異世界帰りのアカデミア生、5D's世界を謳歌する   作:テトラポッド

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3話 学生生活と不穏な影

《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》は劇物だ。

特化した時の出しやすさに圧倒的な攻撃性能。

更に何かしらの呪いまで宿っている。

俺はよっぽどの事が起きない限り、コイツを使わないと決めた。

 

 

 

が—————、

 

 

 

1週間後・・・、

 

 

 

「俺は墓地の『メメント』5種類をデッキに戻し、特殊召喚!記憶は灰に、記録を塵に、忘却の彼方より滅びの化身は来たる!顕現せよ!レベル11《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》!」

 

「「ヒィイイイイ!!」」

 

 

やっちまったZE☆

 

状況が状況だし、仕方ないんだけど・・・。

まさか、こんなにすぐに使うと思わなかった。

 

 

どうしてこうなったのか、その日の朝から思い出してみる。

 

 

 

 

 

試験を受けた2日後に、合否通知が届いた。

予想通り合格。消印は2日前だったから、試験直後に教えてくれればよかったのに。

初登校日は来週とのこと、早ぇぜ。

入学の準備の前にやらなくてはならないことがあった。

そう、牛尾さんへの報告である。

勤務後を見計らって伝えると、よくやったと言ってくれた。

ガチで嬉しかった。何故か両親を思い出して、涙が出た。

湿っぽいのはここまでにして、いろいろと準備を進めるとあっという間に登校日当日になった。

学校に行くのは1年振り。楽しみだ。

 

 

—デュエルアカデミア・ネオドミノ校・教室—

 

「初めまして、戸森繋と言います。季節外れの転校生ってヤツです。よろしくお願いします」

 

シ―――――ン

 

適度に笑いを取ろうとしたが、静まり返ったしまった。

その後、ゆっくりと拍手。

おかしい、こんな筈では・・・!

 

失敗した———。

最初の休み時間に、俺はそんな感じで机に突っ伏していたら呼びかける声がした。

 

「おーい、転校生。大丈夫か―」

 

紫色の髪の男子がそう声をかけてきた。

 

「大丈夫だ。自己紹介をミスったことを後悔しているだけだ。えっと、君は・・・」

 

「俺は田中浩人だ。よろしくな、戸森」

 

「ああ」

 

しばらく俺達が話していると、少しずつ輪が広がっていった。

やっぱり、季節外れの転校生は珍しいのだろうか。

何となく学校生活はうまくいく、そんな気がしてきた。

 

田中とは特にウマが合って、昼食でも喋っていた。

 

「なぁ。ウチの学校、女子のレベル高ぇだろ。好みの娘、いるか」

 

実に男子学生っぽい会話じゃねぇか。良い時代に戻ってきた感があって涙出そう。

最近、涙腺緩いな。

 

「スン。そうだな、俺の理想はやはり母性がある女性。やっぱりあの赤い髪の猫目っぽい女子かなぁ」

 

俺がみんなに囲まれているときでも読書をしていた物静かな娘を視線で指す。

今気づいたけど、すごい形のヘアバンドしているな。

未来の流行りかな?

 

「あー、十六夜かー。確かに美人だし母性感もあるもんな」

 

「どことなく、歯切れ悪い感じがするが、気のせいか」

 

「まぁな。彼女色々あったからな。若干距離離れているよなぁ、やっぱ。ふがいねぇ」

 

田中は溜息を吐き、続ける。

 

「クラスメイトとしてはもっと馴染んでほしいんだけどな。俺らも努力が足りなかったかもな」

 

「何言ってんだ?」

 

「ま、戸森は彼女に話しかけてやるといいかもな。ついでに心も射止めちまえ」

 

「おい!」

 

やらないからな。俺の心はまだ、天上院明日香さんにあるからな。

十六夜さんでもあの母性に勝てないのだ。次点は藤原雪乃さん。

あ、田中が気になる女子を聞きそびれた。

 

 

 

 

そんな馬鹿な事を喋った後、帰路についた。

あ、折角だからシティを散歩して帰ろう。

夜じゃなければ大丈夫だろう。

この路地、イイ感じに陰っていて素晴らしいじゃないか。

 

そんな感じで奥の方まで行くと遠くから声が聞こえてきた。

 

 

「十六夜アキ。ディバイン様なき後、組織を継ぐのがあなたの使命です!」

「我々についてきてください!」

 

スキル発動『サイレントステップ』&『小加速』。

物音を最小限にしながら、声の方まで素早く近づいた。

 

「アルカディア・ムーブメント・・・!まだ、残党がいたの!?」

 

十六夜さんが2人の男に囲まれている。劇の練習とかじゃねぇ、ガチな事件な気がする。

彼女はジリジリと後退していく。

 

「邪神を打ち払ったアナタがいれば、組織は安泰。更なる拡大が見込める事でしょう」

 

「お断りよ!私は昔とは違う!」

 

彼女は踵を返して走り始めた。

その様子を見て、男達は肩をすくめる。

 

「大人しくしていればいいものを・・・。《電撃鞭》!」

 

男達がカードから電撃を放つ鞭を実体化させて十六夜に向けて振るう。

 

はい、クロ。闇のゲーム関連だな!

 

「抑えろ!ダークソード!」

 

ガキン!

 

俺が《闇魔界の剣士ダークソード》のカードを翳すと、漆黒の鎧の剣士が十六夜と電撃鞭の間に割って入った。

 

「無事か、十六夜さん!」

 

「えっ、あなたは転校生の・・・戸森君!?」

 

「下がっていて。俺が何とかする」

 

俺もダークソードとともに十六夜の前に立ち塞がる。

しかし、彼女から予想だにしない言葉が発せられた。

 

「モンスターを実体化させている。あなた、サイコデュエリストなの?」

 

「サイコデュエリスト?」

 

何それ。俺はファンタジー世界で手に入れたサモナージョブの『眷属召喚』スキルで出しただけだぞ。コッチにも似たようなものがあるのか?

 

「何をゴチャゴチャ言っている!同じサイコデュエリストとはいえ、アルカディア・ムーブメントの我々に牙をむいた暴挙、償ってもらうぞ!」

 

2人の男は互いに視線を交差させると、デュエルディスクを構えた。

 

「デュエルか!相手になってやるぜ!」

 

無論、俺もデュエルディスクを構える。ここまで来て引ける状況ではないからな。

そんな様子を見て、十六夜さんは慌てたように口を開く。

 

「待って、私も戦う」

 

ムッと眼を見開く男達を見て思い出す。

そういや、十六夜さんはデュエル強いって田中から聞いたな。大きな大会で入賞できる位って。

 

「これは闇のデュエルだろ!いくら強くてもクラスメイトを巻き込むわけにはいかない!俺、1人が相手だ!」

 

体の奥は震えているが、闘志が俺を立たせてくれている。

遊城もこんな感じで立ち向かったんだろうか。

 

「いい度胸だな!行くぞ!」

 

 

「「「デュエル!!!」」」

 

 

「私のターン、ドロー!サイコデュエリストの真の力を見せてやる!マジック発動!《ファイヤー・ボール》を2枚発動!合計1000ダメージだ!」

 

「くっ!」

 

「戸森君!」

 

十六夜さんの悲痛な叫びが耳に入る。

だけど、安心しろ。この速度域は慣れている。

 

スキル『アクセルステップ』!

ギリギリまでひきつけ、最小限のステップで避ける!

ダメージは食らうけどな。

 

戸森繋LP4000→3500→3000

 

「ほぅ、避けたか。中々にサイコデュエリストとのデュエルに慣れているな。どうだ、今ならお前をアルカディア・ムーブメントに入れてやってもよいぞ」

 

こちらに興味を示し、上から目線で大男はそうほざく。

 

「さっき、残党って聞いたぜ。穴が開いた泥船に乗るバカがどこにいると思うんだ?」

 

「減らず口を・・・!私はチューナーモンスター《サイコウィールダー》(レベル3 ATK600)を召喚!更に手札の《サイコトラッカー》(レベル3 DEF600)を特殊召喚!」

 

チューナーとチューナー以外のモンスターが揃った。

これは・・・!

 

「私はレベル3《サイコトラッカー》にレベル3《サイコウィールダー》をチューニング!」

 

《サイコウィールダー》が3つに輝く光の輪となり、《サイコトラッカー》を包む。

輪に包まれたモンスター半透明になり3つの光の玉になった。

直後、一筋の光が奔った。

 

「我が心は雷霆の如く!シンクロ召喚!来い!レベル6《サイコ・デビル》(ATK2400)!」

 

光の後に残ったのは雷をまき散らす悪魔の姿。

コレがシンクロ召喚。もっと別の機会に見たかった。

 

「シンクロ素材になった《サイコトラッカー》の効果で《サイコ・デビル》の攻撃力は600アップする!」

 

《サイコ・デビル》ATK2400→3000

 

「《サイコ・デビル》のモンスター効果を発動。ランダムに相手の手札を選ぶ。左近の手札を選択する」

 

今はバトルロイヤルルール。味方も相手プレイヤー扱いになる。

左近と呼ばれたのはもう1人の大男だ。

 

「こいつはモンスターカードだな、おっと独り言だぞ、今のは」

 

「私はモンスターカードを選択!正解だな!《サイコ・デビル》の攻撃力は1000アップする!」

 

《サイコ・デビル》ATK3000→4000

 

「なんて汚い・・・!」

 

俺も同意するが、闇のデュエル自体が汚い。スタート時点から卑怯もクソもないのだ。

 

 

「私もカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

(フフフ、私の伏せカードは《聖なるバリア -ミラー・フォース-》。スキなどない)

 

 

右近 LP4000

フィールド:《サイコ・デビル》、伏せカード1枚(《聖なるバリア -ミラー・フォース-》)

手札:1枚

 

 

「次は私のターンだ、ドロー!私もマジックカード発動!《ファイヤー・ボール》を2枚発動!合計1000ダメージだ!」」

 

戸森繋LP3000→2500→2500

 

「やっている事、同じじゃねぇか」

 

無論、無傷である。

 

「フン。再現性のある動きこそ最適と知れ!私はチューナーモンスター《サイコウィールダー》(レベル3 ATK600)を召喚!更に手札の《サイコトラッカー》(レベル3 DEF600)を特殊召喚!私はレベル3《サイコトラッカー》にレベル3《サイコウィールダー》をチューニング!我が心も雷霆の如く!シンクロ召喚!来い!レベル6《サイコ・デビル》(ATK2400)!」

 

口上、『我が心も』に変わったな。

 

「シンクロ素材になった《サイコトラッカー》の効果で《サイコ・デビル》の攻撃力は600アップする!」

 

《サイコ・デビル》ATK2400→3000

 

「私は左近のサポートをしたいが、今の手札のモンスターではどうしようもないな、独り言だぞ」

 

タイミングを少しずらしたのか、別にいいけど。

 

「《サイコ・デビル》のモンスター効果を発動。ランダムに相手の手札を選ぶ。右近の手札の1枚はモンスターカードだ。正解だな!《サイコ・デビル》の攻撃力は1000アップだ!」

 

《サイコ・デビル》ATK3000→4000

 

 

「ターンを終了する」

 

 

左近 LP4000

フィールド:《サイコ・デビル》

手札:2枚

 

 

「俺のターン、ドロー!十六夜、ひとつ確認するけどいいか」

 

「戸森君・・・」

 

「これから、ちょーっとヤバい事になるから見なかったことにしてくれないか?」

 

「それってどういう・・・」

 

「《メメント・ダークソード》(レベル4 ATK1800)を召喚!」

 

「なんだ、そのカードは?」

 

「手札の《メメント・ゴブリン》を捨て、《メメント・ダークソード》の効果を発動!伏せカードを破壊する!」

 

骨を纏った地獄の剣士が紫の雷光を剣に纏って伏せカードに向けて振り抜いた。

 

「くっ!《聖なるバリア -ミラー・フォース-》が!」

 

これで、安心して展開ができる。

 

「《メメント・ダークソード》のもう1つのモンスター効果を発動。このカードを破壊し、《メメント・エンウィッチ》(レベル3 DEF1000)を特殊召喚。その効果でデッキから《メメント・ゴブリン》を手札に加える」

 

黄色い翼をもつ赤い衣の女性が現れた。

 

「《メメント・エンウィッチ》のもう1つのモンスター効果を発動。このカードを破壊し、墓地の《メメント・ゴブリン》(レベル1 DEF400)を特殊召喚。その効果でゴブリン自身を破壊。デッキから《メメント・メイス》と《メメント・ホーン・ドラゴン》を墓地に送る!」

 

「貴様は馬鹿か!それだけモンスターを出しておきながら、場のカードは0。何がしたいんだ?サレンダーしたいなら今の内だぞ」

 

実に三下みたいなセリフだな。

 

「それはこっちのセリフだ!俺がしたかったのは墓地に5種類の『メメント』を溜める事さ」

 

困ったことに、俺の手札の1枚の怪しいオーラが増しているように見える。

ああ、これはもう止められない。

 

俺は最初から手札に居座っている1枚のカードを取り出す。

 

「俺は墓地の『メメント』5種類をデッキに戻し、特殊召喚!」

 

空は暗転し、紫色の雷鳴が轟く。

次第に闇が灰が空間の一点に集まり、空間が歪む。

男達は背筋に尋常じゃない寒気、怖気を感じているようで顔面が蒼白になっていく。

 

「記憶は灰に、記録を塵に、忘却の彼方より滅びの化身は来たる!顕現せよ!レベル11《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》!」

 

歪んだ灰と闇色の空間が爆発し、中身が露になる。

それは骨のような灰の装甲に身を包んだ紫苑のドラゴン。

 

 

ウゥゥゥゥウウウ!

 

 

「「ヒィイイイイ!!」」

 

《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》

ATK5000/DEF5000

 

やっちまったぜ。

 

「《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》は全体攻撃能力を持つ。加えて、速攻魔法《コンセントレイト》!を発動!《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》は守備力分、5000ポイント攻撃力がアップする!」

 

《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》ATK5000→10000

 

「攻撃力10000・・・!何なのあのモンスター?」

 

十六夜も驚いているみたいだ。スマン。

 

「さて、フィールド魔法《冥骸府-メメントラン》を発動」

 

フィールドにピラミッドのような神殿が地下から生えてくる。

その中央にはメメントラル・テクトリカを模した像が鎮座している。

 

「《冥骸府-メメントラン》が存在する限り、《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》のバトル中、いかなる効果も発動を許さない!」

 

カチカチカチカチカチ

 

自分たちの末路がわかったのか、2人はサレンダーをしようとする。

 

しかし—————、

 

ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!

 

「どうしてサレンダーできないんだ!」

 

え、怖・・・。

 

「《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》で左側の《サイコ・デビル》を攻撃!『メメント・クレニアム・バースト』!」

 

《サイコ・デビル》を包み込むほどの巨大なヴァイオレットのレーザーが迸る。

 

左近LP4000→0

 

「ヒィ!」

 

「次、《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》で最後の《サイコ・デビル》を攻撃!『メメント・クレニアム・バースト』!」

 

「ヒィイイイイ!」

 

右近LP4000→0

 

残ったのは倒れた大男達。

 

「戸森君・・・」

 

あ、この惨状どうしよう・・・。

規模の割には、建物への被害はないけど。

 

「とりあえず、セキュリティに通報しようか。後、救急車も」

 

「そうね」

 

俺はセキュリティと救急車の連絡をする。

 

「言うのが遅くなってしまったけど、助けてくれてありがとう」

 

十六夜さんは頭を下げる。

 

「どういたしまして」

 

「やっぱり、戸森君もサイコデュエリストなのね」

 

それにしても"戸森君も"、ね。

 

「サイコデュエリストってよくわからないんだけど、モンスターを実体化させれる人の事?それならイエスかな」

 

そうか、田中が話していたのはコレ絡みか・・・?

 

「そう・・・。それからあのドラゴンは一体?」

 

「テクトリカの事?」

 

カードを見せる。禍々しさは若干、収まった気がする。

 

「凄まじいステータス・・・。それに幻竜族って最近のカードみたいね」

 

幻竜族って最近のカードなのか、サイキック族もそうだったけ。

 

「『シグナ―の竜』とは無関係?でもあの圧、シグナーと関係しているかも・・・」

 

少し考えこんだ後、十六夜さんは口を開く。

 

「1ついいかしら。あなたに引き合わせたい人がいるの。会ってくれないかしら」

 

「別にいいけど、誰?」

 

「ジャック・アトラス、そして不動遊星よ」

 

その2人って新旧のキング!?テレビで見た!

現代のビッグネーム2人に会えるのか・・・。




巷の創作界隈ではデュエルアカデミアが舞台のGXをベースにするのが王道ですが、よく考えたら5D'sにもアカデミアはあるので同じようなことができるのではと思い、このSSを書いています。
敵キャラはでっち上げればヨシ。
アルカディア・ムーブメントって絶対に残党いますよね。
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