【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
まあ、オチ的な感じ?
「つまり、オーブとの直接戦闘”以外”で879名が死んだということだな?」
(要塞の総人員のざっと3%ってところか)
30人に1人を「降伏に反対したため、多数を生き残らせる為に粛清対象にした」というのが建前らしい。
「御意にございます。大将閣下」
降伏したボアズの代表者、ウォーレン・レミントンの聴取をするカガリは、
(ろくでもない状況だな)
と内心で嘆息する。
現在、カガリは法務士官や護衛(ネーナを含む)、そして対テロ殲滅ではなく非殺傷設定メインの警備モードのオートマトンを引き連れ、ボアズの貴賓室へとやってきていた。流石に何が起こるかわからない以上、ラクスはお留守番だ。
本来なら、在りし日のシーゲル・クラインやパトリック・ザラなどのプラントの国家要人を迎え入れる部屋に自分が居座ることにカガリは軽い皮肉を感じていたが、それを口にするほど物好きではない。
「結論から先に言えば、ミスター・レミントン。我々は君の罪を問う気は無い。正確に言えば、問える範疇に
「と言いますと?」
「これはあくまで”内ゲバ”、内部闘争のなれの果てだ。本来管轄すべきはザフト上層だが、現状それには期待できない。そもそも我々は警察行動の一環という建前でボアズに来たが、自国領で自国民同士の殺し合いならいざ知らず、自国外で自国民でもない『テロ組織の内部抗争と粛清』があったとしても、それを咎める適切な法的根拠がないのさ」
それも当然といえば当然で、自国民が攻撃されたわけでもないのに……現代風に言うならば、日本に敵対的なテロ組織が国外にあったとして、その国外拠点で現地人構成員同士が殺し合ったとしても日本に何ら介入する法的根拠があるのか?ということだ。
「そういう理由で、この案件をオーブの口から明らかにするつもりもないし、真相を究明するつもりもない」
「慈悲深き采配、感謝致します」
「礼はいい。ただこの件、オーブは関わるつもりがないと話しただけだ。それに実際、早期降伏はこちらとしても利になっている。そして、ザフトでどういう扱いになるかわからんが……戦争でない以上、他の死人同様に”戦闘による死者”としてこちらでは計上しておく」
つまり、理由如何は問わずに「死んだという事実しか残らない」ということだ。
「それと諸君らの処遇だが……数が数だ。ボアズに置いておくわけにも行かない。捕虜という体面は使えんが、”降伏者”という名目で後方へ移送、当面はヘリオポリスで過ごしてもらう事になる思う。まあ、あそこなら、”自分の立場”を自覚している限りそう不自由はせんだろう」
民間人の居住が事実上禁止され、今や宇宙要塞として過不足無いヘリオポリス。
実際、オーブ軍の宇宙拠点として急ピッチで作り変えられてるそこは、軍の収監施設、ありていに言えば軍刑務所も整えられている。
幸いと言ってよいかはわからぬが、ボアズで得た”
「ああ、それと遺体処理だが……移送までの間、遺品を回収して”宇宙葬”ってのまでは許可するぞ。ザフトの身内の話だ。こちらに許可を取る必要はない。だが、”自分たちの記録”はちゃんと取っておけよ? 戦後、問題にしたくないなら」
要するに、オーブは知らぬ存ぜぬを貫き通し、証拠隠滅しようと改竄しようと「それを公式記録とする」という免罪符を与えたのだった。
☆☆☆
さて、”ラクスの信徒”だったレミントン
「初めましてだな。”ご同輩”、会えて嬉しいぞ」
「こちらこそ。噂に名高い”シスター・カガリ”にお会いできるとは光栄だな」
そうコックコートの美丈夫、ハリー・マッケンジーは応える。
「”シスター・カガリ”? なんだ。”外部活動”のイノベイドからは、私はそんな風に呼ばれているのか?」
「ああ。”マスター・リボンズ”の秘蔵っ子、リトルシスター・カガリとな」
カガリは苦笑しつつ、
「個人的には妹よりは姉と呼ばれた方がしっくりくるがな。それにしても”
どうもカガリにはハナヨと遊んでるか、リジェネで遊んでいるかの姿が真っ先に思い浮かんでしまう。
あと本人、「リボンズの妹呼ばわり」されている理由が容姿などではなく、性格と言動……愉悦部員の一員であること自覚していない。
「あれもマスター・リボンズの持ち味なんだろうさ。おかげでこっちも自由にやらせてもらってる」
すると……
「ふ~ん。アンタが”
と情報通で、今回も護衛役として同行していたネーナ。
「正確には、魅せムービースキルだった”ガン=カタ”をCQB実戦スキルに仕立て直したのが俺たちの
実はマッケンジー、”C.E.年間が始まる前”から肉体を移し替えつつ活動している古参の戦闘型イノベイドで、「第三次世界大戦後の荒れ果てた世界」で戦闘経験を積んだ、豊富な実戦スキルをもつ優秀な兵士でもあった。
「そうよ、ヨロ♪ アンタの事はデヴァインとか、ラーズとかからちょっとね」
この世界線では王留美と付き合いがない(というか、マリナ同様に存在しているか不明)分、カガリとのつながりでイノベイド界隈にもそれなりに顔が広い、コミ力つよつよのネーナさんである。
「ああ。鼻っ柱の強いヒョロガキと、”苦労人”か。少し懐かしいな」
「ヒョロガキって。えっ? 苦労人?」
ちょっと意外な単語にきょとんとするネーナ。
ラーズ……ラーズ・グリースはトリニティ3兄妹の生身の戦闘術やサヴァイバル術の教官だったこともあり、そういう印象は無い様だが……
「ラーズは苦労人だぞ? その昔、嫁さんとは色々あって殺し合い一歩手前まで逝ったし、息子は男の娘だしで」
まあ、リボンズの性格が原作よりかなりアレのせいか、深刻な事にはなってないようで何よりである。
「し、知らなかったわ」
「身内話も良いが、そろそろ現状確認していいか?」
そう苦笑しながらカガリは仕切り直し、
「ボアズの掌握度は?」
「ほぼほぼ完了している。現状、要塞の管理は実質的に”ターミナル”が掌握しているな」
「イノベイドは何人だ?」
「俺を含めて4人。うち2人は情報型だ。抜かりはない」
「結構」
カガリは満足げに頷き、
「これは興味本位だが、”ターミナル”には何人くらいイノベイドが入り込んでいるんだ?」
「広義な意味でのイノベイドも含めるなら、全体の1%以上、2%以下ってところだ」
「思ったよりも多いな。それだけ旨味があるってことか?」
「それなりに、だな。”一族”の尻尾をつかみやすいのは確かだ」
このっ話題に関しては、あえてネーナは口を挟まない。
”Need to Know”や、”好奇心は猫をも殺す”という言葉の意味を、ネーナはよく知っていた。
「了解した。オーブが『重犯罪者として裁かないとならない』のは残ってるか?」
「いいや」
マッケンジーは首を横に振り、
「そういうのは、”ついでに”始末しておいたさ」
「仕事が早くて助かるな」
奇しくもそれは、レミントンと同じ言葉だった。
C.E.71年9月23日、こうして日付が変わる前に、いや半日も持たずにボアズは陥落した。
実質捕虜となった残存ザフト将兵は、レミントンやそのシンパ(おそらくクライン派)の尽力もあり恙なくヘリオポリスへと搬送される事になる。
また、一部のザフト兵は残留処置となったが……その残留組が、要塞機能を維持するための潜入イノベイドを含む”ターミナル”の人員だったのは言うまでもない。
程なく、アメノミハシラやヘリオポリスで待機していた輸送艦や工兵隊がやってきて、基地機能の復旧を本格化させる為に勤しむ事になる。
デブリ塊の直撃や陽電子砲の統制艦砲射撃があった表層はともかく、内部にまで浸透したダメージはそこまで大きな物ではなく、思ったより機能回復までの時間は短くて済むということだ。
だが、この事実……「オーブ軍単独でのボアズ攻略」は後に様々な影響を与える事になる。
そう、敵味方問わずにだ。
厳密には味方と言える大西洋連邦は上層部の一部は「オーブによるボアズ陥落は織り込み済み」案件であり、大きく動揺したのはザフト、そしてもう一方の敵と言えるユーラシア連邦と東アジア共和国だった。
だが、同時に誰もが理解した。
戦争が新たな局面、いや”最終局面”に入ったという事を……
という訳で、ラクスに事後処理を丸投げされたカガリの「慈悲深い(笑)処遇」でした。
要するに……
カガリ:「内ゲバの面倒まで見切れるか。深くは追求せんし色々見なかったことにしてやるから、そっちで上手くやれ」
という。
残りの面々は、ヘリオポリス送り。
まあ、数百万人居住できるコロニーが、今は軍しか使ってませんので「居住可能人口」には全然余裕があります。
まあ、流石にオーブ軍もこれまでの「終わらない雨事変」なんかの経緯を察して、収容施設(軍刑務所)は拡大してますしw
そして、正体が明かされ、古参イノベイドだったハリケーン・マッケンジーことハリー・マッケンジー兄貴w
ガン=カタは、勿論”件の映画”のアレですね~。
何やらその昔、マッケンジーと愉快な仲間達がそれを元にCQB/CQC戦術に仕立て直したとか何とか。
さらっとこの世界線では元気にやってそうなラーズ・グリーズや息子(男の娘)の話が晒されるという。
さて、これにてボアズを巡る戦い自体は終わりましたが……ヤキン・ドゥーエ戦、ひいてはこの先のプラントに大きく影響します。
お付き合いいただきありがとうございました。
新章もどうかよろしくお願いいたします。