【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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この話から新章開始です。
相変わらず、すぐにはボアズ戦は始まらない模様。

ボアズ先輩がナレ死にならなければ良いけど(割とシャレになってない













第8章:オペレーション・アップルシード
第116話 クジョウ式「これまでのあらすじ」とボアズ攻略確認事項 【挿絵入り】


 

 

 

 さて、一風変わった視点に変えよう。

 場所はソレスタルビーイング、上級職員の執務室。

 いや、”クジョウ・ルーム”と言った方がわかりやすいだろうか?

 

”ミラー・シートロール”なんて何に使うのかしら? なんて考える方が無粋か。容量的に使い道は大体想像つくもんね」

 

 と、自らの組織のボスの大胆さにため息を突く何やら最近、戦術予報士の役割を超えて作戦参謀の一人にカウントされているような気がして軽く戦慄を覚えるリーサ・クジョウ。

 

(この戦争が終わったら、少し本気で寿退社する路線を考えた方がいいかしら?)

 

 様々な役職手当てが付いて順調に給料が上がってるのは良いのだが、飲み代しか今のところ使い道がなく、銀行残高だけが無駄に増えてゆくことに軽く危機感を感じる。

 アテがあるのかを詮索してはいけない。多分、ガンダムが飛んできてピチュンしてくる。

 でも、もうビリー……売約済み(ほしょく)されてるんだよなぁ(『第33話 新ヤマト家(?)とモルゲンレーテ社への復帰、そして少々NGではなくGNネタ』参照)

 

(まあ、思考的逃避はこれくらいにして、と)

 

「とりあえず、”ボアズ”攻略戦のソレスタルビーイングの役割は、出番が来るまで投入機材の保守と準備ってところか。まあ”使ったら”即座に防衛戦になるだろうけど」

 

(でも、何となくその前に決着(ケリ)が付きそうな気もするのよね……)

 

 ソレスタルビーイングが持ち込みの”機材”を投入するのは、作戦の中盤以降だ。

 

「何より、基地制圧用の対テロリスト鎮圧モードで投入される”拠点警備用ロボット(オートマトン)”って本当に要る? いや、突入コンテナごと用意はするけど……投入する前に士気崩壊してるんじゃないかしら?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 クジョウは、改めてカガリから直接回ってきた作戦概要書に目を通す。

 

(現在稼働中のオーブ宇宙艦隊の約2/3を投入する、か……)

 

「建国以来の大規模戦ってやつかしらね?」

 

 現在のオーブ兵力を少し確認してみよう。

 戦力の中核となる宇宙戦艦(戦闘航宙モビルスーツ母艦)を軸にすると……

 実質的にカガリ直下の特務部隊と言える複合軍集団、オーブ本土に居る”アークエンジェル”。

 ”アメノミハシラ”を母港とするイズモ級の3隻、イズモ、クサナギ、スサノオ。

 今や宇宙要塞として機能している”ヘリオポリス”の駐留するアマギ級アマギとイズモ級ツクヨミ。

 

 基本、性能的に他の艦が追従できないため、スタンディングアローンでの行動が軸となる万能艦のアークエンジェルは例外として、イズモ級ならびにアマギ級は、2隻のネルソン級と8隻前後のドレイク級で10隻程度を随伴させ1個艦隊として編成される。

 そして、今回の作戦ではアメノミハシラからクサナギとスサノオ、ヘリオポリスからはアマギの艦隊が参戦する予定だ。

 留守を守るのは、イズモとツクヨミの艦隊ということになる。

 

 実はアマギ級2番艦の”アカギ”が既に就役しているのではあるが、現在、慣熟訓練中「という事になっている」ので、ボアズ戦には参加しない。

 

(普通なら10代の女の子を総司令官を任せるなんて正気を疑うところだけど……)

 

「カガリ代表だもんねぇ」

 

 そこは深く追求しても無意味だと、思考を放棄するのではなく切り捨てるデキる大人の女、リーサ・クジョウ。

 

「とりあえず、”弾丸”はアマギ隊が合流を兼て運搬。カティなら問題ないでしょうね。ザフトが奇襲してきても、普通に返り討ちでしょうし」

 

 クジョウの先輩に対する信頼は厚い。

 

(判明している情報を精査する限り、作戦に重篤な影響を与えるイレギュラー要素は、今のところほぼ払拭されてるわね)

 

 その大きな理由は、「あまりにザフトがオーブに対して無警戒」だからだ。

 これだと少なからず語弊がある。

 厳密に言うなら、ザフトは「オーブの戦力その物は警戒」している。

 だが、同時に「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」ことも理解しているのだ。

 

 

 

 ”オーブは基本的に、利や理のない戦いは嫌う”

 何を当り前な事をと思うかもしれないが、実はこれも立派なドクトリンの要約なのだ。

 オーブは、基本的に自衛有利、いわゆる”攻撃側3倍の法則(3:1 rule)”=「一般的に攻撃する側は防衛側の最低でも3倍の戦力が好ましい」が適応できるような状況を作ろうとする。

 それは当然のことだ。

 ザフトが出てくる以前のオーブの仮想敵国と言えば、ユーラシア連邦と東アジア共和国だ。

 この二国、”地球連合”を形成する三大国家の二国だけあり、人口だけ見れば3倍どころかユーラシア連邦で20倍以上、東アジア共和国に至っては50倍近く。兵力も開戦前は常備兵力58万6千人ほどだったオーブに対して、どちらも常備兵力で600万規模。予備役召集の動員で即座に1000万規模になる。

 

 これが現状、ザフトとの開戦の影響でオーブは予備役動員や志願枠の拡大でどうにか動員兵力86万5千人を確保。100万人までなら何とか目算が経つ。

 逆にユーラシア連邦や東アジア共和国は、開戦から100万人規模の戦死者を出しているが、これでも未だに彼我に隔絶した兵力差がある。

 

 だが、ユーラシア連邦と東アジア共和国には、共通して泣き所があった。

 そう、「渡洋展開戦力の低さ」だ。

 元々、この二国の旧中心国は、地政学的に見ても陸性(陸軍)国家であり、かつての弓状列島だった母国のように「大陸に近すぎる」訳ではないオーブを物理的な攻めるには、本格的な渡洋侵攻能力が必要になってくる。

 故にかつては、二国はオーブ攻略計画は通常弾頭と核弾頭を混在させた地上・水上・水中・空中・宇宙の各種プラットホームから発射する巡航/直射/弾道ミサイルの多方向飽和先制攻撃を行い、オーブの交戦能力を奪い、少ない上陸軍でも占領できるような計画を基本とした。

 

 対してそれを知るオーブは、両国からの飽和ミサイル攻撃を如何に鎬き切るか?に腐心し、その結果として今の国力から考えれば膨大な防衛能力に繋がっている。

 『第67話 やらかし』においてアズラエルが語っていたオーブの国防ドクトリンはまさにこれの事で、核を含む敵国先制攻撃で国防戦力が消耗・壊滅しなければ、「オーブの国防総兵力は、”攻撃側3倍の法則(3:1 rule)”の適応範囲内を維持できる」、即ちユーラシア連邦と東アジア共和国の連合渡洋侵攻軍の1/3以下の兵力にならない状態を維持できるとしたのだ。

 

 また、プラントによるニュートロンジャマーの投下は、実はオーブ有利に働いている。

 何しろ、ニュートロンジャマー・キャンセラー非搭載/搭載できない核兵器も、長い航続力が自慢の水上/水中核動力艦も使い物にならないのだから。

 

 そして、ユーラシア連邦と東アジア共和国が如何に巨大でも、他国由来の超高度技術で希少素材を使うニュートロンジャマー・キャンセラーを短期間で大量生産するのは不可能で、投入リソースは限られる。

 ましてや、両国はプラントと戦争状態にあり、今は塩漬け案件に成り果てた対オーブ・ドクトリンにニュートロンジャマー・キャンセラーを投入する理由はない。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 以上のような事柄から、ザフトという国際的宇宙テロリスト集団の為に多少の修正や変更は余儀なくされたが、その本質においてオーブの国防ドクトリンに大筋での変更や見直しは今のところはない。

 

『アクティブ・ディフェンスの選択肢を常に入れたパッシブ・ディフェンス主体の国防計画』

 

 のままだ。

 そう言う意味において、先の”ヘリオポリス襲撃事件”や”オペレーション・スピットブレイク”での防衛作戦は国防方針から見ても順当な物で、”パナマへの支援作戦”は、「大西洋連邦との安保条約の履行」という政治的理由。

 

 毛色が違うように見えるのは、オーブ本土攻撃への報復と思われる”オペレーション・メテオストライク”、デブリを用いたカーペンタリア基地への軌道爆撃作戦だ。

 ただ、これもオーブの国防ドクトリンから大きく外れる物では無い。

 むしろ、ザフト側での解析によれば、これもまたドクトリン「アクティブ・ディフェンスを選択肢から外さない」に合致していた。

 

 まず、カーペンタリア基地が選ばれたのは「オーブに最も近いザフト基地であること」。

 そして、「開戦と同時に作られた人工島」であり、即ち「仮に攻略・占領したとしても、元が既存国家の領土ではないため()()()()()()()()()()という理由が大きいと考えられていた。

 

 実はこの見解、オーブが国是として三大理念「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」を標榜してる以上、あながち間違った解釈とは言えない。

 ザフトに言わせれば、オーブは「自らの掲げた理念で自縄自縛になる国家」となる。

 そして、それを肯定するように、オーブ軍自体では爆撃のみでカーペンタリアやその周辺の占領は行わず、また同じくオーブ本土に近しいカオシュン基地(台湾島基地)には、マスドライバーという重要施設があるにも関わらず、一切攻撃しようとはしてない。

 台湾島を攻撃・制圧すれば、戦中も戦後も東アジア共和国との領土問題/政治問題をオーブは避けられない。

 それを嫌ってのことだとザフト参謀本部では考えられていた。

 

 まあ、ここまでは間違ってはいない。

 だが……

 

 

 

『であるならば、同じ理由で元々は東アジア共和国の資源衛星だった”ボアズ”をオーブが主体となって攻略する事はありますまい。また、歴史的背景からユーラシア連邦と東アジア共和国と徒党を組むことも無いでしょう。オーブがボアズに来るとすれば、あくまで大西洋連邦と。それも”補助戦力としての参戦”でしょうな』

 

 これはとあるザフト参謀の会議での発言であるが、これがパトリック・ザラを含むザフト首脳部共通見解だった。

 

『故に我々(ザフト)がボアズ防衛で絞るのは、優先的に警戒すべきは、「奪われた領土の奪還に面子と熱意を傾ける」傾向が歴史的に強い東アジア共和国、そして距離的に近いユーラシア連邦でしょう。件の者達には、裏切り者を通じてニュートロンジャマー・キャンセラーが渡ったという情報もありますので』

 

 こうしてオーブは、ザフトの「ボアズ、ならびにヤキン・ドゥーエ、プラント本土攻撃に関する最優先警戒対象」から外されてしまう。

 無論、本当に無警戒という訳ではないのだが……だが、何度か言及した通り、元々プラントの情報収集能力は高いわけでは無い。

 正確には、収集できる分野が狭く、その範囲もそう広いわけでは無いのだ。

 

「まあ、そんな感じの結論なんでしょうけど……残念だけど、『テロリストに占拠されて持ち去られた資源衛星』なんて、オーブは既に東アジア共和国に所有権なんてないって見做してるのよね。しかも”新星”の頃から、オーブの解釈だと資源衛星は国家資産であっても領土とは見做されないのよ。要するにアステロイドベルトから引っ張ってきた小惑星、単なる”宇宙鉱山”ってことだもの」

 

 だからこそ、クジョウはこう結論付ける。

 

「宇宙鉱山に立てこもる自国を攻撃テロリスト相手に、手心加えるほど甘い国じゃないのよ。オーブは」

 

 そして、ふと思い直す。

 

「ちょっと待って。これでラクスさんの歌攻撃によるメンタルアタックが入るのよね?……それも序盤に」

 

※画像はクジョウの脳内イメージです。

【挿絵表示】

 

 

「うわぁ~。これ物理的な戦力より先に、確実に士気が瓦解するんじゃない?」

 

(むしろ、作戦の途中で、敵の士気が崩壊した方が、面倒くさい事になりそうね……)

 

「これはいくつか、その場合のオプション・プランをあげといた方が良いかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、本当は優秀なクジョウさんの現状把握と考察回でしたw

挿絵のクジョウさん、なんか青の開襟シャツも紫のジャケットが何やらAI先輩が再現してくれないので、あくまで雰囲気を楽しむイメージイラストとして考えていただければと。

今回の内容、要約すれば「ザフト、オーブが単独で攻めてくるの警戒してないよね?」って確認と、それに至る政治的背景ですね。

いえ、読み返して頂くとそこそこ、それを匂わすニュアンスがあるのですが、パトリック・ザラもザフト首脳部も割と「未だにオーブを誤認」してるところあるんですよね。

確かに「無駄な戦闘は好まない」のもオーブですが、それは「必要な戦闘をやらない」のと同じ意味ではないんですよ。
まあ、オーブが思い切り誤認させる方向で戦争遂行……ではなく”宇宙テロリスト討伐”してるんですがw

やっぱり、特にザラ派ザフトは自覚ない故に、「テロリストを駆逐する為の作戦」がオーブで練られてるとは思っていないようです。

蛇足ながら、クジョウさんの中のラクスのイメージって一体……
メスガキ系アイドル?

残り少なくなってきましたが、これからも応援していただければ幸いです。
新章もどうかよろしくお願いいたします。

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