【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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さて、時期的にも良いし、そろそろ”祭り”を始めようか?






第128話 ”OPERATION APPLE SEED” 【挿絵入り】

 

 

 

C.E.73年9月23日

L5付近、暗礁宙域

 

 

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「こいつはそもそも、気合を入れてどうにかするって話じゃないのさ。やれる奴が、やれることを、やれるだけやる……それだけで成功できるような作戦立案もしたし、準備も用意も重ねた」

 

 カガリは、淡々とそう言葉を紡ぐ。

 暗礁宙域には、アークエンジェル、アマギ、オルテュギア(改)の3隻の戦艦と、それを取り囲むようにコンバットボックスを組む中小の戦闘艦。

 そして、工作艦が最終調整を行ってるアマギ隊が運んできた”弾丸”……ヘリオポリス近海でロウたちジャンク屋が設えた、主にザフトの軍艦とモビルスーツを素材としたデブリ塊が、ミラージュコロイドの皮膜を発生させつつ、ブースターが点火されるその時を待っていた。

 

 別働隊であるオーブ三人娘とNアストレイ・ハイペリオンを載せたクサナギとその艦隊、グラハムのGNフラッグ・グラハムカスタム並びに最新鋭のGN-Xを載せたスサノオとその艦隊は、宇宙要塞”ボアズ”の「現状の索敵範囲」のぎりぎり外側から、サイレントラン航行で静かに接近しつつある。

 

 ボアズの”視覚や聴覚”は、いまや大分狭まっていた。

 暗礁宙域に入り込んできた哨戒部隊のことごとくが、デブリの狭間に潜むオーブ・モビルスーツ隊に標的艦扱いされ、ボアズと通信できないままデブリの仲間入りを果たしていた。

 

 その為、ボアズ方面軍ハン司令官は、「来たるべき地球連合との決戦」に備えるために戦力の温存を決定。

 暗礁宙域の偵察活動を中断させると共に、艦船の消耗を押さえるために通常哨戒活動の頻度も減らしていた。

 

 

 

 もう一つオーブ側別働隊であるソレスタルビーイングの選抜部隊は、”何故か”大量のシートロール・ミラーを大量にボアズから距離をとった宙域に持ち込み、展開準備を行っていた。

 何度か話に出てきたシートロール・ミラーは頑丈なナノeカーボン繊維のシートに鏡面加工をした物で、言ってしまえば「巻物にして運搬できる巨大な反射鏡」だ。

 太陽光発電事業者であるソレスタルビーイングなら保有していて当り前の代物で、地上に収束した太陽光を降らせるのは危険だが、例えば、アメノミハシラの起動ステーションの先、地球の外側に伸びるバラスト部分にも太陽光発電パネルはある。

 オーブが夜の位置に入った時もこのシートロール・ミラーを展開して「宇宙空間に浮かぶ反射鏡」として使い、軌道エレベーターが24時間効率良く発電できる体制を整えていた。

 

 

 

 

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「さあ、そろそろ始めようじゃないか……」

 

 

「これより”OPERATION APPLE SEED(オペレーション・アップルシード)”を発動するっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”オペレーション・アップルシード”の始まりは、存外に地味な物であった。

 

 

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『まさか、このネーナお姉さんが一番槍を振るうことになるなんて……カガリ、分かってるじゃない♪』

 

 暗礁宙域の端、最も”ボアズ”に近い位置に陣取るネーナ操る”スローネドライ・トゥルブレンツ”はゆっくりと電子工学的な独霧……GNステルス・フィールドを薄く引き伸ばすように広げてゆく。

 原作であったような可視化できるような巨大な翼を広げるのではなく、ソレスタルビーイング謹製ハロのサポートも相まって精密操作で、気づかれぬように浸すように……それはまるで遅効性の猛毒だ。

 徐々にセンサーを鈍らせ、通信を鈍らせ、殺してゆく。

 

 その間、ネーナを守るのは兄二人、スローネアイン・トゥルブレンツとスローネツヴァイ・トゥルブレンツだ。

 デブリの物陰に隠れ、しっかりと周囲を警戒する2機。

 無論、二人の役割は愛しの妹の護衛だけではない。

 鉄火場が始まれば、敵攻撃の機先を削ぐデブリ陰からの奇襲による中間迎撃(インターセプト)がその役割で、その場合はネーナがサポートに回る。

 多彩なGN粒子操作能力でステルス・フィールドだけでなく可変形状のバリア・フィールドまで張れる「タンク役もできるサポーター」など、ザフトにとっては悪夢でしかないだろう。

 そして……

 

 

 

 

【挿絵表示】

「いざ、出陣ですわ……!!」

 

 次々と発艦するオーブの誇る多種多様なモビルスーツ部隊。

 無論、不用意に暗礁宙域を抜けてボアズに吶喊するような真似はしない。

 移動に必要な最低限の推力に噴射を絞り、デブリ・クラウドの中で展開してゆく。

 同じくゆっくりと暗礁宙域の端まで、まるで「普通のデブリ」が流れるように移動するのは、わざわざヘリオポリスから運び込まれた戦闘艦サイズの”弾丸”達。

 搭載されているのは、こっそりとオーブで大量生産が始まった”ニュートロンジャマー・キャンセラー”搭載の核分裂パルス推進式エンジン。

 本来なら文字通り爆発的な加速力を齎す核パルス・エンジンは、今はいわばアイドリング状態で微速前進。熱交換式発電で得た膨大な電力は、ミラージュコロイドのステルス皮膜を展開するのに使われていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「カガリ司令、モビルスーツ隊各員、定位置に配置完了です」

 

 トダカの言葉にカガリは頷き、

 

「各艦に通達。微速にて所定の位置へと前進」

 

 各艦からの了解の意の元、船は進み……

 

「アニュー、ネーナのステルス・フィールド解除と同時にクラッキング戦を仕掛ける。行けるな?」

 

 

【挿絵表示】

「もっちろん! クラッキング、ハッキング、ジャミング! 選り取り見取りのなんでもござれ! いつでもいけまっせ~♪」

 

 そうサムズアップする、ソレスタルビーイングから軍への出向組であるアニュー。

 赤いエンジニアリングジャケットは、ソレスタルビーイングでの彼女のトレードマークだ。

 一応、技官服として登録されている物なので、便衣兵の誹りを受けることはないだろう。

 

(アニューさん、またストレス溜めてるんだろうな~。あのリアクションから考えて)

 

 と、なんかテンション高まって「げっひゃひゃ!」と今にも変なテンションで笑いだしそうなアニューを心配そうに見るのは、オーブ軍再就職組の天才操舵手ノイマン。

 あの元気すぎる笑顔は、パナマ上空で見覚えがあった。

 無理もない。

 

(ソレスタルビーイングの問題(バカ)師弟が顔を見せなくなったと思ったら、機材入れ替えの陣頭指揮押し付けられたみたいだったし……)

 

 普段はイアンとシェリリンに振り回され、それが無くなったと思ったら激務というハードワークに愛され過ぎなアニューの心労を思い、ノイマンは心の内で涙する。

 

(よし! この戦争が終わったら、アニューさんをデートに誘おう! 車のローンを組んで、ドライブに行こう。絶対にだ)

 

 何やらフラグになりそうな決意を固めているが、口に出していないのでセーフだろう。

 

 ちょっとだけノイマンが知らない裏事情を……

 実は、第124話から名前が出てきた「高度量子通信クラッキングシステム」なんてもっともらしい名前のついたこの機材、その実態は……”ヴェーダへの双方向アクセス・リンケージシステム”だ。

 簡単に言えば、最近は本人が愉快なねーちゃん過ぎて忘れられがちな気がするが……正体がイノベイドのアニューを介して、ヴェーダと量子波でアクセスして色々手伝ってもらおうというシステムになる。

 ナデシコCを例に挙げると、アニューがルリちゃんでヴェーダがオモイカネのポジになる。

 故に本来ならアークエンジェルに搭載可能なコンピューターでは不可能なこともできるし、アニューの言う通りクラッキング、ハッキング、ジャミングなんでもござれの”統合電子戦機材”としても必要十分以上の能力を持っている。

 

 だが、もう一つの側面は某頭目の『とりあえず思い付きで作ってみたから、実戦で使って感想を聞かせて欲しいな?』の鶴の一声で搭載が決まった試作品。

 イノベイド、それも情報特化型仕様な上に、ソレスタルビーイングの表舞台に立つ技術部門イノベイドでは、実はトップの地位に居るアニュー以外に作業を任せられる者が居なかったというのが実情なのだ。

 つまり……ほぼほぼ(いつも通り)リボンズが悪い。

 

 

 

『カガリ、わたくし、定位置に着きましたわ♪』

 

 通信機越しに届くラクスの声に、

 

「こちらでも確認した。”フリーダム・ルージュ”、クォンタム・MIDIフレームをシンクロナイズド・フレーバーで起動。アークエンジェルと同調開始」

 

『アイショーティですわ♡』

 

 程なくアニューはニンマリ笑い、

 

代表(ボス)、指向性脳量子波きたよ~♪ 波とっ捕まえて紐づけして、リンケージ確保。同調同期開始っと。クラッキング処理後に、ボアズ全体に映像と音を流す下拵え終わったよん♪」

 

「”スローネドライ・トゥルブレンツ”、フェードアウト(GN粒子散布密度を徐々に下げる)方式で180秒後にステルス・フィールド解除」

 

『アイショーティ!』

 

 そしてカガリは満面の笑みで告げる。

 

「そろそろ、”歌姫のステージ”を始めようじゃないか。最高の、な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




状況開始!(挨拶

という訳で夏祭りの始まりじゃぁぁぁーーーっ!!と絶叫するには、地味な始まりですがw

カガリ:「気が抜けていても困るが、特段、気合を入れるほどの作戦でもない。各自がやれることやってくれれば、それで終わる」

カガリさん、冒頭で似たようなこと言ってフラグ構築。
はてさて、そんな簡単に終わるでしょうか?
いや、苦戦するってことは戦力差からして難しいでしょうが、それ以外にも相手が居る以上、トラブルの種は尽きないもので。

作者的には、お嬢さんたちの【挿し絵(カットイン)】を1話当たりの過去最大量入れまくって気合い入れましたがw
Gジェネ的なノリで楽しんでもらえると嬉しいです。

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