【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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パトリック・ザラは息子のアスランに討たれ、戦闘はほぼほぼ終了しましたが、どうやら戦場でやるべきことはまだ残ってるようですよ?




第168話 戦闘は終わり、”オチ”をつける 【挿絵入り】

 

 

 

「ははっ……ザラ閣下が逝ってしまわれた……もう、おしまいだ……」

 

 ヤキン・ドゥーエの自爆を担当していた男は、蟀谷に自分の拳銃の銃口を当て、

 

”パンッ!”

 

(思った以上に情緒不安定だったな……)

 

 ザラ派の幹部と目される男、通称”送り手”はそう内心で呟いた。

 彼の内心は極めてドライだった。

 そもそもこの男、ザラ派幹部とは名ばかりで、あの戦況・状況で目立つナスカ級で脱出すれば、よほどオーブや大西洋連邦が無能ではない限り、十中八九撃沈されるのがわかってて促した……いや、唆したのだから。

 

(「計画通りだ」という奴ですかねぇ)

 

 だから、”送り手”は非常事態用の全域放送のスイッチを入れ、

 

「臨時要塞司令官殿は、たった今自決された。パトリック・ザラ閣下は既に討たれ、それに殉じたのだ。小官もそれに続くつもりだ」

 

(まあ、このボディ(アバター)にもそろそろ飽きてきたし、頃合いでしょう)

 

「ヤキン・ドゥーエは3600秒後に自爆する。小官と同じくザラ閣下に殉じる覚悟がある者は残れ。ザラ閣下の遺志を継ぎ、未来にその火種を残したいと思う者は去れ。誰も残ることも去ることも強制してはならぬ。コーディネーターたる者、殉じるも生きるも、己の意思で決めるものだからだ。それが今は亡きザラ閣下の望みであろう」

 

 わざわざ3600秒、つまり1時間も猶予を持たせる辺り、かなり作為的な物を感じるが……ここでいつもの台詞を言わせてもらおう。

 

 ”イノベイドはどこにでもいる”

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『カガリ代表、どういたしますか?』

 

 通信を入れてきたのは、勿論大西洋連邦の最先任、ハルバートン提督だった。

 ハルバートンの本来の階級は中将で野戦任官で大将に臨時昇進している。

 対してカガリはオーブ軍大将”相当”の権限を有しているが、実際にはソレスタルビーイング代表で、本来の扱いは軍属だ。

 だからこの場合、ハルバートンは軍人としての意見を求めているのではなく、「シビリアンコントロールの効いている正規軍」の軍人として、軍の上に立つ政治家としての判断をゆだねているという事になる。

 

 

【挿絵表示】

「各艦を安全距離まで下がらせる。突っかかってくる敵へ反撃する以外の戦闘行為は禁止だ」

 

『追撃戦は行わない……で、よろしいですか?』

 

「わざわざ向こうから政治的面倒事が去って行ってくれる上に、後始末の土木工事までやるって言うんだ。それを邪魔する理由がない」

 

 正直、ヤキン・ドゥーエを白兵戦覚悟で占領したいか?と問われればという奴だ。

 

『つまりは撤退を見逃すという事で』

 

 ハルバートンが状況を理解していないのではなく、それがこの作戦の参加者全員のための確認だという事は、カガリも百も承知だった。

 

「ハルバートン提督、状況を単純化して話すぞ? 今回の”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”の骨子は、ナチュラル・コーディネーター問わず地球人類全体の脅威となる巨大ガンマ線レーザー”ジェネシス”の破壊と、国際テロ組織”ザラ派ザフト”の首魁であるパトリック・ザラの排除にあった。最優先すべきはその二つだ。そこまではいいか?」

 

『無論です』

 

「その二つの達成条件は既にクリアされている。ジェネシスは見ての通り私が率いた別動隊が完全破壊したし、逃走を図ったパトリック・ザラも、()()()としてオーブ軍に参加した子息、アスラン・ザラにより討伐されている。データリンクにより画像確認したが、大口径ビーム砲を脱出艦のナスカ級のブリッジに至近距離から命中させ、艦その物も爆沈させている。あれでは乗艦員に生存者はいないだろう」

 

 実際、パトリック・ザラだけではなくプラントに残ったエザリア・ジュールなど一部を除く、パトリック・ザラの取り巻きと言える側近たちはヴェサリウスに同乗し脱出を図った為に共に討ち死にしている。

 状況は違うが、原作オーブのウズミとその側近の集団自決に近い状態だ。

 

「そして作戦には、ヤキン・ドゥーエの制圧や確保、あるいはヤキン・ドゥーエに立てこもったザラ派の完全殲滅は含まれていない」

 

『しかし、完全殲滅も今なら可能でしょう? 逃がせば戦後の新たな火種……いえ、くすぶり続ける種火になりかねない』

 

「建前から先に言うぞ? オーブは既に”内通者”の手により、ヤキン・ドゥーエに存在していたザラ派の人員リストを入手している。ああ、これは後で情報を共有化するが……だが、現状ではザラ派とそれ以外の者を選別して捕縛なり処分なりをするのは不可能だ」

 

 だが、カガリも”建前”と前置きしている通りに、

 

「本音を言えば、だからこそその種火をプラントに押し付けるのさ。カナーバ政権は、パトリック・ザラとその一派を追放する形で政権を奪取した。となれば、敗残兵たるザラ派ザフトを表向きだけでも甘い顔もできんだろ?」

 

 カガリはニヤリと笑い、

 

我々(オーブ)は、ザラ派の人員リストを公開する用意がある。大西洋連邦的に言うなら”戦争犯罪者”、オーブの立場で言うなら”テロ主犯”の詳細な罪状付で、だ」

 

 実際、そのリストをマルチタスクで確認しながら、

 

「カナーバ政権は、その正当性を主張するなら最低限、ザラ派の”公職追放”・明確な重罪者には身柄の拘束ぐらいはするだろうさ。そうまでしないと、ザラ派とズブズブな関係だと地球連合から認識される。それでは停戦交渉も何もあったもんじゃないだろ?」

 

 間違いを犯した前政権に厳しい沙汰をしてこそ、新政権の正統性が主張できるというのは、多かれ少なかれ古今東西を問わずどこの国でもやっている。

 戦後日本や戦後ドイツだけでなく、例えばどこぞの半島の南側では大統領が変わる度に前政権大統領が逮捕、場合によっては処刑だの胡散臭い自殺だのとなるし、その北側では一族経営のクセに先代から仕える古参メンバーを粛清するのは日常茶飯事だ。

 その親玉である大陸国家は、これまた前政権人員の粛清やら弾圧が大好きときてる。

 とまあ、このように枚挙に暇がないわけで、おそらく東アジア共和国は土地柄的にも民族性的にも、今でも内ゲバじみた粛清合戦が絶えないのだろう。きっと。

 

「逆にザラ派に甘い顔をするのなら、逆にそこを戦後せっつけばいいだけだ。こっから先は本職の政治家のお仕事、停戦交渉と戦後処理の話になってしまうが、地球連合では戦争犯罪者の引き渡しだの戦犯だのと揉めるんじゃないか?」

 

『まるで他人事ですな?』

 

 そう苦笑するハルバートンにカガリは真面目な顔で、

 

「そこまで他人事って訳じゃないがな……オーブと大西洋連邦じゃ立ち位置が違うのさ。オーブは大西洋連邦と安全保障条約は締結してるが、地球連合には非加盟だ。それにこれまでの戦いは、交戦規定が定められた戦時法ではなく、首尾一貫で対テロ特措法で対処している。オーブにとってこれは戦争じゃなくて、あくまでこの瞬間も”テロリストに対する警察行動”なんだよ」

 

 カガリは慎重に言葉を選びながら、

 

「だから、プラントに請求するとしたら戦時賠償ではなく損害賠償、要求するとしたら戦争犯罪者引き渡しではなくテロリストの引き渡しになるだろうさ。もっとも、それも請求されるか怪しいけどな」

 

『それはまたなぜです?』

 

「パトリック・ザラの独裁政権になった時点で、オーブ外交部会は『国家・外交的信用度が皆無』という”準国家”としても認定を取り消し、今やプラントは自治区、あるいは生活共同体扱いだ。例えば、外交官としてオーブに駐留していた人員も、今は”()()()()”扱いで、特例措置で監視付を条件にオーブ国内の滞在許可が出てるって有様さ。身柄を拘束されていないってだけで、実質的な蟄居閉門状態だな」

 

 これは何気にかなり意味が大きい。

 オーブ首長国は、ユーラシア連邦や東アジア共和国、大洋州連合と事実上の敵対関係にあるが、これはそもそも前提として「相手を国家として認めている」から成立するのだ。

 つまり現状、オーブにとりプラントは、「敵国にすらなれない地域コミュニティ」という扱いなのだ。

 

「相手が国でない以上、国家間請求権は成立しない。国家間条約の締結もだ。プラントが再び、最低限”準国家”認定に復権すれば請求権も復活するだろうが……」

 

 カガリは再び腕を組み、

 

「それにはどんなに少なく見積もっても年単位の時間がかかるぞ? 国際信用度ってのは、軽くないんだ。失墜するのはあっという間だが、回復するのは地道な活動しかない」

 

『世知辛いですなぁ……』

 

「仕方ないだろう? そもそもこの一連の戦いを”戦争”と定義するなら、地球連合とプラントが始めた戦いだ。大西洋連邦とは安保条約は結んでいるが、それは本来なら”相手国が戦争状態になった場合、中立以上の義務は負わない”って片務的なもんさ。もしもヘリオポリスの一件がなかったら、オーブはここまで積極的な参戦は無かったぞ?」

 

 地球連合の一員としてわりかし本気で戦争していた大西洋連邦とは、スタンスが違いすぎるのだ。

 オーブにとってこの戦争は言わば「巻き込まれ事故」のようなもので、領土であるヘリオポリスがザフトに襲撃され、詳しくは書いてないが民間人にも被害が出たからこそ積極的に介入したのである。

 また、それでも80話でのウズミの発言の通り、本土攻撃までされたが、敵国の本土攻撃や本土占領などの「きちんとした戦争」をしたくないからこそ、「テロリスト討伐の警察行動」という名目でお茶を濁したのだ。

 

 元々、プラント理事国でもなく(故に地球連合非加盟)元々の利権のないオーブにとり、戦勝国として戦後のプラント統治権の一部譲渡など嬉しくもなんともない。

 今の日本に例えるのなら、日米安保条約に基づいてPKFに参加したせいでよく聞いたこともないような国の、それも地方の統治権なぞ貰ったところで処遇に困るだけ……まあ、そういうことだ。

 つまり戦後の「戦勝国の敗戦国に対する戦後の統治と復興義務」が背負うような状況は極力避けたい。

 

「既に目的は達した以上、余計な欲をかくとロクな目に合わないのは歴史が証明している。私たちにできるのは、ヤキン・ドゥーエの自爆を見届けること。そして、それを本国に映像データ付きで持ち帰ること。もし、爆発が起きなければ、その時はお互いの本国に制圧の必要があるか問い合わせ、必要とするなら制圧部隊の増援を依頼せねばならん。我らが艦隊に海兵隊やら陸戦隊やらの人員はいないからな」

 

 そもそも、ヤキン・ドゥーエの制圧や占領は最初から予定に入ってなかったので当然である。

 逆に言えば1時間後に本当に爆発するのなら、それを止める手立てもない事を意味していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、”送り手”の宣言通り、きっかり1時間後にヤキン・ドゥーエは自爆する。

 それはまるで原作の再現するようであったが……だが、厳密には原作と異なる部分が多々あった。

 

 まず、戦闘艦のみならず輸送艦すらもキラに三枚におろされ壊滅したヤキン・ドゥーエのザフト艦隊だが、要塞に生存者が1時間でできる身の回りのものを纏めて脱出するには十分な内火艇(ランチ)やシャトルが用意されていた事がそうだ。

 ヤキン・ドゥーエもプラント本国も、同じL5宙域にある為、(オーブや大西洋連邦の艦隊が追撃を仕掛けない限り)プラント本国に辿り着くくらいはその程度の小型船舶でも十分できるだろう。

 中には損傷したモビルスーツで、大西洋連邦のモビルスーツ隊を振り切り、ヤキン・ドゥーエ方面へ脱出した猛者もいるらしい。

 その中の1人に”サトー”という名があったらしいが……

 

 それはともかく、ヤキン・ドゥーエの自爆確認をもって()()()()()()()()()()()、”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”の終結宣言がなされた。

 そう、あくまでこの作戦の主役は大西洋連邦であり、オーブはその側面支援を行ったに過ぎない……政治的にはそういうバックグラウンドが必要であり、最後まで主戦域で戦ったのは大西洋連邦のハルバートン特別任務群であり、そうであるが故に作戦終了宣言は、ハルバートンが出さねばならなかった。

 

 ジェネシスを破壊したのはオーブ? パトリック・ザラを討ったのもオーブの義勇兵?

 大昔の合戦じゃあるまいし、誰が大勝頸をあげたかは個人褒賞やらマスメディア対応のプロパガンダでは意味があるかもしれないが、作戦自体という意味では「誰がイニシアティブを握ったか?」の方が重要だ。

 

 そう、この”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”は、あくまで「大西洋連邦主導の作戦」として歴史に残さねばならないのだ。

 つまり、それは「戦争を()()()()()オーブ」ではなく、「戦争当事国、地球連合の一角である大西洋連邦」こそが勝利者でなければならないという政治的理由があるからだ。

 

 何度も繰り返す言葉だが……戦争はあくまで政治の一形態に過ぎないのであるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、サブタイの”オチ”は、ヤキン・ドゥーエは某イノベイド氏による”爆発(自爆)オチ”で、戦闘自体のオチはハルバートン提督がつけるという事でした。

まあ、オチというより後始末、あるいは落とし前の類ですがw
元々、要塞突入戦なんてする気はないオーブ・大西洋連邦なので、戦後処理も含めた政治的判断で、あえて撤退するザラ派を含めた敗残兵を見逃す事に。

カガリの本音としては、

カガリ:「ボアズで大量の投降者抱えたから、正直、あんまりその手の増やしたくないんだよな。後が面倒だし」

ってのもあったりして。
ガチなザラ派の捕虜なんて、明らかな”見えてる地雷”ですしw
なので、厄介事と面倒事は、プラントに押し付ける方針で。

そして、勝利の栄誉は大西洋連邦に。
そもそも、”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”は大西洋連邦主導の作戦って事になってますし、オーブは側面戦力という扱い(投入戦力数から考えると、確かに主力は大西洋連邦)な上に、テロリスト相手にドンパチしたって建前ですのでw

さて、こうして今次大戦最後にして最大規模の戦い”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”は終わりを迎えましたが……
第10章はもうちょっとだけ続くんじゃよ。具体的にはあと2話ほど。

その後は、少しエピローグを書いてみようと思ってます。
どうか応援よろしくお願いいたします。








☆☆☆



オマケ 没絵供養を兼ねた公開篇(?)

いや、シリアス先輩が珍しく気合い入れて仕事したので、ちょっと息抜きに。
あとAIパイセンの「没イラストを見てみたい」というご意見もあったのでw

先ずは……
【挿絵表示】


マユ:「おおっ! これが成長したマユ!? 何というたわわな実り♪」

ちゃうねん。
設定(プロンプト)的には、以前の↓これと一緒。
【挿絵表示】



マユ:「なにゆえ胸の谷間ができるほど特盛に?」

AIパイセンの気まぐれとしか……次にマリューさん、


【挿絵表示】


マユ:「あれ? 胸が無い……というか、なんか幼い? マユと同い年くらい?」

まあ、そうなるよな。胸がダウンサイジングされたら全体的にダウンサイジングされた。
AIパイセンにとり、マリューさんの基準(本体)はオパーイなんかい。
ちなみに、プロンプトがちゃんと反映された場合は、同じような服でもこう↓なります
【挿絵表示】


マユ:「あっ、いつものマリューさんだ」

ところでこのやたらと白とパステルピンクの可愛い系の服はなんなん?
童顔とご立派なお胸様のコントラストで、マリューの……魅力値がエグい事になっとんだが。

マユ:「”ピンクコレクション”だね? ラクスさんお気に入りのブランドの」

確かにあのピンク娘が好きそうな感じだな。

マユ:「キラさんが宇宙へいっちゃって寂しそうだったから、マユがショッピングに誘ったんだよ♪」

これ、大丈夫だったん? こう色々な意味で。

マユ:「お兄ちゃんに護衛を頼みました♪」

ああ、この世界線のシン、フィジカルお化けだっけ。

(まあ、隠れてイノベイド有志一同が見張ってただろうし)

キラ:「どうして……」

えっ?

マユ:「キラさん? まだ宇宙に居るはずじゃあ……」

キラ:「どうして僕はその場に居なかったんだぁーーーっ!!」

”パァァァン!”

マユ:「瞳孔開いてて怖っ!?」

ここで無駄に種割れ(SEED)すんなし。

お後がよろしいようで。


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