【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
それは、ボアズへの総攻撃が始まる前の、ほんの一幕……
「ピーリス中尉!」
「ん? 君は確か、ヤマト中尉だったか? 民間出身なのに、第一次ヘリオポリス防衛戦、アメノミハシラ沖会戦、オーブ本土防衛戦、パナマ強襲戦と立て続けに大規模戦に参加し、赫々たる戦果を挙げオーブ屈指のウルトラ・エースの一人になったという」
少しだけ誤解がある。
キラは今でも「モルゲンレーテ社からオーブ軍への出向」という体裁で、厳密には”軍属”であり、本来なら”中尉待遇”だ。
だが、いくら
「いえ、そこまで大それた事は……」
「謙遜する事は無い。複数の大規模戦に参戦し、二桁の撃墜をあげ、三桁も視野に入ってるそうじゃないか? それはモビルスーツ・パイロットとして誇って良いことだぞ」
こういう方面であまり褒められ慣れてないキラは、ピーリスのド直球の賞賛にどう反応してよいか分からず、曖昧に微笑むキラ。
「ところでヤマト中尉、わざわざ”アマギ”にまで来て呼び止めたという事は、私に何か用があるのか?」
そうなのだ。
キラ、合流した”アマギ”に上層部(というか姉)の許可を取り、自ら内火艇を操縦して乗りつけていたのだ。
その理由は……
「ピーリス中尉、そ、その……」
ちょっとしどろもどろになりながら、
「ぼ、僕のパートナーになってくれませんでしょうか!!」
”し~~~~~~~~ん”
静寂タイムが訪れた。
その耳が痛くなるようなサイレント・タイムが辛くなったのかピーリスはコホンと咳払いして、
「それは私に男女交際を申し込んでいるのか? 申し訳ない。私は中尉を男性として認識できない。男というのはこうもっと……円熟味と渋さを兼ね備えねばならない。中尉がそれを得るには、あと15年。いや、20年はかかるだろう。男というのは、年輪を重ねた大樹のようでなければならないものだ。人生の重みという物が顔に滲み出るようになって、ようやく男として一人前なのだと私は思う」
と、早口のピーリスは隣でチベットスナギツネのような趣と味わいのある表情をしているセルゲイ・スミルノフを見やる。
うん。ピーリスの男性感がよくわかる。
だが、ピーリスの返答の意味を理解したキラは慌てて、
「あっ、いえ! そういうのじゃなくて……」
⌚⌚⌚
それは、アークエンジェルの士官食堂にて……
「キラぁ、聞きましたわよ? マリューさんという者がありながら、銀髪美少女ピーリスさんを口説いたんですって?」
「なんでそんなに嬉しそうなのさ?」
「女の子にとって、恋バナは重要な必須栄養素ですもの♪」
「違うからね? そういうのじゃないからね?」
そもそも恋愛対象としてキラが見るには、ピーリスには圧倒的にある部位の厚みが足りず、ピーリスがキラをそういう対象と見るには、本人の発言の通り圧倒的に
ついでに”ピーリスの中の人”ことマリーの好みからもキラは外れるので二重の安全仕様だ。
まあ、そういう意味でこの二人に”間違い”が起きることは無いだろう。
「では、どういうのですの?」
「ん~……”
どうやらキラ、原作ではありえないコミュ力を
「なんだ。つまりませんわ」
プイっと横を向くラクスに、
「今は作戦中だし、面白さや娯楽を僕に求められても……というか、そもそも同系統の機体に乗ってるのにラクスがバディを組んでくれないからの処置であって」
「何を当り前な事言ってますの? わたくしとキラでは戦闘スタイルが違いすぎます。どこの世界に軽騎兵と一緒に突撃する長弓兵がいますか」
「……ラクスって、意外とそういう方面、的確に表現するよね?」
「これでも”歌って踊れてバトれるアイドル”を目指してますので♪」
無い胸をエッヘン♪と張る姿がちょっと可愛い。
「あー、ハイハイ。とにかく、そう言う事だよ」
「まっ、状況はよくわかりましたわ。ところで了解は貰えたのですの?」
「それはね……」
☆☆☆
『良いのではないかな? 実際、我が隊でもピーリス中尉に追従できる者はいない。操縦技量もさることながら、機体特性の問題でな』
公私混同はしない主義のスミルノフは、きっちり階級呼びをした上で、言葉を続けてゆく。
ピーリスの駆る”ジンクス・タオツー”は、ただでさえ運動性が高いGN-Xをさらに上回るピーキーなセッティングがなされている。
エースでも扱いに困るピンクのじゃじゃ馬を脳量子波対応システム、”クォンタム・サイコフレーム”という手綱と鐙を付けて乗りこなしているようなものだ。
高性能なのは確かだが、やはり「機体とパイロットが脳量子波で双方向フィードバックして操縦する」特殊機体はフォーメーションを組む機体としては突出し過ぎていた。
『結果として、敵のフォーメーションを崩す斬りこみ役として一撃離脱の単機運用がメインとなるが、「味方の支援をする・もらう」を想定しない戦いばかり慣れて行くのは、パイロットとして芳しい物ではない。なので私は、これがピーリス中尉にとってもヤマト中尉にとっても良い経験になると思うぞ?』
というスミルノフの一声で決まった。
部隊・運用再編に必要な手続きもやっておくと。
「スミルノフ大佐ってなんかこう……”良いお父さん”って感じですね?」
「!? 中々分かってるじゃないかヤマト中尉! そう、そうなのだ! スミルノフ大佐は父性が全身から香り立つように滲み出るお方なのだよ♪」
うんうんと頷くピーリス。
実は、某”S級冒険者になった娘”並のファザコンだったらしい。えっ? 知ってた?
「ヤマト中尉、漢と生まれたからにはスミルノフ大佐のような完成された”大人の漢”を目指すがいい。そうすれば、やがて良き伴侶を見つけ、子を成すこともあるだろう」
ピーリス的には、それが”幸せ家族計画”なのだろうが……
だが、彼女は知らない。目の前の
☆☆☆
「ぷぷっ。やがて良き伴侶って」
「もういるんだけどなぁ。奥さんも子供も。これ以上がないほどの」
「まあ、良いじゃないですか♪ 無事にバディも組めたようですし」
(これ、絶対にカガリが裏で根回ししてますわね。いくら何でも話がスムーズに行き過ぎですもの)
「そうだね。あっ、そろそろフォーメーションの確認を兼ねたシミュレーションやらないと」
「いってらっしゃい。期待してますわよ?」
「任せてよ」
こうしてキラは、暫定的ながらこの作戦限定かもしれないが、恐ろしく優秀なバディを得ることに成功した。
腕前を単純比較する事はできないが……頼りになることは間違いなく、どこぞのメイドに囲まれている下半身フルバースト系原作パートナーに比べるなら、愛らしさでは圧勝しているように思える。
まあ、好みの問題で恋愛フラグだけは立たないだろうが……
それでも、スミルノフをもっともピーリスに刺さる方向性で褒めるというファインプレーを成し遂げたキラの大勝利案件である。
きっとゲームならこうなるだろう。
”ソーマ・ピーリスの友好度が大きく上がりました。恋愛度は上がりませんでした。”
という訳でキラのパートナー探しのお話でしたw
キラ:「言い方ェ……言葉自体は間違ってないけどさぁ」
原作を基準にすると
アスラン → Out
ピーリス → IN
という感じです。アスランがアウトな奴って意味じゃないですよ?w
これもあくまでボアズ攻略暫定パートナーって奴で。
この世界線のキラ、きっちり僚機や互いにフォローする(できる)ロッテの重要性を理解しているみたいです。
実際、キラに限らずラクス、あとネーナの「軍事面での成長」がかなり大きいです。
多分、原作より「戦うこと」を正面から受け止めている影響かなと思っています。戦う理由も明確化してます。
ただし、ピーリス……いや、原作より幸運値が爆上がりしてるというか、オーブにオトンに連れられて亡命してからずっと一緒にいられたせいか(オーブ軍は、割とそういうところを配慮してくれます)、人間丸くなってますが、愉快な方向にファザコン拗らせてますw
この世界線のピーリスさん、(スミルノフさんが高評価なせいで)割と頻繫にドヤ顔しそうな気が……
キラへの返答で、自分も何となくチベスナ顔になりながら早口になるピーリスという新概念w
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