ゲヘナ生「ミカさんと友達になりたいんです!!」   作:あめざり

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ついに一区切り


全てはお姫様のために

「……その制服、ゲヘナの奴が何の用だ?」

「少し前に『聖園ミカ』と言う奴がここを訪れたはずだ。そいつが言っていた『依頼』の内容を教えて貰いたい」

「トリニティのティーパーティーか。ああ、確かに来ていたな……だが、詳しく話す訳が無いだろう。馬鹿なのかお前は?」

 

アリウス分校の生徒が私の頭に銃口を向ける。

 

「当然タダでとは言わないさ。そいつが払った報酬の倍払う……私からの『依頼』を聞いてくれるならさらにその倍だ。いい話だと思わないか?」

「……私たちじゃ判断しかねるな……『スクワッド』に会わせる、着いてこい。念の為手錠は付けさせてもらうぞ」

 

手錠をつけられ、ほとんど迷路とも言える通路を進んでいく。

アリウス分校への入り口と順路を知れたのは大きいな、何かの役に立つかも知れないし念の為覚えておくか。

 

しばらく歩いていると地上に出た。

なんだここは?廃墟……と言うより戦争跡地?こんな所に追いやられたらトリニティを恨むのも仕方ない気がするな。

そして奥から1人の人が現れた。その目には完全に光が無く、ロケットランチャーを両手で持っている。

 

「……スクワッドなのに1人しかいないの?」

「他の皆んなは今任務中。そんな事よりも……はいこれ」

(……ボイスレコーダー?)

「それには聖園ミカとの会話内容が録音されてる」

 

依頼主との会話内容を録音しておくだなんて、商売上手というべきか人間不信というべきか……

多分私との会話も……

 

「……それでもう一つ、あなたの依頼って何?」

「私が求めるのは……」

 

「聖園ミカを裏切って私の味方になって欲しい」

 

 

 

 

アユタの放った弾丸はミカの腹部に、ミカの放った弾丸は空を切った

 

「へぇ……今の避けるんだ」

 

そう言ってミカは乱射する。要するに数うちゃ当たるの原理……だが、それすらもアユタはかすりもせず余裕気に避け続けた。

 

(反射神経もあるだろうけど、あの余裕……もしかして弾道が読まれてる?)

「でも至近距離なら……!」

 

しかし、ミカの高速の踏み込みすら読んでいたかのようにアユタは距離を放し、頭部に数発弾丸を食らわせる。

 

「……っつ!!ウソでしょ?今のも……「避けてるわけでも、読んでいる訳でもありませんよ」

 

「ただ、"知ってるだけ"です」

 

 

 

知ってる?何を言っているんだこの子は?

前戦っときはこんなじゃなかったはず……アユタちゃんのフィジカルは私に遥か及ばないはずなのに。

 

「例えば……ミカさんが初弾で外した時はその次に『乱射』する可能性が約95%、当てた時はその次に『接近』する可能性が約88%です。その他にも、体重を右足にかけた時、相手の目を見つめた時、片膝を曲げた時、顔を6度程度下に向けた時などに派生しやすい『行動』があります」

「じゃあアユタちゃんはそれに合わせて動いてるだけって事?」

「そうなりますね」

 

実に狂った対処法だ、行動の先読みどころかパターン化?

それなら突破法は……

 

「……単純だけど、避けられなくしちゃえばいいじゃん」

 

私は近くにあった教室の扉や大きな瓦礫を全力で投擲し、近くの柱をつかみ取ると全力でスイングした。

瓦礫が高速で吹っ飛んでいき、回避場所は一切ないように思えた……が

 

「この作戦の一番の強みは『癖の変えにくさ』にあります」

 

かすかな隙間をスライディングで回避し、持っていた柱を手りゅう弾で粉々にされた。

これじゃあ爆風と破片で視界が……!!

 

「投擲の後は様子見に1.4秒の隙」

 

私の横腹に手りゅう弾が投げこまれた

 

「倒れる方向は若干右寄り」

 

いつの間にか倒れる方向に回り込まれ、今度は足場を崩される

 

「転びかけた時は確定でパンチ」

 

突き出した拳を掴まれ、引っ張られることで体制を完全に崩し前のめりに倒れこむ

 

「この状態じゃ踏ん張ることもできないので詰みですよ、ミカさん」

 

 

 

勝負はついた、ミカさんの負けで、私の勝ち。

 

「ミカさんは強いです。キヴォトスでも上澄みの上澄み……最強だとも思えてしまいます。ただ……私には未来永劫、天地がひっくり返っても勝てません」

「そっか……なんかもう吹っ切れちゃった、憑き物全部落ちた気分」

「……私はそのために来ましたから」

 

ミカさんはいつもの笑顔を取り戻し、私だって安堵している。

これでアリウスの侵攻は止まって三次試験に間に合うだろうし、ミカさんも反省してもうこんなことは起こさないだろう。私もここ最近の疲れが一気に取れたような気分になり、この時間がもっと続いていればとも思ってしまう。

……これからすることなど考えたくもないから

 

 

「……ミカさん」

「何?アユタちゃん」

「……もう少し政治の事を学んでください……あ、あと戦術もしっかりと……それと…あまり無茶なことはしないで……そして……」

 

 

 

「ナギサ様と仲直りしてください」

 

私は思わず顔をそむける。

ミカさんの顔を見たくなくなったから、あわせる顔がないから。

 

「……アリウス、計画の通りに進めてくれ」

 

私が震えた声でそう告げると、アリウスの生徒数人がミカさんの手足を縛り始める。

 

「アユタちゃん……なにこれ?……ねぇ」

「……決して傷つけるな、丁重に扱え」

「ねえ!!アユタちゃ

 

言葉を言い切る前にミカさんの口がテープでふさがれる

 

「どうやらシスターフッドが来ているらしい。体育館の方の援護に向かうぞ」

「……鏡裂、私たちが言う事じゃないだろうが……本当にいいのか?」

「……もう決めたことだ」

 

ミカさんの腕に注射針が差し込まれる。

その中身は超強力な麻酔薬、ゾウとかを寝かせられるほどに。

 

「意識が無くなる前に聞いてください、ミカさん」

 

「ミカさんの罪はすべて私が背負います」

 

「だから……」

 

「全て終わったらもう一度、一緒にご飯食べに行きましょう」

 

「今度はティーパーティーではなく私の友達として」

 

私はもう一度銃を構える。

この作戦が終わったら、私は厳しい処分を受けるだろう。

だけどそれも……

 

 

 

全ては私のお姫様のために

 

 

 

 

 

 

 




おまけ

過去アユタ
ミカの追っかけ。
「ミカ様の事どれくらい知ってるの?」と聞かれたら「愛銃の平均弾速と髪色のカラーコード」と答えるレベルの限界突破な子。
特技は全方向からミカを描く事。最小0.1度刻みで描ける。
ミカの半径1km圏内限定で完全に気配を消せる。
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