【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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どうやら、1発も撃たずに要塞を陥落させた(自称)歌姫系ヒロインがいるらしい。

ラクス:「わたくしの事ですわね♪ それと自称ではなく”自他共に認める歌姫系”カガリのヒロインですわよ?」

アッ、ハイ。






第133話 フェイズシフト・メンタル 【挿絵入り】

 

 

 

 

【挿絵表示】

「は? 降伏……それも無条件降伏の無血開城だと? 冗談だろ?」

 

 ボアズからその通達があったとき、カガリは虚を突かれたようにキョトンとしてしまう。

 

「いや、なんで? ボアズにはまだ戦力残ってるだろうに……徹底抗戦はしないでいいのか?」

 

 どうもカガリ、ザフトをやや過大評価し、自分が如何に凶悪なことを成し遂げたか分かってない様子である。

 まあ、カガリも全知全能などではなく、未だに「人類の範疇につま先立ち」しているという事なのだろう。

 

『カガリ、ここの交渉はどうかこのわたくしに任せてもらえませんか?』

 

 と唐突に通信ウインドウを開いたのはラクスだった。

 

「構わんが……何故だ?」

 

『降伏を通達してきた人物に心当たりがありますの。勿論、通信その物はオープンチャンネルでかまいませんので』

 

「良いだろう。もう一度確認するが、委任して良いんだな?」

 

 

【挿絵表示】

『お任せくださいませ♪』

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『まさか……まさか、貴女様が本当に自ら戦場へ降臨なさるとは……』

 

 通信画面の先で涙をほろりと零すレミントン。

 

「戦場に己の歌を響かせるのに、わたくし自ら赴かなくてどうするのですか? 録音した声で魂を揺さぶることなどできません」

 

 ※実際にはクォンタム・MIDIフレームを起動させるためです。結果的に魂は震えるかもしれませんが。

 

「貴方は、昔からお父様を支えてくださった、”ザフトに打ち込まれた楔”のお一人で間違いありませんか?」

 

『御意。ウォーレン・レミントンと申します。本当にご立派になられた……力及ばずに、このような事になってしまい』

 

「良いのです。わたくしと分かって筒先を向けたわけではないのでしょう?」

 

『御意にございます。されど、知らなかったとは言え、ラクス様に銃を向けたのももた事実。降伏は当然としても、どうかこの老骨の首一つでご容赦頂ければと』

 

 何か時代がかってる……というより芝居がかったことを言いだすレミントンだったが、

 

「レミントン卿、わたくしに貴方を裁くことはできませんわ。わたくしは今や”太陽と獅子の女王”を生涯只一人の主人(おっと)として仕える身。苛烈なる生き様を望む我が主人をお慰めする一介の歌姫に過ぎません。何より、わたくしがそう望んでおります」

 

 ラクスは言葉を切り、

 

「故にレミントン卿、貴方とその配下の裁可を下せるのは、我が主人だけなのです」

 

 口調は丁寧だが、少し顔がドヤッてる気がする。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『ねえ、カガリ』

 

「ん?」

 

 指向性秘匿通信で繋いできたキラは、

 

『ラクス、すっごく格好つけた言い回ししてるけど、あれって雑に「カガリに判断を丸投げするからヨロシクね♪」って言ってるだけだよね? あと、やたらと主人を強調してたし』

 

 カガリは苦笑し、

 

「言ってやるな。丸投げされるのも私の役目だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

(やっぱり、こうなっちゃったか……)

 

 ボアズ降伏の報を受けたクジョウは、直ちにボアズ近海に秘密裏に持ち込んでいた大量のシートロール・ミラーの展開中止を命じた。

 

「絶対、カガリ代表って自分のメンタル強度を基準に作戦立案したわよね……」

 

(基本、人は自分の主観を軸に物を考えるから当然なんだけど)

 

 実はボアズの降伏をしたのは、カガリ立案の”OPERATION APPLE SEED”の中盤の段階で、本来ならボアズの徹底抗戦を想定したあと2段階のステップを残していたのだ。

 少し詳しく見ていこう。

 

 ・第1段階:ジャミングからクラッキングによるラクスの最小の映像流布と”A Sai en”による動揺を誘発し、同時に不可視処理したデブリ塊の投擲により動揺の拡大と士気の低下を狙う

 

 ・第2段階:探知妨害を解除した艦隊接近によるボアズ駐留部隊の誘因と殲滅。”ヘミソフィア”の歌唱による敵の更なる混乱拡大と味方の士気鼓舞。

 

 ・第3段階:ボアズに接近し陽電子砲搭載艦4隻による陽電子艦砲統制射撃。同時にラクスの映像を通信画面だけでなくアークエンジェルより巨大立体映像を直接投影。同時に”甘き死よ、来たれ(Komm, Süsser Tod)”の歌唱により相乗効果で士気の瓦解を狙う。

 

 ここまでが実際に決行された作戦だ。

 だが、この先に……

 

 ・第4段階:別働隊(ソレスタルビーイング)により無数のシートロール・ミラーを展開し太陽光を収束した熱線によりボアズ表面を焼き払い、表層に設置された火器や設備を麻痺させ、突入口を確保する。

 

 ・第5段階:モビルスーツ隊を突入させ、専用コンテナにより自動警備ロボット(オートマトン)を「対テロ殲滅モード」で投入し、基地を完全制圧する。

 

 というプランが存在していた。

 つまり、ボアズはあの時点で降伏しなければ、1年戦争名物”ソロモン焼き”を浴び、その後に00原作の資源惑星のシーンばりのオートマトンの突入に見舞われてたわけだ。

 まあ、対テロ殲滅モードと言っても、原作よりは幾分マイルドな設定で、抵抗する場合は容赦なく射殺されるが、降伏の意思を示した場合はAI判断で電撃銃による麻痺とワイヤーガンによる拘束で生け捕り状態になるだけだが。

 

 シートロール・ミラー云々は、装備的には1年戦争のそれでなく0083時代の”ソーラシステムⅡ”のそれだ。

 元々、太陽光発電事業者であるソレスタルビーイングは、起動ステーションからバラストにかけて展開してある太陽光発電パネルに24時間体制で太陽光照射による発電を行うため、この手の機材の扱いに慣れていた。

 

 他にも、今回の作戦の側面支援の一環として、作戦発動からGN粒子を散布して、ボアズとヤキン・ドゥーエ・プラント本国との通信妨害を行っていた。

 

 そんな訳で、ボアズが早々に降伏してしまった為にあとは展開を待つだけあったシートロール・ミラーは待機状態のままに留め置かれ、自慢のガンダムタイプは、シートロール・ミラー防衛配置ではなくローテーション配置の哨戒モードに移行していた。

 ガンダム・マイスター達は拍子抜けな顔をしていたが……

 

「でも、ボアズが陥落するのも無理ないのよね」

 

 カガリは、「ボアズが最後まで徹底抗戦することを想定し、揚陸による物理的殲滅」まで視野に入れて作戦立案を行った。

 それ自体は何も間違ってはいない。

 だから、軍も政府も反対はしなかった。

 軍が苦言するのは、明らかに過剰な戦力投入による浪費や、逆に甚大な損害が予想されるハイリスクな作戦だ。

 物資も兵士も有限なのも、その意味も軍はよく知っていた。

 政府が苦言を呈するとすれば、加えて民間人虐殺などの後に政治的禍根が予想されるような作戦だろう。

 

 適切な戦力に作戦としてはローリスク、政治的にノーリスクなら軍政上層部が揃って了承印を押すに決まっている。押さない理由が無いからだ。

 しかし、

 

「軍人と言っても人間だもの。誰も彼もが、カガリ代表みたいな鋼鉄の精神(スティール・ハート)を超えたダウン知らずのフェイズシフト・メンタル持ってるわけないじゃないから、これも”一つの考えられる可能性”だった……まあ、そう言う事よね」

 

 早期降伏自体は余計な損耗を抑えられて歓迎すべきことだが、その段階でどうやらボアズの中で降伏恭順派と徹底抗戦派の内ゲバが降伏前に発生したようなのだ。

 降伏してきた以上、恭順派が勝利したと考えるべきなんだろうが……

 

(戦術予報士の仕事ではないかもしれないけど、控えめに言って厄ネタの匂いがプンプンするわねぇ)

 

「サブプラン、いくつか作っておいて正解だったわね」

 

 第116話でクジョウが語っていたアレの事だろう。

 『戦い自体より、戦いの後の方が厄介で面倒な事が起きやすい』ことをクジョウは数々の戦史で学んでいた。

 

「何だか、無性に飲みたい気分になってきたわね……」

 

 それは割といつもの事じゃないかね? リーサ・クジョウ。

 容姿はむしろ端麗で胸も大きくスタイルも抜群なのに、未だに男の影が無いのは、仕事ができすぎてビビられているのか、あるいはその酒量にビビられているからかもしれない。

 

 男で失敗して軍に居ずらくなりソレスタルビーイングのスカウトを受けた過去がありながら、思わずマネキンが心配するくらいガードがゆるゆるのクジョウだが、彼女を酔わせてお持ち帰りしようと迫った阿呆どもを酒席でどれだけ無自覚・無意識に返り討ちにしたか、彼女自身は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ボアズがこの程度で落ちるとは本気で思っていなかった代表が居るらしいw

カガリ:「いや、だってなぁ。心理的に揺さぶりをかけた段階で、落ちるとは思わんだろ? 物理的に攻めるのはこれからだって感じで、あと二手用意してたんだし」

ボアズ先輩:「やめてください。死んでしまいます(ジャンピング土下座)」

という訳で、結局、シートロール・ミラーやオートマトンを持ち込んだはいいけど使う機会が無かったクジョウさんでしたw

とりあえず、降伏宣言は受諾しましたが、あとちょびっと(1話)だけボアズ篇は続きます。

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