召喚士である高校生の日常   作:木山 浩一郎

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食事作ってるとあのマンボウフェイスがいかにヤバいのかわかるわ

突然だけど、僕は最近お菓子作りにハマっている。とい理由は単純で最近回復薬の購入者が増えて収入が安定してきたけど、それでもスライムがバク食いするおかげで出費が馬鹿にならない。それで仕方なくやってみたお菓子作りがこれまたハマり、出来ていたのだ。しかし、そのせいで問題が出来てしまった。

 

夢中になりすぎてクッキーを作りすぎてしまったのだ。家族には食べてもらったものの、これ以上食べられないということで少し困っていた。

 

「好感度稼ぐためにわざわざ作ってくるとかキモッ……」

 

「……マジすんません」

 

というわけで学校に行って、朝早くから来ていた優雅ネキに関係を向上させるために渡そうとしたら、やっぱり言われてしまった。しかも的確だし。恥ずかしいね。

 

「聞いたわよ?最近バイトの新人に鼻伸ばしてるって、ホントに救いようがないわね、キモッ………ま……まぁ食べ物に罪はないわ。受け取ってあげる。」

 

彼女はそんな口を叩きつつも受けってくれるらしい。少し笑みを浮かべながらありがとうと渡そうとすると突然誰かが僕のクッキーを奪い取り、ゴミ箱に捨てられる。

 

えぇ、何そのスピード感。ほら見ろよ優雅ネキだって絶句してるぞ。

 

「……なにしてんの」

 

「何って、見たら分かるだろ。お前が優雅さんにキモいもの押し付けて来たから俺が捨ててきてやったんだよ!!」

 

捨てられたクッキーを見て、優雅ネキが絶句して捨てた相手をみると、そこには僕のバイト仲間の姿がそこにいた。………これは無いわ。これは良かれと思って余計なことをして好かれないタイプだな。もう馬鹿。

 

「ハハハ!!クソウケる!何でお前みたいな奴が受け取ってもらえると思ったんだよ?、現に嫌そうに受け取ってたじゃん!?お前なんでそんなことも気付かないで押し付けようとしたんだよ!」

 

バイト仲間に詰め寄られ言い淀んでしまうと、そのまま頬をぶん殴られる。イッタ!何してくれてんの?やりすぎじゃない。

 

「二度と優雅さんに近づくな、ごめんね。こんな奴を近づけさせて、行こう優雅さん」

 

隣の席なんだよなぁ。それに優雅ネキ、別に僕の事悪口は言うけど、どうにも本当に嫌いな訳じゃない気がする。愛嬌というかなんというかそういう感じがする。

 

「やめて…信じられない」

 

案の定馬鹿の行動に失望し、教室から出ていってしまう。僕は馬鹿の顔を見る。驚き固まってしまっていた。

 

その後僕は放課後この馬鹿にボコボコにされた。

 

ーーーーーーーー

 

「あの……朝はほんとにごめんなさい」

 

ボコボコにされた後、学校から帰っていると後ろからタッタッタと走る足音が聞こえた後、待ってと聞き馴染んだ声が聞こえた。その声の正体はゴミ箱クッキー事件の参考人、優雅ネキだ。

 

「別に良いよ、君が故意になったわけじゃないんだし」

 

「……そう、貴方のメンタルがボロボロだと思ったから来てあげたのに、とんだ二の足を踏んでしまったわ」

 

にこやかに話すと追い込んでいないと思って少し安心したのか以前と同じような態度をとり始める。

 

「あ、そういえばあれ、自分用に食べようと少し残してたんだよね。一個だけあるからさ、食べてくれない?」

 

そう言うと僕はカバンの弁当袋からジッパー付きの袋を取り出し、最後の一枚をあげる。

 

「……くれるの?、ま、まぁ良いけど」

 

優雅ネキがクッキーを一口だけ口に加えると、サクッと心地の良い音を立てた。うん、我ながら良い出来栄えだ。彼女は見る見ると顔が驚愕に変化していき、笑顔に変わっていた。

 

「わ、悪くないわね」

 

最後のクッキーを素早く頬張らせ幸せいっぱいの笑顔を浮かべた後、僕が目の前にいることにハッとし、スンッとした顔をし見栄ともとれる事を言う。

 

「そう?また作ってきても良い?」

 

「……作ってきたならいち早く私が味見してあげるから来なさい。来なかったら平手打ちをお見舞いするわ。」

 

そんな事を強がる優雅ネキにニコリと笑い首を縦にふる。それに満足したのか、横並びに歩き出す。

 

「そういえば貴方、いつも周りからお前お前って言われるけど、名前ってなんなの?」

 

「そうだね。僕の名前は深郷田 寿一郎(ふこうだ じゅういちろう)、幼稚園までは不幸君なんてあだ名を付けられた事があってさ。そのせいで腫れ物扱いだよ?酷いよね」

 

「ッ、ごめんなさい。少しデリカシーが無さすぎたわね。それじゃあ、寿一郎で良いかしら。」

 

「……ハハ、良いね。」

 

あだ名までもらえるとはね!、これはこれは幸運な日だね!。あ、そういえば君達にもまだ言ってなかったね。僕の名前。あまり人前で言いたくない名前だ。バイトの店員さんに深郷田見たいな名前見てみてよ。なんか嫌な気分なるくない?ましてや不幸なんて。ひどい名前にもほどがある。けど、それが僕の名前だ。一生これを背負って生きていく。それに、この特別な名前には意外と気に入っている。だって不幸を操ってそうじゃない?。それができたら嫌いなやつを不幸三昧にしてあげられる。生憎そんな能力はないけど。

 

「ま、別に寿一郎なんて言葉に飽きたら深郷田だけでも良いから、あ、けど寿一郎ってなるべく読んで?、カッコいいと思うんだ、その名前」

 

僕の言葉に少し間を置いたあと、苦々しくうんと呟いた。フフフ、皆悲観しすぎなんだよ。少し考えてみたら凄くカッコいい名前になってる。だと言うのに深郷田なんて言葉に惑わされて、悪いことだと思う。生きてたらねぇこんな名前滅多に見ないんだから。自慢したほうが価値がある。それにそれで話が広がる。僕もハッピー、それを聞いた友達もハッピー。WINWINの関係だ。

 

「……寿一郎、貴方本当は新人さんに手を出してないでしょ?」

 

「………まぁバイト先の先輩に流されちゃった噂が独り歩きしちゃったんだね。実際は新人さんとの仲クソ良好、しかも美人だから眼福のなんのって、痛!」

 

「この変態」

 

優雅ネキは少し穏やかな顔を浮かべた。僕はそんな顔に少し安心感を覚えた。

 

あと、人生で初めて連絡先交換しました。どうだ陰キャ共、一足先に僕大人の階段上がってるね?。悔しい?、ハハハ僕はそんな君達の苦しむ顔をオカズに10杯いける。楽しいねぇ。下の人間を見るのは。

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