呪術師のひとりごと 作:貿易商人
拡張術式。それは術式の理解、そして呪術師本人が持つイメージ……想像力が大事に成ってくる。つまり、術式への理解が深く、尚且つ想像力が高ければ術式への解釈を拡大させて様々な事を出来るのだ。
渚の十種影法術では影を四次元ポケットのように出来たり、式神の固有能力を渚本人が扱えたり、更には破壊されていない式神同士の合体でオリジナルの式神を出したりと様々だ。
「やはり、見本が有れば理解も深まるであろう」
五条学が帰ってから1週間後。渚は壬氏様の執務室に遊びに来た、壬氏様のお母様である阿多后から紙で出来た書物をプレゼントされて読んでいた。
茘はやっと最近に成ってから、壬氏様と皇帝の法改正が実を結んだのか紙が普及してきた。女帝がやらかす前は紙を他国に輸出していただけはあり、法改正が行われると瞬く間に紙は普及した。そして、今は列強国で主に使われている印刷技術……版画も広まった事もあってか、教材や文学に翻訳本等も一気に広まった。このまま行けば、直ぐに義務教育を行えるだろうし、後宮での書類もようやく時代遅れ過ぎな木簡から紙に変わってきた。
「瑞獣?四神?」
「この大陸に昔から伝わる聖獣、神獣だよ。四神は戦いにも関わるし、拡張術式とやらのイメージの参考にしてみたらどうだい?」
阿多后からもらった書物には中国古来から伝わる瑞獣、ハクタク、鳳凰、麒麟だったり、同じく古来から伝わる四神の青龍、朱雀、白虎そして四神のトップに君臨する玄武の事が記されていた。
渚としても、茘に骨を埋めるつもりなので後程の教養の為にも、中国に伝わる瑞獣と四神を知識として覚えておいた方が良いだろう。勿論、書物には四神が持つ力も詳細的に載っており……イメージが膨らんでいく。
「朱雀は鵺をベースにこうして、こうやって……玄武は大蛇と魔虚羅をベースにして、こうやって……よし出来るぞ!」
「マジで!?四神と瑞獣を出せるのか!?」
当然、壬氏様も瑞獣と四神の事は子供の頃から御存知。その瑞獣と四神が十種影法術の拡張術式で現実の物と成るのだから、ツッコミを入れると同時に少し興奮している。
「やったね、壬氏様!空も楽に飛べるようになるよ!大蛇と鵺を合わせた大蛇鵺は顔が恐いし、大きすぎて戦闘では使いにくいしね!!」
因みに十種影法の基本的な式神達の合体には決まりがあり、決められた式神同士でしか合体はできない。しかし、鵺に関しては大きな電撃フクロウではなく、色んな式神と合体出来るのだ。だが、合体すると伝承の鵺のように凄いキメラのような見た目となる。
鵺と大蛇を合わせると、ばかでかく……蛇の尻尾(もしかしたら蛇の下半身?)が生えている鵺となり顔も恐くなる。翼を広げると高層ビルより大きく、魔虚羅より遥かに大きく空を飛ぶにしても目立ちすぎる。なので、渚は別の飛行手段も探していたのだ。これで、朱雀or鳳凰を再現できたらスマートにカッコ良く移動できるだろう。
「これ、私の実家が送ってきたのよ」
ある日。渚は玉葉妃の暮らす宮殿で、男手が必要という事で猫猫に呼ばれて重たい荷物を運ぶのを手伝っていた。一通り、仕事を終えると玉葉妃から部厚い書物を貰った。玉葉妃の故郷は欧州との境目であり、そこでは欧州人との交流がアヘン戦争前から行われていた影響なのか、欧州の文化も広まっており、それは欧州の伝承や神話のモンスターが載っている図鑑であった。
「バハムートは魚やドラゴンが有るけど、どちらが正しいの?」
「元々はイエス・キリストが見た魚だと言われてるわね」
欧州でも沢山の伝承が遺されており、キリスト教が普及するまえのゲルマン神話やローマ神話、伝承で伝わるドラゴンやクラーケン等のモンスターが言い伝えでまだ遺されている。玉葉妃から提供された図鑑で、渚のイメージ力が上昇した。
そして呪術廻戦の漫画を読んでいる皆様、呪術廻戦初期で虎杖悠仁くんが「螺旋丸とか使いたい」と嘆いていたのを覚えているだろうか?つまり、この世界にもジャンプは有るのだ。そしてジャンプがあると言うことは、当然……あの大人気カードゲームも未来で誕生する。
「私の実家、実は皇帝と遠縁の親戚でもあるの。昔からの名家で、こういうのも手に入るのよ」
梨花妃から貰ったのは、梨花妃の実家が昔……アヘン戦争前にエジプトを色々と発掘して世界にミイラを売り捌いていた探検家の事が記された、歴史的資料だ。そこにはその探検家が見た古代エジプト神話、そして古代エジプトの遺跡に記された『オシリス』『オベリスク』『ラー』の石板の写真も掲載されていた。だが、ラーの石板はなんの文字が書いてるのかさっぱり分からない。
「仕方ない。魔虚羅の力を使おう」
渚は魔虚羅の適応を自分自身に使い、石板に記された『ラー』と呼ばれる太陽神?の情報を翻訳して読んでしまった。
そして阿多后からは中国に伝わる瑞獣や四神の知識、玉葉妃からは欧州の伝承、梨花妃からは古代エジプトの伝説を教えて貰った結果、渚は与えられた知識で想像力を働かせた結果、拡張術式で四神と瑞獣、そして古代エジプトの神(ジャンプ仕様)を産み出してしまったのである。
「ヘルプミー!!」
香港。そこは上海と違って、完全にイギリスの統治下と有るのだが……イギリス人が持ち込んだミイラに着いてきた黄金を操る呪霊が猛威を振るっており、黄金が人々を襲っていた。
ミイラは盗掘されては観賞用にされたり、更には薬にも使われていた。薬に使われる訳だが、ミイラの身体に染み込んだ防腐剤や保存材の成分に、鎮痛剤や解熱剤と同じような成分が入っており、実際に効果があるのだ。
イギリス人には呪霊は見えないが、黄金の呪霊が操る及び産み出した黄金は実際に見ることが出来るので……人々は黄金の槍で貫かれたり、黄金に変えられたり様々だ。
「ねえ、その犯人倒したらさ……貴方達は俺になにをくれるの?茘の国の人なら無償で助けたけどね」
そこに外交の仕事で訪れた壬氏様の付き人として、呪術師である渚がやって来た。渚は魔虚羅の適応で覚えたネイティブな英語でイギリス人に話しかけた。
「なんでもだ!!この怪奇現象を停めてくれ!!」
「良いよ。じゃあ、香港を茘に返してよ?出来るでしょ」
「わっ私の一存じゃ決められん!!」
「ケチだな~」
だが、このまま黄金の呪霊を野放しにする訳には行かない。
「渚。交渉は私たちが行う。お前は呪霊を倒せ」
「OK」
しかし、このまま黄金の呪霊を放置すれば香港が黄金に変わってしまう。そうなってしまえば、イギリス人はアジアの貿易拠点である香港を失うし、壬氏様達も香港を取り戻すことが出来ない。
壬氏様からGOサインが出た渚は、一歩踏み出した。イギリス人には見えないが、渚の視線の先には巨大なスフィンクスのような呪霊が黄金を産み出したり、物を黄金に変えながら、黄金を操って蹂躙の限りを尽くしていた。
「朱雀」
渚が手印を結ぶ、すると渚の影から5メートル程の巨大な深紅の鳥が出現した。この式神は朱雀、中国に伝わる四神であり、炎を司る不死鳥や鳳凰と同一視される存在だ。しかも、玉葉妃が提供してくれた欧州の資料のお陰か、不死鳥の素質も兼ね備えている。
「ピぇぇぇエエ!!」
朱雀が咆哮をあげ、復活の炎が大地に広がり……黄金に変えられた物が元に戻っていく。黄金に変えられた人々、呪霊に殺されそうになった人々が次々と息を吹き替えしていく。
「エジプトにはエジプトかな?」
目には目を、歯には歯を!!エジプトにはエジプトを!!渚は手印で太陽を彷彿させる球体を作ってから、球体から龍を模した手印を繰り出した。
「降臨せよ!!ラーの翼神竜!!」
影から10メートル程の太陽をイメージさせる球体が現れ、渚が超高速で何かを告げる。その瞬間、球体が変形して黄金の輝きを持つドラゴンへと変形した。古代エジプトの壁画に記された太陽神ラー(ジャンプ仕様)である!!
「ゴッドブレイズキャノン!!」
渚の命令を受けたラーは、口から太陽エネルギーを帯びた爆光を解き放ち、その一撃で黄金の呪霊を消し飛ばした。
「オー、CrazyBoy」
朱雀、そしてラーの翼神竜を操る渚くんちゃんを見て、イギリス紳士は膝から崩れ落ちた。そして香港在住のイギリス紳士達は皆、渚くんちゃんのデタラメを見てしまい、イギリスは決めたのだ。
『禪院渚が生きている間は、茘を蔑ろにすると神に滅ぼされる。マジで』
と決断し、禪院渚くんちゃんが生きている間は表向きとは言え……茘と友好的にした方が良いと判断されて史実より100年以上早く香港は返還された。
次々と史実&原作ブレイクを行う渚くんちゃん。
見てみたい話 はい、今回も全部ギャグです。場合によっては複数採用
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皇帝INプール!!
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カブト狩りじゃぁぁあ!!