【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

170 / 200
第10章のラストエピソードで、原作なら最終話になる話ですが……いいのか、これで?





第170話 FIND THE GIRL 【挿絵入り】

 

 

 

どうして君は 小さな手で

傷を背負おうとするのだろう?

誰かの為だけじゃない

見失わないで

どうして僕は 迷いながら

逃げ出すこと出来ないのだろう?

望むのは 光射す日を

日を……

 

「この歌、やっぱりラクス様だぁ……」

 

 穏やかなイントロ・メロディーに重なる美しいピアノの音色と優しい歌声……

 知らない歌だったけど、それは紛れもなくミーアが大好きなラクス・クラインの歌声で。

 

 FIND THE WAY

 本来の世界線なら原作、ガンダムSEEDという物語全体のラストナンバーだ。

 マクロス・シリーズはあってもガンダム・シリーズが存在しないこの世界線では、有り得ないはずの……この場面では流れないはずの曲だった。

 だが、この曲はかつての西暦時代に確かに存在していた。

 全く違う形で、全く違う歌い手で、でも確かに歌い継がれていたのだ。

 それをラクス・クラインという少女が選び、再び歌声を吹き込んだ。これもやはり、因果と呼んでいいのだろうか……?

 

「ラクス様……綺麗な曲……」

 

 その時、ふとミーアの脳裏にイメージが浮かぶ……

 

 

【挿絵表示】

FIND THE WAY

輝く宇宙(ソラ)に 手は届かなくても

響く愛だけ頼りに

進んだ道の先 光が見つかるから

YOU’LL FIND THE WAY

 

 それはとてもとても美しいイメージだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

”ふふっ、ターゲット・ロックオンですわ♪”

 

 どこか獲物を見つけた肉食獣のような笑みを浮かべるラクス。

 まあ、現実はこんなもんである。

 ミーアが拾ったのは、あくまで「脳量子波で伝わる歌のイメージと合致した”ミーアが想像したラクス・クライン”」の姿であり、彼女の脳が生み出した現実には存在しない虚像だ。

 というか、あの娘はどんだけこの内面も外面もピンク娘を美化してるのだろうか?

 

 とりあえずカラクリだけ話しておくと……

 やってること自体は、ボアズ攻略でやったことの応用だ。

 フリーダム・ルージュの”クォンタム・MIDIフレーム”を通して歌声を脳量子波に変換し、アークエンジェルとシンクロ……

 その出自を何故か忘れられがちなイノベイド、アニュー・リターナーのオペレートとアークエンジェルの”高度量子通信クラッキングシステム(第124話、第128話参照)”の裏モードあるいは隠しモードと言える、”脳量子波増幅器(アンプ)モードでブーストし、全方位に飛ばすという物だ。

 これは原作00ライザーの”トランザム・バースト”のように「意識や精神を直接リンクさせる特殊で膨大なGN粒子空間」を生み出す能力は全くないが、脳量子波とGN粒子の性質が近いことを利用して、脳量子波情報を増幅して広範囲に飛ばす……という事は可能なのだ。

 何しろ改修により、アークエンジェルは「ブリッジ周辺にGNバリア・フィールドが張れるほど」、しこたまGN粒子をコンデンサに貯蔵しているのだから。

 もうこの仕組みは単純にマイクとアンプとスピーカーの関係と思ってよく、脳量子波に変換されたラクスの歌声がGN粒子を媒介して増幅され、全方位に拡散される……それでも、普通の人間ならそうそう感知できるものでは無いだろうが、”どういう訳か”……いや、おそらく出自のせい(第143話参照)で、ミーアは異常にラクスの脳量子波との親和性が高いのだ。

 だから、反応できた。いや、「反応してしまった」と表現すべきだろう。この場合は。

 そして、その反応……局所的で微細な”脳量子波同調現象(クォンタム・シンクロナイズ)”を最大限まで感度を上げていたクォンタム・MIDIフレームが拾ったのだった。

 何となく映画”ガンダムF91”のラストシーン、シーブックが漂流していたセシリーを発見する場面を彷彿させるが、何というか……あそこまで綺麗な物じゃないと思う。色々な意味で。

 おかげでこのザマ……失礼。ラクスはミーアの座標を特定してしまったのだ。

 

君は言った 永い夢をみた

とても哀しい夢だったと

それでも その姿は

少しも曇らない

僕は言った 泣いていいんだと

ずっと傍に いてあげるよ

欲しいのは 抱き上げる手を

手を……

 

”カガリ、いってまいりますわ♪”

 

 歌ってる最中なので、既に馴染んでる脳量子波(テレパス)通信で会話するラクス。

 

『ああ、行ってこい。ミーティアはいらんのか?』

 

”そこまで遠くありませんし、今は高速移動しているわけではないので、いらなさそうですわね”

 

『そうか』

 

 通信機越しのカガリの微笑みに、内心で”えいえいむんっ!”とラクスは気合を入れ直し(タンホイザって)

 

『誓って連れ帰りますわ♡』

 

 果たしてミーアの運命は如何に……

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

FIND THE WAY

言葉なくても 飛ぶ(はね)はなくても

乱す風に負けぬ様に

今 誰より早く 痛みに気付けたなら……

 

 ミーアは、ただただその歌に聴き惚れていた

 波間に身を浸すように、目を瞑りその歌声に浸っていた……

 

「いい歌……」

 

(もしかしたら、これがこの世で聴く最後のラクス様の歌かもしれないけど……)

 

「それでもいいや。もう満足だよ」

 

答えを出すこと きっとすべてじゃない

焦らなくて いいんだよ あなたも……

 

 だが、ミーアのドレッドノート・アーティラリーはアンテナ関係、そしてセンサー周りにも甚大なダメージを受けていた。

 おまけに本人は歌に聴きいっている。

 だから、気づけなかったのだ……”這い寄る混沌(ピンク)”の影に。

 

FIND THE WAY

輝く宇宙(そら)に 手は届かなくても

響く愛だけ頼りに

進んだ道の先 光が見つかるから

 

”がしっ!”

 

「えっ? なに!?」

 

 唐突な機体に急制動がかかる感覚とG。

 そして、

 

FIND THE WAY

言葉なくても 飛ぶ翼(はね)はなくても

乱す風に負けぬ様に

進んだ道の先 確かな光を見た…

YOU’LL FIND THE WAY

 

 

【挿絵表示】

”ミィ~ツケタァ♡”

 

 ……これはもしやちょっとしたコズミック・イラならぬコズミック・ホラーではないのだろうか?

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

【挿絵表示】

「ら、ら、ラクス様ぁっ!!? ほ、本物ぉっ!?」

 

 突然、近距離……というか接触通信故にアンテナ如何を問わずに繋がり、浮かび上がった画像にミーアは心底驚愕する!

 

『はい♪ わたくしの偽物がいるとは聞いたことはございませんが……本物のラクス・クラインですわよ♪』

 

「えっ? なんで? どうして? Tell Me WHY?」

 

 なんか情報学的(あるいは生理学的)オーバーフローで言語野がバグり気味のミーアに、

 

『簡単に言ってしまえば、貴女を迎えに来たんですわよ?』

 

「へっ? 私?」

 

『ところで貴女、お名前は?』

 

「ミ、ミーアです。ミーア・キャンベル、ザフトでテストパイロットやってます!」

 

 滅茶苦茶緊張しているミーアにラクスはにっこりと微笑み、

 

『ではミーアさん、降伏しなさい。身の安全はこのわたくし、ラクス・クラインが保証しますわ』

 

「はっ、はい! 降伏しますです! あれ?」

 

 なんか勢いで状況がよくわからないまま返答してしまううっかり者のミーアであった。

 

 そして同意を得た以上は遠慮はいらないと、フリーダム・ルージュでボロボロのミーア&ドレッドノート・アーティラリーを抱えて帰投するラクスであった。

 

 

 

 こうして本当の意味でのジェネシスとヤキン・ドゥーエ攻略戦は終わりを告げる。

 だが、それは即座にこの戦争、後に”第一次連合・プラント大戦”と呼ばれることになるこの戦争が終わった訳ではない。

 この先、呆れかえるような不健全な精神で繰り広げられる武力を伴わない戦争、外交と政争の果てに妥協点を探り、本当の意味での”停戦”を実現させねばならないのだ。

 

 とはいえ、時にC.E.71年11月4日。今次大戦における最後の大規模軍事衝突、”オペレーション・ソロモンピラー・ブレイク”は、ジェネシスの破壊とヤキン・ドゥーエの自爆、そしてパトリック・ザラの討伐と主要ザラ派幹部の一掃という結果をもって「地球連合の勝利」という形で幕を閉じた。

 

 戦争自体はは当面終わらないだろうが、1年以上に及んだ大きな戦いは、これでようやく最後の山場を終えたのだった。

 それは即ち、武力ではなく政治力がものを言う季節の到来、どうしようもなく不健康で不健全な精神で行われる、拳銃を突きつけ合うのではなくテーブルの下で互いの向う脛を蹴飛ばし合うような暗闘が幕開けたことを意味していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




名曲”FIND THE WAY”が流れる中、何故か一部コズミック・ホラーになってしまった第10章ラストエピソードでした。

一応、原作の最終話に該当する話で、ご感想にもご指摘ありましたが映画「ガンダムF91」のオマージュのシーンでもあるのですが、何故かシーブック&セシリーと違ってギャグテイストにw

とりあえず、ミーアの救助は完了しましたが……
ミーア、絶対に「うっかり属性」を持ってそうw
ちなみにラクス、脳量子波の反応でミーアが無傷なのを見抜いていそうです、

それにしても……
↓ミーアのイメージ
【挿絵表示】

↓現実(獲物を見つけた肉食獣の笑み)
【挿絵表示】

のギャップよw


これで今次大戦における大規模戦闘は終わりを迎え、当初の予定ではあと2~3話を入れて終わりにするはずだったのですが、いや思ったよりも入れておきたいネタが多くてw

という訳で、次話より最終章”エピローグ”と称して、ヤキン・ドゥーエ終結からユニウス条約締結までの間の「原作では書かれていない時間」を描いて、各キャラの”その後”を追ってみようかと。

ただ、不安はあるんですよね。
また愚痴も入ってしまうので、お聞き苦しかったら申し訳ありません。
前回の評価”1”から4日間というかつてない短いスパンでまたしても評価”1”がつけられました。
しかも前回の評価”1”と同じで「この作品にだけ評価1をつけている」ようなんですね。
なんか狙い撃ちされてる気分になってます。
実は割とショックで、このエピソードは本来、朝に投稿するつもりだったんですが、正直、テンション落ちて、アップする気が起きなかったって感じです。
勿論、万人に受ける作品ではないのは百も承知ですが、まあそんなに評価が気になるなら別のサイトで発表と思うかもしれませんが、ハーメルンでしか発表できない理由があるんですよ。

一言で言ってしまえば「ラクスの歌う歌の歌詞」。
歌詞の掲載ができる二次創作サイトって多分、ハーメルンだけでしょうし。
このシリーズでは、ラクスの歌って凄く大きな意味と役割があるのでして……
かと言って、残り1章で評価に文字入力が必要とするのもなぁ~と。

前にも書きましたが、コメントなしの評価”1”って、個人的には作品や書き手への拒絶であり否定だと思うんですよね。
「これ以上、描くな。むしろ消せ」って。

とはいえ、もうエピローグの執筆自体は「本当の最終話」に向けて書き始めているし、何より私自身、「原作と違って生き延びたキャラのその後」とか書き手なのに気になってしまうのでw
ですので、現在エピローグでスポットを当てる予定の

・元仮面の男のその後
・エザリアママとイザークのその後
・シーゲルパパのその後
・地球連合の楽しい楽しい内ゲバ
・アズラエル、新たな役職
・オーブの戦後に向けた方針

など興味がある、読んでみたいと思われたのであれば、高評価で応援していただけると、大変嬉しいです。

さて、第10章並びにこのシリーズの応援、ありがとうございました。
皆様の高評価、ご感想、お気に入り登録があればこそここまで描き、こうして戦いを終わらせる事が出来ました。
上にも書きましたが、この先は原作TVシリーズでは描かれない話、いわば余剰のエピソード集です。

それでも構わない、読んでみたいと仰ってくれるのなら、残りは少なくなってきましたが、どうか応援よろしくお願いいたします。








  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。