【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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さて、そろそろ下拵えは済むかな?







第151話 巨大宇宙原子レンジの構造的欠陥と解釈の一致 【挿絵入り】

 

 

 

「実際、そう難しい作戦ではないのさ」

 

 L1宙域にある”ターミナル”の拠点”ファクトリー”のブリーフィングルーム、作戦の全体ブリーフィングでカガリはそう切り出した。

 

「まずは敵の索敵範囲の外側からネーナの”スローネドライ・トゥルブレンツ”の張ったGNステルス・フィールドを隠れ蓑に、ヤキン・ドゥーエの光学観測可能範囲ギリギリまで接近。突入合図となるのは、ボアズ沖の送電衛星(第136話参照)からのレーザー照射。それを号砲にステルス・フィールドを解除し、エターナルは後方に待機しつつアークエンジェルとアカギはジェネシスを陽電子砲の射程に収めるまで前進。GN-X隊とチーム・トリニティ、”Nブリッツ・天改”と”1ガンダム”、そして……」

 

 カガリは一席に座るアスランを見て、

 

「”Nイージス・アサルト”は防空陣形を形成。後は簡単だ。私の”プロト・アルヴァトーレ”が陽電子砲の一斉砲撃に合わせて発砲。計算上はこれで”ジェネシス”のフェイズシフト装甲はオーバーフローさせられる」

 

 そして、自分の左右に立つラクスとキラの頭を撫で回し、、

 

「後はフリーダム・ルージュ、ジャスティス・ソーディアンが切り込み、ミーティアのビームソード延ばして”デカいパラボラ(二次反射ミラー)”を叩き斬ってくれりゃあいい。簡単な仕事だろ?」

 

「はい♡」

 

「うん♡」

 

 ちょっとキラのデレっとした顔が引っかかるラクスである。

 

「後は、ハルバートン提督の”核ミサイル攻撃(ピースキーパー)隊”に二度と修復できないようにチェンバーシリンダーの破砕作業を引き継ぐって感じだ。皿を斬った後は、このピースキーパー隊突入のための援護、要するにヤキン・ドゥーエやジェネシスに張り付いている戦闘艦やらモビルスーツの排除が私たちの役割って事になる。ああ、」

 

 カガリは何かを思い出したように、

 

 

【挿絵表示】

「それとピースキーパー隊のミサイル攻撃が始まったら、後退しつつヤキン・ドゥーエを”()()()()()()()()()”にするように回りこめよ? 最新のシミュレーションで判明したんだが、高確率でジェネシスは爆発するからな」

 

「「「「「「「えっ?」」」」」」」

 

 

 

 さて、少しカガリの言葉を補足しよう。

 まず、現在のところ人類が効率よく大量のガンマ線を発生させる方法は二つ。

 核分裂と対消滅だ。

 だが、地球を丸ごとチンできるほどのガンマ線を発生させるほどの反物質を生成させる技術も能力も、未だに陽電子砲すら実用化できてないザフトやプラントにはないので、対消滅の話は割愛する。

 

 なので、ここではパトリック・ザラが大好きそうな核分裂の話をしよう。

 一般に核分裂による核爆発を地上で行った場合のエネルギー変換は、

 ・爆風 - 全エネルギーの40~50%

 ・熱放射 - 全エネルギーの30~50%

 ・電離放射線(初期放射線) - 全エネルギーの5%

 ・放射性降下物 - 全エネルギーの5~10%

 となるとされている。宇宙空間での爆発は、爆風や熱を伝播する触媒や降下物が発生しない為、高温高圧のプラズマ火球と電離放射線(電磁波)だけが発生することになる。

 核分裂の電離放射線がガンマ線と同義と考えていい。

 つまり普通に爆発すれば、核爆発の5%ほどしかガンマ線は発生しないことになる。

 だが、中性子爆弾などに代表される放射線強化爆弾の技術は現実世界でも存在し、ブースト型核分裂兵器の技術を応用し、真空/宇宙空間という特殊性を加味すれば電離放射線へのエネルギー変換効率は、まあ通常の10倍の50%ということにしておこう。

 多分、ここら辺が限界だろう。残った高温高圧プラズマは外部に放出し、その際にMHD発電などにも利用できる。

 

 さて、核兵器に使われる核分裂物質で最もメジャーなプルトニウムだが、1kgのプルトニウムが完全に変換を起こした場合のエネルギーはTNT換算で約20kt。上記の前提なら1kgで10kt分のガンマ線が生成される計算になる。

 そして、地球の地表に甚大なダメージを与えるガンマ線量を100Mt分(人類史上最大の核兵器であるツァーリボンバーの計画上の最大出力)と仮定しよう。

 いや、地球を丸ごとチンするのに流石にガンマ線100メガトン分じゃ少ない気もするが、ここは計算しやすさ優先させてもらう。

 つまり、最低でも10tのプルトニウムが必要となる計算だ。

 だが、実際に効率100%のエネルギー変換はありえなく、現実の中性子爆弾を参考にすると起爆に必要な周辺システムや容器などで50kgで2ktというサイズになるらしい。これを元に計算にすると、100Mt級のガンマ線を発生させるには、5,000tの核カートリッジが必要になる。

 常識外れなサイズの核カートリッジだが、まあ、無重力なら動かせないこともないだろう。

 ただ、あの威力は簡単に計算してもこの倍、少なくとも200Mt級のガンマ線放出を行う10,000t級(未来技術なのでかなりのダウンサイジングはできそうだが)の核カートリッジがいりそうだ。

 

 だが、問題はこれだけではない。

 核分裂物質には臨界量という物が存在する。臨界量とは一定以上集まると勝手に核分裂を初めてしまう量で、核兵器で一般的なプルトニウム239の臨界量は金属状態で5.6kg、液体状態で510gに過ぎない。

 流石に2桁tのプルトニウムをkg単位に小分けして100万分の1秒以下の誤差で同時起爆させるのは無理があるので、ザフトではニュートロンジャマーとニュートロンジャマー・キャンセラーを安全装置と起爆装置に使っている(力業で無理やり制御している)ようだ。

 

 長々と書いてしまったが、これが大雑把な”ジェネシス”のガンマ線を発生メカニズムで、ここで発生したガンマ線をコヒーレント波変換して一次反射ミラー、二次反射ミラーで集束してガンマ線レーザーとしてぶっ放すのだ。

 

 

 

「つまりだ、ニュートロンジャマー・キャンセラーだけ攻撃で壊れれば良いが、ほぼ確実にニュートロンジャマーも一緒に壊れる。当然、核反応物質を収めた容器もな。そうなれば臨界を突破し、ジェネシス自体が巨大な核分裂型核爆弾になるってことだ」

 

 先ほども書いたが……だとしても、チェンバー内部で制御不能のプラズマ火球と指向性を失ったガンマ線が発生するだけだが、フェイズシフトがイカれ強度を失ったうえに破損した圧力容器の中で急速膨張する高圧高温プラズマなんて物が発生したら、まあ、普通は吹っ飛ぶ。

 

「指向性も集束もコヒーレント変換もないガンマ線なんざ、よほど近くで浴びなきゃ船やモビルスーツのシールドで十分だが、飛んでくる破片はそうもいかんだろ?」

 

 ヴァン・アレン帯なんて放射線帯があったり太陽風に晒されることが普通の宇宙船やモビルスーツではしっかりと放射線シールド技術が確立されていて、太陽フレアより遥かに小さなガンマ線照射など問題にはならない。

 太陽フレアのエネルギー総量は核融合弾の10万〜1億個分相当と言われ、全てがガンマ線に変換されるわけでは無いが……ジェネシスはガンマ線に指向性を持たせて集束して撃つからこそ恐ろしい兵器なのだ。

 ちなみにジェネシスの爆発予想は”ヴェーダ”によるシミュレーション結果で、確度はかなり高そうだった。

 

「ジェネシスさえぶっ壊してしまえば、後は暢気な攻城戦になるわけだが……」

 

 絶対に暢気にはならないだろう。少なくともアスラン・ザラにとっては。

 そして、カガリはスチャッと制帽を被り、

 

 

【挿絵表示】

「気を張る必要はないが、こいつが”地球人類の存亡がかかった一手”だってのは、心の片隅にでも止めておいてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうしてカガリ率いる”別動隊”は、ターミナルの拠点であるL1宙域の”ファクトリー”より出撃する。

 原作では”三隻同盟”だったが、この世界線ではアークエンジェル、エターナル、アマギ級のアカギに加えカガリの”プロト・アルヴァトーレ”を運ぶ特装輸送艦”コバヤシ丸”が続き4隻になっているが。

 もっとも、コバヤシ丸は戦場のかなり手前でカガリ座乗のプロト・アルヴァトーレを発艦させ、ミラージュコロイド・ステルスを展開して待機する予定だ。

 その為、アークエンジェルの指揮全般はトダカに一任され、またスーパーNミーティアとの接続の関係もあり、ラクスとキラは愛機ごとエターナルに乗っての出港となった。

 

「そういえば、ラクスってヤキン・ドゥーエ攻略戦用のプロモーションも撮ってたよね? えっと何だかこうロックっぽいの」

 

 コーヒーブレイクを楽しんでいたキラは、ふと前に座るラクスに話しかける。

 

 

【挿絵表示】

「ええ。これまでにないラクス・クライン像を披露しようと思いまして♪」

 

 キラの問いかけににっこりと微笑むラクス。

 基本この二人、カガリが関わらなければ相性はいいのだ。流石は原作公式カップルである。

 

「まあ、ボアズの時の映像詐欺よりはマシかな?」

 

「相変わらずお口の行儀が悪いですわね? ああいうのはプロパガンダというのです」

 

 とちょっと唇を尖らすラクス。

 

「プロパガンダって自分で言いきっちゃうのもどうかと思うけど」

 

「今更、言葉を飾ったところで意味はありませんし」

 

「そういうところ、本当にカガリに似てきたよね」

 

「あら、嬉しい♪ 夫婦ってやっぱり似てくるものですわね♡」

 

「別に褒めてないからね? あと夫婦ねぇ……いや、確かにカガリは誰かの嫁になるタイプじゃないけどさ」

 

「でしょ? カガリがウェディングドレスを着て、殿方の隣に立つ姿って想像できます?」

 

 キラはちょっと想像してみるが……

 

「無理。何度イメージしても白いタキシードにしかならない」

 

 早々に諦めた。

 二人はそろってクスッと笑い、

 

「キラ、勝ちましょう。地球の為に、何よりカガリの為に」

 

「うん」

 

 

 

 それは激しい戦いの前の、ほんのわずかな平穏な時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




実はラクスとキラ「友人同士のやり取り」と地球をバックにしたカガリがかなりお気に入り(挨拶

感想でもご指摘ありましたが、実はジェネシスって本気で戦時急造品、かなり無茶して作ってるんですよねぇ~。

人間が人工的に大量のガンマ線を生み出す効率の良い方法は核分裂と対消滅なんですが、まあ、陽電子砲の実用化に遅れていたザフトが対消滅を扱うのは難しいですし、原作でも思い切り”ニュークリア・カートリッジ”とか言ってますしで、とりあえず核分裂を使うとして……地球を丸ごとチン♪できるガンマ線量ってどんぐらいじゃい!?って事になってw

現実でもブースト型原爆の開発は行われてるし、敵国上空で爆発してEMPを広範囲に効率的に発生させるガンマ線強化核分裂弾も研究されてるんですが、ぶっちゃけ200メガトン分のガンマ線でも足りんだろうな~と。
まあ、作中の計算はあくまで目安と思って頂ければ。
しかし、中性子爆弾の技術的延長線上にあると言っても、何気に核分裂で解放されたエネルギーの半分をガンマ線に転換できるってスゲー技術だなと。

そして、臨界をニュートロンジャマーとそのキャンセラーで脳筋制御するザフトェ……

いや、原作見直したら、マジでそんな感じの制御っぽいんですよ。
だから、いくら内部爆発とはいえジャスティスが自爆した程度であんなダメージが……やっぱ、ジェネシスって威力はデカいが安全性に問題有り過ぎな欠陥兵器じゃね?w

さて、次回あたりからそろそろ戦闘開始かなっと。

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