【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
「ザラ閣下、どうかヤキン・ドゥーエにお上りください」
「ジュール……」
枯草だらけの野原に火を放ったように、反ザラ派の暴動は一気に全プラントへと広がった。
そもそも憲兵隊は「思想や素行に問題がありザフトの正規兵になりそこなった者達」が集められた愚連隊。無抵抗な者、非武装な者には強いが、同等の武装をした正規兵には手も足も出ない。
そして、彼らは別に「特段、優れたコーディネーター
どちらかと言えば、ロースペックでそれでヤサグレたり腐った挙句、「それでも俺は(私は)ナチュラルより優越種だ!」と思想を拗らせたり、素行を悪化させたチンピラ崩れの愚連隊というのが本質として正しい。
だからこそ、正規兵経験のある一部の暴徒たちがどこからか持ち出した武装を手に襲ってきたとき、あっさりと叩き潰されたのだ。
多勢に無勢というのもある。憲兵隊の数はそう多い物ではなく、加えて結成以来、まともな訓練をするまでもなく投入されていた。
そして、これまでの悪行三昧、暴行に恫喝に略奪に凌辱にその他諸々のツケをその身で払うことになった。
捕まった憲兵隊男は嬲り殺しにされ、バラバラに切断されて路上に撒かれた。
女はボロ雑巾のようになるまで散々犯された上、やはり嬲り殺しにされ見せしめに吊るされた。
人類史全体を見るなら、特段変わった光景ではない。
無茶をやった連中が、市民の怒りを買って”愉快なオブジェ”になるのは、割とよくあることだ。
そのあたりは、どうやらコーディネーターもナチュラルも事情は変わらないらしい。
当然、この模様は「無修正で」全世界へ生配信された。
ちゃんと編集がされて国や地域や視聴年齢に配慮された画像がニュース映像として流れたのは翌日以降の事である。
皮肉を言えば、それらの振る舞いを見て、「ああ、コイツらも人間だったのか」と安心する層が一定数地球にいたらしい。
無論、憲兵隊もただ
暴徒鎮圧名目に、コロニー内部にモビルスーツまで持ち出したが……だが、暴徒、いや反ザラ派には”ターミナル”がバックに居たのが悪かった。
彼らはこうなることを予見して……否。こうなるように誘導し、その機会を活かすためにモビルスーツと実戦に慣れたパイロットを用意していたのだ。
モビルスーツは選択できる中での最高性能機、ジン・ハイマニューバにアサルト・シュラウドを装着した”ジンアサルト・ハイマニューバ”と呼べるレア機だ。
そして、それを操るのは”ターミナル”の手引きで極秘裏にプラントに入国していた叢雲劾やイライジャ・キールをはじめとする傭兵団”サーペントテール”にカイト・マディガンなどの凄腕の傭兵たちだ。以前、ヘリオポリスでロウ達はいたのに彼らを見かけなかった理由も、どうやらここに関係がありそうだ。
特に劾は、正体を隠さねばならない任務の性質上、プロトアストレイ・ブルーフレームが持ち込み不可の為にそれなりに高性能な代替機が必要だったという事情があるのでこのチョイスとなったようだ。
ちなみにマディガンは報酬にこのジンアサルト・ハイマニューバを要求したらしいが。
結果は言わなくてもわかるだろうが、腕利きの傭兵に操られるレアな高性能機相手に、半人前以下のパイロットと憲兵隊に配備されていた市民に向けて発砲くらいしかできない旧式のジン(最新鋭機を与えても使いこなせないことが明白という理由もある)という組み合わせで勝つ術はなく、全て駆逐された。
そして明らかに組織化されている「反ザラのデモ隊」は、アプリリウス市の最高評議会ビルへと迫っていたのだ。
暴徒の群れではない。もっと統率のとれた……そう、まるで「ラクス・クラインのように歌いながら」迫りくる民衆がっ!
闘う者の歌が聞こえるか
鼓動があのドラムと響きあえば
新たに熱い命が始まる
明日がきたとき そうさ! 明日が
列に入れよ 我らの味方に
砦の向こうに世界がある
闘え! それが自由への道
闘うものの歌が聞こえるか
鼓動があのドラムとこだまする時
新たに熱い 命が始まる
明日が来たとき そうさ! 明日が!
悔いはしないな たとえ倒れても
流す血潮が 潤す祖国を
屍越えて拓け 明日の”
列に入れよ 我らの味方に
砦の向こうに あこがれの世界
皆聞こえるかドラムの響きが
彼ら夢見た明日がくるよ
列に入れよ 我らの味方に
砦の向こうに あこがれの世界
皆聞こえるかドラムの響きが
彼ら夢見た明日がくるよ
ああ 明日は
「このような事態に及んでしまったのは、私の不徳と致すところ。ザラ閣下におかれましては、なにとぞこの”聖戦”に全力を傾注していただきたく」
「ジュール、良いのか?」
「御意。閣下、餞別代りに言わせていただきたい言葉があります」
「言ってみよ」
「勝てばよろしいのです。勝ってしまえば、民衆も納得し、矛先を収めます。閣下が正しかったことが証明され、全てが丸く収まるのです」
「!! そうだな。その通りだ。勝てればよいのだよっ!!」
そう言い残し、パトリック・ザラは取り巻きを連れてヤキン・ドゥーエへと「配置転換」を行った。
結論から言えば、パトリック・ザラは結局、最後までエザリア・ジュールの顔を”まともに”見ることは無かったのだろう。
だからこそ、気付かなかった。
彼女のアイスブルーの瞳が、文字通り冷めきっていた事に。
☆☆☆
エザリア・ジュールは人払いをし、一人最高表議長席に座る。
「まあ、最後くらいは良いわよね?」
別に最高評議長になりたいとは思わなかったが、座り心地は試してみたかった。
「そんなに居心地よい物じゃないわね……」
(勝てばよいなんて、どの口で言ってるのかしらね)
「ザフトの勝利なんて、欠片ほども信じてないのに」
そして、端末のスイッチを入れる。
響いてくるのは、もう庁舎眼前まで迫っていたプラント市民の歌声……
(確か、”レ・ミゼラブル”の劇中歌だったかしら?)
「”民衆の歌”か……良い曲ね」
エザリアは少し微笑み、
「カナーバ、いえ”アイリーン”、早く来なさい。待っててあげるから」
エザリアは、どのような形であろうと再会の時を待っていた。
サブタイは故ジョン・レノン氏の曲だけど、作中歌はレ・ミゼラブルという不思議(挨拶
起こるべくして起こった、そう言える状況でしょうね。
そして、トリックスターを頑張るエザリアママw
ただ、見ようによってはしっかり組織のNo2の仕事(=トップの後始末)はしているという。
さて、群衆が最高評議会ビルに迫る中、次回、プラント内乱のクライマックスです。
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