み込んで善良な青年の仮面で対応する。

 

「休憩いいよ。これ、よかったら食べて」

「いいんですか!?ありがとうございます!」

 

そんな紋田の働きぶりに店長も賄いとしてホットドッグとコーヒーを渡す。このバイトはこうやってお昼もただで食べられるのも紋田にとっては嬉しいところだ。キッチンカーから離れたベンチに座ると早速ホットドッグを口に運んでいく。

 

「……くそ、俺はアンダーグ帝国のバッタモンダー様だぞ……」

 

しかし、店長から離れて好青年を演じる必要がなくなったからか、腹を満たしながら苛立ったような声を漏らす。

 

「俺の華麗な作戦でプリキュアを倒し、一旗揚げる予定だったのに……カイゼル様に迷惑かけられねえ……何とかアンダーグ帝国に戻る方法を考えないと……」

 

この世界で生活しながらも紋田が考えていたのは、どうやってアンダーグ帝国に戻るかだった。何の手柄もなしに戻ったらそれこそ極刑一直線だ。かといって、今の何もできていない状態をもしスキアヘッドに見つかればその時点でも極刑。そして行く当てもなく、そのまま野たれ死んでいたかもしれない自分を拾ってくれたムラクモに不義理な真似はできない。そのためにもすぐにでも彼の元から離れアンダーグ帝国に戻らなければならないのだ。今更プリキュアと事を構えるつもりはないが、どうやって戻ればいいかと考えていると。

 

「かーばやーきいーもー」

「あん?」

 

メガホン越しの男の声が聞こえてくる。こんなところで誰が何をやってるのかと紋田がその声の主をさらっと見て流す。と、そこ知っている男の姿があったことに気付いて慌てて二度見する。

 

「美味しい美味しいかば焼き芋なのねーん!」

「カバトンじゃねえか!?」

 

なんでカバトンがこんなところでリアカーなんて引いているのか。というかそもそも生きていたのか。紋田が唖然となっていると、小さな男の子たちがカバトンの元に駆け寄ってくる。

 

「カバおじちゃん!」

「芋頂戴!」

「お前たちまた来たのねん?」

「だってかば焼き芋、超美味しいんだもん!」

「がはは、そうだろそうだろ!」

 

どうやらカバトンの売っている石焼き芋は子供達にも好評なようで、既に何人かリピーターが存在しているようだった。子供達とワイワイ話し合いながら石焼き芋を売るカバトンの姿を見ていた紋田は、ぽかんと口を開けたまま固まってしまっていた。

 

「ほら、おっきい芋食べるのねん!」

「「やったー!」」

「……っへ……あいつも帰るに帰れねえんだ……」

 

そんな様子のカバトンを見て、あいつも自分と同じなんだと嘲笑う紋田。

 

「呑気に子供と笑って落ちぶれたものだねえ……って、俺もじゃないか……」

 

だがその言葉は全て自分に返ってきてしまい、頭を抱えてしまう。それに、カバトンの事をこう評してはいたが、本当に彼がアンダーグ帝国に戻りたいと思っているのかどうかという点については紋田もそうじゃないだろうということは薄々気付いていた。と、ふと目の前に近くの木から落ちてきた落ち葉が目に入る。それを力任せに踏みつぶすと、パリッ、と乾いた音が響く。

 

「……まずいぞ俺……このままではどん底に落ちてしまう……落ち葉のように散って……最期は……!なんとかしないと……!?」

 

ただただ落ちぶれていくだけの生活は御免だ。ここで何とかしないと自分には未来はない。それだけは紋田もはっきりとわかっていた。と、いつの間にかカバトンも紋田に気付かずにこの場から離れていったようで静かになっていた空間に、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

「はっぱ!いっぱい!」

「いろんな色がありますね!」

「ここら辺はイチョウもいっぱいあるね」

「まるで落ち葉の絨毯ですね」

「紅葉真っ盛りだね」

 

そこには、落ち葉を拾いに来たエルと一緒に公園にやってきたヤクモ達の姿があった。楽しそうに落ち葉を拾い始めるエルを見守っていたヤクモ達。ましろも最初は乗り気ではなかったが、こうして実際に紅葉を前にすると楽しそうにそれらを見始める。

 

「うわあ……!」

「ましろ!」

「?」

「はい!」

 

と、ましろにエルが声をかけ、拾い集めた落ち葉を見せる。それを見たましろが嬉しそうにしゃがみ込む。

 

「くれるの?ありがとう!」

「うん!」

 

エルから落ち葉を受け取ったましろ。そこには赤や黄色だけでなく深緑、茶色と様々な色の葉っぱがあった。

 

「色も形も色々で一つも同じものがないね。どれも凄く綺麗」

 

葉っぱを1つ1つ楽しそうに見ていると、ヤクモとソラが頷き合い、ソラがましろの後ろに回って再び肩に手を置く。その感触に気付いたましろがソラの方を見ると、ソラも笑う。

 

「肩の力、抜けましたね」

「……ふふ」

 

それを見て、ましろも皆のおかげだと笑う。今のましろならもう大丈夫だろう、後は1人で集中させてあげればきっと絵本のアイデアも出るはずだとあげは達は考える。

 

「それじゃあ私達、エルちゃんと葉っぱ拾いしてるからごゆっくり!」

「ましろさん、頑張ってください!応援してますから!」

「ありがとう!」

 

そしてましろと別れ、もっと落ち葉が落ちている場所へと移動を始める5人、その背中を見ながら、

 

「皆……ありがとう。よし!頑張ろう!」

 

皆の気持ちを受け取り、心が軽くなっていくのを感じながら今一度やる気を漲らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

ベンチに座り、すらすらとスケッチブックにペンを走らせるましろ。家で悩んでいたのが嘘みたいに、今はペンが動いてくれていた。そんな、楽しそうな様子のましろを、近くの木の影から紋田がじっと見ていた。

 

(あいつ、また絵本なんか描いてやがるのか……楽しそうに……!!)

「……うん、落ち葉の絵本、いいかも……!どんなお話がいいかな……?」

 

イチョウのスケッチをしている内に、落ち葉を題材にした絵本を描くことが決まる。ましろ自身とてもしっくり来て、絵本作りが一歩前に進んだと感じてより嬉しそうにその先、話のプロット作りに取り掛かる。空を舞って落ちてくる葉っぱたちを見ながら、どんなテーマにするかと思いを馳せていると、

 

「さむ……」

 

強い風が吹いてくる。秋といっても夏を過ぎてすぐというよりも冬の方が近い時期だ。強風も冷たく感じることが多くなり、寒さに耐えるように目を閉じてじっとしていると。

 

「はい」

「?あ……」

「どうぞ」

「……あ、紋田さん!!」

 

聞こえてきた青年の声にましろが目を開くと、温かい紅茶のペットボトルを差し出してくれている紋田の姿があったのだった。

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