ゲヘナ生「ミカさんと友達になりたいんです!!」   作:あめざり

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ここからがメインストーリーVol.3 エデン条約編の時系列になります


楽園の名を関する条約

いっけなーい遅刻遅刻!

私の名前は鏡裂アユタ!さっきまで温泉開発をしてた普通のゲヘナ学園1年生!身体中を骨折してる私だけど、今はダッシュでとある所に向かってるの!だって今日は……

 

「ミカさんとのお食事デートなんだから!!」

「ただご飯食べに行くだけでしょ……?」

 

アユタは思わず自分の口を手でムギュッと塞ぐ。

真横にミカが居た上に、心の声が口に出ていて、しかもそれを聞かれていたのだから無理もない。アユタもミカも、対立しているトリニティとゲヘナの生徒と食事に行くなど経験した事もないし、考えた事もなかった。

 

(この子には絶対裏がある……今日はそれを暴いてやるんだから!!)

(至近距離で見るミカさんやっぱり可愛い……♡髪舐めたい……)

 

2人の違いは、一方は政治的な観点からアユタを見ている事、そしてもう一方はミカしか見ていない事である。

 

「と言うか……どうしたのその傷」

「これは……温泉を掘っていたらツルギさんと戦う羽目になりまして……」

「これで前科2犯?もう言い逃れできないよ?」

「私の辞書には『初犯は罪に問われない。初犯が罪では無いのなら、2犯目も罪では無いのだ』と書かれています」

「ずいぶん都合の良い辞書だね……」

 

ミカと他愛もない話をすると言うだけで、アユタにとっては幸せな時間だった。初めて会った時からずっっと、夢にまで見たこの時間を味わえたのは、アユタの後先考えない性格のおかげなのかも知れない。

 

 

予約していたレストランに入り、言われたまま自分たちの席に着く。

そして2人でメニュー表を見て、何を注文するかと悩み始める。

 

(????……え?ドリンクバー無いの?え?チーズインハンバーグとか無いの?)

 

だがアユタは、人生でファミレス以外行った事が無いタイプの人間。

レストランの定義が完全にファミレスのみに固定されている彼女は、目を渦状にグルグルとさせながら困惑している。

 

「ねえアユタちゃん!これ一緒に食べよ!」

 

そう言ってミカはメニュー表のピザを指さす。

 

(一緒に食べる……間接キス……"そう"いう事!?)

「あれ?アユタちゃーん……」

 

ボフッとアユタの頭から湯気が上がる。言うならばキャパオーバー、唐突に供給された大量のミカがアユタの脳神経を完全に焼き切ってしまった。

 

 

 

数分後、アユタが意識を取り戻す。テーブルの上にはおそらくミカが注文したであろうピザが一枚置いてあった。

 

「あ、起きた?」

 

この数分間で見た夢(妄想)の内容は少し思い出すだけで後悔と罪悪感で胸がいっぱいになるようなほど煩悩にあふれたものだった。今度トリニティに行く機会があったらシスターフッドに懺悔しよう。

 

「さて……アユタちゃんも起きたことだし、ちょっと重要な話をしようかな」

「……大体想像は付いてましたが……あくまでミカさんとしてではなく、ティーパーティーとしてここに来たというわけですね?」

「……その通り、がっかりさせちゃった?」

「いえ、そのような話をしてくれるという事は、私にしか話せないようなことなんですよね?」

「まあ……アユタちゃんみたいな子はいなかったし……ナギちゃんもチャンスだって考えてるみたい。……単刀直入に言うと」

 

「エデン条約……ゲヘナとトリニティの懸け橋になってほしいの」

 

 

 

「……とは言っても、この話を理解するためにはエデン条約が何なのか話さなきゃいけないね」

 

一拍置いてミカは説明を始める。

長きに渡る学園間の対立を解消するための『楽園の名を関する条約』について。

 

 

「……内容はわかりました。ただ、そんな重要な条約に私みたいな爆破魔を関わらせる必要があるようには思えないんですよ」

「それについてはもう一つ言っとくことがあってさ……ナギちゃん……いや、ホストの『桐藤ナギサ』は、トリニティ内にエデン条約締結を邪魔する裏切り者が居ると思ってる」

「……あくまでエデン条約締結が最優先事項、役に立つならゲヘナの生徒も利用するという事ですか」

「ナギちゃんだって警戒はしてる。そのために3つも保険を用意してあるっぽいしね」

「何なんですか?その保険って」

「1つ目は私の監視がついてる事。ここだけの話、モモトークの交換も話を切り出したのはナギちゃんなんだよね。2つ目は『シャーレの先生』……こっちはナギちゃんが話を通してるみたい。シャーレの権限を使いさえすれば、アユタちゃんを一発で矯正局に送り込むこともできる……」

「流石に一年で矯正局はごめんですよ?」

「それはナギちゃんと先生のさじ加減だね……」

 

そういえばカスミ部長も捕まったことがあるとか言ってたっけ?

冷たい地面に24時間座らされるとか……もし捕まったらどう脱獄しようか?

 

「そして最後、3つ目の保険は……『補習授業部』、アユタちゃんがトリニティに潜入するために作られた部活だよ」

「……すごい言葉が聞こえた気がするんですが、私がトリニティに潜入?というかまず補修授業部って何なんですか……」

「元々は裏切り者に該当しそうな怪しい人を纏めて退学にするためのものだったんだけど、アユタちゃんがそこに潜入して裏切り者探しをすることになったんだ。補習授業部の顧問はシャーレの先生が担当するから、他の保険もフルに使った監視体制だよ」

「もし裏切り者が見つからなかった場合は?」

「裏切り者候補と一緒にトリニティ退学の形をとるけど……ナギちゃんいわく『それでは精が入らないでしょう』との事で……その……言いにくいんだけど……」

「拷問でもされるんですか……?」

「いや……ホストとシャーレの特権を使ってゲヘナの強制退学と矯正局送り」

「私何か悪いことでもしましたか?」

「前科二犯」

「申し訳ありませんでした……」

 

そしてミカは分厚い封筒を手渡しする。

その中には補習授業部やエデン条約についての資料がギッシリと詰まっていた。

 

「詳しいことはその中に書いてあるけど、制限時間は補習授業部の第三回目の追試まで……それと、トリニティの学生所と制服もその中に入ってるから」

 

 

 

 

 

そうして始まった『エデン条約編』

 

物語は紡がれ、各々の信念と憎悪が交わる

 

だが、これは『正史では無い』

 

久遠の時を経て積もった信念も憎悪も吹き飛ばす

 

そんなブルーアーカイブを紡ぐことができる道

 

そう、だから私がこうして話しているんだ

 

君たちの記憶にない言葉で語りかけているんだよ

 

……先生

 

 

 

 

 




評価に色付けてくれ(迫真)
実は後書きって設定垂れ流す場所じゃないんだってさ
なので今回は軽めにします

おまけ
ミカとアユタのお互いに対する感情について

ミカ→アユタ 確実に裏があると思っている。ただ、ストレートに想いを伝えられたのが少し嬉しい。
アユタ→ミカ ミカのためなら死ぬ覚悟がある。拷問を受けたら、ミカ関連の事以外なら全て話す。この世界はミカかミカ以外の人間しかいないと思っている。ミカが恋をしたならその恋路を全力で応援する気でいる。
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