翌日。ファッションショーが行われる会場を訪れたあげは達。まだショーが始まる時間には早いこともあり、人はまばらではあったが、既に会場は綺麗にライトアップされており、煌びやかな雰囲気を漂わせていた。だがそれも最初だけ、徐々にショーが始まる時間が近づくにつれて女性を中心とした観客たちが会場を埋めていく。
「「「「キャー!!」」」」
観客たちの黄色い悲鳴が上がる。ステージに素敵なファッションに身を包んだまりあとかぐやが現れたのだ。2人は観客たちに自分達の着こなしをアピールしながらステージを歩いていく。その格好良くも美しい姿に、観客たちに交じってファッションショーを見ていたましろとソラは感激したように見惚れており、ヤクモとツバサも初めて見るファッションショーの雰囲気を楽しんでいた。そしてステージの裏では、
「わぁ……かわいい!」
昨日かぐやに見せてもらったドレスを身に付けたエルが嬉しそうに感想を述べていた。その様子を見たあげはもついつい頬が緩んでしまう。
「あは……エルちゃん!ラブ!超似合っている!!」
「えへへ」
心底嬉しそうな声を上げるあげはの言葉を聞いてエルも照れたようにあげはを見上げていた。と、そこに加古が現れて2人に声をかける。
「そろそろ出番よ!」
加古の言葉にあげはは頷くと、ステージの方を指差すとエルにこれからやることを優しく話しかける。
「エルちゃん、あのお姉ちゃん達の所まで歩いていくんだよ」
「あい!」
「今よ!」
元気よく頷くエル。加古がエルが出て行くタイミングを見計らい、その合図を出す。それを受けて、
「レッツゴー!」
「ごー!」
あげはがエルの背中を優しく押し、エルもステージの方に上がっていく。かぐやの作ったドレスを着てステージに現れたエルを見た観客たちはその愛らしさを見て大盛り上がりを見せる。しかし、楽しそうにステージまで出て行ったエルの表情が、観客たちを見るうちにだんだん堅くなっていってしまう。まりあとかぐやの元までエルは歩いて行ったが、
「える……」
観客たちの姿を見て、エルは不安そうな声を漏らしてしまう。多くの人たちに自分の姿を見せる機会はあったが、このファッションショーで皆が向ける目は喜びや嬉しさというものではなく、どちらかというと好奇の目線だった。慣れない視線に気付いてしまったエルは不安のあまり、怯えたように後ずさってしまう。
「あ……」
それを見たあげは、エルが怖がっていることにすぐに気付く。まりあとかぐやも、エルが泣きそうな様子になっているのに気付き、エルを安心させようとしゃがみながら声をかける。
「大丈夫だよ、怖くないよ」
「スマイルスマイル!」
エルが泣かないように声をかけるが、エルの表情は暗いままだ。今にも泣きそうなのを必死に我慢している彼女の姿を見かねたのか、なんとあげはがステージの裏から飛び出してくる。
「エルちゃん!」
「「「「!?」」」」
エルの様子に気付き、観客席から不安そうに見ていた4人もあげはの姿に気付き驚きの表情を浮かべる。他の観客たちも突然の乱入者に驚いて静まり返ってしまっている中、あげはは3人の元へと駆け寄ってくる。
「まり姉ちゃん、かぐ姉ちゃん、任せて!」
2人に変わると言うと、あげははしゃがみ込み、エルに話しかける。エルも、あげはが来てくれたことにちょっと安心したのか、少しだけ和らいだ表情であげはを見上げる。
「エルちゃん、見て?あの雲、兎さんみたいじゃない?」
あげははエルに空を見上げるようにと語り掛ける。エルが空を見ると、そこにはあげはの言うように兎のような形をした雲が浮かんでいた。
「……!うささん!」
それを見たエルの表情がぱあっと明るくなる。それを見て、あげははもっとエルを楽しい気持ちにさせるために、羊のような形をした雲などを指差していく。次第にエルの方も楽しそうに、
「くまさん!」
「ほんとだ、大空の動物園だね」
他の動物に似ている雲を見つけ始める。その様子を見て、まりあとかぐやもあげはの手腕にほっとしたように、そして嬉しそうに微笑む。だが、
「あ、あげはちゃーん……ショーの途中だよ……」
あげはの耳にましろからの声が聞こえてくる。エルが泣きそうになっているというところを見ていたのもあり、観客たちも多少ざわめきこそあったが静かにしていたことや、加古らの計らいもあってステージのすぐ近くに陣取ることができていたため、あげはとの距離も近くなっていたこともあり、ましろの言葉はちゃんと届いていた。その言葉にあげはも、エルのことでついつい頭の中から飛んでしまっていたがそういえばショーの途中だったと気付く。
「「「……」」」
何となくショーが中断してしまった理由を観客たちも察していたが、いつショーが再開するのか待っているようだった。ついつい飛び出してきてしまったが、これは2人のファッションショーだ。そこに部外者が飛び込んできたという事実は変わらない。
「やば……やっちゃった。こんな時は……」
自分が何をしていたのかに気付き、てへぺろと舌を出してちょっと誤魔化して見せるあげは。確かに自分が乱入して皆を動揺させてしまったことは事実。ではこんな時どうするか。大人しく舞台裏に引っ込むか?いやそれはない。せっかくエルが立ち直ってくれたのに、ここで自分が部外者だからといなくなってしまえばまたエルは不安になってしまうかもしれないのだ。となれば、あげはが取る選択は1つだけだった。
「思いっきり楽しんじゃおう!」
「「!」」
そう言い、ポーズをとるあげは。それを見たまりあとかぐやはあげはの言わんとしていることを理解したのだろう。2人は観客たちに向かって、ポーズを取りながら宣言する。
「とっても可愛い飛び入りゲストね!」
「私達がもっともっと可愛くしちゃお!」
まりあとかぐやの発言と、堂々としたあげはの様子を見て、彼女もショーの登場人物なのだと皆考えたのか段々ざわめきが落ち着いてくる。おそらくエルが泣きそうになってしまったので本来の登場タイミングを前倒しして出てくることになったのだろうと。そして裏では加古も3人に合わせ、そういうものにするべくショーを再開する。
「カモン、ミュージック!」
裏で音響がBGMを流していく。そんな中、まりあとかぐやはメイク道具やアクセサリーを取り出しあげはをどんどんおしゃれしていく。その様子は傍から見れば、カリスマモデルの2人が実際にメイクを施していくパフォーマンスにしか見えず、もう一人の主役であるエルの嬉しそうな様子も相まってショーは大盛り上がりを見せていく。そして観客たちが湧きたつ中、4人が舞台裏へと戻っていくと、興奮が静まらない中、観客たちは次のアナウンスを待っていた。
「あげはちゃん、凄かったね!」
「はい!すっごく綺麗で、かっこよかったです!」
「どうなるんだろうって不安だったけど……さすがだよね」
「全くです」
ヤクモ達も、ファッションショーの成功を見届けてほっと胸を撫で下ろしていた。エルもすっかりモデルとして大活躍しており、きっといい経験になっただろう。そんなことを考えている中、舞台裏ではあげはが姉たちに突然飛び出してきたことを謝罪していた。
「ごめん、急に飛び出しちゃって」
「ううん」
「気にしないで、助かっちゃったから!」
しかし、あげはのフォローのおかげでショーは成功したのだと2人はあげはに感謝する。そんな感謝の言葉にあげはもほっと胸を撫で下ろしながらステージの方を見ると、加古がマイクを手に現れ、ファッションショーの終了を宣言していた。
「ソラシドプリティコレクションは終了しましたー!どうぞ皆さんお気をつけてー!」
アクシデントはあったがこれにて一件落着。そう皆が思っていた中だった。突然空からミノトンが現れてステージの中央に着地してきたのは。
「あれは!?」
「ミノトン!?」
突然現れたミノトンに全員が驚きと共に釘付けになる。ヤクモ達も、このタイミングで強襲してきたミノトンを前に表情が険しくなる。ステージの裏からあげはもミノトンの姿を見つける。
「……きゃああああああ?」
加古は少しの間フリーズしていたが、突然現れたミノトンの姿を視界に捉えると、マイクを投げ捨てて悲鳴を上げてしまう。観客たちも突然の闖入者に混乱ざわめき立っている中、ミノトンは不敵な笑みを浮かべる。
「遊びは終わりだ。来たれ、アンダーグエナジー!!」
アンダーグエナジーを照明へと注いでいく。照明が巨大化し、無数のコードがタコの脚のように伸びた姿のランボーグとなる。
「ランボーグ!!」
「ぎゃあああああああああ!?」
目の前で生み出された化け物に加古が絶叫を上げる。ミノトンは観客達を一瞥すると、
「巻き込まれたくなければさっさと逃げろ!!」
強く警告する。ミノトンの警告に蜘蛛の子を散らすように観客やスタッフたちが逃げ出す。逃げる皆の邪魔にならず、視界に入らないように舞台のセットの陰まで移動してきた4人の下に混乱に乗じてスタッフたちに紛れて舞台裏から出てきたあげはも合流する。
「皆、ヒーローの出番だよ!」
「「うん!」」
「「はい!」」
5人はミラージュペンを手に、プリキュアへと変身する。そしてミノトンとランボーグの前に向かおうとするのだが、その舞台ではランボーグを前にして腰を抜かしてしまい、尻もちを付いてしまっている加古の元にまりあとかぐやが彼を助けようと駆け寄っていた。
「あわわわ……」
「カッコーさん!」
「大丈夫!?」
「まりちゃん!?かぐちゃん!?逃げて!!私の事はいいから!」
2人に早く逃げろと促す加古。しかし、完全に動くことのできない加古を放っておいて逃げ出すことなんて2人にはとでもできない。
「カッコーさんを置いていけるわけないでしょ!?」
2人は何とか加古を運ぼうとしていると、その横に威嚇の如く、ランボーグが脚を叩きつける。
「「「きゃああ!?」」」
「……早く来い、プリキュア。ここにプリンセスがいる所は既に見ている……となればお前たちもいるはずだ。ランボーグは既に待ちかねているぞ」
「ランボーグ!!」
ランボーグがイライラを態度で示すように脚をセットに叩きつける。それによってセットが砕け、その音に3人は思わず低くして身を守るように姿勢を低くする。ミノトンとしても無関係な人物を巻き込もうというつもりはないし、そのための警告もする。だが、そのうえで残った人物に対してまでは考慮するつもりはない。だからといって弱者を甚振る真似こそしないが、戦闘に巻き込まれたところでそこまでは面倒を見るつもりはない。それがミノトンの線引きだった。
「……耳障りだ。動けぬなら追い出してしまえ」
とはいえ、プリキュアもまだ来ず、そして悲鳴をいちいち上げる3人の姿も不愉快に映ったのだろう。ミノトンがランボーグに指示を出すと、速度は大分抑え目だが3人をこのステージから追い払おうと自分の体を支える分を除く全ての脚を3人に向かって放つ。3人が恐怖のあまり目を閉じてしまっていたが、自分達にいつまでも衝撃が来ないことに気付き、恐る恐るといった様子で目を開ける。そこには、プリキュア達の姿があった。ランボーグの脚は5人にそれぞれ受け止められていた。それでも受け止めきれない分はクラウドの作り出した雲の壁によって受け止められていた。
「皆、楽しんでアゲアゲだったのに」
ドスの効かせた声音で怒りを込めながら言葉を漏らすバタフライ。その言葉を聞いたミノトンはバタフライの発言を一蹴する。
「楽しい?楽しさなど無用だ!」
「皆のアゲアゲな気持ちを、サゲんな!!」
「ぬっ!?」
「ランボーグ!?」
バタフライの怒号と共に5人がタイミングを合わせ、ミノトンに向かってランボーグを投げ飛ばす。ミノトンはランボーグを受け止める素振りを見せるが、プリキュア達の場所を移そうとしている思惑に気付き、それでプリキュアが全力を出せるのならばとその誘いに乗るように吹き飛ぶランボーグに乗り、飛ばされていく。元々ファッションショーは山と麓の森が近いところでやっていたこともあり、近くに草原や森が広がっている場所がありそこまで飛ばされていた。そこでミノトンはランボーグから飛び降りると、落ちてくるランボーグを片手で受け止めてその場に降ろす。
「ラ、ランボーグ……?」
ミノトンの手をここまで煩わせてしまったことを申し訳なく思っているのか、脚を2本擦り合わせもじもじとしているランボーグ。
「この程度では鍛え上げた我を倒すことはできんぞ」
吹っ飛ばしたランボーグが飛んで行った先にプリキュア達も後を追うように駆けてくる。ここまで場所を移せば、逃げきれずにいた加古達も安全だろう。後はランボーグを倒すだけ、プリキュア達がファイティングポーズをとる。
「お相手します!!」
「ランボーグ!!」
ランボーグが脚の先端から光線を何発も放つ。その光線を掻い潜り、スカイがランボーグに攻撃しようと接近するが、ランボーグは複数の脚の先端から放つ光線を一点に集める。光が収束すると、巨大な光線となってスカイへと放たれる。
「え!?」
細い光線であれば掻い潜ることができたが、巨大な光線を掻い潜ることはできない。咄嗟に止まろうとするも間に合わない。だがその横からクラウドが飛び込んできて、スカイを抱えて離脱する。
「スカイ!大丈夫!?」
「はい!」
「2人とも気を付けて!!」
「無暗に近づいたら駄目です!狙い撃ちされますよ!」
スカイを助けたクラウドは彼女に怪我などがないことを確認する。バタフライとウィングの言葉に2人は頷くと、どうやってランボーグに攻撃するかとランボーグを見る。確かに近づくことは難しい、それならばと、
「ヒーローガールプリズムショット!!」
「ラーンボーグ!!」
プリズムがプリズムショットで攻撃する。しかし、ランボーグは脚ではなく胴体部分となっている照明に光を集め、先ほどを超える巨大な光線を放つ。それは、プリズムショットを相殺してしまう。
「嘘!?」
「ランボーグ!!」
ランボーグは続けざまに胴体と脚から光線を連射してプリキュアを攻撃する。
「うわっ!?」
「「きゃああ!?」」
複雑に絡み合う光線を掻い潜りながら攻撃のチャンスを伺おうとするも、そのせいで回避できず次第に被弾し、吹き飛んでいくスカイ、プリズム、ウィング。バタフライは何とかその場に踏みとどまったものの、煙の中に包まれてしまう。クラウドはアンブレランスを広げて防ぐも、クラウドに対しては重点的に攻撃しているせいで動けない。
「く……」
「ランボーグ!!」
それでもすぐに体勢を立て直し走り出そうとするスカイが目に入ったのか、スカイにも再び攻撃し始めるランボーグ。スカイが顔を上げた時にはその眼前には既に光線が迫っており、回避できないと彼女が察したところでクラウドが割り込み、その攻撃を両腕を交差して受け止める。
「クラウド!」
「軟弱者共が……日々の鍛錬を怠り、ちゃらちゃらした格好で笑っているからだ!」
クラウドが立っていたところには雲で固定されたアンブレランスが放置されていた。ランボーグがアンブレランスを攻撃しているのを見て、アンブレランスだけを置いて囮にし、生身で飛び出してスカイを守ったのだ。だが、そんなプリキュア達が手も足も出せずにランボーグにいいようにやられている光景を前にミノトンも不満そうに漏らす。
「皆で笑う……最高じゃん」
「む……」
ミノトンの不満に対し、煙の中からバタフライが言う。腕を交差させてランボーグの攻撃を受け止めた彼女は、ミノトンの発言に対して反論する。
「いつも笑えるわけじゃない、苦しい時、辛い時、泣きたい時もある。でも、そんな時こそ笑顔で……皆を笑顔にするために、頑張って、頑張って!笑顔が帰ってきたら、最高なんだって教えてくれた!だから私も、そんな風になりたいんだ!」
そう言うと、バタフライがミックスパレットを手に取る。赤と黄色、2つの色を混ぜて生み出されたオレンジの光が4人へと降り注ぐ。
「守りの力、アゲてこ!」
「よし!」
「ランボーグ!」
先陣を切ったウィングへランボーグが攻撃する。しかし、ミックスパレットの力で防御力が上がったウィングはその攻撃を弾いてしまう。
「なんだと!?」
クラウドが光線を受け止めるなら納得がいく。だが、ウィングが弾くとは思っておらず、ランボーグとミノトンが驚いている中、クラウドがその隙を利用してランボーグへと接近する。そして無数の雲を放つと、それは脚の先端や照明を包んだり塞いだりしてしまい、光線をうまく出せなくなってしまう。
「ラ!?ランボーグ!!」
クラウドの行動に驚きながら光線で反撃しようとするランボーグ。だが、光線は雲を通過してあらぬ方向へと飛んで行ってしまう。
「何!?」
光線を出せないように塞いでいるのでは破られる可能性がある。しかし、光線を敢えて逸らすようにすることで雲は完全に破壊されず、さらに光線のアンダーグエナジーを浄化し、そのまま雲を再生する活力へと変換する。それにより、ランボーグに雲を破ることはできなくなってしまう。
「今です!!ヒーローガールスカイパンチ!!」
クラウドによって封じられたランボーグへと放たれるスカイパンチ。その一撃がランボーグを吹き飛ばす。
「今です!ウィング!バタフライ!」
そしてスカイの言葉を合図に、バタフライが再びミックスパレットを起動させる。
「プリキュア・タイタニックレインボー・アタック!!」
「スミキッター……」
ウィングとバタフライの連携により、ランボーグが浄化される。この戦果にはミノトンもどこか嬉しそうな様子であり、不敵な笑みを浮かべる。
「中々やるな……そうでなくては。我も更なる鍛錬に励むとしよう、ミノトントン」
次の戦いに備え、消えるミノトン。バタフライ達はミノトンがいなくなったのを確認し、会場の方へと戻っていく。そこには、元に戻った会場と、ランボーグとミノトンがいなくなったからかちらほらと観客たちが戻っている姿があった。その中に、心配になって戻ってきたという体を取り繕いながらあげは達もまりあ達の元へ駆け寄る。
「まり姉ちゃん、かぐ姉ちゃん、カッコーさん、大丈夫?」
「私たちは大丈夫。カッコーさんがちょっと腰抜けちゃってたけど……今は平気みたい」
まりあから簡潔に説明を受ける。加古も腰をやっていたようだが今では元通りと言ったように立っている。皆に心配を賭けちゃったことを加古は謝りながら、
「なんだかよくわからないけど……エルちゃん。おかげでショーが凄く盛り上がったわ。どうもありがとう!」
しゃがみ込んで今日のショーの主役になってくれたエルにお礼を言う。
「エルちゃん、素敵だったよ!」
「正直、ファッションのことはまだあまりわからないんですが……でもすっごく感動しました!」
「皆、大喜びだったよ。頑張ったねエルちゃん」
「さすがです、プリンセス!」
「エル、すごい?」
「はい!とっても!」
ツバサ達も、エルに労いの言葉をかけていく。エルがもっと自分の頑張りを褒めてもらいたいとツバサに目を向けると、ツバサもそれを察したのかエルを抱いて撫でてあげる。ツバサが撫でてくれたことでエルもより嬉しそうな表情を見せる。
「ファッションショーは楽しくてめっちゃアガったよ!やっぱお姉ちゃん達は凄いね!」
「凄いのはあげはだよ」
「だよねー!」
あげはは姉達に声をかける。こんな大きなイベントをこなし、皆を夢中にさせる2人はやはり凄い人たちだと。だが、2人もまたあげはの事を凄い人物だと言う。
「私?」
「あげはがステージに出たら、泣きそうになってたエルちゃんも笑顔になって、周りにいた子達もノリノリで踊ってた」
「皆すっごく楽しそうにね」
「モデルのあげはもいいけど、やっぱ保育士さんだね!」
「なるっきゃないよね、最強の保育士に!」
「うん!絶対なるし!」
2人の言葉を聞いて照れながらも、3人は手を重ねる。
「お互い頑張ろう!」
「自分も皆も笑顔にね!」
「全力でアゲてこ!」
「「「イェーイ!」」」
これからも、それぞれの未来に向かって。そう誓うように、3人はハイタッチを決めるのだった。