【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
そして、さり気にまたしても新キャラが……
シーゲル・クラインの説明に、”隠れ里”の住民たちは好意的に受け入れ……むしろ説得の必要がないくらいあっさりとオーブへの移住を了承した。
やはりというか、誰もが心のどこかで隠れ住むことに限界を感じていたようである。
これがオーブが原作のように大西洋連邦と敵対して蹂躙されるか弱い国なら話は違っただろうが、この世界線のオーブはしぶとく強い。
国家として国民の生命と財産を守る義務を遂行するだけの強かさと覚悟があった。
断片的にしか伝わってこない報道の情報でさえ、それがシーゲルにも理解できた。
だが……
「本当にこれでよかったのかと、私はまだ悩んでいるのさ。情けない男だろ?」
「シーちゃんは、私みたいなバカと違って頭がいいから、色々見えて、だから色々考えると思うんだけど……」
マレッタはニッコリと笑って、
「でもさ、たまには頭空っぽにして、自分の直感と感覚に頼ってもいいと思うよ? 確かにシーちゃんがこの”隠れ里”を作ったのは確かだし、その願いも想いもみんな理解してるよ? だけど、だからってシーちゃんが何もかも全部背負う必要はないんじゃないかな。だってみんな生きてるんだもん。生きてるってことは、自分で選べるってことでしょ?」
「マレッタ……君は強いな」
「だって、これでもシーちゃんの奥さん目指してますから♪」
「……なんと言って娘に説明しようか、今から悩むところだな」
「頑張って♪ お父さん」
そしてひとしきり苦笑した後、
「南米の僻地にまで、”5億人殺しのシーゲル・クライン”の悪名は届いている」
それでもシーゲルがこの地に潜伏できたのは、この集落の外部との交流を絶った”隠れ里”という性質と、この里の創始者こそが「ナチュラルとコーディネーターの共存と、その果てのコーディネーターのナチュラルへの回帰」を目指したシーゲルだからだ。
その想いを知り賛同して、こんな僻地にひっそりと住むことを選んだのが、この村の住人だった。
「故に私は名を変え、顔を変えねばならない」
シーゲルは少しだけ不安を滲ませた表情で、
「それでもマレッタはついてきてくれるかい?」
だが、マレッタは直ぐに返答せず、
「シーちゃんの新しい名前、もう決まってるんだよね? なんて言うの?」
「”シゲル・クライシ”。オーブではありふれた名前らしい。それで戸籍を用意してくれるらしい」
もうちょっと捻れよと言いたくなるネーミングだ。
漢字表記なら”倉石 滋”とかになるのだろうか?
「じゃあ、シーちゃんはシーちゃんじゃん♪」
マレッタは二パッと笑い、
「私、物覚え悪いから、シーちゃんの新しい名前が覚えにくい物だったらどうしようって思ってたんだ。でも、シーちゃんのまんまでいけそうだね♪」
「マレッタ……」
「顔が変わろうが名前が変わろうが、シーちゃんは私が好きになったシーちゃんだよ。それでいいじゃん♪」
マレッタ・ミッレ
父はコーディネーター、母はナチュラルのハーフコーディネイター。
母が自分を身籠ってるときに父は反コーディネーターの過激派に殺害され、母はマレッタを「知らない父親の復讐者」として育てようとしたが……幸か不幸かマレッタが物心つくころに自らが病死することであえなく頓挫。
その後、アレッタは幸運にもハーフコーディネイターを匿う小さな組織(表向きはNPO団体)に保護される。
だが、その組織もついに襲撃するに至り、マレッタは僅かな生き残りと共にこの隠れ里に流れ着くという、10代の女の子が経験するには中々ハードな人生を送っている。
そして、シーゲルと出会い恋に落ちた。
きっとシーゲルが、マレッタにとって欠けていた何かを持っていたのだろう。
マレッタの熱烈で純粋な好意は、疲れ果てていたシーゲルを癒し慰め、いつしか彼にとっても歳の差を忘れるほど、惹かれる存在になった。
「ところでシーちゃん、オーブへ行ったら何する予定? 今みたいに”村のご意見番”、隠れ村長するわけじゃないでしょ?」
シーゲルは小さく笑い。
「私の技量でできる仕事を探すさ。だが、最後は雑貨屋のオヤジあたりに落ち付きたいものだ」
「だったら、アタシは雑貨屋のおカミさんだね♪ でも、その頃にはシーちゃんの赤ちゃんが欲しいな♡」
「むっ……これは相当の努力が必要だな」
そんな暢気に笑う二人に、アマゾンの太陽が優しく照り付けていた……
だが、二人は知らない。
プラントの最高評議長まで上り詰めた優秀な人材を、雑貨屋の店主にとどめ置いてくれるほど、世界も世間も一人娘も甘くないのだ。
特に娘。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
大西洋連邦に南米と、話題が地球を半周したような気もするが、視点を再びオーブへ戻そう。
なに、ちょっとした”オチ”を入れようと思っただけだ。
場所はオーブはオーブでも軌道エレベーターの基部として建造された巨大人工島”クニノミハシラ島”……の更に上空。
”アメノミハシラ”の静止軌道ステーションのソレスタルビーイング専用区画だ。
許可なく立ち入ろうとすれば、あの世への土産話にもってこいな静止衛星軌道から生身のロープレス・バンジージャンプが体験できるかもしれない。
さて、この国家機密レベルのエリアで起こる本日のメインイベントは……
「えっ? これってまさか”ゴールドフレーム”……?」
「カガリ……?」
カガリから「面白い物を見せてやる」と招待されたラクスとキラ。
御開帳されたのは、
「そう。”プロト・アルヴァトーレ”の中身は、プロト・アストレイのゴールドフレームだったって訳さ。どうだ? 驚いたか?」
そうカガリはニヤリと笑った。
☆☆☆
皆様は第127話のラストにて、カガリとキラにこんな会話があったの覚えておいでだろうか?
『ゴールドフレームはどうなったの? モルゲンレーテにも戻ってきた様子がないんだけど』
『ああ。あれならウチ、ソレスタルビーイングにあるぞ?』
『えっ? またなんで?』
『あれってオーブ製のストライクみたいなものだろ? 色々といじりやすいんだよ。今はクォンタム・サイコフレームとお前の作った核動力(NBSCハイブリッド・パワーパック)を乗っけて、テストベッド……というか、モビルスーツ型の移動電源と実験機材として使ってるよ』
「実はプロト・アルヴァトーレの
そう、あの原作でも印象的な黄金に輝くモビルスーツ”アカツキ”である。
簡単に言ってしまえば、特にこの世界線では”ファイブスター物語”に登場するA.K.Dの”ナイト・オブ・ゴールド”に相当する立ち位置として計画されたのが”アカツキ”なのだった。
偶然……かどうかは不明だが、どちらも金色という共通項がある。
「だが、肝心の”アカツキ”が未だ完成ならずでなぁ……結論から言えば、少々技術的にハードルが高いところを狙い過ぎたのさ」
それはそうだと思う。分かっているだけでも……
・複合型核動力(NBSCハイブリッド・パワーパック:第78話初出)を電源とした疑似太陽炉×2のマルチ・ドライヴ(ツインドライヴでないことに注意)機
・表面装甲は”完成版”のヤタノカガミ
・武装は、原作オオワシ・ユニットの”73F式改高エネルギービーム砲”を手持ち式にして2丁を分離/連結(高出力モード)できるようにした、”GNツインバスターライフル”。構造/機構はウィング・ゼロ(EWではない)のライフルのそれだ。
・GNバリア・フィールド標準搭載。
・背部は原作アルヴァアロンのウイングをフレキシブル多重連結構造にして、粒子増幅器(大使砲)と高機動型GNフレキシブルウイングバインダーを兼ねたような構造(1.5ガンダムの背部ユニットに近い)。
いや、一部はプロト・アルヴァトーレにも搭載されている機能(大使砲とか)だが、モビルスーツに搭載できるほどダウンサイジングするのが一苦労だし、ヤタノカガミのように未だに未完成の物もある。
これを現時点で完成させるというのが無理があった。
第142話の冒頭で、イアンとシェリリンが「未完成」と騒いでいた理由がこれだ。
「本来、コイツは”アルヴァトーレ・
「だから、実験機としての役割を終えた”ゴールドフレーム”をコアユニットに仕立て直した……ですよね?」
カガリの後を継いだののは、メガネの似合う長い金髪の知的な女性だった。
「「だれ?(どなたですの?)」」
見慣れぬ人物の登場に思わず顔を見合わせるキラとカガリ。
対してカガリは、
「ああ、”リンダ”か。来てたのか?」
「ええ♪ 私だって”アルヴァトーレ”の担当ですもの」
そしてカガリは2人に向き直って、
「ああ、コイツは”リンダ・ヴァスティ”。イアンの、特にラクスは面識ないかもしれんが、ソレスタルビーイングのモビルスーツ開発部門のトップ技師の嫁さんだよ。リンダ自身も優れた技術者ではあるが」
「お褒めに預り光栄ですわ♪」
そうチャーミングに笑うリンダだが……何というか原作より随分、若いように見える。
それもまあ当然で、ELSが来るかどうかは別にして、刹那の年齢を考えると今は1stの時間軸なので相対的には劇場版の7年前。
つまり、27歳という事になる筈だが……
ところがぎっちょん!
実はこの世界線、イアンの年齢が原作よりちょっと若いのだ。
現在、イアンの年齢はギリ40代。つまり原作より3歳は若い。そしてイアンとリンダの歳の差は原作と同じなので……現在、24歳。つまり、この世界線のマリューと大体同い年という事になる。
加えて既に子持ち。一人娘のミレイユは現在7歳なので、イアンがリンダに手を出したのは……
ほら、前にもどこかで振れたが、オーブの基準だと「義務教育を終えて満16歳で成人とみなす」なので、問題ないといえばないな。うん。
「やったこと自体は簡単なのさ。元々、クォンタム・サイコフレーム乗っけて核動力化してたし、後は……まあ背中を見れば一目瞭然か?」
そう、ゴールドフレームもプロト・アストレイの1機である以上は、ストライカーパック対応だ。
そして、その背中には……
「疑似太陽炉(GN-T)?」
そう背中の真ん中にコーン状のGN-Tのカバーを兼ねたスラスターが突き出ており、その左右を囲むようにHi-νガンダムのフィン・ファンネルのような左右対称に装備されたプレート状のパーツが連結されている。
無論、フィン・ファンネルやフィン・ドラグーンやフィン・ファングではなくただの連結された板状GNコンデンサだ。
「要するに”GN-Tストライカーパック”を試作して取り付けて、何とかでっち上げたってとこだ。プロト・アルヴァトーレから戦場で引っ張り出す予定はなかったから、まあこれで十分だろうってな」
一応、GN-XのマルチモードGNビームライフルを2丁装備してたし、GNビームサーベルやフェイズシフト装甲も完備されているので、カガリの技量も相まって戦闘力は割と高いのだが……まあ、確かにわざわざモビルスーツで飛び出して戦うほどの理由はない。
そもそも、ゴールドフレームは緊急時のパージ、つまり脱出ポッドの代わりとして使うとき以外は、プロト・アルヴァトーレの筐体から分離できないような設定になっていた。
「代表~。でっち上げたはあんまりですよぉ。これでも限られた時間で仕上げるのは大変だったんですからね?」
「わかったわかった。悪かったって」
いわゆる「間に合せ」として完成したGN-Tストライカーパックだが、この先、思わぬ発展を遂げる「エポックメーキングな技術の種」になるかもしれない。
技術の面白い所は、何処にどう派生するか、誰にも解らない事であろう。
という訳で、ゴールドフレームの使い道&イアンの嫁さん、リンダさん初登場でした。
劇場版を基準にすると、ELSが出る出ないは別にして今は00原作時間軸に換算して1st
の頃だから今は7年前、おまけにイアンが原作よりちょっと年若(ギリ40代)で年齢差そのままなので、かなり若い姿で登場ですw
実はイアン&リンダ、シーゲル&マレッタの年齢差は大差なかったりw
さてさて、唐突ですがマレッタ・ミッレちゃんの制作裏話など。
名前と生い立ちからピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの娘、当初は「水星のスレッタ」的なキャラを目指して、陣営は決めてませんでしたが戦闘職の娘だったんですよ。
ただ、何度プロンプト弄っても「あの気弱なタヌキ娘」感が出なくて……どちらかというというと同じ赤毛キャラでも「08小隊のキキ」を寸詰まりにしたような感じのイラストばっかが生成されてしまったんですね。
ならばと開き直って、空席だった「シーゲルさん、再登場の時のお隣に立つキャラ」にしてしまえと。
こうして”将来の肝っ玉母ちゃん候補生(笑)”が誕生したって訳です。
強いて言うなら「頭が良いとは言わないけど、肝が据わって大事なことは見えてる」感じのヒシアマ姐さんタイプ、シーゲルが情けないこと言いだすと、歳の差をものともせずに尻を叩いてくるタイプですねw
意外とラクスと”正反対だけど(正反対だから)波長が合うタイプ”でもあるかも?
ただシーゲルさん、いやシゲル・クライシ氏、一人娘の再会の時はどうなることやら……
しかし、我ながら偽名をもうちょい捻れよと。
カタカナ表記だと名前から棒を一本とって、とった棒を苗字に加えただけというw
さて次回は、楽しい楽しい”泥仕合”の予定です。
どうか応援よろしくお願いいたします。