【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
いよいよクライマックス、どうかよろしくお願いします。
第147話 創世の光? いやいや”破滅の光”の間違いでしょう 【挿絵入り】
C.E.71年11月3日
ついに時代は大きく動く。
それは、実に堂々とした”プラント攻略艦隊”だった。
アガメムノン級戦艦20隻以上、その内1/3はモビルスーツ母艦としての機能を付与された最新モデルだ。
そのアガメムノン級を中心に濃密な
艦載モビルスーツこそ時間の関係で艦隊合計100機弱と少ないが、本命はそれではない。
そもそも、この連合艦隊の目的はヤキン・ドゥーエ攻略などではなく、それを迂回してL5宙域にあるプラント本国への強襲作戦なのだ。
故にこの作戦の主役は200機を超える搭載モビルアーマー”メビウス”と、さらにそれらにより運用される虎の子、ニュートロンジャマー・キャンセラー搭載のMk5核弾頭ミサイル、その総数100発以上だ。
そう、モビルスーツ”ダガー”はメビウスを護衛する役割だからこそこの数で十分とされ、欺瞞のために2機に1発の割合でメビウスに搭載される核弾頭ミサイル(2機に1機は見た目が同じ通常弾頭ミサイル)は、”
それに従わない場合は、プトレマイオス基地からの追加の制圧艦隊、強襲揚陸戦闘部隊(宇宙海兵隊)を乗せた艦隊を呼び寄せ、戦後統治に不必要なコロニー(食糧生産コロニー)を核で潰しながら一つ一つ制圧して行けばいい……そういうドクトリンだ。
ユーラシア連邦と東アジア共和国の政治家も軍人も誰もが勝利を確信していた。
度重なる(オーブ相手の)敗北と、プラント本国のクーデターによる学徒動員の失敗で、ヤキン・ドゥーエに立て籠もるパトリック・ザラとその一派の兵力は、驚くほど目減りしていたのだ。
ヤキン・ドゥーエの戦力は、モビルスーツの保有数こそ500機弱と自分達の5倍ほどもあったが、それを機動的に運用する戦闘艦の数が致命的に少なく、ナスカ級とローラシア級を合計しても稼働艦は40隻にとても届かないのだと言う。
そして、自分達の艦隊はヤキン・ドゥーエ配備の航続距離の短いモビルスーツ単独の作戦行動半径の外側を迂回するのだ。
仮に40隻があり、全てを迎撃に投入したとしても、モビルスーツ搭載数から考えて最大でも240機。
迎撃に専念すれば100機のダガーで十分に事足りるはずだった。
そして、プラント本国……アイリーン・カナーバに従う部隊は調査の結果さらに少なく、無視して構わない予備兵力程度の認識だった。
実ユーラシア連邦と東アジア共和国の分析はかなり正解に近かった。
実際、ヤキン・ドゥーエに配備されているザフトの稼働可能戦闘艦は34隻であり、輸送艦を入れても40隻に届いていない。
ただ、惜しむらくは500機のモビルスーツの中に、バッテリー駆動の従来機の作戦行動半径を遥かに凌駕する2機の核動力モビルスーツ、”プロヴィデンス”と”ドレッドノート・アーティラリー”が含まれている事を知らなかったということ。
そして、その2機がミーティアというアガメムノン級戦艦を遥かに超える高火力・高機動増強ユニットを装着していたという事が、”この先”の悲劇を更に拡大させる事になる。
何より……
「思い知るがいい、ナチュラル共! この一撃が、我らコーディネイターの”創世の光”とならん事を!!」
”ジェネシス”より放たれた集束ガンマ線レーザーは、射線上にあった星間ガスやスペースデブリを超高温の帯電発光させながら密集球形陣を取っていた艦隊の大半を飲み込み、乗員諸共大半の艦船と搭載機を破裂、爆散させたのだった……
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
旧アメリカ合衆国首都ワシントンD.C、現ワシントン市の郊外には、博物館や美術館と間違えそうな大きく荘厳な屋敷がいくつもある。
その中でも一際豪奢とされるのが、名門アズラエル家の邸宅だ。
しかし、その外見に騙されてはいけない。
いや、確かに屋敷の8割は、本当に「どこの宮殿?」と言いたくなるようなゴージャスさだが、この屋敷の主たるムルタ・アズラエルが生活空間&在宅ワーク時の仕事場として使ってるスペースは、何というか……かなり庶民的だ。
装飾は華美ではなく、オークションに出したら高値が付きそうな装飾品があるわけでもなく、むしろ利便性追求で最新の家電が並んでいたりする。
勿論、市販のそれだ。
厳密には、大半の家電がアズラエル・グループの傘下企業の製品だが。
端的に言えば、伝統と格式を感じられるお屋敷の一角が、中産階級のマンションっぽい区画になっているのだ。
まあきっと、悪くない家柄出身の筈なのにやたらと庶民的な奥方の趣味だと思うのだが……ただ、こっちの方が便利とか言って、この区画にばかりアズラエルは生息してるような気がしてならない。いや、伝統と格式は理解しても、利便性や効率を取る男だし。
それはさておき、
「な~にが”ナチュラルの野蛮な核”なんだか。まったくどの口が言ってるんでしょうかね? まあ、目障りな国の宇宙艦隊を吹き飛ばしてくれたことにだけは、感謝してあげてもいいですが。あれは戦後の秩序再構築に邪魔になるだけですし」
とリビングのソファに半分寝ころびながら、実は秘匿回線で送られてきてる画像と情報を端末で確認するムルタ・アズラエル。
傍目には休日に動画を楽しんでいる白人男性にしか見えないが……まあ実際、本日のアズラエルは在宅ワークを適度にこなしながら、家族と過ごそうと心に決めていた。
今日が”地球人類最後の日”になるとは思ってないが、もし億が一にもそうなる可能性があるのなら、家族と一緒にいたい秘かに思う愛妻家でアットホームなアズラエルである。
「”むったん”、どうしたの? なんか楽しそうだけど」
と声をかけてきたのは、ソレスタルビーイング絡みの”とある理由”で16歳以上に歳が取れなくなる……テロメア異常の治療の副作用で起きた細胞の異常活性で、寿命と引き換えに老いることのない妻、旧姓”アクスティカ”、現”シャル・アズラエル”だ。
ブレザー制服を着崩したようなこの妻、実は三十路でアズラエルの幼馴染。信じ難いことに8歳、6歳、4歳の娘がいる三児の母である。
ついでに言えば、もうとっくに引退しているがフェルトの両親やハナヨと同期の先代ガンダム・マイスターだった。
彼女に何があったかは、第120話と第121話に詳しいが、原作00の”プルトーネの悲劇”、正確にはその近似イベントにより九死に一生を得たが、その代わり歳をとれない体になったらしい。
それ以外は至って健康なので、ガンダム・マイスターを引退してからは故郷に戻り、幼馴染のムルタ・アズラエルと再会して結婚。
まあ、この辺りのロマンスはいずれ語ることがあるかもしれない。
GN粒子によるテロメア異常の最初の被検体になったせいか、今でも定期診療をソレスタルビーイングから受けていて、その伝手もあり太いパイプがある。
要するに、オルガ達がブーステッドマンみたいな使い捨てのピーキー超人にならず、”ナノマシナリー・チルドレン”という寿命に悪影響の出ない強化体として生きていけるのは、もとをただせばシャルがいたからと言える。
オルガ達の言う「数少ない恩人」枠には、アズラエル夫妻は不動の1位だろう。
「なんでもないですよ。いつものようにおバカさんがバカなことやってバカな結果を出したってだけなんでね」
ああ、言うのを忘れていた。
この世界線のアズラエルは、「餅は餅屋」という考え方の持ち主だ。
あるいは、「プロの仕事にアマチュアが口を出してもロクなことにならない」事を体感的に知っているとも。
『まあ僕も、投資のイロハも知らないような素人に、あれに投資しろとかあの会社の株を買えとか言われたら、有無を言わさず部屋どころか建物から蹴り出しますからねえ』
故に戦場には出ない。戦場へ将兵が行くまで状況を整えるのが自分の仕事だとわきまえている故に。
ムルタ・アズラエルは、プロの資本家であり資産家であり投資家であり、巨大企業や組織の長であり政治家であり陰謀家であり策略家である。
そこに戦場を仕事場とすることは入っていない。それだけの話だ。
「あー、パトリック・ザラ氏が、カガリちゃんの言ってた”
アズラエル夫人、シャルはただの「老い知らずの愛され妻」では無い。
いや、アズラエル的にはそれでも全然おkなのだが、実際には有能すぎる上にソレスタルビーイングや関連機関へのパイプが太すぎて、私設秘書のような立ち位置になってしまっていた。(だから、普通にオフィスに顔を出していた)
救いなのは、三人の娘がまだ8歳、6歳、4歳と幼いので、育休中に近い非常勤扱いになっているという事だろうか?
「でも、被害は想定の範囲内?」
「あくまで今のところは、ですが」
そして続く確認作業。
「プトレマイオス基地への照準誘導は?」
淀みなくシャルが訪ねる。繰り返すが彼女はハナヨ達と同期の先代ガンダム・マイスターだ。荒事にも鉄火場にも相応に慣れてる。
幼さの残る容姿に騙され甘く見ると、痛い目をみるタイプだろう。
「問題なく。既にプトレマイオス基地の”制圧艦隊”にもプラントを壊滅させる程度の核兵器が装備されている情報をザフトが把握しているのは確認済みですよ。無論彼らが基地に予備として後生大事に備蓄してる核もね」
実際、ユーラシア連邦と東アジア共和国のプトレマイオス基地より出撃しようとしている艦隊とプトレマイオス基地の保管庫には、50発以上100発以下程度のMk5核弾頭ミサイルが存在していた。
「となると、後は”鉄塔(一次反射ミラー)”の交換所要時間だね?」
「カガリ代表の見立てだと最速で4時間、手間取って6時間程度らしいですがね」
すると幼い頃のカガリを知っているシャルは、ん~……と考え、
「カガリちゃんの見立てなら間違いないか。バックに”
前話でも話題に出たハルバートン提督の第8艦隊を軸に選抜部隊による増強がなされた特別任務群は、ユーラシア連邦と東アジア共和国の”プラント攻略艦隊”のヤキン・ドゥーエ接近と同時に出港への最終段階へと移行し、ジェネシス発砲と同時に出撃する手筈になっていた。
「でしょうね。彼らは大西洋連邦選りすぐりの戦力を集めたんです。給料分の仕事はキッチリとこなすでしょう」
素っ気ない言い回しに聞こえるかもしれないが、ビジネスマンにとり「給料分の仕事をする」は最大限の信頼の言葉だ。
意外と知られてないが、「払った給料分以上の働きを期待する」のは、まっとうな雇用者としては間違いである。
なぜならば、報酬とは労働の対価として支払われるものであるからだ。
だからこそ、アズラエルは「階級に応じた俸給分の働きができるプロフェッショナルな軍人」としてハルバートンたちを信頼していた。
という訳で……新章開幕ブッパァッ!(挨拶
まあ、パトリック・ザラはジェネシスが上手く動いてご満悦でしょう。
そして前話に続き、原作と大幅乖離のアズにゃん氏w
おまけに初のイラスト化&原作では出てこなかったご自宅くつろぎスタイル&シャルさん本編時間軸に登場(制服気崩しスタイル)
いや、この世界線のアズラエルなら、
「殺し合いの支度を整えるまでが僕の仕事。そっから先はその道のプロに任せますよ」
くらいは言ってそうだなと。
というか、政治家の側面もあるから後方の総司令部で軍人たちを顎でこき使ってるのはまだしも、のこのこ経営者が最前線に出かけた挙句、最後はプラントに核攻撃命令出すわ、戦艦は一人で動かすわと、あっちの方が無茶だよな~と。
それに、
「今日が地球人類最後の日とは思っていませんが、そうなる可能性が億が一でもあるのなら、家族と一緒にいたいですしねえ」
というのが偽らざる本音。
まあ、奥さんがこんなだし、
※(季節的に)夏のバカンス中のポートレート2連発(夏なので髪を短くしてる仕様)
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そりゃあまあ、そうなるよねってw
むしろ子供が娘三人で済んでるのが奇跡というか……いや、一番下の娘が4歳だから(世界がキナ臭くなってきたので)時期的に差し控えてるだけかな?
とりあえず、パトリック・ザラが無茶してツケ払わせられる最終戦、原作乖離待ったなしですが、どうか新章もよろしくお願いいたします。