【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

100 / 200
祝! 100話達成!!
皆さんの応援で、ペースを落としながらもどうにかこおまで来れました。
心よりの感謝を!!

さて、肝心の内容ですが……ほぼサブタイ通りでアスランのメイド隊の名前がようやく公開となり、そして、「オーブと大西洋連邦がプラントを戦後も存続させる理由」が明らかになります。





第100話 今、明らかになるアスラン・メイド・トリオの名前(オリ)と、「プラントを存続させる必要性」について

 

 

 

「キラ……お前の言い分は理解した。じゃあ、質問を変える」

 

 そして、アスランは真顔で、

 

「”プラント”が生き延びるには、どうすればいい……?」

 

 『ザフトが』と言いださないあたりに、「アスランも少しは現実が見えてるんだな」とちょっとだけキラは見直した。

 正直に言えば、キラはこのままアスランは”知らぬ存ぜぬ”を通してメイド隊共々オーブに居着くと思っていた。

 パトリック・ザラやザフトに対するネガティブキャンペーン材料になってくれるなら、姉も国も受け入れたと思うし、そうなったらなったで自分も今まで通り親友として接しようとキラは考えていた。

 実際、アスランがザフトに所属して、”ヘリオポリス”では殺し合いにもなりかけたが、それでも少なくともキラのアスランに対する友愛は特に変化がない。

 

「それを僕に聞かれても……そういうのは、カガリの分野? 領分?だし」

 

「カガリ代表か……ソレスタルビーイングの」

 

「うん」

 

 そして、またしても少しだけ友情パラメータとは別の「アスランの現状情報」を僅かに上方修正する。

 ”アスハ代表”ともしアスランが言えば、「あれ? 代表首長と会いたいの?」と返すつもりだった。

 少なくともアスランは、姉が「アスハ代表」と呼ばれることを好んでいないときちんと認識しているようだった。

 

「なあ、キラ……カガリ代表に面会できるか?」

 

「できるけど……何を話すの? メイド隊の増強とかだったら鼻で笑われるだけだと思うけど」

 

「違う! 俺はアンジェリカ、ブリジット、チェルシーで十分、満足している!」

 

 本邦初公開、それがアスラン専属のメイド・トリオの名前らしい。

 フルネームだとそれぞれ、

 ”アンジェリカ・アンデルセン”

 ”ブリジット・ベルリネッタ”

 ”チェルシー・チェスター”

 らしいが、イニシャルだとA.A、B.B、C.C……おや? これは偶然か?

 名前が何となくトミノ式、いや、それ以上で何となくこのネーミングの雰囲気(センス)どこかで見たような……?

 まあ、細けぇことは今はよい。

 

「冗談だよ。でも、どうしたいかをきちんと自分の中でまとめておかないと、カガリに呆れられてラクスに嗤われるよ?」

 

 笑われるではなく嗤われると評してしまうあたり、割と業が深い話なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、メイド館なアスラン・ネストではなく、ソレスタルビーイングのカガリ執務室で改めて”謁見”が行われた。

 そう、オーブに来てアスランに初めて外出許可が出たのだ。

 お忘れかもしれないが、アスラン・ザラは「便宜上の”国家”首脳の子息」という特殊な立場ゆえに捕虜ではなく”ゲスト”扱いになったままだ。

 まあ、流石に国賓待遇ではないが「屋敷とメイド完備のぬくぬく隠遁軟禁生活」という感じだ。

 間違っても自分の意志で引きこもり生活をしていたわけでは無い。

 ただ、積極的にその性生活から脱出しようとしなかっただけだ。

 

 それとどうでも良い話だが、このカガリの執務室にも随分とラクスの私物が増殖していた。

 有田焼(どうも昔、窯元が日本から移住したようだ)っぽいペアのマグカップとか微妙に”重い”感じの物がさり気なく置いてあったりするのだから、実に油断できない。

 おまけに柿右衛門風の付け絵が百合だし。

 えっ? マグカップは重くないだろうって?

 来客用にも使えそうなオサレなティーセットやコーヒーカップではなく、普段使いの生活感にあふれたマグカップというところがなんというか……

 ちなみにカガリはブラックをグビグビゆく派で、ケバブも確かにチリソースは好きだがヨーグルトソースも他のソースも「好み人それぞれ」と容認するので、存外、公的には今のところ行方知れず扱いになってる妙に声が良い虎のオジサマとの相性は悪くないと思う。

 意外と言えば意外だが、ラクスもチリソース派で、ブラックよりカフェオレを好むようだ。

 それはさておき……

 

「プラントを戦後も政体として存続させたいって……お前、本気で言ってるのか? アスラン・ザラ」

 

「……やはり難しいか?」

 

 アスランが表情を曇らせながら言えば、

 

「普通に考えて難しいというか、現状ここまで拗れちゃ無理だろ? まさか、パナマの映像見てないのか?」

 

「……いや見た。そうか、そうだな」

 

 

 

(なんて、噓ぴょんだがな)

 

 と、内心でカガリ。

 さて、前に何度かそれと無く話に出たが……オーブと大西洋連邦(※地球連合ではないことに注意)は、原則として「戦後もプラントを存続させる」という方針で意見を一致させ、その方向でのコンセンサスは既に出来ていた。

 無論、ムルタ・アズラエルも出資したプラントが、自分の資産として戻ってくるだなんてお気楽なことは考えていない。

 彼の本質は、”冷徹怜悧なビジネスマン”だ。

 だが、自らの資産として還元させることはできなくとも、”プラント”を存続させる価値は十二分にあった。

 いや、むしろ今のプラントなら戻ってきたら、統治コストがかかり過ぎて不良債権化まっしぐらだろうが……

 

 一つは、”理想的な()()()()()()としてのプラント。

 思想的にナチュラルとの共存・共生は不可能と認定される、あるいは自らそう主張するコーディネーターは昔から居る。

 そのような場合、一番手間も暇もかからないのが”分離政策”、あるいは”隔離政策”。

 要するに物理的に居住地を分けてしまえという物だ。

 さて、これだと上品に聞こえすぎるので、かつて歴史でもてはやされた単語を引っ張り出そう。

 そう、社会を営む上での不適格者をまとめて”流刑地”に送ってしまおうというのだ。

 

 そもそも、スペースコロニーとは”宇宙植民地”という意味で、世界史を紐解けば”流刑植民地”なる単語がしばしば登場する。

 例えば、アメリカもオーストラリアも独立前は、イギリスの”流刑植民地”だったのだ。

 

 そう考えると、”プラント”が生まれた目的の一つに、「問題ある社会不適合者や危険分子のコーディネーターを宇宙流刑地に送って隔離、そして住居付工場で労働させる」という物があったことが透けて見えてくる。

 そして、かつて地球上にあった流刑植民地が、前述のように独立国となったように、”プラント”も独立自治を言いだすことは自明の理だった。

 だから、プラント理事国は宇宙での食糧生産を許さず、地球からの輸送が非効率なのを自覚しながら胃袋を掌握することでその動きを抑え込もうとしたのだ。

 まあ、結果として歴史は繰り返された訳だが……

 

 だが、このプラントから見れば”独立戦争”がどのような形で終わったとしても、ナチュラルと共に生きることを拒むコーディネーターは当然、出てくる訳で、その受け皿としてのプラントの価値は高いのだ。

 何より、独立して(独立させて)しまえば、自己責任……つまり旧プラント理事国から運営費が出ていかなくなることが大きい。

 基本、独立運動が起きてからこっち、治安予算がかかり過ぎて赤字気味であり、もしかしたらアズラエルは内心で、

 

(独立? 損切りができて大いに結構)

 

 と思っているのではないだろうか?

 しかも、問題あるコーディネーター……大体は、プラントに「コーディネーターの楽園」という夢を見る輩を、棄民ではなく「移住の斡旋」という大義名分で送り出せるのが良い。

 えっ? これだけやらかしてるのに、まだプラントに夢を見るコーディネーターがいるのかって?

 恐ろしい事に確実に存在する。

 古今東西、「つらい現実より夢や理想を優先する夢想家」というのは途絶えた試しがないのだ。

 信じがたいことに、プラントではなく地球上のコーディネーターでも、自称ザラ派や隠れザラ派は存在する。

 まあ、ソ連崩壊とともに冷戦が終わり何十年も経つのに、未だ「世界同時共産主義革命」を目標に掲げる者が居るという現実を考えれば、別に不思議ではない。

 

 そして、オーブとしてもプラントが存続してないと都合が悪い。

 何しろ、”終わらない雨事変”で、「思想的にオーブ国民として受け入れるには不適格」と烙印を押し、”捕虜”という名目で拘束してる宇宙産コーディネーターの引き取り先がいなくなってしまうのだから。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 他にも理由がある。

 ここ数十年、地球上では小競り合いや(落としどころを見出せる程度の)地域紛争レベルの軍事衝突は起きたが、大規模な国家間の戦争は起きていない。特にここ10年ほどは、軍事衝突その物が鳴りを潜めているのだ。

 その要因の一つが、プラントそして”ザフト”という「分かりやすい地球人類共通の敵対者」が居たからだとされる。

 どこぞのマ○ラ○ではないが、「人類共通の敵がいても、人間はそう簡単にまとまれない」のは事実だ。

 実際、オーブは未だにユーラシア連邦と東アジア共和国を仮想敵国から外してないし、大洋州連合とはしっかり領土をめぐって敵対している。

 だが、同時に面と向かって国家間での大戦争を起こすこともしてこなかった。

 つまり、皮肉を言えばプラントやザフトにも、それなりに「地球上国家間同士での戦争を抑制する効果がある」事は明白なのだ。

 これは無論、「敵対的宇宙人に対して形だけでも地球人同士でまとまろう」なんて建設的なものでは無く、「地球で大規模な戦争やらかして疲弊すれば、宇宙人が漁夫の利を狙っていつ寝首を搔いてくるかわからない」という不信感と恐怖心からだった。

 であるならば、戦後の安定の為にも「敵対的宇宙人=プラントのコーディネーター」は存続し”敵対者としての抑止効果”を発揮してもらった方が、戦後政治はやりやすい。

 つまり、「オーブと大西洋連邦の都合」でプラントは戦後も存在して貰わねば困るのだ。

 でないと戦後復興にかこつけた世界規模の”復興特需”計画に差し障りが出る。

 そして、想定される復興特需は、「プラントが再び理事国の工場として機能した利益」より経済規模が確実に大きいと試算されている。

 

 つまりは、

 ・ナチュラルとの共存を拒否する反社会的コーディネイターの隔離地(=棄民地、流刑地)

 ・地球各勢力多数派の”共通の敵対者”という認識での戦争抑止力

 として”プラント”は極めて有益なのだ。

 

 正直に言えば、この世界線においては、オーブと大西洋連邦が”本気を出せば”、プラントもザフトも絶滅させることはそこまで困難な事案ではない。

 だが、戦後処理を考えると、可能な限り回避したい未来だ。

 ”絶滅戦争”にかかる手間暇金人だけの問題ではない。

 今はプラントとザフト憎しで動いている地球のコーディネイターも、「本当にプラントを絶滅に追い込んだら」どう動くかわからない。

 「明日は我が身」だと思うコーディネイターだって当然出てくるだろう。

 そして、ナチュラルだって「宇宙コーディネイターを滅ぼしたのだから次は……」と考える破廉恥な輩も出てくるだろう。特にブルーコスモスの過激派。

 そして、”共通の敵である宇宙人”が居なくなった途端、地球上の国家がどうなるのかなんて目に見えている。

 そう遠からず、”第四次世界大戦”に行き着くだろう。

 そして、多くの地球人は、その存在をほとんど無視してるが、”火星植民人(マーシアン)”の問題が、確実に噴出する。

 原作外伝に詳しい方ならご存知だろうが、マーシアンは基本的に”()()なコーディネイター”の巣窟だ。

 

 彼らに対する詳細な言及は、”ディスティニー・プラン”の時代まで待ってほしいが……

 地球と火星のバッファーゾーンとしてプラントが機能してる事もまた事実という事も覚えておいて欲しい。

 

(とはいえ、ちょっとプラントの状況が想定より悪化してるからな……)

 

「”テコ入れ”は必要か……」

 

「カガリ代表?」

 

 腕を組んで考え込むカガリ……

 

「アスラン・ザラ……一応、戦後も”プラントという政体”を生き残らせる事はできなくはないぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、もう既に名前が妙に冨野式っぽくて怪しいメイド隊の出自や正体はさておき……

要するに、プラントを戦後も存続させたい理由は主に「オーブと大西洋連邦の都合」なんですよね~。
ぶっちゃけ、大西洋連邦……アズラエル・グループ総帥としては、治安コストの急増などで既に「赤字経営で不採算事業確定」のプラント経営は損切りしたいし、自分の財布が痛まない独立国化してくれるなら都合がよいと考えてるみたいです。
オーブも「その片棒を担がされるのは御免被る」のスタンスで。

それに、ナチュラルとの共存不可能と目されてる「6000万人の”()()”」を受け入れる受け皿も地球には無く、また、この先に生まれるだろう社会不適合コーディネイターの流刑地となってくれるなら一石二鳥という訳です。

まあ、地球に巨大原子レンジを向けてくるような危険思想を生み出す集団なんて、コーディネイターだのナチュラルだのという以前に、何処の国だって受け入れたくはないでしょうw

無論、これらも国家や民族の面子やら体面やらをポイっと捨てて、”名より実を取る”って発想があるからできることであって、正直、歴史的背景や民族性を考えると、”実より名を重んじる”ユーラシア連邦と東アジア共和国とは大きな隔たりがあります。

ユーラシア連邦と東アジア共和国の”中心となったであろう国”のドクトリンを考えると、人工天体の宇宙領土とはいえ容易に手放すってのは考えづらいですし。

実はこの”プラントに対するスタンスの違いと温度差”が、C.E73、そしてC.E75まで尾を引くんですよね~。


☆☆☆


さて、前書きにも書きましたが、この物語も3桁、100話を迎えられる事になりました。
大げさではなく、本当に皆さんの応援のおかげです。
毎回、後書きまで読んでくださってる皆様はご存知でしょうが、作者、割と評価を気にするタイプでして、正直、評価が連日のように下がった為に連載止めようと思たことが何度もあります。

正直、今も仕事や健康面などで執筆時間とモチベーションを維持するのが難しい状況が続いてます。
そんな中で頂ける高評価やご感想などの応援はとても励みになりました。

当初100話以内に納める予定だったこの物語、想定より伸びてしまいましたが……それでも、全エピソードの2/3程度を消化し、この章(アスラン立身篇? 覚醒篇?)を含めて残り50話程度で終わると思います。
残り1/3、宇宙ステージを最後まで応援して頂ければ幸いです。


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