【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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今回は、もうそろそろ後が無くなってゆくザフトのお話……かな?





第160話 いよいよ追い詰められてゆくヤキン・ドゥーエ 【挿絵入り】

 

 

 

「やはり、核攻撃は不要だろう。ここで無理に使って戦後、面倒な連中がウザ絡みする口実をくれてやる必要もあるまい?」

 

 具体的な国内外、あるいは敵味方問わない”面倒な連中”を思い浮かべながら、難しい顔で答えるカガリ。

 彼女は、戦争が政治の一形態に過ぎない事をよく心得ていた。故に戦場に立たなかった者こそが、戦後に政治闘争を引き起こそうとする事を歴史から学んでいたのだ。

 戦後日本の政治的弱体化、ベトナム戦争の米国内反戦運動……そこで動き、裏で糸を引いてたのは誰か?という話である。

 

『さしずめ、”クリーンな戦争”というところですかな?』

 

 カガリは、ハルバートンとマネキンと通信三者会談を行っていた。

 

「政治的な意味で身綺麗(クリーン)でいることは悪い事じゃないさ。それに戦後、『ザフトは核兵器を盛大に使ったが、我々は使わなかった』と喧伝できる」

 

『大西洋連邦としては耳の痛い話ですな』

 

 そう苦笑するハルバートンに、

 

「ああ、”血のヴァレンタイン”の話か? こっちは戦術核、むこうは戦略核。おまけに大西洋連邦は1発、ザフトは2発もぶっ放しやがった。ついでにニュートロンジャマーなんて面倒な物を押し付けてきたんだ。遠慮はいらんさ」

 

 ちなみにこの状態でも戦闘はできるのであるが、

 

 

【挿絵表示】

『カガリに不協和音(ノイズ)など近づけさせませんわよ!』

 

 

【挿絵表示】

『カガリは今、忙しいんだ! 邪魔をするなっ!』

 

 なんか妙に気合の入ってる左右を固めるラクスとキラが凄まじい弾幕射撃をしているせいで、ぶっちゃけ撃つ必要がなくなっていた。

 ミサイルはとっくに品切れだが、スーパーNミーティアの搭載ビーム兵装とそれぞれの機体の固定兵装だけで実に器用に落としまくっている。

 特殊なシステムを搭載しているラクスは勿論、”種割れ(かくせい)”してマルチロックオンで百発百中を出すキラの射撃技能も凄まじい。

 本来、格闘戦の方が得意なのにも関わらず、無論、不殺縛り無しで、だ。

 いや、二人以外にも……

 

『アネゴは大将と話し合いの最中だっつてんだろうがっ! クロトは接近中の敵陣形を速度で翻弄して切り崩せ! シャニは側面から牽制の曲射砲撃!』

 

『あいよ~♪ 邪魔者はぁ~、瞬殺っ!!』

 

『わかった。面倒くさいから消えてよね』

 

 いつの間にか合流していたオルガ達舎弟トリオ。この三人も原作とは比べ物にならないコンビネーションで的確に敵を墜としてゆく。

 ジェネシスを叩き潰したアークエンジェルとカガリを怨み骨髄で襲ってくるので、ナタルあたりが気を利かせたのだろう。

 ちなみにハルバートン任務群から離れた戦場で、クルーゼ相手に孤軍奮闘していたムウは、流石に距離があったせいでまだ合流できてないようだ。

 そして、オルガがわりとしっかり隊長をこなしている。

  

 加えて本来のアークエンジェル隊もネーナの前線指揮で敵を撃墜しまくっているので、ザフトとしてはたまったもんじゃない。

 まあ、今度はアークエンジェルが誘引役になってるお陰で、ハルバートン任務群とマネキン艦隊のモビルスーツ隊は、側面から叩きたい放題のようだが。

 

 

 

『では、ローエングリン搭載艦による統制艦砲射撃による連打ですかな?』

 

 ハルバートンの確認にカガリは頷き、

 

「それぐらいで良いだろう。16門の陽電子砲を連続して叩きつけ続ければ、そのうち音を上げるさ」

 

 アークエンジェルとドミニオンで合計4門、アマギ級の2隻で4門、イズモ級のクサナギとスサノオは4門搭載艦なので合計16門となる。

 

「ヤキン・ドゥーエのモビルスーツ隊もじきに打ち止めになるだろう。この様子じゃな」

 

 ハルバートン任務群とマネキン艦隊が駆け付けた時には、もう1/3程がほぼ何もできないまま撃墜されていたのだ。

 そして上記のようにオーブと大西洋連邦のネームド・エースたちがほぼフルメンバーで押し寄せている。

 ここからザフトの逆転は、まあ無理ゲーもいいところだ。

 

『そういうことであれば、駄目押しに”ピースキーパー隊”も通常戦力として参戦させましょう』

 

「ああ。そうしてくれ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『ようやく出番かよぉっ!』

 

 言葉通りようやく戦場に出られた”切り裂きエド”ことエドワード・ハレルソンの悲哀を誘う声に、

 

『エド、ぼやかないぼやかない』

 

 それをなだめる恋人の”白鯨”ジェーン・ヒューストン。

 本来なら核ミサイル攻撃隊であり、誰も口に出さずに重圧に耐えていた24人のパイロットの面々は、何というか……色々と解放された表情で戦場へと殴りこんでいた。

 

『あら? 遅かったじゃない』

 

 と”乱れ桜”レナ・イメリア。

 

『遅参とは言わんから安心しろ』

 

 こっちは”月下の狂犬”モーガン・シュバリエ。実はこの2人、時期は違うがハレルソンとジェーンの教官だった事がある。

 そのせいか、これまた遠慮なくいじり倒すというか煽ると言うか。

 

『チキショーーーメエッ!』

 

 なんか総統閣下みたいな事を言いだし、うっぷん晴らしとばかりにすれ違い際にアフラマズダで敵を落とすハレルソンだった。

 それをなだめながら同じくザフト機を撃墜するジェーンが微笑ましそうに苦笑していた。

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 

 

 

 それは中々に壮観な光景だった。

 オーブと大西洋連邦が誇る大型艦が、ずらりと並び砲列をなしているのだ。

 

「FIRE!!」

 

 戦闘艦指揮権としては最先任にあたるハルバートンの号令により、いよいよローエングリン16門による統制一斉艦砲射撃が始まる。

 その威力、その迫力はボアズの時を、数を上乗せしたした分だけ上回る。

 つまり、それができるほどまで、あるいはそれを妨害できないほどまでザフトのモビルスーツ隊は数を減らしていたのだ。

 

 

 

 だからこそ、このような判断が出るのだろう。

 

「ザラ閣下、ヤキン・ドゥーエより脱出してください!」

 

「なんだとっ!? 復讐もかなわず、尻尾を巻いておめおめ逃げおおせろというのかっ!?」

 

「違います! 貴方様が生きてさえいれば、ザラ派(われわれ)は何度も再起できます! いつの日にか、再びジェネシスとて再建できるでしょう!! ザラ閣下は我々の希望! 閣下が生きている限り、復讐が潰えることはありません!!」

 

「むっ……」

 

 苦い顔をしながら、それでも心動かされているパトリック・ザラに、ザラ派の幹部であるその男は畳みかけるように、

 

「ザラ閣下がいるならば、我々は何度でも甦り、そして必ずナチュラル共への復讐を成就させるのですっ!!」

 

「くっ……ここは一度引くしかないという事か……」

 

 そう苦悶に満ちた表情をするパトリック・ザラであった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ヤキン・ドゥーエには都合34隻の戦闘艦があったはずだ。

 そのうちレイ・ユウキに率いられた3隻は息を潜めてやり過ごし、元はユーラシア連邦もしくは東アジア共和国の宇宙艦やモビルスーツだった真新しいデブリ帯に潜伏している。

 30隻は、ユーラシア連邦もしくは東アジア共和国の宇宙艦と同じく全てデブリの仲間入りを果たした。

 では残る1隻は……

 

「”ヴェサリウス”か……」

 

 何の因果か、万が一のパトリック・ザラ脱出用に残されていた船は、かつてクルーゼが座乗し、ヘリオポリスを襲撃したザフト艦で唯一生き残ったヴェサリウスだった。

 

「地球連合のGAT-Xを奪って帰還してみせた”幸運艦”ヴェサリウス。ゲンを担ぐわけでは無いですが、ザラ閣下の再起の門出となる旅路にはうってつけの船です。それい護衛の搭載モビルスーツ6機も最新鋭のゲイツを揃えています」

 

 むしろ、それをヤキン・ドゥーエ防衛戦に回すべきだったと……いや、機体が何であれ結果は同じだ。

 またパイロットも腕前はともかく、熱烈なパトリック・ザラ信者が選ばれていた。

 

「ヴェサリウスの出港に合わせ、囮として輸送艦を出します。空船ではありますが、盾くらいにはなるでしょう」

 

 そこに船乗りたちに申し訳ないという気持ちはかけらもなかった。

 

 

 

 こうして、「ザラ親子再会の時」は、刻一刻と迫っていたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キラのカットインの台詞は、2作目の方の「カガリは今泣いてるんだ!!」のオマージュだったり(挨拶)

いや、だってこの世界線のカガリって、何やっても泣きそうもないしw
ラクスとキラは、相変わらず気合十分というか、色々滾ってるし、おまけに舎弟トリオことオルガ、クロト、シャニのナノマシナリー・チルドレンの三人も援軍で到来。
オルガ、わりとしっかり隊長しとるな~と。

そしてエドさん率いるピースキーパー隊、ようやく”通常戦力として”参戦w
あと元教官2人が何気に煽るw

まあ、これで片っ端からモビルスーツ叩き落されて、陽電子砲16門並べた艦砲射撃なんて喰らったら、そりゃあ逃げ出したくもなりますが、果たしてこの状況・いやさ戦況で逃げ出すのは正しい選択なんですかねぇ~。

さて、パトリック・ザラの行動方針も決まったことですし、次回より4話ほど「同時進行で行われるもう一つの作戦」について描いてみたいかな~と。

応援どうかよろしくお願いいたします。




☆☆☆



ちょっとご報告のようなものです。
愚痴っぽくなってしまう部分もあるので、不快にさせてしまったらすみません。

実は第152話の後書きで「低評価が続いて執筆モチベーションが減退して、ストック分は1週間くらいあるけど、その先はわからない」と書きましたが、その「あの時点であったストックの最後」がちょうどこのエピソードだったんです。
あの後、皆様から高評価入れていただき、何とかモチベーションも回復したので執筆続行ができました。
あの時は本当にメンタルコンディションがまずかったので、本当にありがとうございました。
現在、ヤキン・ドゥーエ攻略の後半戦を執筆中で、最後まで応援していただけると本当に嬉しいです。





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