曇り空の夜のプリキュア   作:popoponpon

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第122話 過去と現在

 

「「「「ランボーグ!!」」」」

 

街中に出現したランボーグ達から皆を逃がすため、ヤクモ達はランボーグを引きつけながら移動していた。

 

「こっちです!」

「こっちだよ!」

「おにさんこちら!」

「「「ランボーグ!」」」

 

3人がランボーグを引き付け、ある地点に赴く。そしてランボーグがある一定の距離に入ったタイミングで3人は空に跳び上がって離脱。直後、陰に隠れていたヤクモが罠を起動させ、ランボーグ達を巨大な落とし穴の中に落とす。

 

「やった!」

「また町中にランボーグが出てきたとき、キュアノーブルでも対応しきれない量ならと皆で用意したトラップだけど……うまく機能してよかった」

「……あ……!?」

 

エルの力でゆっくりと降下していたソラが偶然東の草原に目を向けると、そこでは土煙が上がっていた。ただ話し合いをしているだけならそんなものは発生しないはず。だとすれば考えられるのは、

 

「……どうやら話し合いは、うまくいかなかったようです……」

 

落とし穴の中に敷かれた槍によってランボーグ達は砕かれアンダーグエナジーなる。しかし、この音を聞きつけた他のランボーグが姿を現し始め、地面に降りたヤクモとましろの下に鳥に乗り込んだヤクモが近づきながらランボーグ達を見据える。

 

「なら、キュアノーブルが戻るまでは……私達の出番です!!」

 

だが時間を稼げばキュアノーブルが帰ってくる。そうすればランボーグの浄化が可能となるのだ。それまでは、何としても時間を稼ぐ。その決意と共に、ソラ達は長い戦いを開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

草原の方では、キュアノーブルとカイザーの激しい戦闘が続いていた。雷鳴を纏ったノーブルの右手と、アンダーグエナジーを纏わせたカイザーの拳がぶつかり合うたびに衝撃が発生する。

 

「はああああああ!!」

「ぬおおおおおお!!」

 

その中でノーブルを満たしていたのは怒りと殺意。民を傷つけられ、自らの子の意思すら踏み躙った愚かな男を絶対に許すわけにはいかないと拳を振るう。

 

「お父様!!キュアノーブル!!」

「やめろ!姉上の声が聞こえないのか!」

 

2人の悲痛な叫びが上がる中、戦闘は続く。激しいエナジーのぶつかり合いによって大爆発が起こるも、関係ないと言わんばかりに2人は殺し合いを続ける。一進一退の攻防。お互いに実力者であるが故か、致命的な怪我やダメージを受けることはまだなく、精々かすり傷程度しか今は付けられてないが、時間が経てばいずれどちらかが取り返しのつかないことになってしまう。

 

「やめろって……言ってんだろ!アンブレランス!!」

 

カイゼルが手にした傘状の武器にアンダーグエナジーを纏わせる。次の瞬間、

 

「ランボーグ!」

 

右腕の槍が一回り巨大化し、ランボーグとなる。それをカイゼルが勢いよく球体へと叩きつける。それを見たカイゼリンがカイゼルに倣うように右手にアンダーグエナジーを出現させて球体へと投げつけ、2人は自分達を閉じ込める球体を破壊しようと試みる。しかし、

 

「きゃあ!?」

 

物理的にランボーグを叩きつけているだけのカイゼルと異なり、カイゼリンは爆発の衝撃を狭い球体の中では回避できずもろに喰らって吹き飛んでしまう。それでもお構いなしにとカイゼリンは次々とアンダーグエナジーをぶつけていく。カイゼルも振るいすぎて腕が滲んでも、強く握りすぎた手から出血し始めてもお構いなしに攻撃を続けていく。

 

「消えろ!プリキュア!!」

 

子供達がそのような奮闘をしていることも把握していないまま、カイザーは戦況を動かそうとアンダーグエナジーを集め始める。そして生成された巨大なアンダーグエナジーの球体を地面へと放つ。そこにあった小石などがランボーグへと変わり、無数の大群となってノーブルへと襲い掛かる。

 

「カイザァァァアアア!!」

 

ノーブルは真正面からランボーグ達をなぎ倒しながらカイザーへ向かって一直線に突き進んでいく。しかしあまりにもランボーグの数が多く、途中で突撃を中止して一旦後ろに距離を取らざるを得なくなる。

 

「強さが全てであると!今ここで証明してやる!!」

 

ランボーグ達がノーブルを抑えて時間を稼いでいある間に無数のアンダーグエナジーの球体を浮かばせたカイザー。その球体が1つとなり、巨大な光線となってノーブルを襲う。だがその中から耐えきったノーブルが姿を現し、再びランボーグの群れへと突撃すると、

 

「プリキュア・マジックアワーズエンド!」

 

光の手刀を右手に生み出すと、ランボーグを次々と切り捨てながらカイザーへと迫る。

 

「うあああああ!!」

 

球体を攻撃し続けるカイゼリン。その努力が遂に実ったのか、彼女を包む球体に亀裂が生まれる。自らの身が傷つくことも厭わない決死の攻撃がカイゼルよりも早く実を結んだのだ。

 

「おおおおおお!!」

「はあああああ!!」

 

そして2人が同時に走り出す。ここまでの戦いで、目の前の相手を完全に仕留めるには生半可な攻撃でも手段でもダメだと悟っていた。仕留めるならば一撃で、最大の技で。アンダーグエナジーを最大限に高めるカイザーに対し、マジックアワーズエンドを発動するノーブル。だが、ほんの一瞬、溜めの影響かカイザーの動きが鈍くなり、その瞬間を狙い先に攻撃を命中させるべく、ノーブルが手刀を振り抜く。

 

「「「……!?」」」

 

そして、ノーブルは確かに切り裂いた。だがそれは、カイザーではない。2人の間に割り込んできた、カイゼリンだった。

 

「姉上ー!!」

 

マジックアワーズエンドは、カイゼリンの胸を切り裂いてしまっていた。その胸部からは紫の光が漏れており、ただでさえ自らの身を傷つけていたカイゼリンの残り少ないアンダーグエナジーが、ノーブルの必殺技によって浄化されていこうとしていたという事実を告げていた。勢いのままにランボーグを破壊する勢いで球体に叩きつけて破壊するのと同時にカイゼリンに駆け寄る。

 

「か……カイゼリン!!」

 

この戦いに巻き込まないようにするために2人を遠ざけたはずだった。しかしカイゼリンは2人の戦いを止めるため、自らの犠牲も厭わずに飛び込んできたのだ。愛する娘が死ぬかもしれない。その恐怖にカイザーも完全に崩れ落ちてしまう。その顔からは戦意も敵意も、完全に消え去っていた。そしてそれは、ノーブルも同様。いや、自らの手でカイゼリンの命を奪いかねない一撃を与えてしまった彼女のショックはあまりにも大きい。

 

「よかった……私みたいな弱い者でも……お父様を……守れた……」

「あ……あ……」

「これ……で……力が全てじゃないって……こと……に……なりま……せんか……?」

 

カイザーの目に涙が浮かぶ。それは、彼が娘を本当に愛しており、この戦いも全ては子供のため、帝国の民のためだということを告げる涙だった。何も違いはない。国を率い、民を愛し、民を守る。彼もまた、1人の皇だったのだと。

 

「娘よ……」

「……なんて……いうことを……」

 

その光景を目の当たりにし、ノーブルも崩れ落ちてしまう。そんな、自らを殺すことになってしまったノーブルに対し、カイゼリンは最期の力を振り絞るように声をかける。

 

「お父様を……許して……」

「死ぬな姉上!まだ生きているなら……まだ助かるはず!」

「……!!」

 

カイゼリンの死の間際まで父を想い、そして自分を恨んでいないその優しき発言。そしてカイゼルの言う通り、まだカイゼリンには息があるという発言。それを聞いたノーブルは決断する。

 

「……カイザー!あなたの力で傷を塞ぐことはできませんか!?」

「!!」

「アンダーグエナジーにそんな力は……」

「いいえ!」

 

ノーブルの申し出に、カイゼルがはっと顔を上げる。しかし、カイザーは悔しそうにそんなことはできないと言う。今まで戦いの為に使ってきたアンダーグエナジー、だがそれに誰かを癒す力などありはしないのだ。しかし、ノーブルはそんなことはないと声を上げる。それは、カイゼリンを助けたいと言う一心もあった。しかし、カイザーがこの凶行に及んだ理由は、皆を守るため。大切なものを守るためにアンダーグエナジーを振るってきた彼ならば、きっとできるはずだと。

 

「できるはずです……!今のあなたになら!」

「……」

 

カイザーがカイゼルの顔を見る。カイゼルは、本当にできるのかと不安になる父の背中を押すように、強い瞳で見つめ返しながら頷く。強い息子に育ってくれたものだと、こんな時にそのような事を考えながら、カイザーは意を決したようにカイゼリンに手を翳すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

空が徐々に明るくなる中、ランボーグ達が次々と消滅していく。

 

「え!?」

「な、何が起こってるんですか!?」

「勝手に倒れたわけじゃない……じゃあ、これって……?」

 

考えられるのは、ランボーグを召喚していた主が敗れたということ。耳を澄ましてみると門の方が騒がしい。ヤクモ達が顔を見合わせるとそちらの方へ向かう。

 

「これは……」

 

朝日が差し込み始めた紫色の空。整備された王都への道の向こう側から、カイザーとエルレインが歩いてきていた。

 

「「「!!」」」

 

カイザーの腕には、1人の少女が。その隣には1人の少年がいた。彼らには、今のムラクモとカイゼリンの面影があった。

 

「……まさか、この力に、こんな使い方があったとは」

 

カイザーの、その場にいた他の3人以外に聞こえなかった呟きを聞いていた、腕に抱えられていたカイゼリンは意識を取り戻していた。その胸にはエルレインが刻んでしまった傷跡が残っていたが、それはまるで血肉の代わりになるかのようにアンダーグエナジーが埋め込まれていた。

 

「……皆さん」

 

門から出てきた人々の前に立ったエルレイン達。カイザーの姿を見た人々の中に不安の色が浮かぶも、エルレインはそれを制するように声を上げる。

 

「私は……過ちを犯しました。怒りに囚われ……戦いが生むのは涙だけだということを忘れました」

 

エルレインの告白は、彼女自身の戒め。絶対に忘れてはいけないことで、そしてこれからの未来に必要なことだった。

 

「でも、彼女達が……カイゼリン・アンダーグが……カイゼリン・アンダーグが覚まさせてくれました」

 

ヤクモがカイザーの顔を見ると、彼の瞳には仮面越しに涙が浮かんでいた。それを見たヤクモは、カイザーの姿に今の時代のムラクモをいつの間にか重ねてしまっていたようだった。

 

「彼女の優しさが……戦いを終わらせたのです」

 

そう言い、カイゼリンと手を繋いで笑うエルレイン。人々はやはり、今すぐには受け入れきれない、と言った様子で困惑や不安の色がまだ大きいと言った様子だった。エルレインとカイザーは頷き合うと、

 

「この夜と朝の間、美しい瞬間にスカイランドとアンダーグ帝国は和平を結びます!!」

 

そう宣言する。それは、スカイランドに平和が取り戻された瞬間だった。それを実感した人々は、

 

「やった!」

「平和になるんだ!!」

「ばんざーい!!」

 

歓喜の声を上げる。ソラ達も、エルレインとカイザーが和解し、スカイランドとアンダーグ帝国が和平を結んだ瞬間を目の当たりにし、嬉しそうにほっとした様子を見せる。

 

「おっきなぷりんせすー!」

「!」

 

エルの声に気付き、彼女たちも来ているのだと手を振るエルレイン。しかし、そこにはエル達の姿は誰も残ってはいなかった。代わりにあったのは、キラキラと揺れる温かい光だけだった。

 

 

 

 

 

 

「……っ!?」

 

意識が戻る。薄紫色の景色、宙に浮いたままの雨粒。そこは紛れもなく、元の時代、元の景色だった。

 

「戻った……!?」

「える!?」

 

エルが今のカイゼリンの姿を見る。それと同時に思い出す。カイゼリンが、指を鳴らせば無数のランボーグを呼び出し都を攻め落とすといった言葉を。今のカイゼリンは、戦いを終えその指を無情にも鳴らそうとしていた瞬間で止まっていたのだ。

 

「いけない!」

 

そして時は、動き出そうとしていた。色が元に戻り始め、雨粒が落ち始める中、咄嗟にヤクモが声を上げる。

 

「夜と朝の間!美しい瞬間に!!」

「っ!?」

 

それを聞いたカイゼリンが驚いたように指を離してしまう。だがすぐに恨めしい表情に変わる。

 

「……カイゼルから聞いたか!?」

「違うよ……あなたはスカイランドとアンダーグ帝国の戦いを終わらせた!なのにどうして……!?」

 

カイゼルからあの時の事を聞いたわけではない。今知ったのだと。そして当時、戦いを終わらせるため全力で奔走していた彼女が今、かつての父の暴挙を繰り返すかのような行動に出るのは何故なのかとましろが問いかける。

 

「カイゼリン、何があなたを変えてしまったんですか!?」

「教えてほしい。戦いが生むのは涙だけだって、知っているはずだ」

「……それって……?」

 

3人の言葉を聞いていたあげはがツバサに肩を貸してもらいながら立ち上がる。しかし、過去に飛ばされていない2人にはヤクモ達が何を言っているのかはわからない。ソラは2人に、そしてカイゼリンに自分達に何があったのかを話し始める。

 

「見たんです。マジェスティクルニクルンに導かれて、300年前の事を!出会ったんです!伝説のプリキュアと!」

「……」

 

カイゼルも言ってもいないであろう300年前の出来事。先ほどまでその素振りすら見せてなかった彼らが急にそのことを告げたところを見るにその情報の出所は間違っていないのだろう。カイゼリンは忌々しそうに腕を下げると、

 

「街は後回しだ……今すぐその無駄話を止めて、私の前から消えろ!!」

 

怒りの声と共にアンダーグエナジーを天高く噴き上げる。それは巨大な球体へと変わっていく。その球体を放ち、自分達を消滅させようというのだろう。

 

「カイゼリン!」

 

カイゼリンにこれ以上、人々を傷つけるようなことをさせたくない。そう言わんばかりにヤクモがミラージュペンを構える。元の時代に戻った今なら、使えるようになってるはずだ。彼に倣い、他の5人もプリキュアへと次々と変身する。

 

「大人しく消えていれば……!プリキュアアアアアア!!」

 

一瞬の葛藤、そして怒りの叫びと共に球体はさらに巨大化する。その球体は存在しているだけで膨大な風圧を生み出し、それがプリキュア達へと襲い掛かる。

 

「やば……!?さっきよりもでかい!?」

「それでも!」

「あんたを止めてみせる!!」

 

しかしこちらも怯まない。スカイとクラウドが声を張り上げ、マジェスティがクルニクルンを掲げる。先ほどは確かに打ち破られてしまった。しかし、新たな決意が、カイゼリンを止めたいと言う意思が、自分達にさらなる力を与えてくれる。

 

「「「「「「マジェスティクルニクルン!!」」」」」」

 

6人の体を一際強い光が覆っていく。より強まった光が描いた紋章に向かって、6人が手を翳す。

 

「くらええええ!」

「「「「「「プリキュア!マジェスティック・ハレーション!!」」」」」」

 

アンダーグエナジーとマジェスティック・ハレーションの激突。しかし、その結果は変わらないとカイゼリンが吠える。

 

「何度やっても同じだ!!」

「違います!」

「今ならわかるから!」

「あなたとなら話し合えると!」

「大切な人のため、大切な者のために戦ってきたんだから!!」

 

カイゼリンに向かってクラウド達も声を上げる。その声に鼓舞されるようにマジェスティック・ハレーションの威力がさらに引き上げられる。カイゼリンは表情を歪めながらも叫ぶ。

 

「黙れえええええ!!」

「黙りません!!」

「俺達は絶対に黙らない!言ったはず!口を閉ざして、心を閉ざして、怒りに呑まれて戦っても、そんな戦いが生むのは!」

「「「「涙だけだから!!」」」」

「知ったようなことを!?」

 

彼女たちにその言葉を口にされると、心がざわめく。特にヤクモの言葉は、深く心に突き刺さってくる。そんな自分の心を振り払うように、思考を止めるかのように大声を張り上げる。絶対にプリキュア達を倒すと言わんばかりにアンダーグエナジーを込めようとしたその瞬間、それは起こった。

 

「!?」

 

カイゼリンの体が揺れる。その胸元に一筋の傷が現れ、アンダーグエナジーが漏れだす。そして、マジェスティック・ハレーションと拮抗していたアンダーグエナジーが消える。

 

「え!?」

 

突然手応えが消えた。そのことにスカイ達が驚いている中、そのアンダーグエナジーの流れを感じ取ったヤクモは、300年前に見たカイゼリンの姿を思い出し今のカイゼリンの身に起こった異変の正体に気付くのと同時に、自ら紋章の中へと飛び込んでいく。

 

「クラウド!?」

「間に合ええええええ!!」

 

クラウドが抜けたことでマジェスティック・ハレーションの発射が止まる。しかし既に放出されたエネルギーは失速しながらもカイゼリンへと向かっていく。

 

「!?ヤク……」

 

マジェスティック・ハレーションの中からカイゼリンに向かって手を伸ばすクラウド。それを見たカイゼリンの瞳に、彼を通してみたのは誰だったのか。カイゼルか、カイザーか。それとも、エルレインか。気付けばカイゼリンはクラウドへと手を伸ばし、

 

「!」

 

その手をスキアヘッドに制される。カイゼリンの隣に現れたスキアヘッドはアンダーグエナジーのバリアを展開し、マジェスティック・ハレーションを受け止める。

 

「スキアヘッド……300年前の傷が開いて……私はいい……お前だけでも……!」

「言ったはずです。あなたをお守りするのが、私の使命だと」

 

バリアに強大なアンダーグエナジーが注がれ、マジェスティック・ハレーションを相殺する。消滅するマジェスティック・ハレーションの中から落下してきたクラウドは、トンネルの中へと沈んでいくカイゼリンとスキアヘッドを見る。

 

「カイゼリン!」

 

クラウドの呼びかけに、カイゼリンは気まずそうに顔を逸らしながら、トンネルの中へと消えていく。

 

「……」

 

地面に降りたクラウドは苦々しい表情を浮かべながら振り向くと、スカイ達が心配した様子でクラウドを見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなことあったんだ……」

「うん……」

「カイゼリンは、どうして変わってしまったんでしょうか……」

 

雨は止み、陽が差し始める。プリズムから何が4人に起こったのかをバタフライとウィングは聞いていた。そしてクラウドとスカイとマジェスティは、エルレインがキュアノーブルに初めて変身した崖に立っていた。

 

「クラウド」

「まだ、終わってないよ」

「!」

 

スカイとマジェスティにそう言われ、クラウドは顔を上げる。

 

「次、話せばいい。もしそれが駄目ならまた次がある」

「その通りです!」

「……俺はもう、カイゼリンのことをこれまでのようには見れない。300年前の姿を見て、あの人にも何か事情があったんだって知っちゃったから。だから……色々理由はあるんだろうけど……」

 

そこで一旦区切り、深呼吸をする。そしてスカイを見ながら、ヤクモはこれからやることを迷わないと言わんばかりに清々しい表情を浮かべる。

 

「俺は、あの人を助けたい。絶対に」

「……はい!絶対に、助けましょう!」

 

そんなクラウドとスカイの言葉に同意するように、マジェスティが持つクルニクルンが光を帯びるのだった。

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