呪術師のひとりごと 作:貿易商人
上海。平成の時代ではディズニーランドが出来たりして、観光地としても大都市としても有名な所であるが、この明治の時代では異なる。交易の主流な場所である事には間違いないのだが、此処は茘であって半分は茘ではない。女帝時代の南京条約のお陰で、半分はイギリスが支配していると言っても過言ではないのだ。このお陰で、イギリス等の列強国は茘に対して有利に貿易を行っている。
ざっくり言うと、香港のようにイギリス統治下では無いのだが、外国人の居住や滞在が認められており、イギリスと合同(形的には)で統治すると言った租界と呼ばれる状態なのだ。
「ねえ、壬氏様。ここって本当に同じ国?建物の形も随分と違うね、噂のヨーロッパみたい」
「此処は半分イギリスの統治下に有るからな。香港と違って茘の領土であるが、列強国の影響が強い」
半分お忍びであるが、壬氏様は渚と猫猫、護衛として李白を連れて上海の港にやって来た。上海は茘の王都……つまり北京と比べて発達した建物が多く並んでおり、茘では考えられないガス灯も並んでおり、きっと夜でも明るく町を照らしているのだろう。
「ウォォォォ!?クレイジーボーイ!!化物ヒキツレテルネェー!!」
「ヒィィエェェェ!!」
しかし、壬氏様御一行を見る上海在住のイギリス人やアメリカ人の皆様は驚きながら、いや怯えている。と言うのも……
「外国人多いね。日本の長崎みたい」
「マコー!!」
「「なに出してるの!?魔虚羅を引っ込めろぉぉぉ!!」」
原因は渚である。渚はいつもの玉犬白と玉犬渾は勿論のこと、今回は魔虚羅を出して連れ歩きしているのだ。玉犬白だけなら飼い犬と判断されたかも知れないが、玉犬渾なんて最早、人狼だし……魔虚羅なんて人形リーサル・ウェポン、人によっては光の巨人とも判断されるかも知れないのだから。
「いや、外国人にさ、へんな言い掛かり言われる前に魔虚羅だしたら良いかなって思ってさ」
「オーバーキルだからな!?オーバーキルだよ!?なに!?敵国滅ぼすきなの!?」
「マコー」
魔虚羅は李白にツッコミを言われた影響なのか、仕方なく渚の影の中に入っていく。魔虚羅はその巨体と余りにも、神秘すぎる?見た目の為なのか、ぶっちゃけると後宮の人々からの人気は少ない、貫牛より少し上ぐらいだ。
玉葉妃の娘で壬氏様の異母妹のリンリーちゃんからはめちゃくちゃ懐かれているが、梨花妃の息子で壬氏様の異母弟の華雲龍くん(名前はオリジナルです)からは恐がられている。
此処は女の子少ないから、魔虚羅は自由に歩けると思ったのだろう。
「ハジケれそうな時に出ていこう。I'll be back!」
「「お前、喋れるの!?」」
魔虚羅は伝説のカルフォルニア知事扮するターミネーターのように、溶鉱炉(影)に入って消えていった。余談だが、魔虚羅が話せる訳だが、渚のハジケリストに適応してしまった為である。
「しかし、洋食屋が多いですね。お腹が空いてきますよ」
上海は美味しそうな匂いがする。上海近海で取れた美味しそうな海産物を使った料理や、上海滞在の列強国出身の方々が作った洋食屋からも美味しそうな匂いがしているのだ。列強国はお肉も沢山食べており、香ばしい匂いがしている。特にイギリス人が建てたカレー屋からも匂いが凄い、余談だが日本初の輸入カレー粉と国産カレー粉を販売した企業は令和の時代でも残っている。
「確かにお腹が空いてくるな。だが、元や銀(茘のお金)が使えるかどうか分からないからな」
一行の代表である壬氏様も本場イギリスのカレー(日本で親しまれているカレーは、インドのカレーではなくインドのカレーを改良したイギリス料理)を食べたくなってきたが、銀や元が使えるか分からず断念した。
「えぇー!!壬氏様、カレー食べようよ!!」
「諦めろ渚。此処は我が国であってイギリスでもあるんだ。銀や元が使えず、ドルとかボンドかも知れないだろ。生憎、それ程の外資は持ってきていない」
「がーん」
だが、その時だった。
「ホッホホホ……我が主よ。拙者が適応で何とかしましょう。なんならそこら辺の炭をダイヤモンドに変えて」
にょきにょきと影から魔虚羅が生えてきた。
「李白」
「御意」
しかし、今の魔虚羅……まこーらはギャグ補正が働く。つまり、ツッコミは効果が抜群なのだ!!
「押し戻せぇぇ!!」
「お前が出てきたら、余計カオスになるわ!!」
「やめて!!イタズラするきでしょ!?エロ同人みたいに!!エロ同人みたいに!!まこぉぉぉ!!」
まこーらは李白と壬氏様の手で、影に押し込まれた。
まこーらを影の中に押し留め、少し歩くと、そこは上海の交易港に到着した。イギリスは自由に使える領地でもある香港も有るためなのか、イギリスの蒸気船は少なかったが、アメリカやフランスの蒸気船も多くが停泊しており、列強国からの技術支援で近代化が著しい速度で進んでいる日本からの交易船も来ている。日本からの交易船は帆がある旧式の船から蒸気船と様々だ。
「凄いですね、あれは日本の船ですよね?もう蒸気船が……」
「日本は明治維新が起きてから10年程しか経過していない。だが、日本はアメリカやイギリス等の列強に特使を派遣して、列強の文化や技術を取り込んでいる。我が国も海外に特使を派遣したいんだがな……」
歴史の教科書にも乗っているが、日本国は明治時代初期に列強国の視察の為に岩倉遣外使節団を列強国や欧州に派遣しており、列強国や欧州の現状や文化を調べてもらっていた。これらの事もあり、急速に近代化が進んだと言っても良いだろう。
「留学は有りますよね?」
李白が言う。そう、茘は欧州に留学として国から選ばれた人員を派遣した事がある。だが、それは医療やその道のスペシャリストであり、女帝時代の前半は鎖国していた事もあってか政治や文化を取り入れる事は無かったのだ。
「ああ、有る。さてと……これからはどうするべきか」
日本と同じように特使を派遣する手段もある。
「あれ?壬氏様、李白様、渚は何処に?」
その時だった。渚がこの場に居なくなっていたのだ。さっきまで此処に居た筈だが、何処に言ったのだろうか?玉犬渾は壬氏様の護衛のためにこの場に居るが、肝心の渚がこの場に居ない。
だが、渚は直ぐに見付かった。渚は港に停泊している最新鋭の蒸気船の側に立っており、渚の頭部には魔虚羅の方陣が浮いており、渚の隣には魔虚羅も立っており、魔虚羅と渚はペチペチと蒸気船を触っている。
ガコンガコンと渚と魔虚羅の方陣が回転する。回転が終わると、渚と魔虚羅は壬氏様御一行の所に戻る。
「壬氏様、李白、猫ちゃん。蒸気機関の原理分かったよ」
「「「はぁぁぁあ!?」」」
魔虚羅の適応はぶっちゃけるとなんでもである。現象、術式、毒物から森羅万象全てに適応できる。更に適応してももっと適応を続けて進化してしまう。
渚はその力を応用して、あろうことか蒸気機関に適応して蒸気機関のテクノロジーを覚えてしまったのだ。
「魔虚羅、お願い」
「マコー!!」
魔虚羅の目?がピカーと光、映像が映し出される。それは蒸気船の精密な設計図と蒸気機関の鮮明な図形、そしてそれを発展した場合はこうなるだろうとした図面であった。
「魔虚羅って何でもアリだな……」
「あと、船の中にあった生ゴミに適応して生ゴミからエネルギーの作り方も覚えたマコー。これは今の技術でも頑張れば出来るマコー」
「「「まじで!?生ゴミ、エネルギーになるの!?」」」
更に魔虚羅は船の中にあった生ゴミにも適応してしまい、生ゴミからエネルギー(後のバイオ燃料)の作り方さえ分かってしまったのだ。バイオ燃料は環境にも優しく、後宮でも生ゴミは出るので、上手く使えばエネルギー問題に関しては茘は列強を一気に飛び越える事が出来るかもしれない。
「だから、拙者も港を満喫したいでござるよ~壬氏様!アフロあげるから!!」
「渚が普通の呪術師ならOKしたが、流石に全員に見えるから難しいかな?だが、自分で無害である事を人々にいいなよ?」
「神に感謝」
魔虚羅、その適応の功績から壬氏様に特別な許可をもらう。
その後、海外から持ち込まれた様々な交易品を見ていた時だった。
「へー、おもろい天与呪縛だな。それにその術式、禪院家の相伝だろ?」
日本からの交易品を見ていた時だった。プラチナブロンドのイケメンが渚に話しかけた。
「俺は五条学。五条家の次期当主だ。今は手伝いとして、交易船に乗り込んでるんだよ」
平成最強 五条悟のご先祖であり、前任の六眼の保有者 五条学である。年齢は壬氏様と同い年。
「俺は禪院渚。もう禪院家とは関係ないよ」
「そうか……流石は禪院家だな。大変だったな(あれ?コイツ、小さな魂がコイツを守ってる?)」
そして五条学は、六眼のお陰か渚のもう1つの天与呪縛 キメラ体に唯一医学知識無しで気付いたのだった。
次回、五条学……後宮に遊びに来る。
見てみたい話 はい、今回も全部ギャグです。場合によっては複数採用
-
虎杖悠仁くん、明治にタイムスリップ!
-
渚くんちゃん、平成にタイムスリップ!
-
進撃のGの呪霊(銀魂仕様)
-
お鍋のお肉争奪戦
-
皇帝INプール!!
-
カブト狩りじゃぁぁあ!!