【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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プラント内乱の決着回。ついでにエザリアさんの個人的なオチ(?)も付けます。

ただし、ラストは微エロ注意?






第140話 ラフィング・クーガーと”アプリリウス解放宣言” 【挿絵入り】

 

 

 

 既にパトリック・ザラがヤキン・ドゥーエへと飛び立った後とはいえ、流石に本丸ともいえるプラント最高評議会ビルへの突入は無血/無抵抗でとはいかなかった。ザラ派がプラントで最後の抵抗を試みるのならここしかないのだから、当然だろう。

 だからこそ、反ザラ派はCQBないしCQCに長けた面子を選抜したのだが……

 

 

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「1階クリア! 続けて行くわよっ!」

 

 なんと先陣を切る……どころか戦闘服に身を包み銃器片手に突入部隊隊長を務めるのは、アイリーン・カナーバ自身だった!

 

「ハハッ! こうしてまた”ラフィング・クーガー”と轡を並べて戦えるとは、実に愉快痛快ですなぁ」

 

 と上機嫌の妙に動きが機敏な同じく戦闘服姿の中年男。

 

「”ラフィング・クーガー”が政治家を志すと言いだした時、もう二度と楽しい鉄火場は走れないと思ったものですが、長生きはするもんです」

 

「ちょっとシュタイナー、バニング! 人の古い黒歴史(二つ名)ほじくり返すのやめてちょうだい!」

 

 ニッシッシと人が悪そうに笑う歴戦の雰囲気漂う中年×2に苦言を呈するカナーバだったが、当の本人達はどこ吹く風で、

 

「さて、クソガキどもに銃撃戦の作法っての教えてやるとしますか」

 

 と一人はM240E6っぽい汎用機関銃片手に体に巻き付けた弾帯のテンションを確認し、

 

「引き金を引けば弾は飛びますが、当てるのと殺すのじゃ意味が違うってところから教えんといかんかな?」

 

 もう一人は、セミ/フル・セレクティブファイアーの軍用オートマチック・ショットガンの残弾をチェック。

 

 

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「はいはい。適当に的確に正確に制圧していくわよ」

 

 そしてカナーバ本人はコンパクトな単発式擲弾筒に、対人榴弾を装填するのだった。

 一応、少しだけ補足すると……カナーバも情報型イノベイドの”バグキャラ”、カガリの同類と言いますか。

 演算リソースを戦闘力に転換できるタイプで、現在の人間社会潜入用の”経年変化型ボディ(「老いる」を再現できるアバター体)”になってからはまだ数十年というところだが、実はハリー・マッケンジーと同期の活動歴の長い(C.E.以前の荒れ果てた時代を知っている)古参イノベイドで「ガン=カタを実戦スキルにまで磨き上げた」面子の一人だ。

 ついでにプラントとその周辺で荒事がまかり通っていた時期は、随分と暴れ回ったようだが……ちなみにシュタイナーとバニングというどこかで聞いたことのあるような名前の二人は、イノベイドではなくその時代の部下、第一世代コーディネーターで鉄火場で力を最大限に出せる腕利きだったがザフトに関わるのをバカバカしく感じ、声がかかるまでは表稼業メインの半隠居状態に近かったらしい。

 そして、カナーバが一声かけるとホイホイ戦場に舞い戻ってくるあたり、この二人も大概であろう。

 ちなみにシュタイナーには2年後くらいにザクに乗ってそうなバーナードという一人息子がおり、バニングにはまだ年齢1桁のアリサという一人娘がいるようだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

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「あら? アイリーン、思ったよりも早かったわね?」

 

 最高評議長執務室へ突入した時、正装で待っていたのは当然のようにエザリアだった。

 

「待っててくれた……ってことでいいのよね?」

 

 そう何気なく返すカナーバに、

 

「だって、誰かが残っていないと収拾がつかないでしょ? 貴女たちも」

 

「そうなるわね。じゃあ、」

 

 カナーバはコホンと咳払いをして、

 

「ザラ派国内治安統括総監エザリア・ジュール、身柄を拘束させてもらいます」

 

 そのどこか様式美を感じさせる仕草に、エザリアはなんだか少し可笑しくなってクスッと笑い、

 

「確かにお受けします。えっと……アイリーン・カナーバ”プラント解放軍総司令官”殿、かしら?」

 

「そんな御大層な役職に就任した覚えはないわよ」

 

 何やら一緒に突入してきた硝煙臭い部下たちが噴き出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

C.E.71年10月20日

 

 

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「我々、プラント市民は最高評議会を掌握すると同時に独裁者パトリック・ザラより政府機能を奪還、プラント正統政府たる臨時評議会を立ち上げる事をここに宣言します」

 

 元代表評議委員、現臨時最高評議委員アイリーン・カナーバの演説による学徒徴兵に端を発するプラントの事実上の内戦勃発と”プラント市民連合”の勝利宣言は大いなる驚きと共に各国へと伝わった。後の歴史でいう”アプリリウス解放宣言”である。

 しかし、「ザフトに兵無し」がより強固な状態となった事を察したユーラシア連邦と東アジア共和国は、この宣言を受け入れず、従来のドクトリンの継続……つまりはパトリック・ザラを首魁とするザフト、プラントを一緒くたにみなす戦争の継続を宣言する。

 この二国はカナーバの宣言を”欺瞞工作と攪乱”と切って捨てたのだ。

 

 対して、大西洋連邦は「アプリリウス政権を正統プラント政府として認めるか否かは戦時故に棚上げし、プラントとパトリック・ザラならびにザラ派ザフトと分離して対処するのは容認する」と声明を出した。

 要するに「戦争で相手するのは、パトリック・ザラとザフト、具体的にはヤキン・ドゥーエに立て籠もってる連中」と敵対範囲を限定する宣言だ。

 もう、これは露骨にプラント本国に手を出す手間と暇と人手と金を惜しんだ大西洋連邦の本音が見え隠れどころか、丸見えだった。

 ただ、見方を変えれば『プラントとザラ派ザフトの分断』には特に離間工作することもなく成功したので、この事態を歓迎する空気は間違いなかった。

 

 それに加えて、大西洋連邦の元となった米英を中心とする旧国家群は、歴史的背景から「民衆が決起して独裁者を打ち倒す」という筋書きが大好物なので、民衆もナチュラル・コーディネーターという垣根はさておき、その判断に好意的だった。

 それに明らかに交渉不可能な狂人を相手どるより、プラントに別口の外交チャンネルを構築することは政治としても、政治の一形態たる戦争としても健全だ。

 

 さて、注目すべきはオーブの立場である。

 「プラントを公式な国家としては認めない。ザフトは国際テロ組織」というスタンスに変化はないが、「大西洋連邦のアプリリウス()()に対する判断は尊重する」というコメントを代表首長ウズミ・ナラ・アスハは出した。

 事実上の「アプリリウス政権の黙認」であるが、この発言で重要なのは「オーブは大西洋連邦の顔を立てる」という立場を明確化したことだろう。

 

 

 

 さて、ここに来て公式の場ですら”地球連合”を形成する三大国家、大西洋連邦、そしてユーラシア連邦と東アジア共和国の間で明確な「この戦争における立ち位置とスタンスの差」が表面化した。

 いや、この言い方はソフトすぎる。”これまで水面下にあった軋轢が表面化した”と表現すべきだろう。

 

 そして、ユーラシア連邦と東アジア共和国は「”()()()()()()()”の主導権は我々にある」と主張し、当面のプラント本国を攻撃対象としていなかった大西洋連邦はそれに応じた。

 

 更にユーラシア連邦と東アジア共和国は、大西洋連邦に対して「オーブの単独作戦によるプラント攻略を禁止する」ように大西洋連邦とオーブに圧力をかけてきたのだ。

 「これ以上、オーブに戦果を持っていかれてはたまらない」という意味なのだろうが……

 

 大西洋連邦は「”()()()()()()()”は言ってみる」とだけ伝え、オーブの民衆は相変わらず横柄すぎるユーラシア連邦と東アジア共和国の態度に憤慨したが、政府は「大西洋連邦の顔を立てる」という先と同じスタンスで”大西洋連邦と共同歩調”を取ると明らかにした。

 

 形的には大西洋連邦に”貸し”を作ることになったが……皆様もご存知の通り、元々オーブにはプラント本国攻撃の意思もヤキン・ドゥーエ単独攻略の意思もなかった。

 

 要するに、これは何処までも政治の話であり、同時に駆け引きの話でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 それは、エザリア・ジュール軟禁中(?)のとある日の会話……

 

「ところでエザリア、失踪準備はこっち(ターミナル)でしておくわね? どうせザラ派のNo2って肩書じゃ、戦後のプラントで居場所が無くなる……というか、短慮なバカ共に輪姦リンチとかされかねないし」

 

 まあ、一部の暴徒化したプラント市民の行動を見れば、言わずもがなだ。

 

「えっと……いいの?」

 

 カナーバは頷き、

 

「オーブだったらわたしも”コネ”もあるし、コーディネーターも暮らしやすいと思うわ。あの国で良ければ、新しい戸籍くらい用意してあげられるわよ?」

 

「……でも、もし、ラウが……」

 

「ああ、クルーゼ君ね」

 

 カナーバは苦笑し、

 

「あの子なら大丈夫よ、きっと。控えめに言っても生存率、かなり高いから」

 

(まさかターミナルどころか、ソレスタルビーイング&イノベイドと繋がってるとは言えないけどね)

 

「まあ、心配し過ぎないようにね? 私としては、せっかく自由の身になれそうだし、オーブに着いたら何をやりたいか考えることをお勧めするわ」

 

「やりたいこと、かぁ……」

 

 エザリアは少し逡巡してから照れくさそうに、

 

「……”雌犬調教プレイ”、かな? ご主人様にみっともないぐらい媚び媚びの♡」

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※なお画像はエザリア女史の脳内イメージであり、現実の風景ないし体型(特に胸部ボリュームがフィクション)とは異なります。

 

 ま、まあ……確かにプラントでは立場的にも環境的にも滅多にできない経験だろう。

 

「……エザリア、貴女って結構かっ飛んだ性格? 性癖?してるのね。知らなかったわ」

 

(確かにオーブじゃお散歩プレイはまだ一般性癖の範疇だし、仔犬から大型犬まで見かけるし、そこまでレアな風景って訳じゃないけどさぁ)

 

 ”そういう趣味”の人々は、街中にも公演にもドッグランにもいる。それがオーブ。

 

「貴女、予想以上にオーブ向きの人材よ? 間違いなく」

 

 

 

 お後(オチ)がよろしいようで。

 それは、後に”ミラクル・カナーバ”と呼ばれる「戦後プラントの生存」を達成した”ユニウス条約”の締結に向けた、根回しに忙しい日々の一服の清涼剤にも似たイベントだった……という事にしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




勿論、カナーバのかつての二つ名”ラフィング・クーガー”の元ネタは、ARMSの誇る最強ママ”高槻美沙”さんです(挨拶

いや、強すぎだろあのママ……元ネタが元ネタだけに、カナーバもバグキャラ仕様にw

ちなみにシュタイナーさんの元ネタは「ポケ戦」、バニングさんは「0083」ですね。
オリジナルよりちょい年下でシュタイナーがギリ40歳に届いてなく、バニングはそれより少し下。カナーバの公式年齢は二人のちょうど中間ぐらいかな?
バーナード・シュタイナー君は現在13歳。多分、くぎみー声のアリサ・バニングちゃんは9歳。
なんかバーニィは2年後くらいにザクとセットでゲスト出演しそうw

そしてそしてエザリアさん、積年のストレスから解放されたせいか、欲望はっちゃけさせ過ぎw
ただ、ボリューム的にはむしろこっちかな?

※めっちゃ嬉しそうでノリノリで媚び媚びのエザリアさん(イメージ図)
【挿絵表示】


さて、これでプラントとパトリック・ザラとその一党の分断は成功。
ユーラシア連邦と東アジア共和国は「そんなの(俺たちの都合に)関係ねぇっ!!」ってノリですが、オーブと大西洋連邦にとっては「待ってました! この展開!!」って感じです。

さて、次回からは再び視点が変わって、ヤキン・ドゥーエ攻略準備が本格化の予定です。

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