【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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今回は、前半がきらまりゅデートの続き回、エンカウント・イベント付w
後半は……中身があるのかないのか微妙な語らい。意味があるとしても、果たして軽いのか重いのか……
ただ、前回に太字で強調した”天国の扉”の意味は分かると思いますよ?








第118話 ”Knockin' On Heaven's Door” 【挿絵入り】

 

 

 

 さてさて、スクールユニフォーム風のマリューと、原作よりちょっと一般的な服装、ハイブランドっぽいスカイブルーのサマージャケットに黒のTシャツ、デザイナーズのブラックジーンズとスポーツブランドのスニーカーを組み合わせたカジュアルなデートコーデのキラ。

 この2人がちょっとした観光地にもなってる賑やかなショッピング・ストリートを歩いていると……

 

「キ、キラさん?」

 

「あら?」

 

 バッタリ、どうやらあっちもデート中だったらしいニコル・アマルフィ&ヒリング・ケア(近い将来ヒリング・アマルフィ予定)のカップル・エンカウントだ。

 それはいいのだが……

 

「キラさん、ちょっとこっちへ!」

 

「えっ? なに? なに?」

 

 何やら血相を変えたニコルに、腕をつかまれてちょっとマリューと離されてしまうキラ。

 するとニコルは耳元で、

 

「マズいですよ、キラさん! あの娘がどこのどなたか存じませんが、女子学生をナンパ? それとも逆ナン?してデートとか。今日、ボクが見たことはマリューさんには黙っておきますから、今すぐに……」

 

「ニコル、その心配は必要ないわよ?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「いえ、でも流石にアスランじゃあるまいし、とっかえひっかえっていうのは……」

 

 すました顔でひょっこりニコルの後ろから顔を出し、顔を真っ赤にした件の女学生(?)を手招きしたヒリングは、

 

「そうじゃなくて……この娘、マリューだもの」

 

 脳量子波で同一人物だと断定したのか、あっさり見破りさらっと言うヒリング。

 

「……はっ?」

 

 処理落ちしたのか、言語を最小限に絞るニコル。

 ついでに視線を逸らすキラに、ますます顔を赤くさせるマリュー。

 

「近所の女子高の生徒会長とかやってる、ワガママボディが評判のマリューさんとかですか……?」

 

 ニコル、それはどこから湧いて出たキャラだ?

 

「いいえ、モルゲンレーテ社員で、戦争が終わったらキラ君と結婚して、ヤマト姓になる予定のニコル君が知ってるマリューですぅ」

 

 いや、その返しもどうなんだろう?

 

「あの……キラさん、そういう趣旨のプレイ中ですか?」

 

 ニコル、何やら順調に伝統と格式と溜まりに溜まった色々なヤベさで醸造された旧日本源流オーブ式サブカルに汚染されてるようで何よりだ。

 血のつながった年の離れた妹を愛して性交渉して孕ませる漫画が、堂々と一般紙で連載されていた世界へようこそだ。

 

「プレイ言わないでよ。まあ、否定はできないけどさ」

 

 少年二人はさておき、ヒリングは改めてまじまじとマリューを見て、

 

「それにしてもマリュー、そういう恰好似合うわね? もしかして、本当に10代とか?」

 

「それ、キラ君にも言われたから」

 

 余談ながら……マリュー、本当に肌年齢は10代だったりする。

 これも高品質の白いたんぱく質を高頻度・高濃度で補充? 注入?されてるからだろうか?

 まあ、キラは色々とスーパーなコーディネーターらしいし。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、せっかくのお互いのパートナーとデート中だ。

 最初からそう計画していたのならともかく、それぞれのデートプランもあることだし成り行きでWデートというのも無粋だろう………ということで、離脱。

 キラとマリューはウィンドショッピングにお昼に映画と、いかにも学生らしいデート・コースを満喫した。

 ただ、全くトラブルが無かったというわけでは無い。

 

 ちょっと考えて欲しいのだが……今のマリューの印象は、ニコルに言わせると『近所の女子高の生徒会長とかやってる、ワガママボディが評判のマリューさん』であるらしい。

 確かに優等生の可愛い系美人、清楚な雰囲気と相反するぱっつんぱっつんの我儘ボディの生徒会長という概念は、わからなくもない。

 そして、それと仲良さげに手をつないで歩いてるのは、マリューと少しだけ年下に見える、顔立ちは整っているが、温和そうな少年だ。

 着てる物のお値段はちょっと学生さんには迂闊に手を出せない(ハイブランド・サマージャケットとかで検束すると、そのお値段のえげつなさが分かる)代物だが、服装自体はTシャツにジーンズ、スニーカーだ。

 何が言いたいかと言えば、この絵面……午後になれば「学校帰りの美人生徒会長を、どこにでもいる少年がナンパして放課後デートに誘って」るように見えるのだ。

 

 つまり、(キラと)同年代の寂しい年代のヤローどもが、「もしかして自分も」とか分不相応の考えを持っても不思議じゃない。

 普通、この手のナンパヤローは「女の子だけでいる時」を狙う程度の理性はあるのだが、マリューの魅力値が高すぎて、キラに限らず理性を簡単に突き崩しがちだ。というかナンパ目的の10代・20代のオスの理性値に期待してはいけない。

 

 確かにオーブは世界的に見てもトップクラスに治安のよい国だが、だからと言って不埒な輩が居ないわけじゃない。

 おまけに姉のカガリやラクスのようにメディア露出が多いわけでもなく、またSPをつけて回るような立場ではない(と少なくとも本人たちは思っている。ただし、姉の意向で多分、気づかれぬように付いてる筈)。

 そして当然、キラが優男の見た目と違って、頭も戦闘力も中身も薩摩式サーシェス風味って事は一般人はほとんど知らない。

 

 

 

 つまり何が起きるかと言えば……キラの一日における『マリューに近づくナンパヤロー返り討ち数』が過去最高を記録した。

 むしろ、既に軍人扱いであるために携行義務がある拳銃や、携行許可が降りているサーシェスからお土産に貰った護身具としての暗器(隠し武器)を一切使わず、無手で鎮圧しきったキラは褒められて良いだろう。

 さすがのキラも少し驚いたらしい。

 自分という夫が横に居るのに、まさか30分に1回、「ヒト、襲来」イベントが発生するとは思ってなかった。

 ただし、周囲は夫どころか、彼氏とさえも思っていなかった模様。

 

 まあ、そんなひと悶着もありましたが、時はもうすぐ夕方。

 

「素手で”重度の後遺症が残らない程度のダメージで気絶させる”っていうのは、思ったよりも大変だなぁ。もっと鍛えないと」

 

 ちなみに姉は、無力化したい時は蛇咬掌で頸動脈締め上げて”落とす”らしいが。”始末”したい時は? そのまま握り潰すだけだろう。

 

「な、なんかごめんなさい。その、いっぱい迷惑かけちゃって」

 

 ちょっとシュンとなってしまうマリューにキラは事も無げに、

 

「マリューさんは何も気にしなくいいよ? ちょっとそうだな……”わからせ(物理)”っていうのをしただけだから」

 

 むしろ気になるのは他の事で、

 

「でも、僕と出かけるとき以外では、制服風は自重してくれると嬉しいかな? その、世の中には制服に興奮する変態もいるって言うし」

 

 ちなみにキラが興奮するのは中身なので問題はない。

 

「う、うん。もう着ないね?」

 

「ううん。僕と一緒だったら、いつでも着ていいから」

 

 何気にマリュー女子高生ver、気に入ったのではないのだろうか?

 というか、キラのつよつよ独占欲にさらに磨きがかかった気がしないでもない。

 そして、海が見える一角で

 

「ねぇ、キラ君、少し座らない?」

 

「うん」

 

 

【挿絵表示】

「海風、気持ちいいね」

 

「もう、8月も終わりだからね」

 

 少しの間、そして……

 

「ねぇ、キラ君……私も軍人だったから、大きな作戦の前に、参加人員にまとまった休暇が出る意味、知ってるんだよ?」

 

 つまりは、”未練を残さぬように大切な時間を過ごせ”だ。

 マリューは自分の腹に手を当てて、

 

「キラ君と愛し合った証は、ちゃんとここにある。でもね……」

 

 微笑みながらもその瞳は涙に濡れて、

 

「キラ君が居なくなるかもしれないと思うと、それだけで寂しいの。怖いの。苦しいの……」

 

 

 

 あえてこれまで書いてこなかった設定がある。

 キラと出会うまで、マリューは”処女”だった。

 処女を拗らせたとか言わないでやって欲しい。技術者として若くして一流となった背景には、色恋など必要なかったのだ。

 つまり、彼女は原作のような別れは経験していない。

 大切な人との別れを経験していない。

 何よりも原作と違うのは……

 

「私、もう多分、一緒の戦場に立つことは無いから」

 

 ある意味、当然であった。

 マリューは既に大西洋連邦、オーブに限らず軍から退役済みであるし、モルゲンレーテ社とて身重な娘を戦場に出すような極悪企業では無い。

 そもそも、彼女はヘリオポリス脱出行の時でさえ、艦長などの戦闘職ではなく、実質的には技術将校扱いのままだったのだ。

 おそらく、マリューが戦闘艦に乗り込み戦場へ赴くような事は、この世界線では二度とは無いだろう。

 

 オーブはそこまで腑抜けた国でもなければ、世界はその程度には優しい。

 

「僕は、そっちのほうが嬉しいよ。マリューさんが戦場に居ないだけで、安心できる。マリューさんが、オーブで待ってくれていると思うだけで、絶対に生き残ってやるって思うから」

 

 マリューを抱きしめ、

 

「大丈夫。僕は必ず生きて帰ってくる。だって僕はもっとマリューさんを愛したいから、マリューさんに愛されたいから。こんな短い時間じゃ、全然足りないんだ。これから先の人生、ずっと”マリュー”と一緒に居たいから」

 

「キラ君……」

 

「愛してるんだ。心から」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、宇宙戦が始まる前のほんの一コマ。

 ちょっとした姉弟の語らい。

 あえて、どのタイミングかは記さない。

 なぜなら世界は、常にクソッタレな要素に事欠かないのだから。

 

 

 

「カガリ、ちょっと確認だけど……オーブ単独で”ボアズ”を落として、次は大西洋連邦と合同で”ヤキン・ドゥーエ”。プラント本土への攻撃はしない方針なんだよね?」

 

 明日の天気を聞くような何気ない口ぶり。

 だが、姉はそこに確かに存在する微妙なニュアンスを察した。

 

「攻め込みたいのか?」

 

 この姉弟の会話はきっと”狂言回し”。

 不穏な不穏な狂言回し。

 大きな意味などありはしない……多分。

 

「……」

 

 黙り込むキラにカガリは愉快そうに笑い、

 

「当ててやろうか? ”現在の敵と敵となる可能性のある者達を根絶やしにすれば、この戦争は終わり、この先の戦争も起きなくなる”……だろ?」

 

「!?」

 

 キラのリアクションに苦笑しながら、

 

「”予防戦争”ってのは、大体そんな理由で起こるもんさ。キラ、悪いがそれは”今は”許可できん」

 

「どうして?って聞いていい」

 

「所詮、戦争ってのはどこまで行っても政治の一形態にすぎん。戦後処理を考えると、プラントが現時点で消滅するのは酷く都合が悪い。それにキラ、我が国の伝統的な仮想敵国はどこだ? プラントか? ザフトか?」

 

「ううん」

 

「だからプラントにも使い道はある。戦中も戦後も、だ。それにな、今更だがオーブにとり、ヘリオポリスから始まる一連の戦いは”()()()()()()”。我々がすべきことは、ザフトを僭称する勢力、特にザラ派のザフトを”テロリストとして、テロリストらしく駆除する”ことだ。それ以上は、今やることでもやるべきことでもない」

 

「この先、”目(こぼ)しされた有象無象”が、次の戦いの火種になるのをわかっているのに?」

 

 辛辣だが、的確に表現を行う(キラ)に姉は満足を覚える。

 もうしばらくしたら、少しは、「政治的判断が必要な仕事」を任せても良いかなと。

 もしかしたら、”コンパス”の1stフラグかもしれない。

 

「そうだな。パトリック・ザラの思想を受け継ぐ者は、この先も必ずプラントで生まれてくる。アレがどれほど愚かな所業をしたとしても、賛同者は出てくるだろう。だがな、それを嘆く必要はないぞ?」

 

「……どうして?」

 

「人類はこれまでもそうやってきたからさ。殺し殺されまた殺して、人類は歴史を回してきた。お前や私が生まれるずっと以前から、いや人類が生まれたその瞬間から、地球は死臭に満ちている。まるでそれこそが人類の新陳代謝だとでも言うようにな」

 

「でも、それじゃあ救いがないよ……」

 

「いらんだろ? 人類や世界全体の救済なんて」

 

「……えっ?」

 

「状況を単純化しろ。キラ、お前が守りたいのは人類や世界か? それとも、マリューと生きる”これから”か?」

 

「もちろん、マリューさんだよっ!!」

 

 躊躇いなく叫ぶ弟に姉は満足し、

 

「ならまずお前は、マリューとの生活を直接的脅かす”モノ”を駆逐する。国の為に戦う理由なんざ、”マリューと一緒に生きる場所だから”程度で十分だ。オーブ全体の事なんて考える必要もない。マリューと腹の子を守るついでに国を守る程度で構わんさ」

 

「僕はその、ありがたいけど……カガリはそれでいいの?」

 

 カガリは鼻で笑って

 

「良いも悪いも、私に御大層な正義も理想も理念も大儀も展望もあるものか。そんなものは犬にでも食わせてやればいい」

 

「そうなの?」

 

「ああ。生憎、私は御大層な正義を振りかざす奴は大嫌いでね。なんせどこの国営墓地も、自分じゃない誰かが叫んだ正義とやらの為に死んだ奴で満員御礼ときてる」

 

「じゃあ、カガリは何のために戦うの?」

 

「ああ、そうだな……」

 

 カガリは少しだけ逡巡し、

 

昨日より今日が、今日より明日が少しはマシになりゃあいい……突き詰めてしまえば、その程度だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、キラはある意味において”壊れた”。原作とは違う意味で、より強靭により凶悪に。

 (カガリ)が生きている限り、キラはもう迷うことはないのかもしれない。

 もしかしたら、カガリの罪は重いのかもしれない。

 キラから迷いや躊躇いを消滅させるという事は即ち……”バーサーカー”を宇宙(ソラ)に解き放つに等しいのだから。

 

 きっと、”天国の扉は、ノックされる(Knockin' on Heaven's Door)”

 誰がノックし、誰のために開いた扉か定かではないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、きらまりゅ、にこひりとエンカウントするの巻でしたw
久しぶりにヒリング書いたなぁ~と。
キラに釣られて、ニコルもややキャラ崩壊。まあ、彼も大分、オーブに馴染んできたようで何よりですw

続いてキラ、無駄に格闘スキルを街中で披露する羽目になり……
まあ、そうだよなと、原作の彼女より脆く儚かったマリューさん。
原作の彼女より、実はちょっと年下で小柄で、少し人づきあいが少しだけ苦手で、科学者としては優秀でキラが「初めて好きになった人」で……全然、”強い女性”じゃなかった。
大切な人を失った経験もなく、また技術者なのに艦長職を押し付けられる事も無かった。
軍人からも退役した彼女は、ただの「来年にはお母さんになってる科学者」で……だから、キラは自らの意思で”壊れる”ことを無自覚なまま選択する。

”Knockin' On Heaven's Door”は元はボブ・ディランの曲で、ある映画の為に書き起こされた曲なんですが、その歌詞は……

ぶっちゃけ、”戦う理由は人それぞれ”ってだけかも?
何気にヒリングさんのイラスト、初出しですw

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