曇り空の夜のプリキュア   作:popoponpon

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第44話 鬼

 

「える太朗達は鬼ヶ島へと遂に上陸しました。そんなえる太朗達の前に、鬼ヶ島に住む鬼が現れます」

 

再開された人形劇。場面は先ほどの鬼ヶ島へと向かうところからスタートし、遂にえるタオルたちが鬼ヶ島へと上陸する。すると、あげは姫を攫った、大きな布に書かれた鬼が姿を現す。

 

「鬼は言います。何の用だと。その時、える太朗は初めて鬼の大きさを見てびっくりします。何せ鬼は山のように大きいのです」

 

成程、このためにこの鬼の絵は他の人形よりも大きくなるように仕上げられたのかと点と点が繋がったように感心するヤクモ。作ってるときはこれが親玉であることをわかりやすくするためのものだと考えていたがまさかこのような意図もあったとは。

 

「える太朗達は勇敢に、鬼にあげは姫を返せと言います。それを聞いた鬼も言います。お前たちが噂のえる太朗とそのお供達か、どれだけ強いか試してやる、と。そういった瞬間、鬼はえる太朗達へと襲い掛かってきました!」

 

鬼の絵が動き、える太朗達へと襲い掛かるように近づいてくる。エルが息を呑んで見守る中、える太朗のお供達が鬼の絵へと突進していき、激しい戦いが演じられようとしていたのだが。

 

「うわわわ!?」

 

勢いあまって鬼の絵に犬の人形を突っ込ませたソラ。すると、布が固定されていた木の棒から外れてしまい、ソラの頭にかぶさってしまう。突然の事にパニックに陥るソラ。どうにか布を外そうとするも、今両手は人形で塞がってしまっており、中々布が取れない。どうにか布の端を掴もうとするのだが、ソラが手をかけたのは、

 

「あっ、それは違……」

 

人形だけを出し、ソラ達の姿を隠すために敷かれていた垂れ幕の方。それを引っ張ってしまったことで垂れ幕が外れてしまい、その後ろに隠れていたソラ達の体がエルにばっちりわかるようになってしまった。

 

「「「「あ」」」」

「えるぅ?」

 

ソラの視界を塞いでいた布も外れたようだが、人形劇の方は完全に台無しになってしまった。エルは目の前で起こった突然のアクシデントに理解が追いついていないようで首を傾げているが、ヤクモ達の表情の方は劇を台無しにしてしまったことに対する負い目もあって冷や汗が流れていた。

 

「ご、ごめんねエルちゃん」

「み、未熟……つ、つい力が入ってしまって……」

「大丈夫、布が外れただけだからすぐに戻せるよ」

「そうだね、すぐに直しちゃおうっか」

 

申し訳なさそうにましろと顔を見合わせるソラ。ヤクモとあげははセットを修復しようと、ソラが外した布を拾い上げる。その間、またエルが不安にならないようにとツバサがエルに笑いかける。

 

「大丈夫ですよプリンセス。すぐに元通りになりますからね」

「……える」

「?エルちゃん?」

 

だがエルは突然立ち上がってしまう。興味が失せたのだろうかと一瞬考えてしまうも、どうやらそういうわけではないようで、エルはゆっくりと皆の元に歩き始める。

 

「そーら」

「!」

 

そしてエルは、ソラの名前を呼ぶ。それだけではない。

 

「ましろ」

「!」

「つばさ」

「!」

「やくも」

「!」

「あげは」

「!」

 

エルは皆の名前を呼んだのだ。そして皆の前まで歩いて立ち止まると、両手を横に精一杯広げる。

 

「ばあ!」

 

思いっきり笑顔を浮かべながら、自分の感情を一生懸命表現しようとするエルの姿。その仕草と声を聞いたましろは驚いていたが、すぐに嬉しそうに笑う。

 

「エルちゃん……ましろって!」

「ああ……!プリンセスが僕の名前を!」

「うん、ありがとうエルちゃん」

 

ツバサに至っては感激のあまり目を潤ませながら崩れ落ちてしまうほどだ。ヤクモも、自分の名前を呼んでくれたエルにお礼を言いながら、他の3人と共にエルの前にしゃがみ込む。

 

「あはは……結局エルちゃんに励まされちゃったね」

「そうだね」

 

元々エルを元気にしようと思って企画した人形劇だったが、逆に元気づけられたのはこちらだったようだ。苦笑するあげはに同意するように答えるましろ。

 

「エルちゃんに元気になってもらいたかったのに……元気がなかったのは私達でした」

「エルちゃんには敵わないね」

「はい、さすがプリンセスです」

 

だが、この人形劇を通して元気をもらえたことで、皆がより前を向くことができたのだ。それはとっても喜ばしいことだ。

 

「私たちが力を合わせれば鬼……ではなくバッタモンダーにも絶対に負けません!必ずエルちゃんを守り抜き、いつかスカイランドに戻ることができる!大丈夫です!きっと!そうですよねヤクモさん!」

「うん、絶対大丈夫さ。特効薬の存在だって明らかになったんだから」

 

エルから受け取った元気で奮起するソラ。それはソラだけではない、他の皆も同じだ。

 

「もう人形劇は必要ないみたいね」

 

そういい、笑うあげはに5人も笑って返す。人形劇は中断されてしまったが、結果としては十分と言えるだろう。と、そんな時だった。

 

「皆、スカイランドから連絡よ」

「え?」

「スカイランドから?とすると……アリリ副隊長でしょうか?」

 

ヨヨがミラーパッドをもってやってくる。スカイランドからの連絡、ということはアリリから何かあるのだろうかと推測するソラ。そしてミラーパッドを机の上にヨヨが置き、ソラ達が通信を開くと、画面の向こうにはアリリや衛兵たち、そしてスカイランドの人々の姿があった。

 

「アリリ副隊長!」

『ソラか。王様や王妃様の事はヨヨ殿から聞いた。スカイランドは大丈夫だ』

 

目が覚めるかどうかもわからない王様と王妃様。そのままであれば国民たちも不安が出てきてしまうだろうが、今は違う。ヨヨから聞いた吉報を受け、スカイランドの方でも人々は希望を持ち始めているのだそうだ。

 

『そっちも、プリンセスを頼んだよ』

 

画面が移動していき、その場に集まってくれた人々を移していく。そして画面にベリィベリーが映ると、彼女からのエールが飛んでくる。スカイランドの人々の努力のおかげで、向こうの世界に問題はなくなった。後は、こちらがエルを守り、バッタモンダーとの戦いを制し、薬を完成させるだけ。憂いを1つ断つことができたソラ達は、ベリィベリーの言葉に強く頷くのだった。

 

「……ん?」

 

そして通信が閉じられ、あげはが視線を窓の外に向ける。するとそこには様々な小鳥が窓の外におり、各々が鳴いていた。

 

「うわ、何!?」

「僕の友達ですよ。昨日戻ってきたときに何匹かに会ってバッタモンダーの事とか話したんです」

 

それを見たツバサが窓を開け鳥の姿になる。昨日の今日だ、戻ってきたことを喜んで皆会いに来てくれたのかと呑気なことを考えていたのだろう、鳥の姿に戻るまでは笑ってたツバサだったが、鳥たちの話を聞いている内に顔色が悪くなっていく。

 

「……え!?公園にバッタモンダーが!?」

「「「「!!」」」」

 

鳥たちがツバサに伝えたのは、バッタモンダー出現の報せだった。まさか1日で既にこちらに来ていたとは。それよりも、バッタモンダーがいるということは何をするかわからないということ。ヤクモ達は顔を見合わせると、

 

「急ぎましょう!公園に!!」

「うん!」

「バッタモンダーの自由にさせるわけにはいかない!」

 

虹ヶ丘家を飛び出してバッタモンダーがいる場所へと走り出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4人が鳥たちの教えてくれた公園へと到着すると、バッタモンダーは公園の中にあった巨大な鬼のようなオブジェの上に立っていた。

 

「やあ、待ちくたびれたよ」

「あそこだ!」

「!バッタモンダー!!」

 

それに気付き指差すツバサ。それを見てましろが声を上げるも、バッタモンダーは優しい表情を見せるのみだ。無論、それが見た目ほどの意味を持っていないことは既に4人は知っている。

 

「あいつが……!」

 

バッタモンダーの姿を遠く離れた茂みの中からエルを抱えながらあげはが見る。スカイランドを滅ぼしかけ、王様達に呪いをかけた張本人、さらにカバトンと同じ勢力と彼よりも極悪そうな見た目をイメージしていたが、実際は一見青年にすら見える程の見た目だったのだ。だが、彼の優しい声が明らかに本性を無理やり隠しているかのような作り物だということはあげはにもすぐに見破れた。

 

「……ってか、やっぱりエルちゃん。危険だから来ない方がよかったんじゃ……」

「えうえう!」

 

バッタモンダーの目的はエルだ。やはりこの場にエルを連れてこない方がいいのではないのかと問うも、エルは首を横に振る。意地のようなものまおるかもしれない。だがやはり、エルの本当の気持ちは、

 

「そっか、皆と一緒がいいか」

「えう」

 

あげはの言葉に頷くエル。その様子を見て、観念したようにあげはも皆を見る。

 

「プリンセスを狙ってきたんですね……!」

「いいや?……まぁ、一応そういう目的で来てはいるから嘘ではないんだけど、それよりも君たちさ……プリキュア!」

「「「「!」」」」

 

やはりプリンセスを狙ってきたのか。それがアンダーグ帝国の目的なのだからと考えていたが、バッタモンダーが告げたのはエルではなくプリキュアという言葉。

 

「カモン!アンダーグエナジー!!」

「ランボーグ!!」

 

バッタモンダーが放つアンダーグエナジーが鬼のオブジェへと宿り、鬼の姿をしたランボーグとなる。公園に突然現れたランボーグが金棒で地面を勢いよく砕くと、それを見た公園にいた人々が慌てて逃げ出す。公園から人々がいなくなっていくのを横目に、ヤクモ達はプリキュアへと変身する。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグの腹部にある黒い円からエネルギー弾が発射される。それを避けるようにジャンプし、そのままの勢いで蹴りを放つスカイ。だがランボーグは金棒でそれを受け止めると、そのまま金棒を振りぬいてスカイを吹き飛ばしてしまう。

 

「きゃああああ!?」

「スカイ!!」

 

即座にクラウドが雲を生成して飛んでいくスカイの進路上に投げる。スカイの体が雲に受け止められる。

 

「た、助かった……!クラウド!!」

「!」

 

スカイが助かったのもつかの間、ランボーグが次に狙いを定めたのはスカイを助けるために行動を起こしたクラウドだった。勢いよく振り降ろされた金棒を雲で受け止めるも、金棒の勢いを殺すことはできずそのまま腕で受け止める。雲が間でクッションになってくれたことで威力は殺されているが、ランボーグの純粋な腕力がクラウドを圧し潰そうとする。

 

「させるか!」

 

だが、横からウィングが割り込んでランボーグを吹き飛ばす。

 

「ランボーグ!」

「今です!スカイ!プリズム!」

「はい!」

「うん!」

 

吹き飛んでいくランボーグに光弾を次々と放ち、スカイも雲から降りて再び走り込む。だが、着地したランボーグは金棒をバットのように振り回すとプリズムの光弾を次々と打ち返してくる。

 

「うわ!?」

「わわわ!?」

「くっ!?」

 

これにはたまらずスカイも動きを止めてしまい、ウィングと共に回避に専念せざるを得なくなる。クラウドも自分に向かって飛んできた光弾を雲で包み込んで受け止めるも、打ち返された攻撃への対処をしている間にランボーグはエネルギー弾による弾幕をこちらへ放ってくる。

 

「アンブレランス!」

 

咄嗟にランボーグへと突っ込みながらアンブレランスを広げるクラウド。エネルギー弾は扇状に広がっており、発射口の部分さえ潰せば皆に攻撃が当たることはない。その読みは正しく、アンブレランスに叩きつけられていくエネルギー弾の手ごたえを感じながら、クラウドは皆が立て直す時間を稼ごうと試みる。だが、

 

「ランボーグ!!」

「うっ!?」

 

ランボーグの方は両腕が自由なまま。金棒をクラウドの真横に向かって振り抜くと、クラウドの体が勢いよく吹き飛ばされてしまう。

 

「クラウド!?」

「ランボーグ!!」

 

クラウドが吹き飛ばされたことでエネルギー弾を遮るものはいない。クラウドに意識を取られ、3人の不意を突いた攻撃がプリキュア達をまとめて吹き飛ばしてしまう。

 

「うわあああああ!!」

「「きゃああああ!!」」

 

吹き飛ばされた3人だったが、空中でどうにか態勢を立て直して着地する。タイミングが遅れ、ランボーグに吹き飛ばされたクラウドもその近くに落ちてくる。

 

「く……スカイランドで戦ったランボーグよりも手強い……!」

「クラウド、大丈夫ですか!?」

「うん、不意は打たれたけどまだまだ戦え……まずい!」

「「「!」」」

 

だが、4人が再び動くよりも前にランボーグは既に山なりにエネルギー弾を発射しており、雨のようにエネルギー弾がプリキュアに降り注ぐ。その一撃は地面を砕き、土煙を巻き上げながら破壊音を響かせていく。

 

「皆!?」

「えるぅ!?」

 

直撃。それを悟らされ、あげはとエルの表情に焦りが浮かぶ。ばらばらになっていく遊具や砕けていく地面を見ながら、バッタモンダーはいかにも嘆かわしいとったような悲し気な仕草をしながら面白くてしょうがなさそうな声を漏らす。

 

「あぁ、滅茶苦茶だぁ。これじゃあまるでスカイランドのようじゃないか!王と王妃が倒れ……護衛隊の隊長も消えてしまって……弱いってなんて可哀そうなんだ」

 

土煙が晴れれば、そこには地に伏した4人のプリキュアがいる。もう少しでその姿が拝めるとバッタモンダーは内心ウキウキでその瞬間を待っていた。だが、その瞬間は訪れなかった。何故なら、

 

「……ん?」

「あ!」

「える!!」

 

土煙が晴れた先で4人は立っていたからだ。クラウドが天に向かって伸ばした腕の先にはクラウドプロテクトが展開されていた。だが、それを見たバッタモンダーは思わず困惑してしまう。クラウドの必殺技であの攻撃を防いだというのは理屈としてわかる。しかし、スカイランドで見たあの技にそこまでの防御力は確かなかったはずだ。であればどうやって。

 

(……これがアンダーグエナジーを用いた攻撃じゃなければ危うかったな)

 

それはクラウドの新たな力、アンダーグエナジーの吸収能力によるものだった。クラウドプロテクトのフィルターによってエネルギー弾の威力を限界まで削りつつ、アンダーグエナジーをクラウド自身に吸収させる。その行動によってクラウドはランボーグの必殺攻撃から皆を守り切ったのだ。

 

「ど、どうやって……」

「悪いが、お前が思ってるほど俺達は弱くないんだ」

「その通りです。スカイランドは決して弱くなんてありません!皆、希望を胸に前に進もうと頑張っている!それは私達も同じです!前に向かって進むだけです!」

 

クラウドプロテクトを消したクラウドの発言を引き継ぐようにスカイが啖呵を切る。それを聞き、皆の無事にほっとしながらあげはも嬉しそうに笑う。

 

「皆……」

「……すかいー!ぷりずむー!くらうどー!うぃんぐー!!」

 

そんな4人を見て、エルもプリキュアの名を応援するように叫ぶ。自分たちの名を呼んだエルの声に、クラウド達も頼もしそうに笑う。だが、そんな光景が面白くないのだろう、バッタモンダーは白けたような顔を一瞬見せると、

 

「教えてあげるよ、どんな希望があろうと強さの前では何の意味もないって事を……やれ、ランボーグ!」

「ラン、ボーグ!!」

 

ランボーグに攻撃命令を下す。主からの命令を受けたランボーグがジャンプし、金棒を叩きつけようとしてくる。しかし、

 

「強さだけが全てじゃないよ!」

 

クラウドが手を動かすと、先ほど打ち返されたプリズムの光弾を受け止め、包み込んだまま漂っていた雲がランボーグへ向かって飛んでいく。

 

「今だ!」

「煌け!!」

 

ランボーグの眼前まで飛んで行った雲の中から閃光が放たれ、ランボーグの視界を塗りつぶす。それによってプリキュアを見失ったまま着地したランボーグに向かい、ウィングが空中から攻める。

 

「僕達にはまだできることがある!!」

 

鋭い蹴りが金棒を弾き飛ばし、ランボーグは得物を失ってしまう。

 

「たとえ僅かな光でも……」

「希望の光は心と拳を無敵にしてくれるんです!」

 

続けざまに仕掛けるスカイとプリズムの連続攻撃を受け、よろめくランボーグ。その体勢を崩すため、ウィングとクラウドが同時にランボーグを殴りつけて転倒させる。

 

「ランボ-グ!?」

「今です!!」

 

ウィングの言葉にスカイとプリズムが頷くと、スカイミラージュを取り出す。

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!!」」

「スミキッター……」

 

体勢を崩したランボーグがこの攻撃を避けることはできず、2人の技の直撃を受けて浄化されていく。今までであればこれで終わりだ。しかし、今はランボーグを浄化した際に生じるキラキラエナジーにも用がある。スカイはミラーパッドを取り出すと、

 

「ミラーパッド!」

 

キラキラエナジーをミラーパッドへと吸収していく。

 

「オッケー!」

 

ちゃんとミラーパッドにキラキラエナジーが入ったのを確認するスカイ。そしてランボーグの完全な浄化が終わり、壊れた公園が修復されていく。

 

「あ、ありえねぇ……!?こんな弱いやつらに負けるなんて……!絶対俺の前に跪かせてやるからなぁ……!!うぁあああ……!!」

 

4人がバッタモンダーを見ると、目に見えてわかるレベルで狼狽していた。そんな4人の視線に気が付いたのだろう、平静を取り繕うと、

 

「おっと僕としたことが……君たちの奮闘ぶり、とても素晴らしかった……また会いに来るよ。次はちゃんと仕留められるようにね……バッタモンモン」

 

バッタモンダーの姿が消えていく。それを確認し、4人も変身を解くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、エルちゃん」

 

戦いが終わり夕方。虹ヶ丘家へと戻る途中、ましろは今日の出来事のお礼をエルに言う。

 

「私は、エルちゃんにも元気をもらってばかりです」

「えーるぅ」

 

嬉しそうなエルを見て、皆笑う。と、そんな中、

 

「あうぅ、あうぅ」

「?もしかして歩きたいの?」

「あうぅ!」

 

エルがあげはに何かを訴える。それが歩きたいということなのかと聞くと、エルは正解と言わんばかりに声を上げる。そして地面にエルを降ろす。

 

「えーうえうぅ」

 

歩きながら、エルは何かを歌っているようにも聞こえる。それが、桃太郎の歌のフレーズだと気付いた5人は顔を見合わせると、ご機嫌な様子で歌うエルの後を歩くのだった。

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