曇り空の夜のプリキュア   作:popoponpon

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第125話 スリクマス

 

『『メリークリスマース!ましろ(ちゃん)!』』

 

画面越しに笑顔でましろにそう伝える彼女の両親。ソラシド市は朝だったが、この時間帯、2人の住む国では時差によって夜になっており、2人の後ろの窓からその空模様が確認できた。

 

「メリークリスマス!パパ!ママ!」

 

時差の都合上、家族でクリスマスを祝えるのはこのタイミングだけということもあり、貴重な家族の交流の時間を楽しむかのように、ましろの両親は綺麗な飾りつけに加えて赤い帽子に白髭まで付けて気合バッチリな様子だ。

 

『ふわっふわで可愛いましろちゃん!しばらく話せなかったけど……ハッピーにしてたかい?』

「……うん!もちろん!」

『……あら?今年は……クリスマスツリー飾ってないの?』

「!」

 

本当は色々あり、いくら今日はクリスマスイブだからといってクリスマスを心の底から喜び合える状況ではないのだが、何も知らない両親にそれを悟られてはならないと精一杯の笑顔を作り答えるましろ。と、ここで画面の奥に見える虹ヶ丘家の内装に変化がないことに気付かれてしまう。例年通りならこの時期はクリスマスツリーなどを飾っている時期のはずだが何かあったのだろうかと両親に勘ぐられてしまう。

 

「あ、えっと……ちょっと最近バタバタしちゃって……」

『バタバタって……何かあった?』

「ううん!大したことじゃないから大丈夫だよ!」

 

クリスマスツリーを出す時間が取れない程忙しかったのだと誤魔化すましろ。しかし、それほど忙しいとくれば一体何があったのかと心配してしまうのは当然のこと。どうにかこの場を乗り切ろうと笑って誤魔化そうとするましろだったが、父の声が聞こえてくる。

 

『ましろちゃん』

「!」

『パパとママは離れていても、ましろちゃんを応援してる』

『でも、あまり無理はしないでね』

「……ありがとう、パパ、ママ」

 

追及されないようにと立ち回るましろの様子などとっくにお見通しだったのか。両親が彼女に告げた言葉はそれを理解したうえで彼女の心を一番元気づけてくれる内容だった。その言葉をくれた両親にましろは嬉しそうにお礼を言う。そんな中、別の部屋ではソラ達も準備を着々と進めていた。

 

「……これで、よしと」

 

今日、準備が終われば自分達はスカイランドへと戻ることになる。そのため、ましろ達はクリスマスツリーを飾ることもしておらず、結果、そのことがソラ達の中で話題になることもなかったのだった。そのため、今日がどんな行事なのかも知らないソラは、着替えなど、必要なものをリュックサックに詰め込みながら荷造りを進めていた。

 

「……ふぅ。後は皆さんの準備が終わって……ヤクモさんが来るのを待つだけですね」

 

一息つくように窓の外を見るソラ。雪は昨日の夜に本格的に振り始めたようで、家の外は白く染まっており、このような状況でなければこの景色に目を奪われていたことだろう。

 

「……ヤクモさん……早く来ないかなぁ……」

 

ヤクモが来てくれることをもどかしそうに思いながら、ベッドの上でごろごろと転がるソラ。他の人を手伝おうかと考えるも、ツバサも研究室の中から資料などをまとめており、彼にしかわからないものなどもあること。あげはの方は準備は既に終えており、ヨヨと一緒に荷物をまとめているため、人手が足りてしまっておりソラにも協力できることはなかった。

 

「……こうして待っているのも、暇になっちゃいますね……」

 

ふと、机の上に置いていたヒーロー手帳が目に入る。それをぱらぱらとめくっていくと、気付けばもう残りが少なくなっていることに気付く。

 

「……もう、ここまで書いたんですね、ヒーロー手帳」

 

ソラのヒーロー手帳は、この世界に来た時にカバトンに破られてしまった。その後、ましろに新しく買ってもらったこの手帳はソラにとって大切な宝物であり、この手帳に書き記してきたことは自分にとってかけがえのないものだ。しかし、それを書き込めるのももう残り僅か。手帳である以上いずれは終わることはわかってはいたことだがその時がもう近いと考えると色々と考えてしまう。

 

「……これから、どうしましょうか……新しい手帳、か……」

 

ヒーローとして学ぶことはたくさんあるが、それを書き込む手帳は近いうちになくなってしまう。その後、自分の新たなヒーロー手帳を見つける必要があるだろう。しかしそれをどうするかはまだソラには何も考えられてはいなかった。

 

「……いえ、今はまだ書けますし、それについては後で考えましょう……あ!」

 

と、ソラが窓の外に目を向けると大きなリュックサックを背負ってきたヤクモの姿が目に入る。ヤクモもソラを見つけて手を振ると、ソラも嬉しそうに手を振り返し、ヤクモを迎えに外に出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

その後、準備を進める途中でましろが急な買い物があるということで一旦外出したり、あげはもちゃんと保育園の子供達に急に休むことになった報告と皆のクリスマスを祝う手紙を送れていることを部屋に手紙が残っていないことを確認したりといったことがあり、完全に準備を終えたソラ達は遂にスカイランドへと向かったのだが。

 

「……スカイランドの民が街に集まってきましたね……」

「ああ……ツバサが街全体にバリアを張ってくれる……カイゼリンがいくら手出しをしようとも、ここにいれば安全だ」

 

城から見える街には、活気が完全に消えてしまっていた。街の中を出歩いている人もいるが、防寒着などを着込み、遠くからやってきたという出で立ちの者ばかりで、青の護衛隊や衛兵たちが彼らの対応をしている姿が目に入る。王都に集まっていく人々を複雑そうに見守る王様と、エルを抱える王妃。エルも不安な面持ちで人々を見ていたが、

 

「えーん!えーん!」

「!」

 

エルの耳に赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。エルがその声の主を見ると、泣きじゃくる赤ん坊とその子をあやす両親の姿が目に入る。

 

「あかちゃんないてる……」

「不安なのですね……」

「どう励ましたらいいものか……」

 

本能的に、スカイランドにアンダーグ帝国の脅威が迫っていることをその子は気付いているのかもしれない。エルの声に王妃も悲しそうに言う。王様も、暗い気分になる民達にどのように振る舞えばいいのか、悩んでいる様子だ。

 

「えるぅ……」

 

自分達では何もしてあげられないのか。それがもどかしそうにエルが悲しみんでいる中、城の一室ではソラとヤクモの姿があった。

 

「……ふぅ」

「そ、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ!」

 

これから来るソラの家族にどうやって会えばいいのかと緊張してしまっているヤクモ。身なりは昨日と同様普段着ではありつつもきちんとしてきたつもりだが一体、もし失礼な対応をしたらと考えると気になってしまう。ムラクモとあかりにソラを紹介した時のように、知っている人ではないのだから。

 

「家族は皆、良い人です!きっとヤクモさんのことも受け入れてくれますよ!……ちょっと、弟のレッドはもしかしたらやんちゃするかもですけど……」

「あはは……」

 

両親については問題ない、とソラは考えているようだが、唯一の懸念は幼い弟のようだった。弟のやんちゃぶりにはソラも手を焼かされていたのだろう、彼がヤクモに迷惑をかけないかどうかだけが心配なようだった。

 

「俺は気にしないから大丈夫だよ」

「……あ、ヤクモさん。髪にゴミが……」

「ん?ああ、ましろさんの家に来るときは帽子被ってたから毛糸とかついたのかな……」

「あ、待ってください!」

 

と、ソラの家族を待っている中、ヤクモの髪に毛糸がついているのをソラが気付く。ヤクモは心当たりを上げると髪についている毛糸を探そうと頭に手を入れ始めるのをソラが慌てて止める。髪がくしゃくしゃになって変な髪型になってしまうとまずいと思ったのだろう。

 

「私が取りますから、じっとしてください……」

「あ、うん……」

 

ヤクモにそう言い、ベッドに座らせて自分は立ち上がるとじっとヤクモの髪に顔を近づけて毛糸を探し始める。一本一本、毛糸を取っていき、ヤクモの髪に引っかかっている毛糸がなくなったのを確認した、その時だった。

 

「ねーちゃーん!!」

「きゃああああああ!?」

 

突然聞こえてきた少年の声にソラが驚き跳ね上がる。そのままバランスを崩し、ヤクモへと倒れ込んでしまい、ヤクモの顔がソラのお腹に埋もれる形になる。

 

「……お姉ちゃん何やってるの?」

「え!?あ、いやこれはその……」

 

突然現れた少年がソラのことを姉と呼んでいたことから、ソラの姿で彼の姿が見えずにいるヤクモも弟のレッドが来たということはわかったのだが、ソラに突然倒れ込まれ、押し倒されてる構図にヤクモの方も混乱してしまう。

 

「……あ!お姉ちゃん、男の人に抱き着いてるー!」

「レッドー!?」

 

ソラが同年代の男性に抱き着いている構図がよくわからないが面白く感じたのだろうか。それについて面白おかしく騒ぐように声を上げるレッドにソラは顔を真っ赤にしながら立ち上がる。

 

「おちょくるようなこと言うのはやめなさい!ヤクモさんに失礼でしょ!」

「え?」

「まぁまぁ……」

「でも……」

「ねーこの人だれー?」

 

そしてレッドを窘めるのだが、何が悪いのかよくわかっていないレッドは首を傾げてしまう。別に彼がからかってきたというわけではないことはわかっているため、ヤクモもレッドの行動を咎めはしない対応を見せていると、レッドはヤクモの姿を見て、見知らぬ人物を見たことで一体誰なのかと疑問を抱く。

 

「この人は嵐堂ヤクモさん、向こうの世界で一緒にプリキュアとして戦ってる人で……」

「じゃあ強いんだ!」

「もちろん!強くて優しくて格好いい人ですよ!ヒーローです!」

「すげー!」

 

ソラの得意げな説明に目を輝かせるレッド。やはり彼が食いついたのはヤクモがソラと同じプリキュアという言葉だろう。ソラと一緒に皆の為に戦い、敵を倒しているヤクモの姿は幼い彼の目に格好良く映ったようだ。

 

「じゃあ悪いやつ倒してきたんだ!」

「あ、はは……まあ、今まで戦ってきた相手とも何人かとは決着をつけてきたかな」

 

レッドの気分を損ねないように配慮しながら、一応区切りはつけてきたということを強調し、必ずしも倒しているわけではないと遠回しに告げる。

 

「えっと……君がソラさんの弟のレッド君、なのかな?」

「そうだよ!」

「……って、そうだった!?レッド、来るの早くない?パパとママは?」

「決まってるじゃん!ヒーローになって戦うために急いできたんだ!!」

 

と、レッドがいきなり来た衝撃ですっかり頭の中から吹き飛んでしまっていたが、彼が来ているなら両親はどこにいるのか。それを聞くと、どうやら親をおいて先にソラの元に来たようだ。やはり姉に会いたがっていたのだろうかと言われると、それもありそうだがこのはしゃぎようを見るにこちらが本命のようだった。

 

「いっくぞー!」

「あ、こら!」

 

自分の強さを見せてやるとでも言わんばかりに走り出そうとするレッド。ソラが部屋の中で暴れるなと声を上げると同時にレッドが足を滑らせてしまい、転びかける。

 

「うわっ!?」

「あっ!?」

 

しかし、その状況を苦笑しながら静観していたヤクモがレッドの体を支える形で受け止める。そして、

 

「急いできてくれたのは嬉しいけど、まずは転ばないようにしてからだね」

「ちぇー……」

「戦う気持ちばかりだと、前が見えなくなっちゃうよ?」

「むう……」

 

ヤクモのヤクモの言葉に罰が悪そうな表情を浮かべ、続くソラの言葉に不満そうに顔を逸らす。第三者の言葉と身内のソラの言葉で露骨に態度を変える様も、ソラから見れば困りようだがヤクモから見ると兄妹ってこういうものなんだなと微笑ましくもある。と、

 

「どうやら、一本取られたみたいだな」

「!パパ!ママ!」

 

扉の方からソラの父、シドの声が聞こえソラとレッドが視線を動かすと、そこにはシドとレミの姿があった。

 

「すっかり本物のヒーローね!それに、娘が成長していて私も嬉しいわ!」

 

レミはたくましく成長したソラの姿を見て、そしてヤクモの姿を見て嬉しそうに笑う。2人の言葉を聞いたソラも照れた様子で頬を掻きながら、レッドを離したヤクモを2人に紹介する。

 

「紹介するね、彼は嵐堂ヤクモさん。向こうの世界で一緒に戦うプリキュアの仲間で……その……私の恋人、なんです」

「嵐堂ヤクモといいます……よろしくお願いします」

「……そうか」

「ふふ、よろしくね」

 

ぎこちないながらも当たり障りのない自己紹介をすることしかできないヤクモ。しかしそれは緊張からだと言うことは2人にも理解されているようで、緊張したうえでの態度を見てヤクモが真面目な性格なのだとわかってくれたようだ。何より、友達もいなかった娘が大きく成長し、彼氏を作ってスカイランドに戻ってきたのだから親としては当然祝福しない理由がない。

 

「えー!?お姉ちゃん恋人なんか作ったの!?」

「こら!」

「レッド、彼に迷惑だ、やめなさい」

「ごめんね、レッドが迷惑かけちゃったでしょ」

「いえ、俺は気にしていませんから大丈夫ですよ。元気があっていい子だと思います」

 

初めて聞かされた2人の関係を前に飛び出てきたレッドの感想に静寂を貫こうとしていたシドも注意する。シドに言われたことでレッドも大人しくなってしまい、そんなレッドを見て苦笑しながらレミがヤクモに謝罪する。

 

「ソラのこと、ずっと助けてくれて、支えてくれてありがとう。これからもうちの娘が迷惑をかけちゃうだろうけど……どあなたに任せていいかしら?」

「!ソラさんの事は任せてください!」

 

そしてレミからソラの事を託すという発言を聞き、ヤクモは少し頬を赤く染めながらはっきりと宣言する。その言葉にソラも嬉しそうに頬を染める姿に、シドとレミは微笑ましい目を向けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、城のバルコニーに出てきたツバサ。その手にはミラーパッドが抱えられており、一歩前に出る。王城の前には多くの民達が集っており、この都を覆うバリアが生まれる瞬間に立ち会おうとしていた。

 

「「「3!2!1!」」」

「ミラーパッドバリア、起動!」

 

カウントダウンが始まっていく。それを合図とし、ツバサがミラーパッドを掲げると、キラキラエナジーを伴った光が都の空へと放たれ、キラキラと輝く虹色のバリアが都を覆っていく。この光が、自分達を守ってくれるのだと、民達が安堵と歓喜の声を上げる中、バリアが成功したと言う事実を確認して、ほっとしたようにツバサは胸を撫で下ろす。

 

「よかった……これで大丈夫です」

「……ツバサ」

「!」

 

と、ツバサが横から声を掛けられる。バルコニーの端の方をツバサが見ると、そこには両親が立っており、ツバサの雄姿を見ていた。と、3人の姿が鳥の姿へと変わり、鳥となったツバサに両親が勢いよく抱き着く。

 

「さすが我が息子!」

「凄いわツバサちゃん!」

「ふ、2人とも……」

 

頬を擦りつけ合う程に強く抱きしめられ、恥ずかしそうにしながらも自分の努力を認めてもらえたことを嬉しく思うツバサ。と、両親の動きがツバサを抱きしめた状態で動きを止める。

 

「あんなにも立派なものを作るなんて……」

「ツバサちゃんの夢がどんどん大きくなって、街を守れるほどに広がったのね……」

「……僕の夢が……」

 

2人の目には涙が浮かんでおり、ツバサが夢を追い求め、これほどまでに大きく育ってくれたことに感極まっているようだった。ツバサは照れ隠しをするようにバリアが張られた空を見上げながら、

 

「……ありがとう。父さん、母さん」

 

と、礼を言う。そしてツバサ達が城の中へと戻ると、ある用事があったとのことで別行動を取っており、それを終えてツバサを迎えに来たあげはとヨヨに呼ばれ、ソラとヤクモを呼びに行っていたましろとも合流し6人は玉座の間へと移動する。そこには王様夫妻とエルの他に、シャララとアリリ、ベリィベリーの姿もあった。王様がツバサに事の次第を報告するように促すと、ツバサは一度頷き、無事にバリアが張れたことを報告する。

 

「キラキラエナジーのバリアはアンダーグエナジーを無効化し、敵の侵入や外からの攻撃も防ぐことができます」

「この光の結界があれば、皆安全でしょう」

「それは実に心強い。ありがとうツバサ」

 

ツバサの報告とヨヨの進言に王様も満足げに頷いて見せる。時間はかかるだろうが、これで人々の心にも希望が見えてくるだろうと。

 

「ヨヨさんのアドバイス、そしてヤクモさんの協力のおかげです」

 

ヤクモとヨヨの顔を見て、3人で笑い合う。続けて、シャララが民達の移動の進捗を報告する。

 

「もうすぐ、スカイランドの民達がこの街に移り終えます。青の護衛隊は、ランボーグを浄化する力を持ち、ここに集うメンバーもカイゼリンに立ち向かう準備を整えたところです」

「スカイランドに戻ってくれたこと……心から感謝します」

「いえ、当然の事です」

 

これから起こる戦いのため、集ってくれたプリキュア達に、王妃が感謝を述べる。

 

「お2人は用事の方は大丈夫だったんですか?」

「うん、ばっちり!」

「メイク道具も持ってきたしね」

「アゲには大事ですからね!」

「そういうこと!」

 

ここでツバサはましろとあげはが言っていた用事は大丈夫なのかと聞く。2人は問題ないと頷くが、ここでエルが悲しそうな声を漏らす。

 

「げんきないの……」

「?」

「ああ……この街に集まった民たちなのだが……」

 

エルの呟きにヤクモ達が疑問を持つと、この喜ばしい流れで言うのは少し憚られると申し訳なさそうにしながら、王様達がこの街に来た人々の様子について触れる。

 

「皆心のどこかで不安を抱えているようなのです。何か励ます手立てがあればよいのですが……」

「「「「「「……」」」」」」

 

人々にとっては疎開なのだ。不安を覚える者だって当然多いだろう。そんな彼らの心を励ますのはめでたい何かをするべきだが。

 

「うーん……ソラシド市は賑やかで皆ニコニコしていたな……」

「今日はクリスマスだからね。街を見たらどこも賑わってたよ」

「……クリスマス?スリクマスじゃなくて……?」

「「「ん?」」」

 

今日はクリスマスなのだからソラシド市、もといヤクモ達の世界が賑わっているのも当然だ。だがそれを聞いたベリィベリーが首を傾げてしまう。そして次にヤクモ達もスリクマスという聞き慣れないフレーズに疑問を抱いてしまう。

 

「スリクマスって……?」

「年に1度、子供達がプレゼントをもらう日なんだ」

「クリスマスと一緒……」

「名前は違うけど、することはどちらも同じよ」

 

ヨヨが名前が違うだけでどちらも同一のイベントなのだと説明する。確かに今のスカイランドもそういう時期ではあるのだが、情勢もあってそういったお祝い事の雰囲気にはとても入れないでいた。

 

「しかし、この状況では誰もスリクマスを祝う気分には……」

「お祝いの気持ちがないと、スリクマスの意味もありません……」

 

ソラ自身はやりたいと思っていたのか、少し不満げになりながらスリクマスを中止するしかないかと漏らす。と、その話を聞いていたエルが、

 

「パーティするの!スリクマスパーティするの!そしたら、みんなにこにこなの!」

「パーティ……」

 

と大きな声で叫ぶ。それを聞いたましろ達はちょっとだけ考えると、

 

「それいいかも!」

「こんな時こそ、パーティで気分アゲていかないと!」

「ナイスアイデアです!プリンセス!」

「えっへん!」

 

エルのアイデアに乗っかることにする。ましろ達が自分の考えに賛成してくれたエルは胸を張り、誇らしげにドヤ顔をする。

 

「決まったみたいだね」

「はい!パーティの準備です!」

 

ソラとヤクモもこれからやることを理解する。そして皆でパーティをすることを決定し、早速準備へと取り掛かるのだった。

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