曇り空の夜のプリキュア   作:popoponpon

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第85話 ぬいぐるみ

 

「ヤッくーん、雨降りそうだから洗濯物しまうの手伝って」

「わかった」

 

昼下がり。日が出ているのであればまだまだ明るい時間なのだが、空はすっかり曇り模様であり、時間帯に対して薄暗くなってきていた。そういえば今日は天気が荒れているのをニュースの天気予報で見たなと思いながら母のあかりと共に洗濯物を取り込んでいく。そうしている間にもぽつりぽつりと雨が降り始めてしまう。

 

「やだ!降ってきちゃった!」

「ゲリラ豪雨だっけ……やばいなぁ」

 

雨はすぐに強くなっていき、耳には雨が勢いよく降るとにかく洗濯物が濡れる前に2人は洗濯物をしまい始める。そして作業が終わると、母は洗濯物を干し直すために家の中に入っていく。ヤクモは庭に何か出したままにしてないかと玄関から傘を取り出して軽く庭を見ていると、

 

「……ん?ソラさん?」

 

塀の外に全力で走るソラの姿が見えた。

 

「ソラさん!」

「!!」

 

必死に全力疾走しているソラに気付き、思わず声をかけるヤクモ。背後から声をかけられたソラはその場でぴたっと止まるが、膨らんだリュックサックを背負っているのを見るに買い物帰りのように見える。だが傘などは持っておらず、濡れる雨の中、帰ろとしていたように見える。

 

「ヤクモ……さん」

 

振り向いたソラの顔色は白かった。夏場とはいえこの雨だ、体が凍えてしまっているのだろうと考えたヤクモはまずソラを傘の中に入れることにする。

 

「大丈夫?雨……」

「や、ヤクモさん……」

 

ソラの声は震えていた。そんなに寒いのだろうかと一瞬思ったが、どうもそうじゃないように見える。何かに怯えているような様子だとヤクモが気付いた瞬間だった。ソラがヤクモに急に抱き着いたのは。

 

「わっ!?」

「う、うぅ……」

「……ど、どうしたの?」

「……に、人形が、人形が……」

「……?」

 

恐怖に震えるような声でヤクモにそう説明するソラ。人形と言われてもよくわからなかったが、ソラは混乱しているようにも見える。とりあえず、今の濡れたままのソラを放っておけるわけもなかったため、

 

「とりあえず濡れてるし、雨も少ししたら止むだろうし家にあがってよ」

「は、はい……」

 

ソラに家にあがるようにと言う。ここでソラはどうやら偶然ヤクモの家の前を通って帰ろうとしていたことに気付いたようだ。それほどまでに夢中で走っていたようだった。ヤクモに玄関まで案内され、家の中に入ってタオルを取ってきたヤクモがソラにタオルを手渡す。

 

「はい、これで雨拭いて」

「あ、ありがとうございます……」

 

タオルで体を拭き始めるソラを見て、キッチンの方に入ると、ホットココアを入れてタオルで体を拭き終わったソラの所に持っていく。ソラも温かいココアを受け取って一口飲むと、ふぅと、落ち着いた様子で大きな溜息を吐く。

 

「はぁ……温かい……ありがとうございますヤクモさん……」

「よかった、落ち着いたみたいで……それで、どうしたの?人形がどうって言ってたけど……」

「……それが……」

 

いまだにそのことを思い出すと恐怖が出てぞわぞわするのか体を震わせるソラ。そんなソラの背中をさすってあげながらヤクモが続きを促すと、ソラの方も少しずつ、先ほどあったことを話すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤクモの家の前を通る少し前。お使い帰りに急な豪雨に襲われたソラは、すぐに走って帰ろうとしていた。しかしその途中で人気の全くない洋館を発見し、申し訳ないと思いつつも雨が止むか、もしくは弱まるまでそこでお世話になろうと玄関に雨宿りしていた。

 

「急に降ってくるなんて……傘を持ってきてれば……」

「こっち」

「……ん?」

 

暫く動けないなと考えながら雨を見ていたソラだったが、背後から突然声が聞こえてくる。もしかしてここには他に誰かいるのかと周囲を見渡すも、生き物の気配はない。

 

「……どなたでしょうか?」

「こっちだニャン」

「……あっ」

 

声は、扉の奥から聞こえてきた。人がいないとソラは思っていたが、そうではなくちゃんと住人がいるのかもしれない。その住人が、ソラが来たことに気付いて家の中に入っていいと言ってるのだろうか。そんなことを考えていると、扉が開く。

 

「助かります!お邪魔しまー……す……?」

 

住人の救いの手に喜びながら家の中へと入っていくソラ。しかしすぐに異変に気付く。家の中は埃が積んでおり、内装も生活感はおろか、家具すら存在しないと言う有様だった。まさか誰も住んでいないのだろうか、じゃあ今の声の主は一体。そう思いながら視線を動かしていると、窓の傍に倒れていた人形が目に入る。

 

「ぬいぐるみ……猫さん!可愛い!」

 

ソラがぬいぐるみを起こしてあげると、それは猫のぬいぐるみだった。こんな状況の家に置かれていたためか少々埃をかぶっていたが、それでも可愛いデザインにソラも喜びの声を上げていると、落雷の音が聞こえてくる。

 

「……え」

 

落雷の音。それと共に、ソラの目の前で信じられないことが起こる。なんと人形が、いきなりひとりでに立ち上がったのだ。

 

「連れてってにゃー」

 

愛らしくソラに語り掛ける猫のぬいぐるみ。しかし、それを見たソラは顔面蒼白になっていってしまい、そして、

 

「しゃべったあああああああ!?」

 

悲鳴を上げて建物から飛び出してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そ、そんなことが……」

 

話していてさっきの恐怖体験を思い出したのだろう、恐怖で震えるソラ。その話を聞いたヤクモは少し難しそうに頬を掻きながら、玄関に座るソラの隣に座っていたが、

 

「とりあえず、雨が止むまでここにいなよ」

「ありがとうございます……助かりました……うぅ、今からじゃ1人で帰れません……」

「あ、はは……ま、まあ後でついていくよ……」

 

とりあえず雨が止むまで家に居ていいと言うとソラも心底安堵したような声を漏らす。と、2人で談笑していると、洗濯物の処理が終わったのかリビングからあかりが顔を出す。

 

「あら、ソラちゃん、いらっしゃい!」

「あ……すみません、お邪魔してます」

「ふふ、いいのよ別に。それより雨、大変だったでしょう?」

「そうですね……急に降ってきてしまって」

 

あかりに話しかけられ、ソラも元気よく返事を返す。ぬいぐるみとの遭遇で震えていたが、ヤクモやあかりのおかげで立ち直ってきたようだ。と、あかりはソラの服を見て、

 

「ソラちゃん、その恰好だと風引いちゃうわよ?シャワー浴びた方がいいわよ」

「え!?でも、そこまでお世話になるわけには……」

「いいのいいの、風引いちゃう方が問題なんだから!」

「え、えっと……」

 

ソラにシャワーを浴びるようにと言う。そこまでしてもらうわけにはいかないとソラは慌てていうも、あかりの厚意を無碍にもしづらいのか、申し訳なさそうにヤクモを見る。ヤクモは母の言う通りだと頷きながら、

 

「全然かまわないよ。ソラさんが風引く方が問題だから」

「あ、ありがとうございます……それじゃあ、シャワー借りさせてもらいます」

 

2人に頭を下げ、あかりに案内されソラが家の奥へと入っていく。それを見ながら、ヤクモはましろにメッセージを送る。すると、ましろの方も事情を理解したという旨のメッセージを返してくる。メッセージを送った後、一旦リビングの方で時間を潰していると、洗濯機が回る音が聞こえてくる。シャワーを浴びている間にソラが着ていた服の洗濯をしているのだろう。そして洗濯機が動いて少ししてから、あかりがリビングに戻ってくる。

 

「ヤッ君、ソラちゃんと何かあったの?」

「え?何って?」

「さっき、凄く楽しそうに話してたから……何かあったのかなあって」

「……まあ……何かあったといえばあったけど……」

 

あかりの好奇心からの質問にヤクモも少し誤魔化しながら言う。あかりはヤクモのその返答を聞くと、どこか嬉しそうな様子を見せると、

 

「そっか。あ、ちょっと私買い物に出ちゃうから、後よろしくね」

「え?あぁうん……」

 

そう言うと身支度を整えて家を出て行こうとする。そして玄関を開けようとしたところで、

 

「そういえばヤッ君、ソラちゃんのぬいぐるみが落ちちゃってるけど……」

「え?ぬいぐるみ?」

「玄関に上げておくから~、それじゃあ行ってきまーす」

「ああうん、行ってらっしゃい」

 

母の言葉に首を傾げながら出て行く母に返事を返すと、ヤクモは玄関へと向かう。そこには、猫のぬいぐるみが座っていた。玄関に落ちていたのを母がわざわざ座らせたのだろう。

 

「……この人形がソラさんが言っていた?」

 

少し埃などを被っているが、それを除けばまだまだ十分綺麗だろう。ほつれなどもないし、軽く手入れしてあげたらまだまだいけそうだ。ソラが言っていたことも気にならないわけではないが、とりあえず玄関に置いておくわけにもいかないし、本当は無関係のぬいぐるみだったらと思うと放っておくわけにもいかない。タオルで軽くぬいぐるみを拭いてあげていると、脱衣所の扉が開かれてソラが顔を出す。

 

「……あ、あの、ヤクモさん?」

「ん?ああ、ソラさん。服は今お母さんが洗濯してるんじゃない?」

「あ、はい。そこは着替えを用意してもらって……乾くまで使ってほしいって言っていたので使わせてもらっているのですが……ヤクモさんは何を?」

 

脱衣所から出てきたソラの恰好は母の服を拝借していた。サイズが合ってないせいか少々ぶかぶかな所もあるが、着ているのが母の服ということで見慣れていたためあまり思わないが、それよりもシャワーから出たばかりということもあって髪を下ろしているソラの姿が新鮮なのと、普段とは違った魅力があった。暫くヤクモは固まっていたが、

 

「……あぁ、うん。このぬいぐるみが落ちてたから……」

 

といい、猫のぬいぐるみをソラに見せる。それを見たソラの顔から血の気が引いていく。

 

「あ……あ……あ……」

「?」

「なんでここにいるのおおおおおおお!?」

 

絶叫し、脱衣所の扉を閉めて閉じこもってしまうソラ。

 

「そ、ソラさん?じゃあやっぱりこのぬいぐるみが……?」

 

ヤクモはぬいぐるみに視線を戻す。何となく考えてはいたがやはりソラの言う通り、ソラが遭遇したというぬいぐるみがこの子だったようだ。

 

「だ、大丈夫だって。俺もいるから」

「う、うぅ……」

 

ヤクモがソラにそう呼びかけると、ゆっくりと脱衣所の扉を開けて弱々しくなりながらソラが出てくる。それでもぬいぐるみのことがとにかく怖いのか、距離を取っている。

 

「……やっぱり、このぬいぐるみが怖い?」

「……」

 

無言で頷くソラ。その様子から目を離し、じっとぬいぐるみを見るヤクモ。にわかには信じがたい話ではあったが、そういう経験が本当にあったならそのぬいぐるみをソラが持っていくことはないはずだろうし、そもそもソラが嘘などを吐ける性格ではないということはヤクモもよく知っている。ということは、やはり本当のことだろう。しかし、これからどうすればいいのか。そう考えたヤクモは、自分だけではなく他の皆と一緒にいた方がソラも安心するんじゃないのかと思いつく。

 

「と、とりあえず服が乾いたら、家に戻ろうっか?俺も一緒に行くからさ」

「は、はい……」

 

ぬいぐるみにちょっと置いちゃうけどごめんねと言ってリビングの隅にタオルを敷いてその上にぬいぐるみを置くと、ソラを安心させるように近くにいる。ソラもただただ恐怖を和らげたかったのか、ヤクモに抱き着いたままだった。さすがにこのような状況であれこれといったことを考える余裕もなくて、ヤクモはただソラの傍にいてあげることしかできなかったが、ソラの方はそれで充分だったのか、家にいる間はずっと安堵していた様子だったので、ヤクモの方も安心するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そんなことがあったんだ」

「それは結構衝撃的な出来事だったね」

 

どうにかソラの服が乾き、母に一言連絡を入れて虹ヶ丘家まで送り届けていた。その際にソラの身に起こった出来事を話すと、それを聞いたましろとあげはは驚いた様子を見せていた。ソラはというとぬいぐるみから離れたことや家に戻れたこともあってある程度精神が回復したのだろう、本来の明るい様子を取り戻していた。

 

「はい……うぅ、今も胸がバクバクですよ……」

「……すみませーん、これ、玄関に置いてあったんですけど、ましろさんかあげはさんのですか?」

 

そんな話をしている中、ツバサがリビングに入ってくる。研究室の方にいたようだが、外に出てリビングに向かう途中であるものを見つけたのか、何かを抱えて入ってくる。

 

「!?」

 

それを見たソラの顔がまたしても固まる。それはそうだろう。ツバサが持っているのは、先ほどまでヤクモの家にいたはずのあのぬいぐるみだったのだから。

 

「きゃあああああ?!」

「うわっぷ」

 

絶叫しながらヤクモに抱き着くソラ。その様子を見て、ましろとあげはもこのぬいぐるみがそれだと気付く。ツバサはまだ理解してないようだったが、あげはから簡単にソラの身に起こったことを説明される。

 

「えぇ……?そんなことないでしょう?」

「私、確かに声を聞いたんです!それに、この子はヤクモさんの家にも、ましろさんの家にもついてきたんですよ!!それに、連れてって言ってたんですよ!」

「でも、町はずれの洋館って空き家でしょ?」

「!?」

 

冷静に、ソラが行ったという洋館に住んでいる人はいないと指摘するあげは。そこに住んでいた人の声を聞いていたのだろうと高を括っていたのか、それを聞いたツバサの顔色が一気に悪くなる。

 

「でも、ソラちゃんが聞いたのは……」

「もしかして……ぬいぐるみの……」

「おばけー!!」

「ひゃあああああ!!!」

 

全員の視線がツバサの持つぬいぐるみに向けられる。そして全員の脳裏にその単語が浮かび上がったところで、エルが遂にその言葉を楽しそうに言う。しかしその言葉を聞いたソラは一層怯えてヤクモに体を密着させていく。

 

「……ソラちゃん、怖いの苦手なんだね」

「あ、はは……」

 

ヤクモも、ここまでのソラの反応で何となく察してはいたが、やはりソラはこういったおばけや怪談の類が苦手なようだった。

 

「あ、あの洋館に戻しに行きましょう!?」

 

ソラがそう言った瞬間。突然ぬいぐるみの耳が跳ね上がって顔を上げると、ツバサの腕から抜け出すように飛び出す。

 

「「「きゃあああああああ!?」」」

「うわああああああ!?」

「!?」

 

華麗に机の上に着地するぬいぐるみ。ソラの言うことを疑っていたわけではないが、何かの勘違いではないかと思うところがあったのだろう、実際にぬいぐるみが動き出した光景を目の当たりにし全員が唖然となっていた。

 

「……ひっ!?」

 

さらにソラが悲鳴を上げる。本棚にあった本が突然浮かび上がり、人形の周囲を取り囲んでしまう。それを見たエルが本の中に閉じこもってしまったぬいぐるみを外に出してあげようと本を一冊一冊外していく。

 

「にゃーにゃ、だいじょーぶだよ」

 

そしてエルがぬいぐるみに笑いかけると、ぬいぐるみの方も何かを感じたのか、本をもう一度浮かばせると元の場所へと戻していく。そしてエルに抱き着くと、エルも嬉しそうにぬいぐるみを抱きしめる。

 

「プリンセス……」

「エルちゃんに教えてもらっちゃったね。相手が誰でも、同じように接するって事」

「……」

 

あげはの言葉を聞いたソラも、少し考え込む。そして、ゆっくりとヤクモから体を離すと、

 

「……未熟でした。その通りです!」

「ソラちゃん?」

「ヒーローは困っている人には誰にでも手を差し伸べる!なのに……」

 

立ち上がり、ぬいぐるみの手を握ってあげる。

 

「猫さん、あなたの気持ちをわかろうともせず帰らせようとしてしまいました。ごめんなさい。私でよければ力になります!」

 

そう、宣言するソラ。しかしぬいぐるみの方は無言のままであり、そのまま動かないでいた。そして、ソラの表情も宣言とは裏腹に段々顔色が悪くなっていく。

 

「ソラちゃん、やっぱり怖いんだ……ひとまず、綺麗にしてあげようっか!ヤクモ君、ソラちゃんと一緒にいてあげて?」

「あはは……わかったよ」

 

やはり恐怖を克服しきれていないソラの様子に苦笑しながら、ヤクモは彼女に寄り添ってあげることを決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。ソラ、ましろ、ヤクモ、エルの4人はぬいぐるみと共にショッピングモールを訪れていた。エルの入っているゆりかごには一緒にぬいぐるみも入っており、ツバサとあげはは洋館に住んでいた元の持ち主について調べてもらっている。ヨヨにも何か情報をもらえないかとも考えたが、明日まで乗馬クラブの遠征でいないため、それはできなかった。

 

「……エルちゃん、よく寝てますね……」

「ソラちゃん、まだ怖い?」

「……実は、まだちょっと……」

 

ゆりかごの中ではぬいぐるみを抱きしめながらエルが眠っている。その様子を見て、よく眠れるなと感心しているソラ。ましろの指摘通り、いまだに恐怖が拭えないのかヤクモの手を握ってそれを誤魔化している有様だ。

 

「ぬいぐるみっていいものだよ。抱っこすると安心できるし。ほら?」

 

ましろの言う通り、エルはぬいぐるみを抱きしめて安らかに眠っていた。その様子を見て、ソラは寂しそうな表情を浮かべる。

 

「私、子供の頃は修行や特訓ばかりで……わからなくて」

「ぬいぐるみって、一番最初にできる友達みたいなものだよ。私も大事にしてたよ。ヤクモ君もいたんじゃないかな?」

「ぬいぐるみは……そういえば、いたような……さすがに小さい頃すぎて覚えてないかな……」

「……友達……」

 

ショッピングモールの天井を見上げながら、ソラが呟く。ヤクモは当時何のぬいぐるみを持っていたのかと記憶を何とか掘り起こそうとしている中、突然ゆりかごの中からぬいぐるみが出て行ってしまう。

 

「「「え!?」」」

「どうしちゃったのかな!?」

「わからないけど……」

「追いかけましょう!!」

 

慌ててソラとヤクモはぬいぐるみを追いかける。ましろも追いかけたかったが、エルが寝ているのもあって2人のように走っては動けないし、突然浮いたぬいぐるみを見てざわつく周りの人々をどうにか誤魔化そうとしていた。2人が走った先で、飛んでいたぬいぐるみが突然止まり、落ちてしまう。その様子を近くにいた母親と小さな娘が驚いたように見ていたが、ヤクモにはそのぬいぐるみが少女を見て何かを悟ったように元のぬいぐるみに戻ったように見えた。

 

「すみません!驚かせてしまって!……猫さん……」

 

猫が地面に着く前にどうにかソラがキャッチする。しかし、ソラの方もぬいぐるみの様子に何か思うところがあるような反応をするのだった。

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