【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
そして、アスランのモラトリアムはいよいよ終わりそうですよ?
「こ、根絶……」
ごくりと生唾を飲み込むアスランにカガリは頷き、
「ああ。文字通りの”根絶”だ。ナチュラルもコーディネイターも関係ない。”プラント”を形成する
「そ、そんな……」
「ありえないとでも言いたいか? そんなわけ無いだろ? ”再構築戦争”を上回るどころか地球を生物が生存不可能にするような輩を、誰が放っておくものか。知ってるか? 生存本能を刺激された人間は、どこまでも残酷にも冷酷にも無慈悲にもなれるぞ? そこに理性なんて期待する方が間違っているな」
その最もたる物が、NBC兵器全てが使用された”再構築戦争”だ。
「そこまで、なのか……?」
「滅びの瀬戸際を肌で感じた人間の怨念を
「だ、だが! だとすれば”プラント”はもう……」
表情を絶望に染めるアスランに、
「さっきも言った(第101話)が、手がない訳じゃない」
カガリは一度紅茶で喉を潤し、
「話を戻すが、だからこその”ナチスの戦後処理”方式さ。”ザラ派のザフト”、ザラ・ザフトの暴走って形で責任を全部おっかぶせて、”ザフトの行動はプラントの総意
「……それは本当にできるのか?」
「やりようはあるさ」
カガリはニヤリと笑い、
「
それは政治家では、いや政治畑とは『無縁でいたい』と心のどこかで思っているアスランにとり難解な質問だった。
「”パンとサーカス”とはよく言ったものでな。答えは簡単。”そうであって欲しい”と願う、大衆が望む
だいぶ前に触れたことはあるが、人道主義者の父親のウズミ・ナラ・アスハとは正反対にカガリ自身は性悪説の信奉者だ。
人の善意ほどあやふやな物はなく、また「大衆が移り気」なのは当然であり、そこを責めたり失望するのは無意味だと考えていた。
「人は根本的に信じたい物しか信じたがらない生き物だ。衆愚政治と思うか? 正直に言うが、私は国民が飢える賢人政治より、国民が明日の飯を心配しなくても済む衆愚政治の方が政治としては上質だと思うぞ?」
かつて”人類の理想”を追求し、机上の理論は完璧だったが現実にそぐわず破綻した国家が存在した。
その末裔がユーラシア連邦だ。
(政治家は大衆を、大衆は政治家を信頼し過ぎても信用し過ぎても国は寿命を縮める。為政者と民衆は、相互監視し合うくらいで丁度いい)
「さて、現状にそれを当てはめれば、オーブ国民とて、いや地球上の人間の大半は本音を言えばプラントの全滅させるなんて”面倒臭いこと”なんざやりたくないのさ。無論、私を含めてな。だがな……」
カガリはスッと目を細め、
「だが、放置すれば自分達が滅ぼされるとなれば、面倒だともも言ってられん。滅びよと自分に武器を向けて来る者には躊躇なく
そう、それはあたかも”
「でも、それじゃあプラントは……」
「まあ、最後まで聞け。地球人類滅亡を可能とする”ジェネシス”が作られている以上、鉾を振るうなとはもう言えん。だからこそ、鉾の振り下ろし先を限定し、振り降ろされる範囲を絞る。要するに鉾で殴りつける相手を”ジェネシス”を生み出したプラント全体から、”パトリック・ザラとその一党”に絞らせる事が出来れば、御の字だな」
カガリの言い分は、言い方を変えれば「やらかすことやってるパトリック・ザラとその一味はどう足搔いても(この世に存在を)許されることはない」と言っているのだが、それに気づくだけの余裕はアスランから失われていた。
もっとも。パトリック・ザラの助命嘆願をされたところで、無理と返すしかないだろうが。
「だからこそ、オーブ国民……いや、この戦いの当事者たる”地球上の大衆”の大半が納得できるバックグラウンド、”パトリック・ザラとその一味に
そして、カガリはまっすぐにアスランを見て……
「アスラン・ザラ、お前さんに絶滅以外のプラントの未来を得る為、”
「”道化”? 何の事だ……?」
「単純な話だ。お前自身が、”
「なっ……!?」
絶句するアスランに構うことなくカガリは続ける。
「こいつはパトリック・ザラの実子であるアスラン・ザラ、お前だからこそ意味も意義もある話なんだよ」
「い、一体何を……」
「分からんか? ”オーブの捕虜となった地球上の生物絶滅を画策する独裁者の一人息子が、真実を知り自ら先頭に立ち、反旗を振るう”……些か俗っぽいし安っぽいが、分かりやすい英雄譚の方が大衆の受けがイイ」
再びニヤリと笑い、
「つまりはそういうことだ」
☆☆☆
「つまり、俺に”父親殺し”をやれということか……?」
少し逡巡した後にそう返したアスラン。
「まさか。そこまでお前さんに期待しちゃいないし、第一、親殺しを強要するほど私は人として落ちぶれたつもりもない」
カガリはそう苦笑して、
「誤解の無いように言っておくがアスラン・ザラ、私がお前に望むのはパトリック・ザラの
「……具体的にどういうことだ?」
「”極悪非道の独裁者”を討つ役回りの、プラント側の正義に目覚めた『反逆のヒーロー』こそが私がお前に望む役回りさ。それがその独裁者の一人息子だなんて、実にドラマティック。さっきも言ったが、陳腐で如何にも大衆好みだろ?」
おどけた言い回しからカガリはふと表情を変えて、
「くだらない”ポピュリズムの誘導”と嗤いたければ嗤っていいぞ? ”劇場型政治”っていうのはそういうもんだ。だがな、オーブ国民から『プラント、尽く滅するべし』なんて民意が出るのを防ぐためには、私は手段を選ばん。”プラント住人の皆殺し”なんて、どう考えても将来の禍根にしかならない厄ネタの片棒担ぎなどさせたくないからな。これでも、私とて国民は可愛いんだ」
「別に嗤いはしないが……それが”政治”か」
「これもまた政治さ」
カガリはそう切り返すと、
「アスラン・ザラ、一人息子であるお前自身が”反逆の御旗”となることで、『プラントのコーディネーター全てが”
例えば、我々の知る歴史で言うのなら、独ソ戦の真っ最中に、志願兵になったスターリンの娘がドイツの捕虜になった上に、その後に反共反スターリンを掲げてドイツで表舞台に復帰したら、どれほどのインパクトがあるだろうか?という話だ。
「別に私はお前に亡命してきた元ザフトの義勇兵団を率いて先陣を切れとは言わんさ。第一、ニコルとかの例外ならともかく、プラント人をこの戦争、いや”警察活動”か?に組織的に導入する気は私にもオーブにもない」
”ザフトは軍人としての信頼度も信用度も足りていないからな”とカガリは繋げ、
「協力するというのなら、お前自身が生きるプロパガンダになってもらう。プラントとザラ派を
という訳で、カガリのマキャベリスト&性悪説論者モードでしたw
カガリは、実は大衆(民衆)を信じていません。
移り気なのは当然だと思っています。流されるからこその大衆なのだと。
まあ、だからこそそんな国民を、大衆を可愛いと言い切れるんですね。
カガリ:「為政者も大衆も、どっちも所詮はただの人間だからな」
そして、ポピュリズムを肯定するというw
アスランは、地頭は良いだろうし優秀なんだろうけど、何というか……色々と未熟ですね。年相応と言えば、それまでですが。
でも、成長できる伸びしろや気概はあるとカガリは見ています。
実はこの世界線のカガリとアスランの関係性は、原作と対比するとかなり皮肉になっていると今更ながらw
とりあえず、「プラントをザラ一派から切り離し、途切れかけている未来を繋ぎとめるため」という大義名分のもと、いよいよアスランにも求められる役割が回ってくるみたいです。
これからもよろしくお願いします。