【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
巨大ガンマ線レーザー”ジェネシス”の発砲が確認されると同時に、大西洋連邦とオーブではデフコンレベルは最高の”1”に引き上げられた。
大西洋連邦大統領ジョゼフ・コープランドのジェネシスの威力を示した後に「パトリック・ザラとそれに付き従うザフトは、主義主張を、ナチュラル/コーディネイターを問わず地球人類全体の敵」という宣言も中々センセーショナルだったが、それを補完する形で行われたオーブ代表首長ウズミ・ナラ・アスハの宣言をここでは抜粋したい。
その始まりは、静かに会見場に現れたウズミの苦渋の表情だったという。
「親愛なるオーブ国民よ。本日はこのような報せをせねばならぬことが残念でならない。先程、L5宙域において、人類史上最も忌むべき新たな兵器が、テロ組織ザフトの首魁たるパトリック・ザラの命により使われてしまった。その兵器の名は”Gamma Emission by Nuclear Explosion Stimulate Inducing System”、通称”
シンと水を打ったように静まり返る首長官邸の大広間に設えられた臨時記者会見場。
記者たちは、思想の左右を問わず、ウズミの言葉を何とか理性的に理解しようと努めていた……
「これは先の大西洋連邦のコープランド大統領の宣言内容と完全に一致する。加えて、これまでその内容故に公表を差し控えていた事実を伝えたい。それは、独裁者パトリック・ザラのこれまでの行動、発言、投降者や”逮捕者”の証言を踏まえたものだ。プロファイリングの詳細は長すぎるのでデータとして各社に配布するが……」
そして、一呼吸を置いて
「オーブ代表首長ウズミ・ナラ・アスハの名において断言する。パトリック・ザラは確実に巨大ガンマ線レーザーを地球に向け発砲すると! なぜなら、パトリック・ザラの目的は断じて”戦争の勝利”などではないっ! これはつまり、ユニウスセブンで妻を失った一人の男の復讐劇であり、復讐すべき対象は《b》”全てのナチュラル”。その復讐を成就させるために地球に放つとっ!!」
「お、お待ちください! 地球にもコーディネイターはいます! プラントの何倍も! それでも撃つと!?」
悲鳴のような声をあげたのは、自身もコーディネイターである、どの時代にもいる平和を望む反戦市民団体と昵懇な
この男は、事あるごとに「コーディネイターとナチュラルの共存を掲げるオーブは、人類唯一のコーディネイター国家であるプラントと戦ううべきではない」と持論を展開している。
ユーラシア連邦や東アジア共和国の紐付き、
「良い疑問だな。既に囁かれている話ではあるが……パトリック・ザラにとって、コーディネイターとはプラントに住むコーディネイターだけを指す。プロファイリングの結果、それは明らかだった。そして、地球上のコーディネイターはナチュラルと一緒に滅ぼすべき対象ですらなく、最初から勘定に入れない、存在しない者として認識されているのだよ」
むしろ自分が何者なのかを知った上で労わるような視線のウズミに、記者は返す言葉もなく絶句する。
「もはや”オーブの理念”を言っている場合では、いや、それすらも本質的には無関係だ。なぜならパトリック・ザラが行おうとしているのは、ナチュラル/コーディネーターを問わず、それどころか人類以外の地球上全ての生物をも対象とした虐殺なのだから」
これは決して大げさではない。
原作でエリカ・シモンズは「地球に向けられれば強烈なエネルギー輻射は地表全土を焼き払い、あらゆる生物を一掃してしまうでしょう」と発言し、事実100%の出力で撃てば、地表の目標地点が1平方メートルあたり毎分数万kwの不可視レーザーにさらされ瞬時に焼失。加熱膨張した大気が超音速の衝撃波を発生させ、その加熱大気の傘に照射された二次反射レーザーがさらなる被害を発生させる。
そして被害はこれだけにとどまらない。この着弾時に同時に起こる自然界ではありえない大規模ガンマ線バーストにより、オゾン層は壊滅し、大気の組成も大きく変化(酸素と窒素の割合が大きく減少)するだろう。
結果、空は光化学スモッグに覆われ続け、地表には大抵の生物のDNA損傷が通常の16倍になる強度まで増大した紫外線と酸性雨が降り注ぎ続け、生物も遺伝子異常で正常に子孫を作れなくなる可能性が高い。
「ここに宣言するっ! もはやこれは、人類だけの問題ですらないっ! パトリック・ザラとその一党は”地球上に生存する全ての生物の敵”であるとっ!!」
「国民よ。愛すべき民よ。全てを理解してくれとは言わぬ。だが、どうか現実を認識して欲しい。パトリック・ザラとジェネシスを放置することが、そのまま地球が”死の星”となるという事を……」
そして視線に力を籠め、
「ならばオーブは立たねばならぬのだっ! 友邦たる大西洋連邦が忌まわしきガンマ線レーザーを討つというのなら、我らオーブは全力をもって助力し、地球に住まう仲間として、共に明日を掴もうではないかっ!!」
コープランドを差し置いて、後に”ウズミ・ナラ・アスハの大号令”と呼ばれる事になるこの宣言は、「歴史的な政治の大勝」と認識される。
特に後年の歴史家が着目するのは、「敵をパトリック・ザラとその一党に絞った」こと、「パトリック・ザラとその一党を地球上全ての敵に仕立てた」事だ。
つまり、これで主義主張、国籍、民族、人種、宗教を問わず、地球上全ての人類が”パトリック・ザラとその一党の討伐”に反対できなくなったのだ。
後年の政治学者の言葉を借りれば……
『こういうのを政治的焦土作戦とか政治的殲滅戦と言うのだろうねぇ……ウズミ・ナラ・アスハの宣言、いわゆる”ウズミの大号令”でパトリック・ザラは結局、”復讐心だけのテロリスト、小物のテロ組織首魁”として歴史に名を残す事が確定したんだからさ』
その政治学者は、苦笑と共に切り出した。
『もし、パトリック・ザラが唯一勝利したといえることがあるとすれば、ウズミ・ナラ・アスハを「戦争責任をとる形で代表首長辞任に追い込んだ」ことだろうさ。関係ないって? ところが関係大ありなんだよ。この公式名称”第1次連合・プラント大戦”終結後、オーブはドクトリンを大きく変容させることになるんだ。それまでは専守防衛を主体とした基本的には「オーブの三大理念」を遵守する守勢型国防ドクトリンだったが、大戦の最後のヤキン・ドゥーエとジェネシス攻略を契機に、「必要とあらば
そして、感慨深げに続ける。
『もし、国家に幸運値って言うのがあるとすれば、本当にオーブは馬鹿みたいに高いよ。ウズミ・ナラ・アスハが戦争責任をとる形で辞任し、新体制となったオーブの代表首長は”外交畑の化物狸”ウナト・エマ・セイランだろ? そしてウナト・エマ・セイランは、オーブ史でも例外的な長期政権となった。その後、10年以内に起こった数々の戦乱は「化物狸ウナト氏と太陽の獅子王カガリ・ユラ・アスハのタッグで無ければオーブは乗り切れなかった」というのが歴史家の共通見解だ。最適な時期に最適な人間が適材適所で国の舵取りをできたんだ。これを幸運と呼ばずに何を幸運と呼ぶと言うところだね』
兎にも角にも、こうして「ヤキン・ドゥーエならびに巨大ガンマ線レーザー攻略作戦」、正式名称”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”は始まりを告げた。
なお作戦発動を宣言したのは、”主戦力”である大西洋連邦のコープランド大統領の筈なのだが、何故か多くの後年の歴史書において作戦の発動を宣言したのは、ウズミという事になっていた。
歴史上によくある不思議である。
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さて一方、現在暫定的ながら”アメノミハシラ”の軍港区画を間借りして母港としている第8艦隊の様子を追っていこう。
ユーラシア連邦と東アジア共和国の第1陣である”攻略艦隊”の出撃が確認されると同時に出港に向けた最終準備が開始され、ジェネシス発砲→コープランド大統領の演説と同時に発布された”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”の発動命令に従い、第8艦隊はアメノミハシラを出港。
そして、ヤキン・ドゥーエとジェネシス(そしてプラント本国)のあるL5宙域へ向かう際中、L3宙域の”ヘリオポリス”を間借りしていた複数の大西洋連邦”選抜分艦隊・戦隊”と合流。
書類上の”臨時艦隊再編”を行うと同時に、ハルバートンに「大将への野戦任官」の辞令が降り、ここに正規2個増強艦隊規模の”ハルバートン特別作戦任務群”が誕生する。
紛れもなく大西洋連邦最強の布陣を持つ艦隊であり、切り札に相応しい装備と練度を持つ集団であった。
「おそらく、これほどの陣容を誇る艦隊を指揮するのは、これが最初で最後だろうねぇ」
そう任務群旗艦”ドミニオン”の提督席で呟くのは、大西洋連邦きってのモビルスーツのオーソリティで名将と名高いデュエイン・ハルバートン中将、改め大将だ。
艦船総数100隻超、総搭載モビルスーツ数200機超。
しかも、搭載モビルスーツの多くは、安普請のダガーではなく量産型ストライクと言える”105ダガー”に、その系譜である”バスターダガー”や増加装甲ユニット”フォルテストラ”を装着したデュエルダガーという豪華さだ。
更に豪華な量産機は、レナ・イメリアが隊長を務める切り込み隊、”ソードカラミティ”部隊、あるいは第146話でカガリが話題に出した「ピースキーパー隊」の”量産型レイダー”だろうか?
ただし、これらのモビルスーツは「第8艦隊に合流した選抜精鋭部隊」の最新配備機で、元々第8艦隊は戦争初期から先行していたオーブ製モビルスーツを積極的に試験導入・運用していた。
その甲斐あって、ハルバートンの本来の直轄艦隊にはオーブの現行モビルスーツと言える宇宙戦パッケージを装着した”イナクト”、各種ストライカーパックを装着した”ストライク・ティエレンタオツー(通称ストライク・タオツー)”が定数配備されていたのだ。
そして、第8艦隊のドミニオンを始めとする戦闘艦には、須らくこれらのモビルスーツの性能を引き出すオーブ製の「指向性マイクロウェーブ/レーザー送電システム」が改修により完備されている。
(しかも、虎の子”核動力機”は我が手中にあり、か)
これだけの戦力を抱えるのが初めてのハルバートンとしても、使いどころが悩ましいところだ。
「ハルバートン提督、申し訳ありませんが、それはオーブ人の言う”フラグ”です」
そう指摘するのは、大尉に昇進した(正規に昇進させられてしまった)上にハルバートン提督のついでとばかりの野戦任官で少佐になってしまったナタル・バジルールだった。
彼女は今、少佐でも階級的に艦隊参謀長は難しいがハルバートン提督付副官兼任「フラガ特務隊」指揮官という立ち位置に収まっていた。
ハルバートン提督の艦隊の中で最もモビルスーツ戦の経験が豊富であり、同時にムウ・ラ・フラガ少佐と曲者揃いの舎弟トリオことナノマシナリー・チルドレン三人組の操るハルバートン提督直下の遊撃隊、核動力モビルスーツ4機からなる臨時編成部隊「フラガ特務隊」を制御できるのは、ナタルだけだと目されたからだ。
ナタル本人も、まさか「原作由来の不幸体質」がこんな形で発露するとは思っていなかっただろう。
「”フラグ”?」
「ええ。その言い回しのことです。当分は”大西洋連邦最大最強艦隊の提督”の座から降りられなくなりますよ?」
まあ、ナタルのこの予言じみた言葉は現実のものとなってしまうのだが……それはナタル自身の未来も含めて、将来の楽しみという事にしておこうと思う。
コープランド大西洋連邦大統領:「物語最大の私の見せ場が塗り潰された。訴訟も辞さない」
まあ、オーブの髭と狸のコンビが濃すぎるせいで、どうやったって影が薄くなってしまう某国大統領の心の声でした(挨拶
いや、ウナトに続いてまさかまさかのウズミのイラスト2連発w
改めて正装したウズミは暑苦しい夏場に見るもんじゃないなと。
とはいえ、その発言のインパクトは抜群。
それと特定の国と地域では、男性は髭無しより髭のある方が信頼されるしセクシーでモテるという風習がw
それにしても……ウズミもウナトもガタイいいな~。他国の代表に体格でビジュアル負けしないw
まあ、どこぞの国の大統領選じゃないけど、政治家は人気商売だからビジュアルもそれ向きにした方が良いのは間違いないし。
それとナタルさんw
原作では堅物すぎてハルバートン提督から煙たがられていたみたいだけど、この世界線ではそれなりに上手くやってるみたいです。
あと、ムウが緩衝材になったのかも?
兎にも角にもウズミの号令(笑)で動き出した最終作戦”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”、どう動くのか楽しみにしてもらえれば幸いです。
☆☆☆
(なんか今回のエピソード、内容的にもビジュアル的にも暑かったので)オマケ
マユ:「今回はイカツいオジサマばかりのショットだったので……」
いや、イカツいオジサンって……あの人、一応”第二の国父”とか”オーブ中興の祖”とか歴史家に言われてるんだが。
【挿絵表示】
「じゃ~ん♪ ビキニが涼しげなマユのせくしーしょっと♡だよ♪ 世の○リコンお兄ちゃんたち、喜ぶがよい☆」
聞けよ。
それにしても、君も体張るね?
マユ:「そう? オーブだと水着なんてありふれてるしなぁ。普通に水着で街中ウロウロしてる人いっぱいいるし。ビーチとかだと
スッパとか言わない。
えっ? ヌーディストビーチとかじゃなくて?
マユ:「うん。普通のビーチ」
オーブェ……