【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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少し政治の話の続きに見せかけて、前半はほっこり後半はてんこ盛り……かな?
一応、戦後に向けての動きみたいです。




第180話 アズラエルの仕込み vs 愛妻の『こうかはばつぐんだ!』、オーブの戦後への布石 【挿絵入り】

 

 

 

(まあ、取りまとめ状況はこんなところでしょう。結局、この戦争でユーラシア連邦も東アジア共和国も損失ばかりで利益がなかった。大西洋連邦から流れた技術で多少は発展したでしょうけど、損益分岐点から考えれば完全に赤字でしょうし)

 

 さて、ここは大西洋連邦首都ワシントン、アズラエル邸。

 相変わらずこの男、重厚で豪奢な”お屋敷区画”じゃなくて、最新の家電に囲まれた妻の趣味である”庶民区画”を主生息域にしているらしい。

 

 それはさておき、現在吟味しているのは、現状の政治情勢を鑑みた”餌”の選定らしい。

 具体的には、ユーラシア連邦と東アジア共和国に供与するモビルスーツの吟味だ。

 幸いなことに、建前的には「ユーラシア連邦や東アジア共和国の技術や工業基盤でも量産できるように」とダウングレード・モビルスーツとして技術供与した”ダガー”のボロ……性能限界が露呈する前に戦争は終わりそうだ。

 というかパナマのEMP攻撃や宇宙でのガンマ線レーザー砲撃相手では、もはやモビルスーツの性能云々の話ではなかったのでそれも当然。

 

 大西洋連邦における表社会のトップに近い位置に居るアズラエルは各種情報を端末で確認しながら、

 

(ユーラシア連邦と東アジア共和国に嗅がせる鼻薬としては、例の”105ダガー”の簡易生産版(モンキーモデル)でいいですかね?)

 

 どうやらデータから見るに、ストライカーパック対応の改良型”ダガーL”っぽい。

 まあ、アズラエルの発想はわからなくはない。

 おそらく、表向きは「ユーラシア連邦と東アジア共和国にプラントとの停戦を飲ませる為のお為ごかし」、その手札として使うのだろう。

 だがその実、本当の目的は「彼らが確実に起こすであろう次の戦争」に対して、ある程度の方向性を持たせるためではないだろうか?

 人間という生き物は、一度手に入れた力という物を中々手放したがらない。

 そして、105ダガーの簡易量産版であっても、(この世界線の)”ダガー”の上位互換機であるダガーLであれば、現行ダガーとの部品互換性の高さとそれに基づく生産コストの安さ、「ユーラシア連邦と東アジア共和国のモビルスーツ技術水準でも、努力すれば量産できる機体」はかなり魅力的に映るはずだ。

 何より機体開発のコストを上昇させる”開発コスト”と”開発期間”を圧縮できるなら、普通は飛びつく。

 

 実は2年後、ユーラシア連邦と東アジア共和国はダガーLの正常発展型とも言える”スローターダガー”、大西洋連邦は量産型ストライクE()とも言える”ウィンダム”と汎用量産モビルスーツは枝分かれしてゆくのだが……まあ、それは後の話だ。

 今はそれより、

 

「”むったん”、何をやってるのかなぁ~? 今日はお休みだって言ってなかったっけ?」

 

 いかにも私怒ってます的な愛妻(シャル)の声が……

 

 

【挿絵表示】

「こ、これは何と言いますか……そ、そう! 趣味の世界情勢チェックですよ!」

 

 その言い訳がかなり苦しい物であることは、アズラエル自身も承知の上だろう。

 

「むぅ~」

 

 とシャル・アズラエルはむくれて、

 

 

【挿絵表示】

「うりゃ」

 

 徐にスカートをたくし上げた。

 

「!? シャ、シャルさん!?」

 

 妻の奇行に驚く”フリ”をするアズラエル。

 何故、フリと言い切れるかと言うと、視線が妻の16歳に固定された見た目と違和感ないシンプルな可愛い系パンツと太ももにロックオンされてるからだ。

 

「うんうん。ワーカホリック気味なむったんの視線をこっちに向けさせるのは、この方法が一番だわ♪」

 

「お願いですから、”それ”、外ではやらないでくださいね!?」

 

 と言いつつガン見するのをやめる気はないらしい。

 

「やらないよ? 別に露出趣味がある訳じゃないし」

 

 そう言いながらシャルはふわりと夫に抱きつき、

 

「休める時には休も? この先、ずっと忙しいんだし」

 

 そう耳元で囁く妻の小柄な肢体を抱きしめ返しながら、

 

「これでも相対的な仕事量は少し減ったんですよ? ”ロゴス”の盟主なんて厄介事、ジブリールに熨斗つけてくれてやりましたし」

 

 その代わりに大西洋連邦の復興長官になったのが、この男でありまして。

 

「でも、この先は長丁場だよ?」

 

 耳を甘嚙みしてくる妻に、

 

「えっと……ベッドルーム、行きます?」

 

「♡」

 

 しかし、この夫婦は気付かない。

 ドアの隙間から、三人娘が砂糖塗れの夫婦の様子の一部始終を覗き見していた事を。

 つまり……「男の目線を向けさせるスカートたくし上げ攻撃」は経験則として蓄積され、一子ではなく三娘相伝されてゆくことになる。

 旧版FSSに登場する、”剣聖(カイエン)でも喰らう”と評された「母ちゃんキック」のキック無しverとでも思っていただければ。

 そして後年、それはオーブで猛威を振るう事になる……かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 軍事的なあれこれは、何も大西洋連邦だけの話ではない。

 実はオーブからも代表首長ウズミ・ナラ・アスハより重大発表があった。

 

「新型機の配備に伴い、余剰となった旧型機を随時、友好国に供与する用意がある」

 

 この場合の旧型機とは現行の量産機、フラッグ、イナクト、ストライク・ティエレン・タオツーの前世代機、”リアルド”、”ヘリオン”、”タオツー以前のティエレン各タイプ”が該当する。

 そして、供与対象国として名が挙げられたのは当然、スカンジナビア王国や赤道連合などのオーブと友好関係を結ぶ中立国だ。

 

「これは、国際テロ組織”ザラ派ザフト”の残党の存在が確認されたための処置である。件のテロリストはテロ活動にモビルスーツを用いる傾向がある。対象国にはモビルスーツはなく、また従来の兵器体系ではモビルスーツに対抗するのは難しい。その対抗策としての供与となる」

 

 まあ、最もらしい理由だ。

 ヤキン・ドゥーエから命からがら逃げ出したザラ派残党が早速ダシに使われているのは失笑するが。

 だが、これだけではない。

 

「また、安全保障条約相手国である大西洋連邦とは現在、可変モビルスーツ”イナクト”の売却、将来的なライセンス生産権について協議中である」

 

 これは旧型機の話ではない。立派な現用機である、コーラサワーの初期装備である”イナクト”の話だ。

 

 無論、これには色々と裏事情がある。

 まず、これらのモビルスーツの肝である指向性マイクロウェーブやレーザーの無線送電装置、更にはその大本である宇宙太陽光発電/送電システムの大規模取引がある。

 スカンジナビア王国や赤道連合には大規模発電衛星・地上送電衛星、大西洋連邦はパナマ上空に設置予定の大規模静止軌道ステーション……これらは同盟国価格で割引販売しても、かなりの貿易黒字が発生する。

 ちなみに友好国には既に送電衛星サービスを行っているが、これはあくまでオーブのアメノミハシラから中継衛星を通して分電する”エイプリルフール・クライシス”に起因する非常時(戦時)の穴埋めであり、当然各国は「安いのであれば」他国の事情に左右されない自前の太陽光発電衛星を持ちたがる。

 一方的貿易黒字の危険性を旧宗旨国(にっぽん)の末路から学んでるオーブは、その補填を決めたのだ。

 そして現状、平時なら大して関心がもたれない兵器市場が大いに活況を示している。

 そこに目を付けたオーブは、次期主力機の開発と戦闘縮小による現用機の整備の時期と重なった事もあり、旧式機の一挙放出を決定したのだ。

 もちろん、無償供与という訳ではない。

 形式的にはFMS(=Foreign Military Sales:対外有償軍事支援)扱いだが、価格設定はリアルド、ヘリオン、旧型ティエレンに至っては原価という良心価格だ。

 というのもあくまでこれらのモビルスーツは太陽光発電設備関係施設の「おまけ扱い」となるからだ。

 ちなみに消耗品である保守部品や兵装などは別途、販売ないしライセンス生産権という形で対応となる。

 

 また、”大規模複合多目的軌道ステーション”という大物の為に販売金額の大きい大西洋連邦には、更にサービスとしてイナクトの友好国価格での独占販売、ライセンス生産権を付けることとなった。

 大西洋連邦にも”レイダー”という正規生産されている可変型モビルスーツはあるが、あれはどちらかと言えば制空戦闘機のような運用を前提としていた。

 だが実際、ただでさえ長い海岸線を持っていたのに南米までそこに加える羽目になった大西洋連邦にとり、受電可能エリアであれば大気圏内の単独長距離航空哨戒が可能なイナクトはかなり利便性の高い機体になると期待されている。

 何よりイナクトは調達コストも運用コストも低い。

 やらうと思えば西暦時代のF-15とF-16のような”可変モビルスーツのハイ&ローミックス”ができるのも大きな魅力だった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 しかし、これに激怒したのがユーラシア連邦と東アジア共和国だ。

 スカンジナビア王国や赤道連合と国境を接する二国は、

 

『オーブは、地域の軍事的緊張を無駄に増大させているっ!!』

 

 と声高に文句をつけてきたのだ。

 だが、それを聞いた外交代表のウナト・エマ・セイラン(休暇中)はしれっと、

 

 

【挿絵表示】

「オーブの国是は知ってると思ったがな? 今回供与するのは純粋な防御兵器の類だ。まだプラントやらザフトやらとの戦争も終わってないのに、スカンジナビア王国や赤道連合の国防能力が強化されたら困る理由でも両国にあるのかね?」

 

 と発言。

 いや、これは完全に煽りだ。

 

 

 

 正式な停戦はまだまだ先だろうが、こうして”戦後の秩序”は徐々に織り上げられてゆく。

 本当に戦争とはつくづく政治の一部だと実感できる時節である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、オーブとりあえず「ザラ派残党のテロ対策」という大義名分で、旧型モビルスーツ(ただしダガー程度には十分対抗可能)を友好国に大量放出&大西洋連邦にイナクトの本格輸出+ライセンス生産許諾とユーラシア連邦と東アジア共和国への嫌がらせ(?)を開始w

まあ、オーブは歴史背景的に連中のやり口を心得ていますからね~。
それはそれとして……シャルの「会心の一撃!」が見事に割とワーホリ気味のアズにゃんに命中しましたw
なるほど……こうやって娘三人は産まれたのかかと。
アズラエル夫妻、多分、戦争も終わりそうだし子作り再開かな?
いや、ホントむったん、愛妻の攻勢には精神防壁が紙装甲だな~。

実は前話の政治的泥合戦と繋がってないようで繋がっている話でした。
次回は、割とシリアヌなオーブの戦後に向けた国家首脳部会議の模様など……

どうか応援よろしくお願いいたします。


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