【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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よ、ようやく、ここまで来れました。
今回である。父と息子の決着が付きます。
この結末に賛否両論あるでしょうが、読んでいただければ幸いです。






第167話 獅子巫女のライオン、そして決着と決別 【挿絵入り】

 

 

 

(ここで何もしないというのも、少々心苦しいですわね。親同士が決めた事とはいえ、一応は元婚約者ですし……)

 

 とりあえず前回のラストでカガリから聞きたい言葉を引き出せたラクスは心の余裕を取り戻したようだ。

 自分でも、アスランに好意的に接するカガリにどうしてあんなにも胸がざわついたのか未だにわからないが。

 とはいえ、”不協和音”が自分の所まで飛んでくることはもうないだろう。

 残機はもう50機をとっくに割っているようだし。

 

「カガリ、予備で用意していた歌、今歌っていいですか?」

 

『かまわんぞ』

 

 そして、ラクスはアークエンジェルのアニューにモーションデータを指示して……

 

(これは本当ならカガリと一緒に歌いたい、カガリにこそ捧げたい歌だったのですが……それは未来の楽しみに取っておきましょう)

 

 そして深呼吸すると、

 

 

【挿絵表示】

「わたくしの歌を聴きなさぁーーーーいっ!!」

 

 その姿を全域通信に披露する!

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 隠蔽ハッチの奥に脱出用に隠されていたナスカ級”ヴェサリウス”。

 ただ、この船自体にミラージュコロイド・ステルスのような隠蔽機能は無く、故に”盾艦”として、輸送艦数隻を引き連れての出港と相成った。

 護衛するのは、ヴェサリウスの搭載機と輸送艦に常備されている予備機、合計20機ほど。

 ヤキン・ドゥーエからの脱出行を行うにはあまりに心許ない戦力だった。

 

 そして、その追撃に向かうオーブの速度自慢の掛け値なしな精鋭たち。

 アスランのモビルアーマー形態のNイージス・アサルトを先頭に、ぴったりと追従するキラのジャスティス・ソーディアン、そしてカガリより直々に命を受けたピーリスのジンクス・タオツーにグラハムのGNフラッグ・グラハムカスタム。

 そして、ハワードとダリルのGN-Xが殿を固めるようにそれに続く。

 たった6機のモビルスーツであるならば、本来はこちらも心許ないと言いたくなるが……技量と性能の差を考えればこれはこれでオーバーキルもいいところだった。

 

 そして、宇宙(ソラ)に響くは……

 

星を廻せ 世界のまんなかで

くしゃみすればどこかの森で蝶が乱舞

君が守るドアの鍵 デタラメ

恥ずかしい物語

舐め合っても ライオンは強い

 

『こ、これはもしや旧マクロスFの第2期オープニング、”ライオン”!?』

 

 真っ先に反応したのは案の定やっぱりグラハムで、

 

 

生き残りたい

生き残りたい

まだ生きていたくなる

星座の導きでいま、見つめ合った

 

生き残りたい

途方にくれて

キラリ枯れてゆく

本気の身体 見せつけるまで

私 眠らない

 

『アスラン、この曲が歌われた以上、僕たちに失敗は許されないし、失敗はないよ!』

 

 何故か覚悟ガンギマリの表情で、アガッてるキラ。

 実際、グラハムもキラも西暦時代に作成された旧版のリマスター、所謂”コズミック・リマスター版”の『マクロスF』の大ファンだ。

 理由はそれだけではない気もするが、そこは深く突っ込まないでおこう。

 

「キラ?」

 

『ハハハッ! その通りだ、キラ少年! 露払いは我々に任せてもらおう! ハワード、ダリル、一気呵成に邪魔者を蹴散らすぞっ!!』

 

『『了解です! 隊長!』』

 

『グラハム・エーカー、推して参る! 我が刃、恐れぬというのならばかかってくるがいいっ!!』

 

 グラハムが航空機形態で切り込み、ハワードとダリルが2機編隊(ロッテ)で互いをフォローしながらグラハムが切り裂いた傷を広げる変則3機フォーメーションで、たった3機でザフトのモビルスーツ隊を文字通り蹴散らすグラハム。

 特にグラハムは航空機形態とモビルスーツ形態の変化自在の可変攻撃で、恐るべき速度で敵を墜としていく。

 そのあまりの技量の高さに、アスランは思わず息をのんだ。

 

風はやがて東へ向かうだろう

高気圧 この星の氷河を襲う

誘い水を飲んだ胸がつらい

遠まきな物語

かじり合う 骨の奥まで

 

 

【挿絵表示】

『アスランの邪魔はさせないっ!!』

 

 文字通りヴェサリウスの盾になろうとする輸送艦に、キラはシュベルトゲベール改ⅡNを重ねてリミッター解除、高出力モードでレーザー刃を最大限まで伸ばして斬り跳ばす!

 

生き残りたい

生き残りたい

まだ生きていたくなる

星座の導きでいま、見つめ合った

 

『ヤマト中尉! 背中は任せろ! お前はそのビーム・ロングソードで船を斬ることに集中しろ!』

 

 キラを狙おうとするモビルスーツを撃ち落としながらフォローに回るピーリス。臨時にボアズ周辺宙域を震撼させたエースロッテの復活だ。

 

『ありがとうございます! ピーリス中尉!』

 

『なに、気にするな!』

 

生き残りたい

途方にくれて

キラリ枯れてゆく

本気の身体 見せつけるまで

私 眠らない

 

『アスラン! 道は僕たちが開く! 行って!!』

 

「すまないキラ!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

We're certain to survive

wow wow wow

Oh certain to survive

 

 Nイージス・アサルトをモビルアーマーに変形させ、機体前方を覆う円錐状の”アルミューレリュミエール・バリアコーン”を展開する、文字通りの”突撃(アサルト)”形態で”ヴェサリウス”に全速で突進するアスラン。

 

「邪魔だぁっ!」

 

 そして、虎の子である温存していた合計24発の高機動マイクロミサイルを全弾一斉射し、進路を塞ごうとした敵機を排除し、

 

「父上!」

 

 ついにヴェサリウスへと辿り着いた。

 

『ああ、アスランか』

 

 国際チャンネルから帰ってきた父親の声は、妙に落ち着いて……いや、抑揚がなかった。

 

『遅参は赦してやる。今すぐ、ヴェサリウスの護衛に付け』

 

「えっ……?」

 

(一体、何を言って……)

 

何しに生まれたの

何しにここにいる

 

(ああ、そういうことか……父はもう……)

 

 アスランは全てを悟った。悟ってしまったのだ。

 彼の知る”自分の父親”、パトリック・ザラと呼ばれた男はもう何処にも居ないのだと。

 目の前にいるのは、憎悪に飲み込まれ復讐心で壊れ地球上の生物全ての災厄に成り果てた、()()()パトリック・ザラと呼ばれて()()何者かという事に。もう、自分の父親と呼べる人間は、記憶の中にしかいないという事を……

 

(ならば、)

 

生き残りたい

埋まらない傷

光 恐れてた

許されたい生命がいま、引かれ合った

 

「全人類の為、貴方にはここで消えてもらうっ!!」

 

(全ての人類の敵になった以上、もう貴方に、パトリック・ザラという人間に生きる場所はないのだから……)

 

”グパァッ!”

 

 Nイージス・アサルトは閉じていたクローを握った拳を開くように大きく展開し、爪先に最大出力でビームサーベルを発生させ、

 

『狂ったかアスラン!?』

 

「それはお前だパトリック・ザラ! 憎悪に狂ったお前は、もはやこの世界の害悪でしかないっ!!」

 

さまよい果てて

君のとなりで ほてり鎮めたい

本気の身体 見せつけるまで

私 眠らない

 

”ガズッ!”

 

 Nイージス・アサルトは、そのままビームサーベルを突き立てながらヴェサリウスを離さぬようガッツリとホールドする。

 核動力で強化された複列位相ビーム砲”スキュラ”の砲口は、ブリッジ部分に密着するように向けられていた……

 

『アスラン、お前は……』

 

「かつて父だった哀れな者よ……俺は生きなければならないんだ。貴方と違って、愛する者が生きているこの世界で!」

 

生き残りたい

がけっぷちでいい

君を愛してる

目覚めた生命がいま、惹かれ合った

 

『アスラン、貴様ッ!!』

 

 アスランは気づいてしまった。

 憎しみに満ちた父の貌に浮かぶのは、「死者が生者を妬むような嫉妬」だという事に……

 

「復讐はもうここで終わりだ……パトリック・ザラ」

 

(もう、楽になってくれ……)

 

狂気に代えて

祈り捧ぐよ

君を愛してる

星座の導きで…

 

『この”親殺し”めっ! 呪われるがいいっ!!』

 

(貴方の息子という時点で、もう十分に呪いだろうな……)

 

「あの世で母さんと仲良くな」

 

『私の、俺の、復讐はま、』

 

「……さようなら」

 

 そして、スキュラの砲口からほぼ零距離で集束荷電粒子が最大出力で放たれ……

 

生き残りたい

まだ生きていたい

君を愛してる

本気のココロ見せつけるまで

私 眠らない

 

 

 

 その一撃は、パトリック・ザラや同乗していたその取り巻きをこの世から永遠に解放する。跡形もなく。

 ヴェサリウスの轟沈が公式に確認されたのは、それから1分後の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はちょっといつもと後書きの書き方を少し変えまして……ちょっと執筆裏話じみた戯言に付き合って下されば嬉しいです。

原作の「恩師のユウキ隊長と相打ちになり死に掛けの父親を看取ったアスラン」に対し、この世界線のアスランは、「自分の意志で、自分の決断で、自分の指で引き金を引く」事を選びました。
父親殺しの汚名を着ようと自分の手で引導を渡し、「パトリック・ザラを終わらせる」事を選んだって訳です。

今だから書けるのですが……原作のアスランって「あれでよかったのかな?」とずっと思ってたんですよ。
自分で幕引きできず、他人の手で幕引きをした父を看取るだけの役割で。
自分でも納得できなかったから、種運命までの2年間あんなに煮え切らなかったし、その後もなんかハチャメチャだったんじゃないかと。

だから、この結末は実は最初から、構想段階から決めてました。
故にアスランを捕虜、ではなくゲストとしてオーブに軟禁し、ザフトが何をやりどう見られてるのかを客観的に見れる状況にしました。
そして、「なんとなく空虚なアスラン」に力技(=メイド隊)ですが守りたい者・守るべき理由を作り、空っぽの器を満たしました。
だから、「父親が間違ってるから止める」のではなく、「もはや討つしかないのであれば、この手で決着をつけれるのならつけるべき」と結論に至ったという感じです。
アスランにも討つ理由ができたのですから。
正直、この終わり方は頂いたご感想を読む限り、賛否両方あると思います。


ちょっと話題を変えて……
グラハムとキラに、”ライオン(多分ランカ・ソロver)”は、中の人的にダメでしょうw
そりゃあテンションMAXで、バフかかりまくるでしょうw
グラハムに至っては可変機乗ってるし。



先ずはお礼を、クライマックス前に高評価を入れて頂いた皆様、ありがとうございました!
おかげさまでランキングに久しぶりに乗ったみたいで、UAが急に伸びて驚きました。
そして、ご感想とお気に入り登録頂いた皆様もありがとうございました。

ちょっと愚痴になってしまいますが、やっぱりその後に低評価”1”が新しくつけられてまして、やはりへこみましたね。
評価のシステム上仕方ないなのでしょうが、低評価が一つ入ると、調整平均がガクッと下がりますからね。
これがこのシリーズへの否定と拒絶に感じられて、けっこう堪えます。
だから、今回の話の投稿もちょっと怖いんですよね。
もし、この結末でも良いと思っていただければ、高評価頂ければとても嬉しいです。

原作ではもうほぼ最終回ですが……まだもうちょっとだけこの章は続きます。
ほら、まだ宇宙漂流してる娘もいるしw

10章も残り少なくなってきましたが、どうか応援よろしくお願いいたします。




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