【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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さて、そろそろ”彼”がいよいよ動くみたいですよ?





第166話 覚悟を問う者、覚悟を求められる者、そしてヤキモチ妬く娘 【挿絵入り】

 

 

 

 それは、パトリック・ザラが”ヴェサリウス”に乗艦して脱出準備を急がせてる頃……

 

「ザラ閣下が脱出後、ヤキン・ドゥーエを自爆させる……ですか?」

 

 そう聞き返したのは、パトリック・ザラにヤキン・ドゥーエからの退避を促した幹部の男だった。

 

「そうだ。ザラ閣下に退避を促した忠義者のお前ならわかるだろう? いずれ、ナチュラル共は要塞を制圧しに突入部隊を送り込んでくる。それを内部に誘い込み、この要塞もろとも葬るのだ」

 

 そう答えるのは、パトリック・ザラの脱出後に「ヤキン・ドゥーエの後始末」を命じられた別の幹部だった。

 

「この戦いは残念な結果になったが、我々は明日に繋ぐ為に一人でも多くのナチュラルをこの世から消さねばならん。心配には及ばん。ザラ閣下と共に多くの同志もまた脱出する。組織の再建はすぐだ。再びプラントに拠点を移し、ザラ閣下よりプラントをかすめ取った奸賊カナーバを排除すれば、ジェネシスの再建すらもそう遠い未来の話ではない」

 

 つまり、目の前の男は「ここで失っても構わない程度の人材」と判断されたんだなと納得する送り出した幹部の男、いやこれだと誰だかわかり辛いので、”送り手”とでも仮称しておこう。

 

(自分が切り捨てられて事を理解できず、要塞自爆を任された名誉とやらを嬉々として語る程度の能力しかないゆえに”不用品”と目されたか……)

 

 それはそれで納得はいく。

 

「素晴らしいとは思わないかね? 我々が自決した血潮が、ザラ閣下の目指すコーディネーターの未来を……ナチュラルを根絶した未来を作るのだっ!!」

 

(どういう理屈をこね繰り返せば、そういう結論に至るんだか……ああ、パトリック・ザラの言葉を考えもせず鵜吞みにしてるだけか)

 

「ナチュラル共が根絶やしになった未来……なんと美しい!」

 

 恍惚とした表情を浮かべる切り捨てられた幹部に、

 

(根絶されかかっているのは、あなた方の方だと思いますがねぇ)

 

 とはいえ、”送り手”にとっては所詮他人事だ。

 ”送り手”に課せられたミッションは、「パトリック・ザラを硬く閉じこもったヤキン・ドゥーエより追い出す事」であり、とりあえずそれは終わっていたのだから。

 

「それはとても素晴らしいですね」

 

 なので適当に話を合わせる。

 

(まあ、要塞揚陸制圧部隊など”あちらさん”は用意してませんけどね)

 

 とはいえ、万が一恣意的な判断で自爆スイッチを気軽にオンにされても迷惑なので、ヤキン・ドゥーエの反応炉に仕掛けられた自爆システムには、”仲間”がいつでも介入できるように細工済みなのだが。

 

 何やら自爆役幹部はぺらぺらとご高説を披露しているが、”送り手”にはどうでも良い内容なので適当に聞き流していた。

 少なくとも彼には脳の処理リソースを無益な情報に使う趣味は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後世の歴史家がとても不思議に思うことがある。

 既にヤキン・ドゥーエに配備されていたザフトのモビルスーツの大半が撃墜され、半減どころか1割も残っていないような状況で、どうして数隻の輸送艦を盾にしたくらいで、パトリック・ザラはナスカ級で脱出できると思ったのかという事だ。

 ”ヴェサリウス”は確かに高速を誇る戦闘艦だが、その速度性能も周囲に輸送艦を盾として配しては活かしきれないだろう。

 フェンサーの周囲をタンクで囲んでどうするという話だ。

 無論、ナスカ級にはミラージュコロイド・ステルスのような特殊装備は搭載されておらず、ヴェサリウスも例外ではない。

 あるいは囮作成にするならば、如何にもヴェサリウスに乗り込むようなふりをして、実は輸送艦に乗り込むべきだろう。

 そちらの方がまだ脱出できる可能性はあったかもしれないが、あらゆる資料で「パトリック・ザラはヴェサリウスに乗艦した」と記してある。

 速度とある程度の戦闘力があるナスカ級の方が、まだ生存率は高いと考えたのだろうか?

 

 では、その頼みの綱である防衛戦力はと言えば……

 当然、直掩機は”ヴェサリウス”にも搭載されていた。

 当時の最新型のゲイツが定数の6機だ。

 輸送艦にも予備機くらいはあったが、それを合わせても20機には届かない。

 相手は既にこの時点で400機以上のプラント製モビルスーツを叩き落した強力なモビルスーツ機動部隊で、損耗率もザフトとは比べ物にならない低い水準だ。

 

 結論として、「既にこの時点でパトリック・ザラは正常な状況認識・現状判断ができていなかった」とするしかないだろう。

 歴史家や戦史研究家で無くとも、この時点での最適解は「投降・降伏」とわかるはずだ。

 パトリック・ザラの所業から考えて、身柄が拘束されたとしたら処刑以外の選択肢はないだろうが、それはそれでプラントとの戦後交渉を考えれば面倒な案件になるので、ここで逃亡を選択するよりは、賢明な判断だったはずだ。

 なぜなら、「テロリストの首魁が、拠点から逃亡」しようとしているのだ。

 これ以上の討伐の大義名分は無く、これを討伐しない討伐軍など存在しない。

 

 

 

 

【挿絵表示】

『カガリ代表、どうやらパトリック・ザラ氏、ヤキン・ドゥーエからナスカ級に乗って脱出を図るみたいですぜ? ついでに輸送艦も引きつれるってことみたいだから、盾にでもすんのかな?』

 

 まるで、”内通者から直接メッセージを受け取ったような”アニューの言葉にカガリは呆れながら、

 

「往生際が悪いな。せめて最後くらいは潔く……というのは高すぎる要求か?」

 

 そしてため息をついて、

 

「アスラン、自分の手で決着つける気はあるか?」

 

『……いいのか?』

 

 ちょっと困惑した顔のアスラン。

 それはそうだ。本来ならば、言うなれば敵の首魁は一番の手柄首。

 誰が討ってもいいはずだ。

 

「自分が”漢”だと言い張るのなら、つけるべきケジメは心得てるだろ?」

 

『感謝を』

 

 アスランは迷いのない、覚悟を決めた目でそう返した。

 

「礼はいいさ。キラ、お前はアスランの突入援護を。お前が作った機体だし、特性はよく理解してるだろう? それにジャスティス・ソーディアンの性能なら、Nイージス・アサルトに置いてけぼり食らう事もないだろう」

 

 

【挿絵表示】

『カガリ、いいの?』

 

「親友の花道を作ってやれ。漢気ってのがどういうものかくらい、私だって理解してるぞ?」

 

『姉さ、カガリ、ありがとう!』

 

 どうやらキラはこれが多方向通信であることを思い出したらしい。

 

「ピーリスとグラハム小隊は進撃路の確保を。もう、片付けるべき仕事も残って無いだろ?」

 

 そう、今ザフトの残存モビルスーツを最前線で相手をしているのは大西洋連邦の部隊。

 強いて名前を上げるのなら、”切り裂きエド”率いる核装備を外したピースキーパー隊の量産型レイダーがヤケクソ気味に大暴れしている。

 裏事情を言えばカガリの別動隊の面々やマネキン艦隊のネームド・エースが派手にやり過ぎたせいで「政治的配慮」が必要となり、最前線を大西洋連邦に譲り、オーブのモビルスーツ隊は一歩下がり艦隊直掩の位置についていた。

 そして、瘦せ細ったザフトのモビルスーツ部隊に既に艦隊に突っ込んでくる攻撃してくる気概や士気、あるいは技量が残っている者はどうやら枯渇したようだ。

 

(いや、存外パトリック・ザラの撤退支援命令が出ているのかもな。ならばこの状況も納得がいく)

 

 だが、そうしたくても大西洋連邦のモビルスーツ隊に囲まれてそれどころではなく、自身が生き残る為に精一杯なのかもしれない。

 

『了解しました、代表! このグラハム・エーカー、見事に花道を切り開いて魅せましょう!』

 

『了解です』

 

 暇を持て余していたのか熱量の凄いグラハムに、いつも通り平常運転のピーリス。

 受電範囲に居たからバッテリーもフル充電だろうし、GN粒子の貯蔵も満タンだろう。

 GN-X系列の機体はそもそもビーム兵装主体で実弾補給の必要もなく、推進剤もGN粒子を使うから問題ない。

 気にすべきはむしろパイロットのコンディションだが、疲労が蓄積してる様子もない。

 

 

 

 こうして本当の意味でのラスト・ミッションが幕開ける!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんて綺麗に終わると思ったら大間違いだ。

 

『カガリ……』

 

「ん?」

 

『あんまりアスランには優しくしないでくださいね?』

 

「別に優しくしたつもりはないが……どうした? そんなふくれっ面して?」

 

 するとラクスはむぅ~っとした顔で、

 

 

【挿絵表示】

『カガリとアスランが必要以上に仲良くなるのは、何だか嫌なんです。上手く説明できないけど、とっても嫌なんですぅ』

 

「嫉妬か?」

 

『うう~っ。そうかもしれませんけど、それだけじゃないというか……凄くNTRされそうな気配が』

 

「なんだそりゃ? 今更、私が男に現を抜かすと言いたいのか?」

 

『そうじゃなくてぇ~……何だかとってももどかしいですわ!』

 

「よくわからんが……きっとそれはお前(ラクス)にしかわからん感覚なんだろうな。とりあえず、私の恋愛感情というのがあるとすれば、その対象はお前しかいないぞ?」

 

『♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




実はパトリック・ザラに強く脱出を勧めた幹部(=”送り手”)はエージェントだったというオチ(挨拶

そりゃあ、本来なら立て籠もってた方が、まだ生存率高かったですからね~。
まあ、ここでパトリック・ザラが誰の目にもわかるほど、はっきりとした形で討たれてくれないと、後々何かと都合が悪いんでしょう。
何しろ現実でも生存説がずっと囁かれている独裁者とかいましたし。

正直、カガリにとっては誰がパトリック・ザラを討とうと討てるなら問題ないんですが、ここであえてアスランの覚悟を問います。
アスランは、戦える事を証明したからこそ、「自分で父親との決着をつけるかを問い、その気があるので託した」んです。

キラに関してなんですが……うん。カガリって正統派な意味でのブラコンだなと。
弟に対する想いって”重い”んじゃなくて”強い”んだと思います。
個人的な主観ですが、”重い”ってのは疑似的な恋愛感情めいたものが入ってる感じがして、カガリにはそういうものはなく「弟が親友の為に漢を魅せる機会を作ってやるし、全力で応援してたる」的な……まあ、要するに”姉バカ”かなってw

そして、嫉妬するラクスw
依存心強くてシスコン気味のキラよりも、ちょっと雰囲気が良くなったアスランに思わず強く反応してしまうのは、まさか原作の情報を拾った訳じゃないでしょうが……アコードの直感?

さて、泣いても笑っても次回、一つの”決着”がつきます。
全てはアスランの選択次第。

楽しみにしていただければ嬉しいです。
どうか応援よろしくお願いします。



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