【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
そうそれは、まだ”オペレーション・アップルシード”の演出の打ち合わせなどをやッていた頃……
「ねぇ、ラクス……」
「なんですの? キラ」
「この曲、本当に歌うの?」
「? 何か問題でも?」
「いや、問題はないけど……ちょっとだけボアズのザフトに同情するかなって」
「バカな……こんなバカなことがあってたまるかっ!!」
ボアズ方面軍司令官のハンは、要塞司令室で半狂乱の叫びをあげていた。
まあ、無理もない。
(勝利を)信じて送り出したボアズ駐留艦隊の帰還率が2割を切っていた。
沈んだのが1/5ではなく、戻ってきたのが1/5にも届いていない……というか、中破判定以上の損傷艦ばかりでまとも戦闘に復帰できる船が1隻もなかった。
追撃を受けたり、あるいは後退中も受けた損害の大きさゆえに爆沈、自沈が相次ぎ、そのようなことになっていた。
モビルスーツに至っては、残存10機にも届いてない。
とてもではないが、よほど大規模な補給と補充が無い限り、ボアズから打って出ることは不可能だろう。
ボアズ防衛に残された手立ては、もはや残存モビルスーツ隊をどう使うかだけになっていた。
皮肉を言えば、状況は単純化されたのだ。
より絶望的な方向へ、だが。
そして、ボアズに……終末が訪れる
「ひっ……!?」
その短い悲鳴が、今となってはもう誰の物か分からない。
あらゆるモニターだけでなく、アークエンジェルより直接巨大な”ラクスの立体映像”が投影され、ボアズの恐慌状態に拍車をかける。
シンプルなピアノ・メロディーから始まり、やがて哀愁を帯びたオルガンサウンドが加わる……
I know, I know I've let you down(私はあなたを失望させてきたの)
I've been a fool to myself(無駄な努力をずっとしてきたの)
I thought that I could(誰かの為でもなく)
live for no one else(ずっと独りで生きていけるって思ってた)
But now through all the hurt & pain(でも、辛い想いを乗り越えて)
It's time for me to respect(出会ってきた全ての人に感謝を示す時が来たの)
the ones you love(愛することは)
mean more than anything(何よりも大事な事なんだって分かったのよ)
『敵性艦隊、モビルスーツ隊を展開しつつ接近! 照合! アークエンジェル級1、イズモ級2、改イズモ級1、改アガメムノン級1! 全てオーブ艦籍ですっ!!』
『敵戦艦級4に高エネルギー反応! 陽電子砲、一斉射を確認! 直撃、来ます!』
「「「「「きゃあぁぁぁーーーーっ!!」」」」」
「もう駄目だ……俺達は、一人残らず嬲り殺しにされるんだ」
「ラクス様に逆らったから……銃を向けたから天罰を食らったんだよっ!」
「俺達は……ラクス様に見限られた……?」
So with sadness in my heart(けれど、悲しい事に)
feel the best thing I could do(私が今できる唯一の事は)
is end it all(全てを終わらせて)
and leave forever(永遠に存在を消す事なの)
what's done is done it feels so bad(過去の出来事には悲しい事や)
what once was happy now is sad(幸せな日常もあったけれど、今は違うわ)
I'll never love again(誰かを愛する時はもう二度と訪れない)
my world is ending(そして、私の世界は終わりを告げていくの)
「逆襲だ……逆襲せねばならん! モビルスーツ隊を対艦装備で全機発進させよ! 敵を全て打ち払えっ!!」
「ハン司令、何を……?」
「決まってるだろう! 要塞長! 薄汚いナチュラル共が押し寄せてきたのだ! ならば全て討ち払わねばならんっ!」
「来たのはナチュラルではなくオーブ軍ですっ!!」
「何が違う!? 何処が違う!!」
「司令、何を言って……」
I wish that I could turn back time(時間を巻き戻せたらどんなに良いのだろう)
cause' now the guilt is all mine(全ての罪が今となっては私のものになってしまったのよ)
can't live without(愛してきた人からの信頼が無ければ)
the trust from those you love(もう生きていく事は出来ないの)
I know we can't forget the past(過去の出来事を忘れる事や)
you can't forget love & pride(愛の誇りを忘れる事は出来ない)
because of that, it's killing me inside(そんな思い出が私を壊していくんだね)
「わからんのかっ!? この世に居るナチュラルを滅ぼしつくす為の尖兵に、我らはならねばならんのだっ!! であるならば、全力をもって徹底抗戦するのみっ!!」
「お待ちください! もはやボアズにまともに戦える船はなく、陽電子砲で要塞砲は粉砕され、モビルスーツは半減しました! これ以上の戦闘は無意味であると具申致します!!」
「レミントン、貴様! 降伏しろというのかっ!? 我々にはまだ戦える力があるというのにっ!!」
「……ハン司令、逆にもう我々には半分のモビルスーツしかないんです。それも残った乗り手は新兵ばかり。彼ら、彼女らに歴戦のパイロットと戦う力なんてありはしませんよ。動く的になるのが精々だ」
「ならヤキン・ドゥーエに応援要請をすれば良い!」
「とっくに試していますが? ヤキン・ドゥーエに応援を要請しようにも、なんらかの通信妨害で全てのチャンネルが遮断されております。また、クラッキング攻撃を受けて、既に多くの機材がシステムダウンを起こしています。よろしいですか……我々はもはや、画面に映るラクス様もその歌も自力で消す事さえできないんですよ」
「ならば、連絡艇でもなんでも飛ばせば良い!」
「油断なく通信妨害仕掛けてくる相手だ。間違いなく網を張られてますよ? よしんば抜けられたとしても、ヤキン・ドゥーエから援軍が到着する頃にはボアズはとっくに陥落しています」
It all returns to nothing, it all comes tumbling down, tumbling down, tumbling down(全てが無へと還っていき、全てが崩れていく)
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down(全てが無になり、私の心が壊れていく)
「この敗北主義者めっ! 貴様の発言はもはや我慢ならんっ!!」
「敗北主義者? ははっ、笑わせないでくださいよ。ハン司令。我々はとっくに負けてたんですよ。シーゲル様やラクス様に見限られたその瞬間からね」
「貴様、何を……」
「歌をよく聴いて、画面をよくご覧なさい」
In my heart of hearts(心の底から思う事がある)
I know that I could never love again(もう二度と誰かの愛を求めたりしないって)
I've lost everything(私は全てを失ったのよ)
everything(全てを失ったの)
everything that matters to me(私にとって意味のあるもの全てを)
matters in this world(この世界で意味あるもの全てを)
「この歌は、あのお方自身を歌ったものではない。言うならば、”我々”への決別と手向けなんです」
「レミントン、貴様は何を言って……」
「それに……嗚呼、なんと美しい」
I wish that I could turn back time(あの時、あの場所に戻ることが出来たらどんなに良いだろう)
cuz now the guilt is all mine(全ての罪を私が背負わなければならないから)
can't live without(愛した人からの信頼が無ければ)
the trust from those you love(生きていく事は出来ないの)
I know we can't forget the past(過去の出来事は忘れる事が出来ないし)
you can't forget love & pride(愛と誇りを忘れることは出来ない)
because of that, it's killing me inside(そんな想いが私の中を壊していくんだ)
「どうやら、ラクス様は”地球の女神”の地位に就かれたようだ。貴女様なら、きっと誰もが納得する事でしょう」
「だから何を言っているっ!?」
「わかりませんか? 地球の海を背景にした祈りから始まる歌……そして、ラクス様の背後からそっと地球が顔を出し、最後はその背中に背負う……これが何を意味するのか? お優しい方だ。最後まで救いようのない我々を憐れんで下さる、案じてくださるとは」
「お前は……一体……」
「降伏しましょう。これ以上ないほどの我々の敗北です」
「きっ、貴様ァッ!!」
”タンッ!”
”タタタタタタッ!!”
”パンッ!”
”ダンッ!”
It all returns to nothing, it just keeps tumbling down, tumbling down, tumbling down(全てが無へと還っていき、全てが崩れていく)
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down(全てが無になり、私が壊れていく)
『ボアズの諸君。ボアズ要塞司令官に再就任したウォーレン・レミントンだ。これより、司令官として最重要命令を伝える』
It all returns to nothing, it just keeps tumbling down, tumbling down, tumbling down
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down
『憲兵隊並びにその協力者と内通者は、理由の如何を問わず発見次第、即時射殺。ザラ派ザフト兵は直ちに身柄を拘束。抵抗する場合は同じく射殺して構わん』
It all returns to nothing, it just keeps tumbling down, tumbling down, tumbling down
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down
「俺は憲兵隊じゃな……」
「そうか」
”タンッ”
「私はザラ派じゃ!」
「抵抗の意思を示したので、射殺します」
「まっ、銃は捨て…」
”パンッ”
It all returns to nothing, it just keeps tumbling down, tumbling down, tumbling down
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down
It all returns to nothing, it just keeps tumbling down, tumbling down, tumbling down
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down
It all returns to nothing, it just keeps tumbling down, tumbling down, tumbling down
It all returns to nothing, I just keep letting me down, letting me down, letting me down
「ようやく、静かになったな……」
ラクス:「ある意味、要塞戦の鉄板曲ですわね♪」
キラ:「僕、この選曲を聞いたとき、もしかしてラクスって人の心とかないんじゃ……ってちょっぴり疑ったよ」
ラクス:「失敬ですわね」
あっ、さては本編に出番無いから出てきたな?
という訳でボアズ戦のラストナンバーは”Komm, susser Tod(甘き死よ、来たれ)”でした。
この世界線での旧作リマスター版を見てる人には、めっちゃ「最後」を連想させる歌ですが、知らなくても歌詞がw
キラ:「映像詐欺ェ……」
ラクス:「プロパガンダとはこういうものですわよ?」
何やらまとも枠だった筈のレミントン氏が盛大にぶっ壊れたような気がしないでもないないですが、ラクス様だから仕方ない。
というかこのピンク、ついぞ1発も撃たないまま作戦最大の大殊勲、要塞一つ落としやがりましたよ。
そして、戦闘系コック(笑)がまさかの再登場w
それにしても、4隻から陽電子砲をドカスカ撃たれながら、”甘き死よ、来たれ”を聴かされたザフト兵の皆様へ合掌。
ボアズ陥落は確定しましたが、(この章は)もうちょっとだけ続くんじゃよ。
具体的には、後始末とか。
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