【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
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皆さんは、”アルヴァトーレ”という機体、巨大モビルアーマーに聞き覚えはあるだろうか?
ガンダム00の1stシーズンにおいて、黒幕のアレハンドロ・コーナーが駆ったラスボス機だ。
だが、この世界線におけるアルヴァトーレは、どうやら”似て非なる機体”と割り切った方が良さそうだ。
まず、似て非なる立ち位置というのはカガリ・ユラ・アスハとアレハンドロ・コーナーにも言えるし、パイロットとしての技量差が、設計思想や機体特性の差にも出ていると言えた。
まず”プロト”の名が付くように、第142話でイアンやシェリリンが語っていたように、この機体はまだ”試作機”だ。
むしろ技術実証機に近く、本来の完成機とは立ち位置と性能差で言うなら原作00のエンプラスとレグナント程の違いがある。
それこそ2年後、完成した暁には”アルヴァトーレ・○○○○”と呼ばれるようになるまで真価はお預けかもしれない。
とはいえ、とりあえず現状でも作中屈指の強力な機体であることは間違いない。
では。00のアルヴァトーレとプロト・アルヴァトーレの共通項と差異を絡めて話してゆこう。
まず疑似太陽炉(GN-T)の数はアルヴァトーレと同じ7基。おそらく原型と同じく内蔵されているモビルスーツにも搭載されているだろうから合計8基だろうか?
ただし、GN粒子を発生するため電力を食うGN-Tの為にプロト・アルヴァトーレは複合核動力である”NBSCハイブリッド・パワーパック”をモビルスーツ3機分相当(そして内蔵モビルスーツに1基)を搭載し、より長時間・安定的にGN粒子と陽電子の生成を可能とした。
おそらくは複合核動力1基で2基のGN-Tを動かすという動力コンセプトなのだろう。ちなみに発生するGN粒子の色は、他のGN-Tと同じ赤色で、間違っても趣味で金色になんてしていない。
カガリは別に金色が好きってわけでは無い(どちらかと言えば赤系統が好き)。
ただ、その金髪から「(腹は黒いけど)金獅子」とも呼ばれるカガリには、金色は確かに相性の良い色だろう。
まず、砲撃自由度の高い大型GNフレキシブル・ビームキャノン自体は共通だが、問題なのは大型クローアームだ。
カガリ曰く、
『砲戦用大型モビルアーマーに格闘武器って、コスパ悪くないか?』
とのことでクローは不採用。その代わりにフレキシブル・ビームキャノンに連動して動く対の粒子圧縮・増幅用プレートブースターが装備された。
そう、サーカスアームに取り付けられたのは原作アルヴァアロンの特徴とも言えるウィング状ビーム増幅器のお仲間だ。
つまり、このプロト・アルヴァトーレは、”主砲”をいわゆる誰が呼んだか”大使砲”化できる。
加えてフルチャージで撃てば照射時間もそこそこ長く、フレキシブル構造なのでやろうと思えば”大使砲”を横薙ぎでも縦薙ぎでも使えるのだ。
まあ、このビームブースター・システムは単純にモビルスーツに搭載できるほどダウンサイジングできなかったという理由もありそうだが。
また、ファングは専用の物ではなく、カガリの能力であれば問題ないとスローネ・シリーズと共用のGNファングを24機搭載している。
面白いのはその制御方式で、「3機1組」を半AI自動制御の1ユニットと捉え、24機のファングを動かすというより、8個編隊を脳量子波コントロールするという発想に近い。
左右側面のインライン11連装GNビーム砲だが……
『砲門の数より発射速度。それと砲口部分をポールマウント、ビームを偏向式にして発射角の自由度を稼いだ方が有益』
ということで”ポールマウント・インライン7連装GN偏向ビーム砲”となった。砲口は固定だけど正面だけでなくある程度自由な方向にビームを撃てるあれだ(ただし、弾道を曲げる訳ではない)。
1門あたりの威力、射程、発射速度はGN-XのGNマルチモード・ビームライフルの
ぶっちゃけ大柄なプロト・アルヴァトーレに縋りつこうとする敵を追っ払う、古典的軍艦の両用砲のような立ち位置の武装だ。
そして、目玉と言えるのが金色のボディ。
当然、ビーム兵器を180度反転させて敵に叩き返す”ヤタノカガミ”コーティング……と言いたいところだが、残念ながらプロト・アルヴァトーレに採用されてるのはその一歩手前、”試製ヤタノカガミ”コーティングだ。
原作におけるヤタノカガミは、ビーム回折格子層(ビームを層内部の格子構造で屈折させ、吸収させる層)と超微細プラズマ臨界制御層(吸収したビームを的確な位置に放出して目標に『反射』させるためにプラズマ制御する層)の二層構造からなっているが、特に後者のプラズマ臨界抑制技術が未成熟で、現状だと「とても効率の良いビーム攪乱装甲」という感じだ。
だからこそ、オリジナルでも積んでいる球形状に展開する”GNバリア・フィールド”や重要区画の内部装甲に使われている各種フェイズシフト装甲が意味を持つのだが。
ついでに言えば、チョコンと前方に突き出た副砲っぽい2門のビーム砲(オリジナルだとアルヴァアロンのビームライフル)は、
そして、これが最大の違いかもしれないが……確かに1機モビルスーツは内蔵しているし構造上、分離はできるが、基本的に現状は分離はしない方向で組み上げられている。なので本体上面はウイング状のパーツが蓋のようになっているのではなく、単純な半紡錘のドーム状だ。
内蔵モビルスーツはあくまで、電源ユニット兼脱出システムという扱いだろう。
ちょっとアルヴァトーレに比べてスケールダウンというか未完成臭が匂うが、そこはもう時間の都合としか言いようがない。
スタッフも予算も人間の手で揃えられるが、時間だけはどうにもできないものだ。
「あら? 純粋な砲戦仕様の大型モビルアーマーですの?」
と実は全く動じてないラクス。
「まあな。ぶっ潰す相手が相手だ。チマチマ削るより、ドカンとデカい一撃を撃ち込んだ方が効率がいい」
そう、”プロト・アルヴァトーレ”は最初から、天体規模の標的を想定して設計されている。
古代の戦いに例えるのなら、騎兵でも弓兵でもなく、攻城戦における投石器あるいは破城槌の役割を担う。
カガリに言わせれば、
『オーブ軍ってのは私が言うのもなんだが優秀だし、ソレスタルビーイングやモルゲンレーテの員数外保有戦力だってバカにできん。そんな状況で私が自ら出陣するような戦いなんて、それこそよほど数が多いか、相手がよほどデカくて落としにくいかくらいしかないだろ? なら、どっちの天体規模の標的にも対応できるようにしておくさ』
それが、このアルヴァトーレ開発プロジェクトの始まりらしい。
そう、カガリは自分が出撃する必要がある場合、「モビルスーツと戦艦の組み合わせでは、どうにも決定打に欠ける」事態を想定していた。
そんな相手が出てくるとしたら数でも大きさでも広大な宇宙ステージの可能性が高く、だからこその大型モビルアーマーにしたのだ。
「それに」
ラクスの肩を抱き寄せ、
「あん♡」
「デカい剣を叩きつける役目なら、お前と
☆☆☆
さて、カガリの今次大戦における”愛機”が届いたところで、別動隊である”三隻同盟”の役割について語ろう。
「簡単に言えば、私たち別動隊の役割はガンマ線レーザーの機能を殺すことを最優先とする”ジェネシス・キラー”なのさ」
”ファクトリー”内部のブリーフィングルームで、カガリはそう端的に告げた。
「既にユーラシア連邦と東アジア共和国の連合宇宙艦隊が、プラント本国攻撃準備に動いてるが……まあ、それに関しては確実にジェネシスの照射は行われる」
「一つ疑問が。パトリック・ザラとその一派は、事実上、アイリーン・カナーバ一派にプラントから追放された状態ですが、パトリック・ザラが攻撃隊を見過ごす可能性はないので?」
と疑問を示したのは、切れ味に陰りのないアンドリュー・バルトフェルド。
「バルトフェルド艦長、良い質問だ。確かに普通ならその懸念はあるが……ことパトリック・ザラに関しては、ほぼ確実に撃つ」
「何を根拠に?」
「一つは、パトリック・ザラにとって、『プラントに対する核攻撃』はトラウマであり逆鱗なのさ。妻を失ったな」
ブリーフィングに参加していたアスランが顔をしかめるが、それを気づいた者はいても、指摘する者はいない。
「だからプラントの状態如何を問わず、必ず撃つ。それにな、」
カガリは表情を引き締め、
「パトリック・ザラはジェネシスを”試射できる相手”を内心では欲してるんだよ。実際、どんなに大物でもジェネシスは戦時急造兵器、理論値のみで実際に動作確認も威力確認もしてない兵器を、本番でいきなり使う気は起きんだろうしな」
「”本番で使う気”?」
バルトフェルドにはどうにもその言い回しが引っかかった。
「ああ。ユーラシア連邦/東アジア共和国連合艦隊に使う砲撃と、おそらくその次にはプトレマイオス基地を狙うだろう」
「理由は?」
「ユーラシア連邦のドクトリン。先ずはプラントへ”攻略艦隊”を動かし、次に”制圧艦隊”を送り込む。陸戦を宇宙艦隊に置き換えただけの単純な戦術だが、まあ効果的ではある。そして、制圧艦隊が居座ってるのが月面のプトレマイオス基地ってわけだ」
宇宙版の”スチームローラー”と言ったところだろうか?
「でも、そいつさえも本命じゃない。プラントに核を撃ち込もうと躍起になってる宇宙艦隊やその拠点を潰すのは、
カガリは苦虫を嚙み潰したような表情で、
「本命は”地球”その物さ。パトリック・ザラの望みは、『全てのナチュラルの殺害』。この世をコーディネーターだけの世の中にすることなんだろうさ」
「ちょっと待ってくれっ! 地球にもプラント以上の人口のコーディネーターが……」
それこそアイシャという「地球で迫害を恐れ息を潜めるように生きていたコーディネーター」を抱え込んだバルトフェルドには悪い冗談にしか聞こえないだろうが、
「パトリック・ザラの中では『地球上にはコーディネーターは存在しない』、そういうことになってるんだよ。コーディネーターならば必ずプラントに住む。地球に住むナチュラルに迎合し汚染されたコーディネーターは、”コーディネーター
ここであえてアスランに話を振るあたり、残酷なようにも思えるが……「血のつながるアスランがパトリックと同じではない」事を示す機会を与えたようにも見える。
「……ええ。父ならそう考えても不思議じゃありません」
そして、カガリの言わんとすることを理解していたのか、アスランはあえて”父”という言葉を使う。
肉親だからこそ、許せぬものがあると言うように。
「って訳だ。一応、この中の面子でも知っている者はいるだろうが……計算上は”仮に6割の出力の照射でも強烈なエネルギー輻射と着弾時の衝撃、疑似的なガンマ線バーストに起因するオゾン層の破壊とその後の気象変動等の影響で、地球上の全生物の80%が死滅”だそうだ。まあ、100%で撃ったら確実に地球は”死の星”の仲間入りだろうな」
「しかし、そんなことをすれば水と空気を地球に依存してるプラントとて……」
と常識的なことを口にするバルトフェルドだが、
「多分、パトリック・ザラはそこまで考えてないと思うぞ?」
「なっ!?」
あっけらかんと言い放つカガリに絶句するバルトフェルド。
「いや、ナチュラルを皆殺しにできるなら、結果も行く末も気にしないさ。オーブはこれでも真面目にパトリック・ザラって独裁者のプロファイリングを続けてきたんだぜ? ナチュラルを滅ぼしたら、後は野となれ山となれってとこだろうさ」
「なんと、なんと無責任な……」
誰の発言かは不明だが、その言葉にアスランは思わず胸を押さえた。
「そう言ってやるな。そもそも、パトリック・ザラは戦争、コーディネーターの未来を勝ち取る為の戦争なんてしてないんだ」
カガリは無言で周囲を見回し、
「どうもプラントやザフトの出身者には、オーブが何故パトリック・ザラとそれに従うザフトを”テロリスト”と断定しているか真意が伝わってないようだな……」
そして、嘆息し……
「お前らは、バカか?」
カガリが瞳を金色に輝かせたその瞬間、まるで物理的な重みを持ったかのように、空気がズシンと重くなる!
「政治的理由での発言? 確かにそれも無いと言えば噓になるが、そんなのは理由としては軽いのさ。いいか? パトリック・ザラにどんな幻想を持ってるのか知らんが、あいつの目的は『妻を殺されたことへの復讐』で、アイツに付き従うザラ派はそれに賛同する同じ様な”復讐者”が大半なんだ。知ってるか? ザラ派で出世する条件は”血のバレンタインの犠牲者が身内にいること”や”ナチュラルに身内が殺されてること”らしいぞ?」
衝撃を受けたような顔をするプラントだかザフトだかの出身者もいるが、カガリにしてみれば「何を今更」と言いたくなる気分だった。
「現在進行形で復讐やってる復讐者が『復讐を遂げた先』のことなんて考えるもんかよ。連中は口ではコーディネーターの未来云々言ってるが、そんなことは考えてないのさ。繰り返すが連中は戦争なんて最初からやってない。規模と装備が軍隊並みだから戦争に見えるだけで、やることなすことその行動から心情に至るまで、徹頭徹尾”骨の髄までテロリスト”なんだよ。パトリック・ザラとその一派はな」
改めて実の親の……ストレートに言って愚かさを突き付けられたアスランは悶絶している。
キラは心配そうに見ているが、
「アスランは、もう少し精神修養をした方が良いのではないかしら?」
そう呟くラクスが妙に印象的だった。
後半は、どうにも未だに認識の甘いプラント&ザフト出身の”ターミナル”の面々への懇切丁寧な説明でしたw
虎は常識人ではあるけど、そうであるが故に、自分が所属していた組織、特にトップのヤバさが理解できてなかったというオチ。
そして、流れ弾がアスランに飛ぶ飛ぶw
プロト・アルヴァトーレの物語上の建造理由は作中で語られた通り、
カガリ:「私が出なきゃならんような事態は、モビルスーツだけじゃどうにもならんような時だろ? なら、それに見合ったエモノを作らないとな」
で、メタな所で言えば、「カガリとコーナーの似て非なる
だから悪役メカで00第1期のラスボス機を、「カガリの力の象徴」みたいな感じで出したかったという。
プロト=未完成の試作機ってのも、技術的なこともさることながら、カガリ自身も「必要な物は持っていても、まだ未熟。完成するのはまだ先」って暗喩だったり。
あと、劇場版00の劇中劇「映画ソレスタルビーイング」がアルヴァトーレ&アルヴァアロンが”タテガミ”って呼ばれたので、ラクス曰く「太陽と獅子の女王」にはぴったりかなと。
性別は女のはずなのに、雄ライオン扱いしかされないカガリさんw
主砲のフレキシブル・ビームキャノンが大使砲化できたり、強力なのは間違いないけど、本領発揮は2年後の”プロト”の3文字が外れて本来の名前になった時かな?
さて、唐突ですがこの章も次のエピソードでお終い、いよいよヤキン・ドゥーエ&ジェネシス攻略戦に入って行きます。
物語もいよいよ最終盤、これまで応援ありがとうございます。
何とかラストスパートが走り切れるように頑張ります。