【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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カガリは巨大公社の表のトップなので、相応に強いコネクションがあるみたいですよ?







第15話 公式では悪役ですが、中の人的に二次では愉快なことになってしまうことが多い大物が登場です。

 

 

 

「これは極めてマズいなぁ……」

 

 いったんソレスタルビーイング保有の多目的輸送船”プトレマイオス(トレミー)”に戻ったカガリは、被害報告書……ヘリオポリスやオーブの駐留軍のそれではなく、ヘリオポリスに駐留していた大西洋連邦施設と人的被害を見て、軽く眩暈を覚える。

 

(いくらなんでも死に過ぎだろう……)

 

 ザフトの工作部隊が、(明らかに戦力を過小評価していた)オーブ軍施設をスルーして、大西洋連邦の軍事拠点を集中的に狙ったのは理解できるが、数字的にはそれだけでなく大西洋連邦の油断が招いた自業自得としての結果でもあることを示している。

 技術職はともかく、実戦(実務)将兵がほぼほぼ壊滅していた。

 ザフトの潜入強襲部隊による奇襲だけでなく、ヘリオポリス(正確には大西洋連邦軍事施設だろうが)防衛のために先陣を切って出撃した部隊がムウを除いて未帰還になったのも痛い。

 協定で防衛出動では大西洋連邦に優先出動権があったことが裏目に出た結果だった。

 まあ、結果として大西洋連邦の迎撃部隊が文字通り命を削って出動準備時間を稼いだために、マネキン達は必要十分な状態で緊急出撃ができ、あれだけの戦果を残せたのだが。

 

(パイロットもだが、船乗りが致命的に足りてないな……)

 

「これだと、最先任が弟の年上彼女ってことになってしまうが……」

 

 だが、

 

「流石に技術将校に実戦艦の運航を放り投げるのは無茶が過ぎるだろう」

 

 そして暇があれば乳繰り合ってるだろう弟の顔を思い浮かべ、

 

(第一、そんなことをすればキラに恨まれそうだな)

 

 ならば、権力者としてカガリは最善手とは言わないまでも次善策くらいは提示すべきだと考える。

 それが上に立つ者の責務、自分の役割だと心得ていた。

 

 尊敬する恩師から叩きこまれた”トップとしての心得”は、確かにカガリ・ユラ・アスハに根付いていたのだ。

 

「クジョウ船長、通信コード”秘匿回線:MA7041”を開いてくれ」

 

 だが、その量子通信コードにリーサ・クジョウは気づくものがあった。

 

「その回線を開くの、エイプリルフール・クライシスの後始末で飛び回ってた時以来ですわね?」

 

 友好各国にレーザー送電中継衛星と地上受電レシーバーを設置しまくってたあの頃、機動力と全環境適応性の高い(というよりそういう要素を非常に優先して設計された)トレミーは、世界中にガンダムと機材を運ぶ傍ら、カガリの専属コスモタクシー、あるいは動く執務室として一時期機能していた。

 

 カガリが、クジョウやソレスタルビーイングのトレミー・チームを部下というだけでなくある種の親愛を強く感じるようになったのは、そのような経緯があった。

 

「今回の一件、流石に大西洋連邦に筋を通さないわけにはいかないからな。事後処理の詰めもあるし、今後の方針のすり合わせもしなければならん。本来は、私の役割かと言われれば疑問だが、こういう荒事絡みは父とコープランド大統領より私と”理事長”で根回ししておいた方が、色々と話が早い。今は時間が惜しいしな」

 

「トップというのは本当に大変ですのねぇ」

 

 まだ若いのにと同情の視線を向けるクジョウに、

 

「なに。”師匠”に比べたら、この程度の苦労、物の数じゃないさ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『やあ、カガリ代表。画面越しとはいえ、こうして再び君の顔が見れて嬉しいよ』

 

「私もですよ”アズラエル理事長”。最後に直にお会いしたのは、エイプリルフール・クライシスの後始末が終わった後の記念式典でしたか?」

 

 秘匿性の高い量子通信の向こう側に現れたのはブルーコスモスの盟主と目される男、大西洋連邦国防産業連合()()()の”ムルタ・アズラエル”だった。若いのに理事長とは、実は原作と比べても度量や器が大きいのだろうか?

 ちなみにファーストネーム呼びなのは、親愛というより「アスハ代表だと父親とかぶり、どっちのことだかわからないから」というカガリからの要請だった。

 

『君は確か今はヘリオポリスに居るはずだと思ったが……という事は、ザフトの押し込み強盗の一件かな?』

 

 カガリは頷きつつも、

 

「厳密には”強盗()()”ですよ。大西洋連邦の軍人がどれだけ死んだか情報は届いていますか?」

 

『ああ。とりあえずは報告は受けているよ』

 

「なら、話が早いです。現状、大西洋連邦の軍人の最先任は技術将校のラミアス大尉とモビルアーマーパイロットのフラガ大尉ということになります」

 

『つまり?』

 

 何が言いたいかわかってはいるが、確認のための質問だという事はカガリにもわかっていた。

 

「”アークエンジェル”を動かす為の人員が決定的に足りてません。特に分野を問わず佐官以上の将校が皆殺しになっているのが致命的です」

 

『今更だけど、ザフトのクソ野郎どもも好き放題()ってくれる。で? まさかその程度の報告の為に、わざわざ秘匿回線を使った訳じゃないんでしょう?』

 

「なぜ、そうお思いで?」

 

 言葉遊びだという自覚はあったが、

 

『君がカガリ・ユラ・アスハだからさ。明らかに君は僕と同じ支配階層(こちら)側の人間だろ? 今回は、どんな有益な取引を持ちかけてくれるんだい?』

 

 その返しにカガリは思わず苦笑する。

 

(エイプリルフール・クライシスの尻拭いをしてから、お仲間認定されてしまったもんだ。まあ、別に嫌じゃないが)

 

 実際、カガリのアズラエルに対する好感度も悪い物じゃない。

 現実主義者のマキャベリスト、損得勘定で動くビジネスマンというのは、実際に利害調整ができれば付き合いやすい類の人種だ。

 特にアズラエルは気に聡く、目端や鼻が利くタイプだ。

 

「端的に言って人材が足りないのなら、ある所から引っ張ってくるしかない。そして、引っ張るには大義名分がいるんですよ」

 

『それはどんな?』

 

「アズラエル理事長、一時的にアークエンジェルを残存乗員と積み込み予定機材ごと、オーブとソレスタルビーイングに預ける気はありませんか?」

 

 

 

『ほう? それはどういう意図かな?』

 

 興味を持ったようなアズラエルに、

 

「今回のザフト襲撃を鑑み、内々でヘリオポリスから民間人を本土に疎開させることが決定されました。大義名分としては、アークエンジェルにはオーブに出向協力という形で避難民を乗せた船団の護衛を担当していただくということで。また運航責任者として、ヘリオポリス駐留軍から艦船指揮に長けた艦長任務が可能な佐官以上の人材と、軍だけで足りない場合はヘリオポリスに出向していたモルゲンレーテ社員並びにソレスタルビーイングのスタッフを招集します」

 

『つまり、オーブはヘリオポリスを純粋な宇宙軍事拠点化すると?』

 

「戦時下における暫定措置という名分ですが、致し方ありません。恒久的な拠点にするかは未定ですね」

 

『戦時下だけでも大西洋連邦も有事の際は補給ポイントとして使わせてもらえると嬉しいですねえ』

 

「とりあえず、食料や燃料、医薬品の補給ならば人道支援でゴリ押せるでしょう。武器弾薬にかんしては成り行き次第で”よしなに”ということで。こんな感じでどうです?」

 

『悪くないですね。確かにそれだけの人材が居れば、アークエンジェルも十全に動かせるかもしれませんが……僕に提示できるメリットは?』

 

(そら、おいでなすった。こうでなければアズラエル理事長じゃないよな)

 

 心のどこかで妙な安心感を覚えながらカガリは、

 

「残存GAT-Xシリーズとアークエンジェルの開発とテストの引継ぎ、その都度、アップデート・データの提出。あと、残存しているGAT-X303”イージス”をフラガ大尉用に調整し、大西洋連邦向けのモビルスーツ制御OSの開発代行、後はモビルスーツとアークエンジェルの運用に基づいた欠点の洗い出しとそれに対応する改修プランの策定なんてところでどうです?」

 

『良いですが、もう一声欲しいですね。特にカガリ代表から、僕個人にという方向性で』

 

 つまり自分の権限の中から利権が欲しいと理解したカガリは、内心でため息を突きながら、

 

「いいでしょう。改修プランの策定ができたら、その改修/改良作業はオーブ、モルゲンレーテとソレスタルビーイングで担当させていただきますよ。ええ、責任もってね」

 

『乗った!』

 

「では、関係各所に政治的な働きかけする際は協力してください。建造の理由や必然などは、書面にまとめていつものようにメールします」

 

 どうやらカガリとアズラエル、互いが忙しいせいか顔を合わせる機会はそうないようだが、メールを通じた書面のやり取りはそれなりにしているようだ。

 

『ええ。お待ちしていますよ。今回のように何か相談事があればいつでもご連絡を。貴女からの通信なら何時でも最優先でお受けします。何しろ必ず利益に結びつくので』

 

「Win-Winの関係こそ、ビジネスの基本中の基本でしょ?」

 

『世の中にはそれがわかっていない輩が多過ぎて困ってるんですよ。その点、カガリ代表との会話は気が楽だ』

 

「いちいち”青き清浄なる世界に”なんてお題目を唱えないで済むからですか?」

 

『違いない』

 

 そう楽し気に笑うアズラエル。

 カガリ・ユラ・アスハとムルタ・アズラエル……この二人の暗躍大好きな腹黒こそが、この世界線におけるオーブと大西洋連邦の関係性をこの上なく明瞭に表していたのだった。

 

 

 

「ところで理事長、アスラン・ザラとの”対談”動画は確認していただけましたか?」

 

『ええ。もちろんですとも。あれは良い出来だ。ほとんど編集せずに”使え”ますよ』

 

 無論、話題に上がったのはアスランとの対談で、

 

「お役に立つのなら何より。まあ、弟との会話の部分はカットしてよしなにお使いください。そこを聞かれると私も答えるのが面倒なので」

 

 重要なのは、”高名政治家の子息”としての対談と()()だ。

 プロパガンダとしてここいらで丁度良い。

 

『貴女や弟君の出自は、それなりに面倒臭いですからねぇ』

 

「私たちの生まれは突き詰めると、フラガ家とか他にも探られたくない腹を探られる家が芋づる式に続出しますから。それは誰にとっても面白い状態ではないでしょう?」

 

『ごもっとも』

 

「要するに」

 

 カガリはニヤリと笑い、

 

「プラントにもザフトにも、ヘリオポリス襲撃の正統性なんてものがかけらもないことが証明できればいいんですよ。それが結果としてプラントとの戦争の正当性に繋がり、オーブと大西洋連邦の関係強化につながるんですから」

 

『やれやれ。相変わらずおっかないですねぇ。未だ理想主義者が抜け切れてないお父上より、よっぽど政治家向きで手強い』

 

「誉め言葉として受け取っておきますよ。まあ、”師匠”の教えが良かったですから。理事長もご存知でしょう?」

 

『”あの御仁”も底知れないですからねぇ』

 

 

 

 二人の歓談は、話題を変えてもうしばし続くのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そしてさっそく取引材料にされる”アスラン・インタビュー”w

とりあえず、アークエンジェルは避難船団を護衛するという名目でレンタルされ、アフリカに寄り道してアラスカへ向かうのではなく、ダイレクトにオーブを目指すみたいですよ?

アズラエルは基本、実利重視・利益優先です。
戦争という基本はマイナス収支の異常事態にどれだけ利益を確保できるかに心血注ぐ商売人の鏡w

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というか、最近は投稿するたびに評価が下がってるので、果たしてどうしたものやら。


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