召喚士である高校生の日常   作:木山 浩一郎

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ギリギリ間に合いました。
あと、本当に私の作品って誤字脱字多いですね。
見つけてしまったら何なりと報告してください。


異形のファイター

「あ?、あれ?………たしかここのはずだが……な、何でデパートにいるんだ?」

 

深郷田が母親になんとか弁明しようとしている一方で、赤髪の男が頭をかきながな不思議そうに零す。赤髪という珍しい色に加え、更には和服という普通は着ないような格好をしているため、周辺の人があまり近付いていない。しかし、当の本人はそれすら気づかず折りたたまれた紙を眺めている。その紙は深郷田寿一郎の自宅までの道のりについて赤いペンで記されている。

 

しかし着いたのは深郷田寿一郎の家から真反対の『グレードデパート』、その道のりなんと2.5キロ、普通の人なら足がパンパンになりそうな道のりをノンストップで走ってきた。蓋を開けてみればそこの到着地点はデパートである為、とても困惑していたのだった。簡単に言えば超弩級の方向音痴というのが正しいだろう。

 

「正しいはずなんだけどなぁ……この地図使えねえな…」

 

しかし、彼自身はそんな方向音痴という自覚はなく、むしろ良い方だと思いこんでいる為、本格的に救えない。普通の人間は道のりを10分の道のりを30分掛けてまで着かないし、なんなら真反対というとんでもないミスをすることはない。

 

「………あのすいません、深郷田ってわかります?……」

 

「え……いえ……あのすみません今ちょっと用事で………」

 

「あ、はい」

 

周りに聞いて見るも風変わりな格好をしているせいで避けられてしまう。戻ってきても手ぶらで帰るわけには行かない。出来ると息巻いて飛び出した身である以上、なにか成果を残さなくてはならない。しかし、家に行くにしても、元々から備わっていている方向音痴のせいでとんでもない時間をかけてしまう。

 

「………どうしたらいいんだ………」

 

迷子の21歳児柏野(かしわの)家次期当主、柏野 龍幻(かしわの りゅうげん)は、本格的に詰んでしまったのだった。

 

「……あのすいません…深郷田の場所って分かりますか?…」

 

一か八か色んな人に聞くこと15分経過する頃、ついにデパートが動いた。

 

「申し訳ございませんが、デパートは買い物をするものであって、人探しをするためにあるではございません。お引き取り願えますよね?」

 

「…え?、いやあの………ハイ……」

 

デパート歴なんと20年、熟練の店員が匠のまくし立てにより、なんの一言も発することもできずその場をあとにするしかなくなってしまう。

 

その時であった。熟練の店員に静止の声が響く。

 

『あのすみせん、彼……とんでもない方向音痴なんですよ!……オレが2階に居るって伝えたのにのに2階に行くまでの道のりが分からなくてうろちょろシテて……すみません……キツく言っておきますから……』

 

「あ、そういうことだったんですね?、申し訳ございません。そういうことでしたら早く言ってくださったら、なんとか出来たんですか………」

 

『ホントにスミマセン……』

 

そこにいたのは少しぎこちないような口調をしたどこにでも居るような少年であった。少し身長が足りないのが残念だ。少年は龍幻を連れて2階に移動する。そこは家電製品コーナーで、平日ということもあり人が少ない。少年は近くのPCと紙を眺めながら何やらブツブツと呟いている。

 

「すまねぇ助かった。ある人を探してたんだが、少し道に迷っちまって、気がついたらそこにたどり着いちまったんだ……。頼むが力を貸してくれるか?」

 

『………それは良いんだが、少しお使いを頼まれててな……そこが終わってからでもいいか……』

 

そう言うと紙を見せてくる。達筆な文字で買う予定である電化製品はどれも高いものばかりであった。背筋からじっとりと汗が流れる程に。

 

『とりあえず2つは見つかったんダガ……残りの4つが見つからない……』

 

「……あ、ああ。分かった。……探してくる。」

 

そう言って龍幻は足早に飛び出す。その後少年は龍幻が方向音痴というのに気づいたのは意気揚々と飛び出してから20分たった後のことだった。

 

ーーーーーーーー

 

「スマン、マジでスマン」

 

『もういいよ、終わったことだし……』

 

場所は所変わって、一通りの少ないデパートの路地裏に来た。こっちが少年の家と近いらしい。

 

手に持ったエコバックを片手になんの感情も抱いていないかのように淡々と語る。片手の時計を見て少し瞳孔が開いたものの、再び龍幻の方を見る。

 

『で、誰を探してるんだ?』

 

「ああ、そうだ。深郷田寿一郎ってやつなんだ………彼は何処にいるかわかるか?」

 

少年は龍幻をじっと見つめ、さも当然かの様な軽い口調で言う。

 

『ああ、深郷田寿一郎はオレだ。何でオレを探しに来たんだ?、初対面だろ?』

 

その思いもしなかった目の前の人物が、深郷田寿一郎であるのを理解した龍幻は、内心でニヤリと笑った。

 

「お前か?、そうか、お前なんだな……お前は恩人だ。だが、あれとこれでは話しが違う。……悪いが死ね」

 

その言葉とともに手のひらから刀が何処からともなく現れ、少年の首を斬りつける。手応えアリ。ゴトリと物体が落ちた音がした。

 

「悪く思うなよ。陰陽師に目をつけられたのが運の尽きだ。……5年前、黙って言う事を聞いていればこんな事にならなかったのにな。」

 

そう決め台詞を言った龍幻は、悠々と帰路につこうとする。その時だった。影に浮いた首が映り込んでいたのは。

 

「……!!」

 

『いきなりナニスルんだ。驚いただろ……。あ、首は取れてないぞ……ホントだからな』

 

ソレは首から口を生やして喋る。そして、切られたところからナニかが飛び出しており、明らかに異形であるということを主張する。

 

「な、何だ!?、お前!」

 

『……今までコンナやつ相手にしたことないのか……そりゃそうか……』

 

少年……いや、スライムは静かに電化製品を路地の脇に置き、首を少し運動させる。

 

『オレもだいぶ人間臭くナッチまった。……嬉しいような……いや……何でもない』

 

そう言うと、スライムはリズム良く足のステップをしながらファイティングポーズをする。

 

『アンタ、少し油断してたな……もう良いぜ。オレに本気の()をミセてくれ』

 

「………行儀の良い化け物だ。……俺様も本気で活かせてもらおうか」

 

誰も知らない裏で、静かにゴングがなった。

 

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