【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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さて、今回はオーブサイドのお話。
前半はシリアスでは無いけどやや厳めしく、後半は……クソ雑魚ナメクジ?





第173話 オーブの外交(?)スタンス、そしてミーアへの意外な提案 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、戦闘が終われば参加部隊は即帰投ができるわけでは無い。

 あえて(戦後の面倒を回避する=受け皿となるだろうプラント等に押し付ける為)ヤキン・ドゥーエからの脱出を見逃し、自爆を容認したが、かと言ってプロパガンダも兼ねた生存者の救助……を大義名分と隠れ蓑にした現場検証ないし実地検分をしないわけにはいかない。

 

 オーブにも大西洋連邦にも、それらを主任務とする特殊調査チームは同行していたし、その作業自体はヤキン・ドゥーエのなれの果て……新たに生まれた極小アステロイドベルトでも滞りなく進んだ。

 

 実は実地検分部隊は先のジェネシスの2度の砲撃で壊滅した艦隊や月面基地にも向かわせてているが、既にそれを嗅ぎつけたジャンク屋が押し寄せているらしく、それを現場保全の為に追っ払うのに一苦労してるらしい。

 それでも、組合に登録しているジャンク屋は「実地検分が終われば、通常業務(廃品回収)を行って構わない」というお達しで、大人しく各軍の作業の邪魔にならないように遠巻きに待機して推移を見ていたが、一部の態度の悪いジャンク屋が警告を無視して現場を荒らすような真似をしたために「軍務を邪魔するのは明確な利敵行為」という名目で、撃墜・撃沈されるという事態が起こったようだ。

 

 普通に考えて、鑑識入れて現場検証してる警察相手に、やくざ者の廃品回収業者が現場に入って「この物品は俺のだ」とか言って現場を荒したら、そりゃあ公務執行妨害で現行犯逮捕されても文句は言えない。

 しかも相手は警察ではなく、大規模戦闘が終わったばっかりの殺気だってる正規軍だってのに、喧嘩を売るとは一体何を考えてるんだ?という話だが……

 ただ、話はこれで終わらず、その衝突を鑑みて「これまで野坊主にしてきたジャンク屋を綱紀粛正し、きちんとしたルールを再制定すべきはないか?」という議論が持ち上がる。

 

 意外なことに、それに対して真っ先に賛成の意を示したのは、「ジャンク屋の後ろ盾」と思われていたオーブ首長国だった。

 オーブは、領海内にジャンク屋組合の拠点である”ギガフロート”の停泊を許し、加えて自衛用名目で独自の武装の保持も許可しているのだから当然とも言えるが……

 

 

【挿絵表示】

「そりゃお前、ジャンク屋()()とはそういう”契約”をしているからさ。勿論、停泊賃は払って貰ってるからな? 別にオーブはジャンク屋組合の味方でも後ろ盾でもないぞ? ましてや組合にも所属してない宇宙海賊紛いの不逞ジャンク屋の肩を持つはずないだろう」

 

 このウナト・エマ・セイラン外交代表の言葉にオーブのスタンスが集約されていた。

 そもそもオーブという国は、かつて存在し歴史用語に成り果てた日本という国が持ち、他国に付け込まれた国土を奪われた「外交的な甘さ」を反省し研究し、そしてその”亡国の甘さ”を否定する方針を打ち立てている。

 当然、宇宙だろうが海の上だろうが海賊行為は攻撃・排除対象になる。

 領宙・領空・領海・領土に対する考え方は特にシビアである事が知られ、それにまつわるエピソードも多々ある。

 例えば、平時でも上記の”自国領域”に接近してきた許可を得ていない他国機・他国船舶・国籍不明の不審船舶・機は国際法に基づき、一度退去を求める警告を出す。そして、それを無視し自国領域侵犯した場合、威嚇射撃と共に停船や着陸・投降を呼びかけ、それを無視したり逃亡しようとした場合……即時撃墜・撃沈命令が出るのがオーブだ。

 はっきり言えば、「オーブの領域を侵せばこうなる」という見せしめだが、軍民問わず密輸船だろうが密漁船だろうが撃沈の対象だ。

 それが理由で宣戦布告されようと、「侵犯する方が悪い。やる気があるなら受けてたつ」という姿勢を崩さない。

 対外関係っていうのはナメられたら最後ということを、かつての祖国の歴史から学んでいた。

 不逞ジャンク屋たちに対するスタンスもその流れで、「ルールを無視するような輩を庇いだてする気は無い。むしろ駆除対象だ」という訳である。

 実はこのスタンスのせいもあり、原作でヤキン・ドゥーエ戦後に起きるあるイベントが回避されている。

 それは、原作外伝で”アメノミハシラ攻防戦”と言われる小競り合いだ。

 

 原作における”アメノミハシラ攻防戦”の概要は、月のファクトリーなどを失ったユーラシア連邦軍上層部の一部がアクタイオン社の”ヴァレリオ・ヴァレリ”という技術者に唆されてアメノミハシラを襲撃するという火事場泥棒じみた、1945年8月15日以降の樺太や北方四島で起きたことを彷彿させるようなイベントだが……

 この世界線においてはそれは起こりえない。

 まず、

 

 ・アクタイオン社がアズラエル財閥に買収され本拠地や開発拠点を大西洋連邦の河岸替えしている(ヴァレリオ・ヴァレリの動向は不明)

 ・ユーラシア連邦・東アジア共和国共に原作以上の大打撃を宇宙戦力に受けており、現在は再建に向けて頭が痛い状態にある

 

 という前提があるのでそもそも実行不可能ではあるのだが、もし万が一、なけなしの戦力をかき集めて軌道ステーション強襲を行った日には、参加兵力を根絶やしにされた上にほぼ確実に報復されるという恐ろしさがあるのだ。

 例えば、破壊された自国の戦闘艦やモビルスーツの残骸が、首都に降り注ぐような……

 

 今更、伏線回収もなんだが……『第80話 ウズミの”慈悲深き断罪”。金色の(腹)黒獅子と盟主王の密談』でウズミが語っていたことはブラフでも何でもない。

 あの時点でパトリック・ザラ率いるザフトをテロリスト扱いにしなければ(プラントとの国家間戦争という扱いなら)、本気でプラント本土への「報復攻撃」を検討せねばならなくなったのだ。

 オーブの基本ドクトリン、いわゆる”Tit for Tat(しっぺ返し)戦略”の実践だ。

 これは専守防衛(受動的防衛)を是とするオーブの防衛方針と実は矛盾しない。

 なぜならオーブの専守防衛は基本、「敵の攻撃を迎撃する」、「攻撃の兆候があってもオーブからは手を出さない」だけであり、主にファースト・ストライクに関する考え方で、「やられたらやりかえす”しっぺ返し戦略”」は戦争の方針その物になるからだ。

 似たような事例は『第148話 ウズミ・ナラ・アスハの大号令』で、ザラ派ザフトこそが地球人類共通の敵で、ヤキン・ドゥーエをテロリストの本丸と念を押したのも、ザラ派ザフトとプラントを政治的に切り離さなければならないという事情があった。

 もし切り離さなければ、「地球人類滅亡を狙ったのはザフトならびにプラント」となり、最低でもザフト構成員全員を”危険分子”として討伐ないし幽閉、場合によってはプラントの砂時計を全基破壊処分……なんてことになっていた可能性がある。

 出来る出来ないで言えば「出来なくはない」が……オーブにとっては何のメリットもなくデメリットばかりの冗談ではない案件だ。

 

 

 

 まあ、そうであるが故にオーブが大西洋連邦との二国間安全保障条約で責任を負うべきはジェネシスとヤキン・ドゥーエ攻略戦までで、戦闘の事後処理を終えたらいったんは現地解散という事になった。

 

 本格的な戦後処理……停戦交渉などは、『公式な交戦国である地球連合とプラントが行うべきである』というのがオーブの変わらぬ言い分であり、

 

 

【挿絵表示】

「オーブのスタンスはなんら変更はない。テロ組織”ザラ派ザフト”に行ったのは警察行動の領分である対テロ殲滅戦であり、プラントは国家として認めていない。戦争をしていない為に戦時賠償は求めぬが代わりに停戦交渉にも関わる気は無く、また最低限でも準国家まで信用回復せぬ限りは、プラントといかなる国家間条約も結ぶことはないだろう」

 

 とウズミも明言している。

 もっとも、オーブ国内に身柄を拘束・抑留されている「プラント市民権を持つ無国籍者」は、「いつまでもオーブ国民の血税で賄うわけにはいかない」という理由から、停戦条約直後の早期送還(返還でないことに留意)が検討されていた。

 まあ、そうは言っても罪状をつけない訳にはいかないので須らく「特殊事情を鑑み特例的対応とし、国外追放処分とする」という名目になりそうだが。

 ……法の弾性的解釈ここに極まれりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、厳めしい話はここまでにしよう。

 

 その時、ミーア・キャンベルは心底困惑していた。

 半壊した愛機と共に宇宙を漂流していたところをラクスに身柄を確保された。

 それはいい。ここまではミーアにも理解できる。

 そして、オーブ軍の旗艦であるアークエンジェルに、機体ごと連行された。

 まあ、これもいい。

 ラクス・クラインがオーブを拠点に活動している熱烈なファンであるミーアが知らないわけ無かったし、オーブ軍の一員(厳密には軍属扱いらしいが)だった事や、自分と同じく自らモビルスーツを乗り回して戦場で縦横無尽に活躍していた事はかなり驚いたが、それも「そう言う事もある。自分だってテストパイロットやってたら実戦要員に仕立て上げられていた」と無理やり自分を納得させた。

 だが……

 

「あの~」

 

「ん?」

 

「わたくしめ如きクソ雑魚ナメクジが、何故にオーブ軍の実質トップの”太陽と獅子の女王様”自らが尋問なさってるのでしょうか……?」

 

 するとカガリは少し考えてから、

 

「ザフトにまでその呼び名は広まってるのか……ああ、ラクスの方がよかったか? すまんな。立場上、あいつに投げる訳にもいかなくてな」

 

 どこか的外れに返す。

 

「いえ、そうではなくてですね……」

 

 だが、ミーアが何とか言葉を繋ごうとするが、

 

 

【挿絵表示】

「ミーア・キャンベル。ザフトにテストパイロットとして所属していたが、ザラ派ではない。元はアイドル志望だったが、生活の為にザフトに入隊。ついでに言えば、ラクス・クラインの熱烈なファン……で間違いないか?」

 

「はっ、はい!」

 

 何故か金色に輝いているように見える眼光に、思わずミーアが竦みあがるが、

 

「ああ、そう硬くなるな。別にとって喰おうって話じゃない。まあ、多少はお前さんの事は調べさせてもらったが……」

 

 そして、カガリはふと表情を緩め、

 

「いきなり本題で悪いが……ラクスのような配信者、いわゆる”ネットアイドル”ってジャンルにはなるが、もう一度アイドルを目指す気はないか?」

 

「はへっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、ミーアさん、スカウトされるの巻でしたw

別にオーブはジャンク屋組合の本拠地とも言えるギガフロートの領海での停泊を許してる(無論、有償)だけで、別に後ろ盾でも味方でも無いんですね。
基本、「自分の身は自分で守れ。だから組合に武装を許可してる」って感じです。

ただ、原作と違ってオーブと大西洋連邦の関係が良好でパナマのマスドライバーが破壊されてもオーブのマスドライバーや軌道エレベーターが使いたい放題だったので、特にギガフロートが襲撃されることもなかったようです。(相手にされてなかったとも言う)
まあ、ビクトリア湖のマスドライバーも奪還できてユーラシア連邦はホクホクだし、東アジア共和国はビクトリア湖のマスドライバーが使えるので、オーブの領海にまで入ってギガフロートのマスドライバーを奪うのはリスクに見合わなかったって感じです。
それやるくらいなら台湾島を占拠してるザフトに戦力を差し向けたでしょうし。

それもこれも、オーブの自国領域に対する考え方が(故国の経験と教訓から)シビアでハードだから。
侵犯された場合、投降しなければ問答無用で即時撃墜・撃沈ですから、現代日本よりよっぽど侵犯は少ないです。
テロ・海賊、ダメ絶対!w

ミーアがスカウトされた理由は次回にでも詳しく……

どうか応援よろしくお願いいたします。



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