召喚士である高校生の日常   作:木山 浩一郎

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お姉さん、僕に過去って改善されてるの?、じゃあ僕の中学のぼっち時代は嘘なんだよね!!

「答えてくれ………君は巻き込まれたんだよね?……決して悪意を持っていたわけじゃないんだよね?」 

 

 僕は彼女に刀を構えられている。その状態たったの1分。しかし、僕の中では無限と言っていいほどの長い時間を過ぎていた。

 

「そりゃそうですって。わざわざ見に行こうなんて思いませんよ」

 

 その言葉に安堵したのか刀をまた棒に変化し、少し警戒を解くまだこちらをじっと見ている。

 

「………信じよう。……ではどうやってあの妖を倒した?君が倒したのか?それとも……あの人型の召喚モンスターか?」

 

 あの蝶はお姉さんが操っていたのか……。ほぼ手の内が見えているなんて………こうなったら余裕ぶって計画通りということにしよう。

 

「うん。僕は戦えるほど…強くないからね!それにしても、驚いたよ。貴方がそこまで手の内がお見通しなんてね」

 

 まるで、それが分かっていても余裕かの様にゆっくりと声を弾ませながら答える。ジェスチャーも抜かりない。ただ、いつでも刀に変えて振りかぶる事ができるから内心ヒヤヒヤしている。あまりにも怖すぎる。

 

「………そうか……まだ、()()()()()()()()()()()()()()

 

 しかし、彼女は僕のその態度ではなく、強くないという言葉に反応していた。彼女はどうやら僕を何かと勘違いしているのではないだろうか?。最近は、ビックリ系にビビり散らかしてる位、ノミの心臓だと言うのに強いわけがないだろう。……もしかして、過去の僕となにかあったんではないだろうか。覚えていない。

 

「……そうだろうねぇ。けど、僕は満足しているよ。信頼できる仲間さ。馬鹿騒ぎできたり、何より楽しいからねぇ」

 

「……そうか。それが深郷田自身の本当の幸せなんだろうな……」

 

 良かったと掠れたような声で、どこか安堵したものの、寂しさを感じさせる雰囲気が僕の良心を蝕んでいた。

 

「……ただ、不思議だよ。貴方と話すとなにか、決して悪くない、懐かしさを感じるよ。」

 

 彼女は目を見開く。何処か笑みが浮かべられている。しかし、再び下を向き直し平常心を保つ。

 

「………君は中1の1年間。覚えているかい?」

 

「中1?……あー覚えているよ。あの時の僕は毎日家に帰ってゲームをしていたはずだよ?」

 

中1の時の思い出を振り返るものの、当たり障りのないことばかりだ。むしろ本来の僕ならこうでないとおかしい。しかし、彼女は否定する。

 

「………確かに、()()()()()()()()()そうだろうな。けど、もしそれが本来の記憶の変わりに植え付けられていたものだとしたら?」

 

「………え、自分が?」

 

 何という超展開。朗報、中1の頃のボッチ生活は嘘っぱちだということが判明。本当は、リア充生活だと思ったんだよなぁ。多分彼女もいるはずだ。そう思っていると突然笑い出した。正直めっちゃ怖い。

 

「………やっぱり、お前は本当に変わってない。余裕ぶっているがいつも内心でキョドりまくり。本当の君はただの臆病者だ。だが、何よりも信頼できる。……いつもの深郷田だ……」

 

ニコリと笑いながら僕に語りかける。まるで親友かそれ以上の関係であるかのような振る舞いに驚きを隠せない。そして、彼女は僕の肩をギュッ掴む。まるで確信した事実の確認をするように。爪が食い込んで少し痛い。

 

「……今回()お前は何も悪いことはしてない……そうだよな?……」

 

 理由もわからず、首を縦に振る。

 

「……そうだよ。……お前はいつだって………。いや、もう何も話さなくてもわかる。わからないんだろう?私の言っている事が……」

 

それと同時に彼女はどこからともなく小さく折り畳められた本を取り出す。ん?、ナニコレ?しかも、なんか新しい……。

 

「今はわからなくても……少しずつ思い出してくるだろう……。ただ、彼等は待ってくれない。そうはしなくてももうすでに狙われている。奴らは深郷田が原因だって言っている。勿論私は君側に付くが、君を完全に守りきれるかわからない。………これ……渡したくはないが……君にこれを使って霊力の扱い方について学んでくれ」

 

僕はそれを受け取り、早速はじめの行を見る。こ、これ……入門編だ……試験の時に使う参考書みたい。咄嗟に彼女の方を見るとなんか気まずそうにしている。

 

「………これが……霊力について……説明してくれる……。ホントだ」

 

……えぇ……パラパラと本をめくると絵付きで霊力に付いて説明されている。

 

「こんなんでいいの?、もうちょい古めかしい……あわよくば巻物みたいのほうが良かったんだけど……」

  

「……私に言わないでくれ。ただ、これは霊力の扱いや霊力による結界術等の説明は一級だ……本当だ………」

 

そう消え入りそうな声を出しながら目をつむる。なんかごめん。

 

「……最近はそういうもんなのかな……。」

 

「……そうだろう…」

 

ゲーセンから扉が開く音がした。後輩ちゃんか。僕は直ぐ様本をバイトのバックの中に入れる。

 

「すみません先輩!、ちょっと話が長引いちゃって………」

 

「いや、全然良いよ。お姉さんと話が意外にも弾んでね」

 

「あ、そうだったんですか……良かったです。……それでは続きやります?」

 

「やろうか」

 

そう言うと、もう一度僕がやったアーケードゲー厶を再びやり始めた。

 

僕は一通りゲームでボコられた後に、彼女等に別れを告げ、コンポタを飲みながら帰路に着くと、天使のところに本を持ち込んだ。

 

「………これ、魔法の扱い方と似ているね?」

 

「やっぱりそうなんだ……」

 

「ま、実際はそういうものだよ?。名前を変えているだけで本質は全部同じさ。それに神を混ぜ込むか、霊を払う力として昇格させるだけのものさ……で、誰が持ってきたの?」

 

僕に優しく説明していた雰囲気とは打って変わって、まるで問い詰めるような目でこちらを見る。

 

「……中学校の知り合いから、なんか僕が狙われるかもしれないって…」

 

「………まあ、そのレイリョクとやらの供給を底上げする物は合っても問題じゃない。あの腹立つ女の所に行けばいくらかはもらえるだろう」

 

PCに張り付いて離れないエンペラーを親指から指す。ああ、なるほど。

 

「……じゃあ、早急に練習をしないといけなくなるね……分かったよミサンガを作るから、ボクの教えた通りにやるんだよ」

 

分かったというと、急いでミサンガを作り始めるのだった。

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