「花火大会に行くわよ、ひとりちゃん!」
開口一番、郁代はそう告げる。面食らいつつもひとりは、
「えっ!?あっ、た、大会参加資格を満たせていないので私は行けません!」
郁代の誘いを速攻断った。陰キャコミュ障後藤ひとり、苦手なものは人混みです!
しかし真反対の陽キャである郁代はそんなひとりの考えになど思いも及ばず、小首をかしげながらも説明する。
「参加資格?よくわからないけど参加費無料で誰でも見れるわよ?」
咄嗟の事だった為仕方ないとはいえ、あまりにも苦しすぎる言い訳。流石に通用しなかった。
「えっ、あっ」
ひとりは脳をフル回転させ必死に他の言い訳を考える。
(ぜ、全然思いつかない…!)
そうこうしているうちに目を輝かせた郁代から追撃が入る。
「出店もあるみたいだし楽しそうよ!ね、一緒に行きましょうひとりちゃん!」
郁代に両手で手を握られ、たじろいだひとりは「あっはい」としか返せなかった。
(断れなかった…。でも人混みは怖いけど喜多ちゃんと一緒に遊べるのは少し嬉しい、かも…)
「あっそうだ!折角だし浴衣着て行かない?ひとりちゃんって浴衣持ってる?」
「い、いえ持ってないです」
「じゃあ私のを貸してあげるわ。放課後、私の家で着付けをしてから一緒に行きましょう!」
「えっ」
***
放課後。郁代に流されるまま、いつの間にかひとりは着付けられていた。
(流石喜多ちゃんの浴衣、なんかいい匂いがする…)
ふわりと漂う心地良い香りに身を包まれ思わず鼻をすんすんと鳴らすひとり。そんなひとりの様子を気にすることなく郁代はスマホのカメラを連写し始める。
「ひとりちゃん可愛い~!」
「うっ眩しい……!」
高速で移動し残像を残しながらフラッシュをたく郁代に目を回しつつも、ひとりは自身の感想を述べる。
「あっき、喜多ちゃんの方が可愛いですよ。とっとても似合ってます!」
「ありがとう、じゃあ一緒に写真撮りましょう!」
「えっ」
言うが早いか、郁代はひとりを抱き寄せシャッターを切る。驚いて変形する間もなく写真を撮られた為、世にも珍しい顔面が崩壊していない綺麗な後藤ひとりといつも通り可愛い郁代のツーショットが爆誕した。
「きゃ~~!顔が崩れてないひとりちゃんの写真が撮れたわ~!!」
「あっあの、し、心臓に悪いので突然写真を取るのはやめてほしいです……」
胸を押さえ青ざめるひとりは懇願する。しかし郁代はしれっとした顔で、
「だってひとりちゃん、写真撮ろうとすると大体変な顔するじゃない」
(変な顔!?いつも笑顔作ってるつもりだったんだけどな……)
自身の言葉でひとりにダメージを負わせているなど露知らず、郁代はご機嫌である。
「よーし、今日はこの調子で可愛いひとりちゃんの写真をばんばん撮るわよ~!」
***
電車に揺られて十数分、花火大会開催地に2人は降り立った。
「着いたわ~!花火が始まるまでまだ時間あるし、まずは出店を回りましょう!」
笑顔で振り向いた郁代は、いつの間にか崩れかかっていたひとりの姿を見て思わず固まる。
ただでさえ下校・退勤と重なり込み合う時間帯なのに今日は花火大会まである為、いつも以上に電車が混んでいたのだ。いくら郁代と一緒とはいえ、ひとりの体力は風前の灯火だった。
「えっ到着したばかりなのに瀕死になってる!?」
ひとりの身体には至る所にひびが入っており、端の方は所々欠けて粉になっている。すでに意識は朧気なのか先程から一切話さない。
「大変、もう棺桶が……!このままじゃひとりちゃんがまた死んじゃうわ!」
毎度のことながらどこから現れるのか、例の棺がひとりをいつでも入れられるように傍で待機していた。
ひとりが死んでしまうと蘇生に大分時間がかかってしまう。死んでいて屋台が回れないどころか花火まで見れないことになってしまったら、何のために来たのかわからない。
「飲み物でも買ってくるからちょっと待っててね!」
取り合えずひとりを落ち着かせようと近くのベンチに座らせ、郁代は自販機を探しに駆け出した。
***
「ひとりちゃんお待たせ、お茶買ってきたわ!」
ぐったりとベンチに座っていたひとりは郁代の呼びかけに反応し、焦点のあってない目で顔だけ向ける。
「今飲ませてあげるわね」
郁代はその様子から自力での給水は難しいと判断し、蓋を開けそっとひとりの口元にお茶を近づける。
「ごくごく……ぷは。あっありがとうございます」
「良かった、棺桶が消えたわ…」
漸く言葉を発したひとりと、ひとりの体力と連動しているであろう棺の消失に郁代は胸を撫でおろす。
「ごっご迷惑をおかけしてすみません」
「いいのよ、元々数回はひとりちゃんが死んじゃうのは覚悟してたから。まさか電車で移動しただけで死にかけるとは思わなかったけど」
「あぅ……」
「気を取り直して屋台を回りましょう!ひとりちゃんはどこから行きたい?」
「えっ!?えっと……!」
まさか自分に行き先を委ねられるとは思っていなかったひとりは慌てて周囲を見渡す。しかし祭りなんて人混みが確定している場所など何年も来ていないからか咄嗟に思いつかない。
「あっ屋台とか詳しくないので、喜多ちゃんの行きたいところで……」
「それなら……あ、あの映えそうな電球ソーダにしましょう!」
郁代は一瞬だけ辺りをちらりと見てから行き先を決めた。
「でんきゅうそーだ?」
「そうと決まれば行くわよ!」
聞きなれない単語に目をぱちくりしているひとりを連れて郁代は歩き出した。
***
「ひぃっ、陽キャがいっぱいいる…!」
電球を模した容器を様々な色のドリンクで満たしていて見た目が派手だからか、屋台には格好も派手な人ばかりが並んでいた。
「私はピンク色で綺麗だからピーチ味にしようかしら。ひとりちゃんは?」
「こ、こんなお洒落なものを私なんかが飲んだら『陰キャのくせに生意気で賞』で死刑になってしまう…!」
屋台を(正確には屋台に並ぶ人たちを)見た瞬間から怯えて震えていたひとりは先程からまったく話を聞いていなかった。
「あ、でも今の私は喜多ちゃんの浴衣着てるし、髪も喜多ちゃんがセットしてくれたし、マニキュアまで塗ってもらっちゃたから、陽キャに擬態できるかも……?」
「ひ、ひとりちゃーん?」
ぶつぶつと呟くひとりを警戒しながら1人の世界から帰って来て貰う為に郁代はそっと声をかける。ひとりは繊細な生き物なので対処を間違えると身体を崩したり、時には死んでしまうのだ。
「私は陽キャ、私は陽キャ……」
「ひとりちゃん、そろそろ順番来ちゃうから戻ってきて~!」
ひとりの肩を掴みゆさゆさと揺らす郁代。
その後、店員に注文を聞かれたひとりは「あっテキーラで!うぇい!!」と爆音で注文し、周りを静まり返らせた。
少し間をおいてから自身のやらかしに気が付いたひとりは機能停止してしまい、郁代はひとりの奇行に困惑する店員さんに自身の分と適当に選んだひとりの分の注文を済ませ、そそくさと退散する。
***
「はい、ひとりちゃんの分」
「あっありがとうございます」
屋台が密集しているスペースから少し離れたベンチに、意識を取り戻したひとりを座らせ飲み物を手渡す。
郁代は座らずに立ったまま、自身の分の飲み物との自撮りを開始。ひとりはその様子をちらりと横目で伺った後、手渡された飲み物に視線を落とす。
(でっかい電球に青いジュースが入ってる。これが電球ソーダ……)
初めて手にした飲み物をまじまじと見つめるひとり。なんだかリョウさんの髪みたいな色だな、と考えてからふと思う。
そういえば郁代は何故誘ってくれたのだろうか?到着してから迷惑ばかりかけているし、リョウや虹夏、他の友人等と行った方が楽しいのでは……?
(やっぱり陰キャには陽キャイベントへの参加資格はないんだ、紛れ込んでしまってごめんなさい……)
自身の飲み物と同じくブルーになってしょぼくれるひとり。
その間郁代は自身の電球ソーダとの自撮りに夢中になっていたのだが、満足する写真が撮れたのかひとりの隣に漸く腰を下ろす。
「それ、ブルーハワイ味なんだけど、ひとりちゃんの瞳の色みたいで綺麗よね」
「えっ?」
自己嫌悪に陥り俯いていたひとりは、郁代の言葉に顔を上げる。
「ひとりちゃんと綺麗で美味しいものを一緒に楽しめて嬉しいわ!」
心の底から楽しんでいることがわかる満面の笑みに、ひとりの先程までの憂鬱な気分が吹き飛ぶ。
「わっ私も、うっ嬉しいです…!」
本心だった。郁代が誘ってくれる場所は人も多いし、煌びやかで居心地も悪かったり、尻込みしてしまうような場所ばかりだ。
なので嘘をついて断ろうとしてしまったり、行った先で散々な目にあったりもする。
だがそれ以上に自分の知らない世界や、『楽しい』に連れ出せて貰えることが嬉しいのだ。
(喜多ちゃん、楽しんでくれてたんだ。良かった…!)
そして何よりも、郁代も同じ気持ちでいてくれたことが嬉しくて、ひとりは口元をふにゃりと緩ませた。
***
お互いの飲み物が空になり、そろそろ移動しようと郁代が口に出そうとした時。珍しくひとりから話し出す。
「あっあの、次はあそこに行ってみたいです」
おずおずとひとりが指を指す。郁代が指の先に視線をやると、そこにはくじ引きの屋台が。
(あ、あれって小学生とかがやるやつじゃ……?)
「あっ光る剣とか当たるらしいですよ!カッコいいなぁ~」
正直とてつもなく要らないものばかりだが、列に並んでいる小さな子供たちと同じように目をキラキラと輝かせているひとりに水を差すようなことは言い辛い……。
「それじゃあ一緒にやりましょうか!」
「あっはい!」
子供ばかり並んでいる為、高校生のひとりと郁代はかなり目立っており、郁代は少し気恥ずかしさを覚える。だが隣のひとりがいつにもなくワクワクしているのが見て取れるので、羞恥心に耐えながら並ぶ。
(ちょっと恥ずかしいけど……可愛いひとりちゃんが見れたしまぁいっか!にしてもこういうひとりちゃんは珍しいわね)
「あっ遂に私達の番ですね!」
「ひとりちゃんはあの光る剣が欲しいのよね?頑張って当てましょうね!」
2人は気合を入れてくじを引くが、郁代は吹き矢のおもちゃ、ひとりはピンボールのおもちゃが当たった。目当ての景品が当たらず2人は肩を落とす。
「さ、流石にこれは……ふたりにあげよう」
「2人とも外れちゃったわね」
「あっそうですね」
郁代はひとりが光る剣だけを狙っていると思っているのだが、実は違う。カッコよさげな武器のおもちゃなら何でも良かったのだ。
そうとは知らない郁代は、ひとりが吹き矢のおもちゃを羨ましそうに眺めていることなど全く気が付かない。
「なんか悔しいし、もう1回やってみる?」
「そっそうですね!」
2回目のくじ引き。ひとりはハンドスピナー、郁代は吸盤がついた弾が撃てる拳銃のおもちゃが当たった。
なんとなく当たったハンドスピナーを回しながら、またもカッコいい景品じゃないことに少し凹むひとり。
「あっまた外れました…」
「私も…」
つられて郁代もしゅんとしだしてしまい慌てて励ます。
「きっ喜多ちゃんはいいじゃないですか!2回ともカッコいいのが当たってますし…!」
「えっこれカッコいいかしら??」
こいつマジか、と言いたげな顔で安っぽいおもちゃとひとりの顔に何度も視線を往復させる郁代。
「ふっ吹き矢も鉄砲もカッコいいです!しかも遊べるから一石二鳥ですよ!!」
ふへへと笑いながら話すひとりのセンスに少し引きながらも、どうせひとりの為にくじを引いたしそれならばと郁代は景品をひとりの前に差し出した。
「なら、お目当ての光る剣じゃないけれど良かったらひとりちゃんいる?」
「えっ!」
郁代の提案は嬉しいが自分だけ良いものを貰ってしまうのは気が引ける。
「あっいえ、自分で引き当ててみせます!」
なのでそう宣言し、ひとりだけ3回目のくじ引きに挑む。
その結果、作りがあまりよくない明らかに安物のBB弾鉄砲が当たった。
「また外れね……。でもさっき鉄砲がカッコいいって言ってたし、ひとりちゃん的には当たり?」
「あっそうですね。いっ一番欲しいやつではないですが、これはこれで嬉しいです!」
「良かったわね!」
ほくほくと満足気なひとりを見て郁代も安堵する。
(それはそれとして私が当たったやつ、すっごく要らないわどうしよう)
(今日から毎日ポケットに忍ばせて持ち歩こう)
困り顔の郁代とにやにやと笑みを浮かべるひとり。対照的な2人はくじ引きの屋台を後にした。
***
またもやひとりからの提案により、2人はヨーヨー釣りの屋台を訪れていた。いつになく積極的なひとりにやや驚きつつも、喜んで郁代は賛同した。
「色んな色のヨーヨーがあるのね~。意外と映えそう!」
(そういえば小さい頃やった時は結構得意だったなぁ。よーし、ここは喜多ちゃんに良い所を見せるぞ!)
数少ない格好をつける機会を見つけ、ひとりは気合を入れる。
「あっあの!喜多ちゃんの分も取っちゃうので見ててください!」
「もしかしてひとりちゃん得意なの?頑張って!」
「あっはい!!」
ふんす!とひとりは鼻息荒く勇んだのだが──
「あっ水に入れた瞬間紐がちぎれた…」
──悲惨な結果に終わる。先程までの無邪気な様子はどこへやら、ひとりは悄然とする。
「あっ大口叩いておいて喜多ちゃんの分どころか1個もとれなくてすみません……」
ず~ん……
効果音が聞こえてきそうなくらい、目に見えて落ち込むひとり。
「し、失敗は誰にでもあるわよ!安心して、ひとりちゃんの仇は私がうつわ!!」
郁代は慰めるようにひとりの頭に軽く手を置いた後、ヨーヨー釣りに挑んだ。
***
「やった!2個取れたわ~!!」
「あっ喜多ちゃん凄いです…!」
宣言通りヨーヨーを獲得した郁代に、ひとりは目を輝かせながらパチパチと小さく手を叩く。
「はい、ひとりちゃんの分」
「あっありがとうございます、大事にします」
えへへ、と嬉しそうに微笑むひとり。
「どういたしまして!」
ひとりが大失敗をしでかした時にはどう慰めるかと焦ったものだが、奏功したようだ。
くじ引き、ヨーヨー釣り、と遊びの屋台が続いたことだし次は食べ物に行きたいな、と思い郁代は近くの屋台に目をやる。
「ねぇひとりちゃん、次は台湾かき氷の屋台に行かない?」
「あっはい。なっ夏っぽくていいですね」
「よーし、沢山写真撮るわよ~」
(かき氷の写真を???シロップの色が綺麗だからかな?)
不思議に思いながらも郁代に手を引かれ、台湾かき氷屋に向かう。そして──
(私の知ってるかき氷じゃない!?)
「こ、こんなお洒落なものを(以下略」
おぎゃぁああああああああ!!!!!!!
奇声を発してひとりは爆散した。
「ひとりちゃんが爆発四散した!!」
郁代は一瞬驚いたものの、直ぐに対処に取り掛かる。
「もー、外で爆発されると直すの大変なのよ?」
やや呆れながら周囲に飛び散ったひとりを手慣れた様子で回収する郁代。
「あっご迷惑をおかけしてすみません……」
欠片の状態でも意識はあるのか申し訳なさそうに回収されるひとり。
全てのひとりを集めてから、修理のために郁代は人気の少ない場所に移動した。
***
「ふぅ、大分直ってきたわね」
郁代の手によって、ひとりは腰より上辺りまで組み立てられていた。
「あっありがとうございます。じっ上半身から直してもらったお陰であとは自分で再生できそうなので、喜多ちゃんはさっきのかき氷を食べてきてください…」
「え~!ひとりちゃんも一緒に食べましょうよ」
「いっいえ、私なんかが食べたら死刑になっちゃうので……」
普通なら爆発したせいで混乱してる、とも取れるがこれが後藤ひとりの通常運転。(普通の人はそもそも爆発しないが)
郁代は説得しようと口を開きかけるが、途中である考えが浮かんだ。
「……わかったわ、じゃあちょっと行ってくるわね」
「あっはい」
意外にもすんなりと1人で行ってくれた郁代の背中を見送った後、ひとりは下半身の修復作業に取り掛かった。
***
「な、なんとか元の形に戻れた……疲れた……」
一番の目的である花火が始まってすらいないのに、早くも体力を大分使ってしまい先行きが不安になる。
ネガティブな考えが頭を巡り始め、ひとりの意識がどこか遠くへ旅立ち始めたその時、視界の端から見慣れた赤色が飛び込んで来た。
「ひとりちゃん、お待たせ!」
「あっお、おかえりなさい。早かったですね」
「買ってすぐに戻ってきたから。ひとりちゃんも元に戻れたのね!ちょうどいいわ、ちょっと口開けてくれる?」
「えっ、あっはい」
矢継ぎ早に言われ意図がわからないまま慌てて口を開けるひとり。そこへ郁代は手に持っていたかき氷を掬い、入れる。
「はい、あーん♡」
「!?」
予想外の郁代の行動にやや驚きながらもとりあえず口に入れられたものを咀嚼する。
普通のかき氷とは違い、ざくざくとしておらずふわふわの触感。シロップ以外にもなんだかミルクっぽい味がした。
「どう?美味しいでしょ?」
「あっはい、おいしい、です」
見た目が派手なだけではなくちゃんと味も違うんだな~。
ひとりが感心していると、郁代は優しい目をして話し出す。
「ひとりちゃんが何を怖がってたのか私にはよくわからないけど、食べてみればなんともないでしょう?折角色んなものがあるんだもの、いっぱい食べて楽しみましょう!」
「うっ眩しい…!」
まるで発光しているかのような笑顔で締めくくる郁代を直視できなくて、ひとりは思わず手で目を隠す。
「というわけで、もっと食べていいわよ!」
ずいっとかき氷を差し出し近づいてくる郁代から、距離を取りつつ断ろうとするひとり。
「きっ喜多ちゃんの分がなくなっちゃいますよ」
「いっぱいあるから大丈夫よ!ほら口開けて?」
遂にベンチの端まで追いやられたひとりは、観念したのか少し頬を赤らめつつ口を開けた。
***
台湾かき氷に舌鼓を打った後、2人は屋台が並ぶスペースに戻った。
次はなんの屋台に行こうかと郁代が周りを見渡しながら歩いていると、ふと隣のひとりが1箇所をじっと見つめていることに気が付く。ひとりの見つめる先へ視線を動かすと、そこにはスーパーボールの屋台が。
またしても子供が好きそうな屋台に興味を示しているひとりに、思わずくすりと笑みが漏れる。
「ふふっ、ひとりちゃんあそこが気になるの?」
「ふぇ!?あっその、はい…」
興味を引かれていたことがバレているとは思っておらず、驚いた後少し恥ずかしそうに肯定するひとり。
「それじゃあ見に行きましょう!」
肯定の言葉を聞き取ってすぐに、郁代はひとりの手を取りスーパーボールの屋台へ近づく。
「へ~、スーパーボールの屋台って、アヒルや金魚のおもちゃとかも流れているのね!」
「あっそうみたいですね!」
色とりどりのスーパーボールが緩やかに流れる様子に、無邪気に釘付けになってしまうひとり。
そこでふと思い出す。そういえば子供の頃、スーパーボールすくいも得意だった事を。
(ヨーヨー釣りでは駄目だったけど、今度こそ喜多ちゃんに格好いい所を見せれるのでは…?)
流れる景品にスマホを向け写真を撮っている郁代にちらりと目をやり、
「きっ喜多ちゃんは欲しいやつとかありますか?よっ良ければ私が取りますよ?」
へへっ、と笑いながら切り出す。
「ほんと?じゃああのピンクの大きいやつが欲しいな」
「あっ任せてください!わっ私にかかればちょちょいのちょいですよ!」
「ひとりちゃん、ほんとすぐ調子乗るわね」
うへへと言い出したひとりに、また失敗するんじゃないかと郁代は不安を覚える。
だが郁代の心配とは裏腹に、ひとりは見事目当てのスーパーボールを掬い取った。
「あっ取れました!やっやったぁ!」
「凄いわひとりちゃん!ありがとう、嬉しいわ!」
「あっうへ、へへっ」
目論見通り良い所を見せれた事と、郁代からの賛辞と感謝の言葉に、ひとりの顔が緩む。
「じゃあお礼に、ひとりちゃんの分は私が取ってあげるわね。どれがいい?」
「あっじゃあ、あのキラキラしてる派手な奴で…」
「わかったわ、任せて!」
選手交代、郁代がスーパーボールすくいに挑戦する。
「あら?なんかいっぱい取れたわ~!!」
「すっすごい…15個もありますよ!」
何の気なしに掬ってみたら物凄く取れてしまった。
「全部ひとりちゃんにあげるわ!」
「えっあっそんなに貰えないですよ…!」
「私にはひとりちゃんが取ってくれたやつがあるもの。それで十分よ」
愛おしそうにひとりに取って貰ったスーパーボールを見ながら言う郁代。
「あっはい、それならありがたく頂戴しますね」
郁代の表情を見たひとりは、少し照れくさそうにはにかんだ。
***
お互いにスーパーボールを贈りあった後、人の流れに身を任せながら進んでいた2人は出店の出店範囲外に出てしまう。
「あっいつの間にか出店の端っこまで来ちゃいましたね」
「そうみたいね。でも人はあまり減ってないわ。みんなどこへ向かってるのかしら?」
道の端で立ち止まって周りを観察してみると、どうやら人々は一方向に向かっているようだ。
「なんだかちょっと気になるわね。私たちも行ってみましょう!」
好奇心旺盛な郁代の一言により、次の行き先が決まった。
***
そのまま人の流れについていくと、川が現れた。夕暮れ時というタイミングもあり、水面に日差しが反射し綺麗な光景が広がっている。
そこまではある程度人々がまとまって歩いていたが、着いてからは思い思いに川辺に散らばりそれぞれ景色を楽しんでいた。
「わ~!夕日が沈みかけてて綺麗だわ~!!」
絶好の映えを見つけ、興奮気味に郁代はスマホのカメラを連写する。
一方ひとりは大ダメージを受けていた。
(か、カップルがいっぱいいる!!!!!!!!)
グハァッ!と、吐血しながら悶えるひとり。
そう、ここは有名なデートスポットだったのだ。
(こんな青春コンプ刺激しまくりの場所にいたら死んでしまう!早く脱出しなきゃ!)
早くも身体が溶けだしてきたひとりは慌てて郁代に退避を促す。
「きっ喜多ちゃんここは危険です、はっ早く避難しましょう!」
(ひとりちゃんがまた変なこと言いだしたわ……)
ひとりの言葉に呆れながらも、いつの間にか溶けていることはスルーしつつ、
「折角きれいな景色なんだし、移動するなら一緒に写真撮ってからにしましょう?」
「えっ」
死刑宣告に等しい郁代の言葉にひとりは血の気が引く。
(ただでさえ青春コンプレックスが刺激されてキツいのにその上写真まで取るだなんて無理!)
だがそこで周りの変化に気が付く。周囲のカップルが減っている……?
ひとりが溶けだした様子を見たカップルたちが気味悪がり、逃げ出していたのだ。
(あれっ?なんか急に人が減った気が……何故??)
理由に気が付いていないひとりは首をかしげる。
(これなら平気かも…?しかも今回はいつもみたいに急に撮られるわけじゃないし…)
正直、一刻も早くこの場から離れたいのだが、郁代の希望に答えてあげたい気持ちもある。少しの間を置き、ひとりは答えを出す。
「あっはい、わかりました」
「ありがとう!じゃあ溶けた体戻してくれる?」
「あっはい」
カップルが減り、少し落ち着いたこともあって修復作業はすぐに終わった。
「それじゃあ撮るわよ~?」
(また格好悪い所見せちゃったし、最高のツーショットにして名誉挽回だ!)
パシャリ!、というシャッター音が鳴る直前。
気合を入れすぎたひとりが間違って爆発四散した。
パンッ!!と小気味の良い破裂音が鳴り、やや遅れてシャッターが切られる。
郁代の手に持つスマホ画面には、高速で弾け飛ぶピンク色の物体とびっくりした郁代の心霊写真が写っていた。
「きゃー!?ちょっとひとりちゃん、また!?急に爆発しないでよ!」
「すっすすすすすすみません、まっ間違えました…!」
先程とは違い、ひとりは欠片どころか粉末状になっていた。
「もう、ひとりちゃんが弾け飛ぶ瞬間が写っちゃってるじゃない」
「あっ喜多ちゃんのスマホにそんな悍ましい記録を残してしまいすいません。なんとお詫びしたらいいものか……あっ切腹します?」
「ひとりちゃん今粉状なんだからお腹ないでしょ!」
気軽に切腹を提案するひとりを一蹴する。
「……でもそうね、お詫びをしてくれるって言うなら最高のツーショットが取れるまで撮影手伝ってくれる?」
お詫びの機会を貰えたひとりは嬉しそうに返事をした。
「あっはい!つっ次こそは成功させて見せます!!」
「ありがとう。でもまずは再生してね?」
***
ひとりが再生してから最高のツーショットを撮る為に悪戦苦闘すること70回。漸く郁代が納得できる写真が撮れた。
「や、やったわ~!遂に最高のひとりちゃんの写真が撮れたわ~!!」
元気にはしゃぐ郁代に、疲労困憊のひとりはぐったりしながら相槌を打つ。
「ぜぇ…ぜぇ…あっ…はい」
「52枚目もどこも崩れていなくて悪くなかったけど、妥協しなくてよかったわ!」
(もう当分写真には写りたくない……)
「ってあ~!いつの間にか結構時間が経っちゃってたわ!……でも花火が始まるまでにもう一か所くらいなら屋台に行けそうね」
最後はどこに行こうかと、郁代は顎に手を当て思案する。
少し考えたのちに決めた場所は金魚すくいの屋台だった。
「わぁ…!かっ可愛いですね!」
暖色系の色の金魚たちがのんびりと泳ぐ姿に和むひとり。
(ひとりちゃん可愛い!金魚好きなのかしら?)
そんなひとりに和む郁代は、それならばと腕まくりをする。
「よ~し、ひとりちゃん見てて!いっぱいとってあげるわ!!」
「がっ頑張ってください!」
***
「おっおぉ~!さっ流石喜多ちゃん、8匹も取れてますよ!凄いなぁ…!」
張り切って挑んだ甲斐もあり、かなりの戦果を挙げられた。ひとりの尊敬の眼差しを浴びて、郁代は照れ笑いをする。
「えへへ…!次はひとりちゃんもやってみない?」
「わっ私にできますかね…?」
同じ『すくい』でもスーパーボールと違い、対象が生き物である金魚すくいはかなり難しそうだ。
「大丈夫よ、もし取れなくても私のを分けてあげるから」
「あっじゃあちょっとやってみますね」
郁代に背中を押され、ひとりはやってみることにする。
だが……
「あっポイを水に入れる前にジャンプした金魚に破られた……」
案の定駄目だった。
「逆に凄いわね……!」
あまり見ない失敗の仕方に呆気にとられる郁代。
「へへっ、やっぱり私には金魚すくいは早かったみたいですね……」
「ひとりちゃん落ち込まないで!私の金魚半分あげるから!!」
「あっありがとうございます。……なんだか今日は喜多ちゃんに色んなものを貰ってばかりですね」
「私もひとりちゃんから貰えて、思い出が増えて嬉しいな」
「あっ私も嬉しいです…!」
郁代に笑いかけられ、少し申し訳なさそうな顔をしていたひとりもつられて笑顔になる。
少女が2人、互いに顔を合わせ微笑み合う幸せ空間が発生したが、郁代が突然叫びだしたことによりそれは瓦解する。
「あー!」
「!?」
驚いたひとりから顔のパーツが落っこちる。
「花火のこと忘れてたわ!!急がなきゃ見れる場所がなくなっちゃう!」
落ちたパーツを拾い元の位置に戻しながらひとりは問う。
「あっそういえばどこから見るんですか?」
「ネットで見つけた花火スポットよ!混んでるらしいけど近くで見れるらしいわ」
「えっ」
郁代の急な叫びに驚いた時よりもヤバい顔を晒すひとり。しかしひとりの崩壊顔などとっくに見慣れている郁代は、まったく気にすることなくひとりを連れて、やや急ぎ足で歩き出した。
***
花火の見物客でごった返す花火スポット周辺で、郁代はひとりと手を繋ぎながら人波を掻き分けて進もうとしていた。
「もうちょっと前に行けそうね」
「まっまままま待ってください無理です、あんな人混みに行ったら死んじゃう…!!」
「え~どうせならもっと近くで見ましょう?」
泣き言を吐くひとりをぐいぐい引っ張るが、普段は非力なのに生命の危機を感じているからか微動だにしない。
「むむ無理です、怖い…!」
ひとりはがくがくと震えており、泣き言どころか涙目になってきてしまった為、郁代は一度引っ張るのを止める。
「も~しょうがないわね。じゃあひとりちゃん、花火が始まるまで目を瞑っててくれる?」
「え?」
「それなら怖くないでしょ?前の方に行くまでは私が引っ張ってってあげるわ、ほら!」
郁代に促されてひとりは慌てて目を瞑る。すると繋いでいた左手がしっかりと、離れないようにと、より強く握られた。おずおずとひとりも力を入れて握り返す。
「行くわよ、ひとりちゃん!」
ひとりの準備ができた事を確認し、郁代は歩き出した。軽く引っ張られる力に身を任せひとりも歩を進める。
先程までは本当に怖くて足にも力が入らなかったのに、ひとりの足は動いている。繋いだ左手からぬくもりと共に、郁代の陽キャパワーでも流れてきているのかもしれない。
(やっぱり喜多ちゃんは凄いや)
そのまま暫く歩いているうちに最初の安心感はどこへやら、思っていたよりも長めの移動時間にひとりは少し不安になってきた。
手を繋いでから一度も離していないし、握っているのは郁代の右手で間違いない、はず……。
(……本当に喜多ちゃんだよね?知らない人だったりしないよね?)
ひとりは恐る恐る、そっと片目だけ開ける。少しだけ鬱陶しそうに人込みを掻き分ける郁代が目に写り、その見慣れた頼もしい後ろ姿ににひとりは安堵する。
自分1人なら一生知ることのない世界へ、いつも引っ張って連れて行ってくれる。自分には見えない『楽しい』を見つけて教えてくれる。
そんな眩しくも安心する背中を眺めていると、雑踏の中でも恐怖を覚えずに歩くことができた。
***
そうして背中を眺めているうちに目的地に辿り着いたのか、郁代の足が止まる。慌ててひとりが目を瞑ると、おそらく振り返ったのであろう郁代に声を掛けられる。
「ひとりちゃん、もう目を開けていいわよ!」
「あっはい!」
先程とは違いひとりは両目を開く。すると眼前には郁代。──と、カップルに子連れに学生集団など沢山の人!人!!人!!!
「う"っ!!」
「あぁ!ひとりちゃんにダメージが!!」
「青春コンプレックスが……」
「えっと、向きを変えましょう!ほらこっちなら端っこだから!!」
郁代に言われた方を見ると、立ち入り禁止区域なのか腰ぐらいの高さの三角コーンとバーがあり、その向こうの遠く離れた所には花火の準備をする人達がいるだけだった。
「あっ確かにこっち向いてれば大丈夫かも……」
「良かった、端っこまで来て正解だったわね」
周囲が怖いのでひとりはちらりとだけ横を向く。すると隣に立つ郁代と目が合い、微笑まれた。
心臓が不意にドキリと跳ね、思わず目線を逸らすと人混みが目に入る。今度は恐怖で心臓が跳ねかけたが、ふと思う。
そういえば自分の為にあの人込みを掻き分けてここまで連れてきてくれたのか……。
まだお礼を言っていないことに気が付きひとりは慌てて口を開く。
「あっありがとうございます!」
「どういたしまして!あっそろそろ始まるみたいよ!」
郁代に言われ前を向くと丁度着火したところだったようで、風切り音から少し遅れて騒音と轟音が身体中に響き渡った。
郁代には悪いが正直花火なんてどこから見ても同じだろう、とひとりは思っていたのだが……全然違う。
鼓膜だけではなく足先から頭のてっぺんまで、全身を震わせる爆発音。視界いっぱいを埋め尽くす色鮮やかな光。
あまりの迫力にいつのまにか周囲の事も人混みの恐怖も忘れていた。
ひとりは横の郁代に向き合い、感じたことを伝えようとする。しかし郁代は真剣な表情を浮かべながらスマホを宙に向けていた。
こういう時はあまり話しかけない方がいいだろうと、ひとりは口を噤む。
それによく考えたらこの大音量である。話しかけても声が聞こえないだろうし、感想は花火が終わってから伝えよう。
ひとりは網膜を灼く光景を、体中に響く振動を、鼻をくすぐる硝煙を、五感全てに刻み付けるべく没頭した。
***
「すっ凄かったですね!」
花火の打ち上げが終わった直後、ひとりは興奮あらわにいつも以上の声量で話し出す。
「頑張って前まで来たかいがあったわね!」
「わっ私あんなに近くで花火を見たのは初めてです…!」
「やっぱり近くで見る方が迫力があって楽しいわよね。ひとりちゃんにも気に入って貰えたようで嬉しいわ!」
花火大会は終わったが、2人は一番前まで来ているので後ろの人達がある程度いなくならないと動けない。
ひとりが名残惜しさを感じながら去ってゆく人を見ていると、郁代も同じ気持ちだったのか、
「……ねぇひとりちゃん。花火大会は終わっちゃったけど、もう少しだけ付き合って貰える?」
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後ろの人達がいなくなり、移動できるようになった2人はコンビニへと向かった。
「すぐ済むからちょっとだけ待ってて!」
ぽつんとコンビニの前に取り残されるひとり。手持無沙汰からふと上を見上げる。
先程までの喧騒が嘘のように静まり返った夜の空は全ての光を飲み込んでしまったかのようだ。
ぼーっと眺めていると、暗闇を照らすほどではないが微かに光っている星を1つ見つけた。
なんとなく、ふいにひとりが手を伸ばすとちょうどそこへ郁代が戻ってきた。
「ひとりちゃんお待たせ!」
「あっおかえりなさい」
伸ばしていた手を慌てて引っ込め、郁代に目を向ける。すると郁代は大事そうにコンビニ袋を抱えていた。
(何を買ったんだろう?)
気を惹かれたひとりがじっと見つめていると、視線に気が付いた郁代が袋を掲げて高らかに言った。
「じゃじゃーん!花火をするわよ、ひとりちゃん!!」
郁代が買ってきたのは線香花火とバケツ、チャッカマンなど花火の道具だった。
「普通の花火セットは売り切れちゃってたのよね、残念」
「あっでも線香花火も綺麗ですし、儚い感じが私は好きです」
「ならよかった!じゃあ早速やりに行きましょう!」
「あっどこへ?」
「さっき写真を撮った川の傍でやりましょう。水もあるし丁度いいわ」
(カップルがいなくなってますように…!)
ひとりは両手を組み、星に祈った。
***
ひとりの祈りが届いたのか、メインの花火大会が終わって暫く経ったからか、川の傍には誰一人いなかった。
「よ、良かった誰もいない…!」
「日も沈んじゃったし真っ暗ね。スマホのライトで進みましょうか」
「あっそうですね」
虫の鳴き声と2人の足音だけが暗闇に響く。線香花火をするにはうってつけの環境に、予想外の遊びの延長。期待に胸が膨らんでくる。
「よし、ここらへんでやりましょうか」
郁代が袋から道具を出して火をつける準備を始める。ひとりも線香花火を2人分取り出し、スタンバイ。そして遂に火がつけられた。
小さな音で目一杯、灯が落ちるその瞬間まで咲き誇るそれはとても美しい。
先程とは違い声が届くだろうと、ひとりは感想を伝えるべく郁代に目を向ける。
闇の中に灯る淡い光に照らされた郁代は、線香花火と対照的にとても煌びやかで絵になっており、思わず目を奪われてしまう。
『喜多ちゃんは綺麗だから花火が似合いますね』
浮かんだ思いを言葉にしようとしたのだが、パクパクと口が動くだけで音が出ない。
(あ、あれぇ??普段なら可愛いとか綺麗だとか、すぐに言えるのに)
何故だか今日この時だけはなんだか言えなくて。少し迷った末に、ひとりは主語を飲み込んで郁代に伝える。
「…………綺麗ですね」
「そうね、とっても綺麗だわ!」
郁代の線香花火に釘付けだった目線が移され、華のような笑顔がひとりに向けられる。その光景は、ひとりが今日見たどの光よりも眩しかった。
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あにまん掲示板で建てたダイススレ↑を改稿したものです。
元は台本形式+ぼっち一人称(ラスト少しだけ)でしたが、三人称視点の小説にしました。
あにまん民のコメントやダイスが結構面白いので良かったら元スレも見てね~