【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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今回はキャラの登場が一切ないので挿絵もないという珍しい回です。

楽しい楽しいクソを投げつけ合うような泥仕合は~じ~ま~る~YO~w






第179話 地球連合三大国家政治的泥合戦 ~ブルーコスモスの内ゲバを添えて~

 

 

 

 まだ正式に終戦が成立した訳ではないが、後に”第一次連合・プラント大戦”と世界史に記される事になるこの戦争、「公式には戦争していない」オーブとしては、どう呼ぶか頭を悩まさせるところではある。

 現在、最有力候補の名称は、”パトリック・ザラの乱”らしい。

 微妙にやっつけ感のあるネーミングだが、旧宗旨(にほん)国において、”○○の乱”というのは便利なので歴史用語で多用された由緒あるネームなので、「分かりやすいし、それでいいんじゃね?」という意見が多いそうだ。

 

 そんなオーブのお国事情はさておき、真面目にプラントと戦争していた旧プラント理事国、現”地球連合”加盟国、特に三大国家は中々に喧々諤々な状態らしい。

 

 国際軍需産業複合体”ロゴス(大西洋連邦抜き)”の新盟主となったロード・ジブリールを後ろ盾にしたユーラシア連邦は、「プラント奪還・再国有化」を強烈に主張し、今のところ東アジア共和国もその尻馬に乗っかってる。

 

 だが、大西洋連邦は明確に違う主張、「もはや奪還したところで利益を産まないどころか赤字経営確定のプラントなんざ損切りして、戦費ばかり無駄に食うこんな戦争、さっさと終わりにしたいんだがね」という趣旨の発言を、遠回しな表現を使ってはいるが隠そうともしてない。

 

 

『地球連合の団結と連帯を何と心得るっ!!』

 

 とユーラシア連邦が「西暦時代における左側団体の慣用句」みたいな言葉でいきり立てば、

 

『だからもう、こっから先はこの戦争、損しかないんだって。やりたきゃユーラシア連邦と東アジア共和国の自前の軍隊でお好きにどうぞ。俺はもう抜けるから』

 

 とユーラシア連邦と東アジア共和国の宇宙戦力が事実上壊滅し枯渇状態にあること、再建まで年単位の時間がかかることを分かってて大西洋連邦も資本主義万歳な言葉を投げ返す。言葉のキャッチボールならぬドッジボールだ。

 続けて、

 

『ただでさえパナマのマスドライバー再建をはじめとした(戦争よりずっと金になる)戦後復興事業に即座に着手しなきゃならんし、おまけに旧南アメリカ合衆国に再独立を拒否られたから、新たな大西洋連邦共栄圏の再構築に忙殺されてんの。ぶっちゃけ、もう戦争なんてやってる余裕はない。ヒトモノカネ、それらのリソースは有限。OK? 付け加えるなら”時は金なり(Time is Money)”さ』

 

 と返す始末。

 まあ、大西洋連邦の言い分は誇張はあるかもしれないが、概ね事実だ。

 加えて、市民レベルでそろそろ厭戦気分が蔓延しはじめ、反戦市民運動が起きてもおかしくない状態にある……と少なくても表向きはなってたし、資本家たちも戦争より生産性がある為に巨大資本が動きやすい”平時経済”を循環させたいと考え始めていた。

 戦争というのはある側面においては技術を加速させパラダイムシフトを引き起こし、それは新秩序や新たな区分を生む触媒となり、新領域”経済的未開拓市場(ブルーオーシャン)”を生み出しやすいことを資本家たちはよく知っていたのだ。

 今次大戦における新領域とは、自国の戦後復興にかこつけた国土の再開発や産業の維新、旧南アメリカ合衆国の編入と健全な開発とマーケット化という内需、オーブとの関係強化によりそれに連なるオーブと友好的な中立国、スカンジナビア王国や赤道連合との貿易による外需などだ。

 色々と規格外なオーブはともかく、スカンジナビア王国や赤道連合は、そこまで工業基盤が高くなく、戦後必要とされる物資の生産はは自国だけでは難しい。

 またオーブも人口学的な限界で、自国ならまだしも相手国の必要量を満たすには質的にはともかく量的に難しい。

 そこに付け入る隙、新たなマーケットがある。

 資本主義において広義な意味での経済力を上回る政治力は存在せず(例えば、選挙で当選するためには膨大な資金が必要)、だからこそ”復興長官”なんぞに就任する前から任期のある大統領のコープランドより、大西洋連邦最大の資産家(=資本家)であるアズラエルの方が大西洋連邦において権力があったのだ。

 そして、上記の戦争により得られる利益は()()()()()()()()()()のだ。

 アズラエルを筆頭に、大西洋連邦の資本家たちにとり、戦争を継続する理由は既に失われていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 蛇足ながらブルー繋がりで言うならばもう一つ。

 原作にない流れだが……今の大西洋連邦のブルーコスモスの主流は圧倒的に穏健派だ。

 開戦までは実は穏健派と過激派の勢力図は半々くらいだったのだが……ひっくり返ったのが”血のバレンタイン”だ。

 いや、普通に考えて「ウィリアム・サザーランドなんて一介の大佐が、軍にだんまり勝手に核兵器を秘密に持ち込んで、勝手にプラントに発射する」なんてことは、核管理システムの原則から考えて不可能なのだ。

 

 当然、重大な軍規違反を犯したサザーランドは軍法会議の末に銃殺刑となったが、本気で激怒したアズラエルは、サザーランドの処刑その物が「トカゲの尻尾斬り」であることをよく理解していた。

 そこでアズラエルは自分の盟主という地位と権力を使い……事態の全体像を把握した。

 言うまでもなく、軍内部にまで値を張ったブルーコスモス過激派の手引きがあったのだ。

 そこで行ったのは、軍にも深く根を張っていた過激派を「シビリアンコントロールの効かない、国益より事故の心情を優先する軍人など無用の長物! いや、むしろ危険物!!」と、大規模な暗闘と粛清を行った。

 この時期、MIAを含む行方不明になった軍人や退役、不名誉除隊に追い込まれた大西洋連邦の軍人は非常に多い。

 今だから言えるのだが……ハルバートンなど一部を除き、ある時期、大西洋連邦軍の動きが原作より大人しかったのは、この”大規模な軍の大掃除”が原因だったりする。つまり大西洋連邦軍は一時期、人事的な理由で動きたくても動けない状態にあったのだ。

 無論、その粛清の手は軍だけなんて中途半端なことはせず、あらゆる公的機関・民間企業にまであらゆる裾野に及んだ。

 自分のグループ企業までその根が密かに伸びていたことを知ったアズラエルには、同情を禁じ得ない。

 

 そしてその”C.E.の大粛清”に恐れをなし、ユーラシア連邦や東アジア共和国に「処罰される前に逃亡」したブルーコスモスの過激派は非常に多い。

 おそらく、聞き覚えのある”ミケール”もその中に居たはずだ。

 

 これが最初の一歩となり、回り回って、ハルバートンは生存し、アラスカのJOSH-Aは無傷、大西洋連邦軍は全体的に見れば大きな損害を被ることもなく実質的に戦争に勝利できた。

 

 付け加えて言うならば、上記の理由でブルーコスモスは言わば穏健派の大西洋連邦と、強硬派が主流のユーラシア連邦とそれに追従する東アジア共和国という分布で分裂状態であり、またアズラエルのブルーコスモス盟主というのも形骸化、あるいは有名無実化している。

 正確には穏健派の頭目かもしれないが、ユーラシア連邦に逃れた過激派はジブリールを”新たな盟主”として崇める事だろう。

 それがどういう結果を齎すかを知るには、まだ年単位の時間が必要だった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 だが、当然のようにユーラシア連邦と東アジア共和国は事情も状況も大西洋連邦とは違う。

 まず前提として、ユーラシア連邦は中心国のもつ”ルースキー・ミール(ルーシ思想)”の影響が強すぎる。

 故に今次大戦における自国の大敗北は”タタールのくびき(モンゴル人=タタール人にロシア全域が苛烈な支配されていた時期)”以来の国辱だと考えていた。

 つまりコーディネイターは”C.E.のタタール人”であり、ザフトによる攻撃は”現代の黄禍”であると誰が言うでもなく定義していたのだ。

 そう思っても無理のない負けっぷりなのだから仕方ないし、パトリック・ザラやザラ派、パナマの虐殺や”ジェネシス”の一件を考えると、強ち的外れでもないのが実に(タチ)が悪い。

 しかも、ユーラシア連邦には西暦時代の成功体験があった。

 第二次世界大戦でナチスに攻め込まれながらも逆転し、最後は冷戦時代の世界を二分する”東側の雄”となった。

 更には第三次世界大戦(再構築戦争)。ソ連崩壊により失っていた東欧のみならず西欧までも飲み込み、黒海を超えて地中海に勢力を伸ばし、にっくき弓状列島の北海道まで自国に組み込むことに成功した。

 ユーラシア連邦にとり、「戦争は最後は自国が勝つ物であり、それは必然」だという考えが根本にあった。

 アフガニスタンや冷戦終結後の体たらくは、綺麗さっぱり忘れられていた。

 

 対して東アジア共和国。

 その中心国は、対外戦争に負けたことがないのが自慢だった。

 異民族や他国に攻め込まれても、最後には必ず勝利し、国土を守り通した。

 少なくとも彼らの歴史ではそうなっている。都合の悪い現実を無かったことにするのは、彼らの十八番だ。

 そして逆に今や、半島や西部、弓状列島や沿岸の島々の大半を飲み込み、近年稀にみる巨大な版図を誇っていた。

 そんな東アジア共和国にしても、自分たちが戦争に勝利するのは当然の事だった。

 それとちょっとだけ留意してほしい部分がある。

 ユーラシア連邦はあくまで”連邦”。体裁的には国家の集合体だ。

 対して東アジア共和国は、文字通りの”共和国”という統一国家だ。東アジア共和国が旧中国、韓国、北朝鮮、モンゴル、日本(北海道はユーラシア連邦の領土)から成立した国であり、「旧国家群の西暦時代を踏まえ、どのような手段と経緯で統一国家になったのか?」を想像するとと大体、東アジア共和国がどんな国かイメージできると思う。

 

 

 

 要するにルーシ思想と中華思想は親和性が高く共鳴しやすいのだ。

 故に「自国の領土」であるプラントの独立国化など認められるはずもなく、停戦など以ての外……の筈だが、ジェネシスの二度の砲撃を筆頭に、度重なる敗北で戦力、特に宇宙戦力が枯渇していた。

 兵はまだいる。

 究極的にはこの二国にとり”人口=兵力”だからだ。

 しかし、それを宇宙に展開する能力が失われていた。

 

 本来の歴史であれば、強く繋がっている同志、大西洋連邦内のブルーコスモス強硬派を通じて大西洋連邦を動かすこともできただろう。

 だが、先の理由で大西洋連邦の強硬派は壊滅状態にあり、得意な裏金をばら撒くロビー活動やマスコミによる世論操作などの浸透内政干渉工作(シャープパワー)などをできる筈もなかった。

 それどころか、大西洋連邦は実質的に戦争からの脱退を示唆してきたのだ。

 今の大西洋連邦は、「奥方が共産主義者シンパでスターリンの操り人形だったルーズベルト、ソ連スパイたる”ケンブリッジ・ファイブ”が堂々と活動していた英国」の時代のようにはいかないのだ。

 

 そうであるが故に”臥薪嘗胆”

 ここでこの該当二国、正確にはその中心国の癖が出た。

 かつてモンゴル人に支配された領域に国土が重なるユーラシア連邦と東アジア共和国は、国際条約を恣意的な解釈で運用しようとする悪癖がある。

 ただ誤解のないように言っておくが、彼らにも悪気があるわけじゃない。

 即ち、

 

 ”ルールは強者が決める。何故なら強者はルールを守らせる力を持つ者”

 

 という価値観が根底にあるからだ。

 つまり、「力による現状のルール変更」を相応しい力があるのなら肯定するし、西暦の時代より中心国は力への渇望が強い。

 「力が弱ければ他人の決めたルールを押し付けられる。また、跳ね除けられる力があるのなら、自分に不利益なルールを守らなくても構わない」という発想がごく当たり前に存在する。

 

 旧西側諸国の「ルールとは秩序。変えるなら慎重に手続きと手順を踏んで。だけどルールの穴を探したり、抜け道を見つけたりするのは止められまへんなぁ♪」とは根本的に発想が違うのだ。

 強者であろうが弱者だろうが、同じテーブルについてゲームをする以上、同じルールを守らなければならない。

 西洋における強者の特権とは、「ルールを制定する段階でいかに自分に有利なルールにするか?」で発揮され、制定した以上はそれを遵守するし遵守させる。

 世の不平等条約とはそうやって制定され、「決まった以上は文句を言うな。文句があるなら先ずルール自体を変えるように動け」という訳だ。

 

 

 

 つまり、何が言いたいかと言えば……

  ・現状には力がない。だから停戦合意もやむなし。

  ・されど力が戻ったらいつでも自分達にとり都合の悪いルールは力で覆せばいい

 とまあ脳筋型パワー・ポリティクスの権化というか……確かにユーラシア連邦と東アジア共和国らしい決断ではあるのだが。

 こうしてようやく二国は、「まずは地球連合内の話し合いのテーブル」に着き、腹の探り合いを始めるのだった。

 

 それは”カナーバの奇跡”に至る最初の達成条件と、2年後の”()()()()()()()()()()”の最初の達成条件を同時にクリアした事に他ならない。

 

 三大国家が地球連合として話し合いのテーブルに着いた以上、最終的に”ユニウス条約”に繋がる門戸は開かれた。

 そして、2年後……ユーラシア連邦は十分に力を取り戻したと自負するからこそジブリールの甘言に乗り、東アジア共和国はその尻馬に乗ることになるのだった。

 それがどのような結果を齎すかわからぬまま……

 

 しつこくなるが、ちょっとまとめてみる。

  ・大西洋連邦にとり、プラントとの”停戦=終戦”。どんな形であれ戦争は一度終わり、戦後という復興が必要な時代がやってくる。

  ・ユーラシア連邦と東アジア共和国にとり、プラントとの”停戦=一時休戦”。自分達の準備が整い、口実を作ればいつでも条約なりを破棄し「()()()()()()()()」。つまり戦後ではなく休戦期間扱いだ。

  

 これだけの意識の違いがあった。

 そして戦後、そして2年後、この意識の違いは大きな軋轢を生むことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




地球連合(コイツら)、そのうち自然分解すんじゃね?(挨拶

まあ、これまでそれらしいことをほのめかしてきましたが、いよいよアズラエル vs ジブリールだけでなく政府間レベルで軋轢が浮き彫りになってきました。

究極的には、大西洋連邦にとって”ユニウス条約=終戦合意”、ユーラシア連邦と東アジア共和国にとって”ユニウス条約=(一時)休戦合意”で、大西洋連邦にとってはこれはどちらかが条約を破棄するまで続くものであり、ユーラシア連邦と東アジア共和国にとっては休戦期間を決めてないだけで、自分達の都合で戦争再開できるって考え方なんですね。

う~ん……見事なまでのお国柄w
そりゃあ2年後、口実が向こうから降ってくれば、ジブリール喜んで開戦(戦争再開)の口火を切るわな~と。
ただ、大西洋連邦とオーブはめっちゃ乗り気じゃないという。
ただ、これでさえ原作よりは三大勢力の政治的整合性は取れているという恐ろしさw
原作C.E.、マジ地獄……

流石に次回は、ちょっとほっこりするネタと……オーブ絡みの政治ネタ、かなぁ。
あー、基本ギスギスな政治ネタ考えてると、和むキラとマリューの結婚式ネタとか早く書きたいな~とw
どうか応援よろしくお願いいたします。







☆☆☆


オマケ いや、今回色気もへったくれも無かったもんで……


【挿絵表示】
ネーナ:「ちょっと! それでなんで私がビーチに呼び出されてビキニを披露しなっきゃなんないのよっ!?」

いや、最近ネーナさんの出番なかったし、ずっとJS……じゃなかったマユで引っ張ると、本人ノリノリだけどシンに恨み買いそうだし。

ネーナ:「いや、出番ないって普通に仕事してたけど?」

知ってるって。
この世界線で、トリニティ兄妹って、わりと真っ当な”戦闘用コーディネーター”だしね。

ネーナ:「まあ、戦闘用に遺伝子調整(コーディネート)されてるって時点で、まともかって聞かれると怪しいけど」

いんや、「厄ネタの宝庫」のメンデル組に比べたらマシなんでね?
ネーナに至っちゃ、親戚=ビリーの嫁さん(デキ婚予定)とか出てるし。

ネーナ:「あー、あれも親戚と言えば親戚かぁ……いや、確かに遺伝子的にはつながりあるし」

逆にぃにぃズとは直接的な血縁とかこの世界線では無いんだよな?

ネーナ:「まあね。言ってしまえば義兄妹の契りを交わしたって感じかな?」

あっ、そこだけ三国志チックw
全く繋がりがないかと言えば、そうでもなくて受けた戦闘用って大雑把なコーディネートの方向性は一緒だし。

ネーナ:「まあ、私達にも色々あるのよ♪」

色々と謎というより隠しネタが多いチーム・トリニティでした。



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