【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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ちょっと本日来客があり、投稿時間がずれました。

珍しくオーブなのにシリアヌに戦後体制が重鎮たちで話し合われるようですよ?




第181話 新型艦計画と”A-LAWS”ではなく”ARROWS”であることに注意されたし 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、オーブとしても対外軍事支援だけでなく、いやむしろ自国の国防計画により傾注しなくてはならない。

 言ってしまえば、これはそんな一幕だった。

 

「やはり、常備兵力58万6千の維持は不可能か……」

 

 そう難しい顔をするウズミ。

 

 さて、言うまでもなくここはヤラファス島にあるオーブ代表首長官邸。本日は戦後体制を見据えた次世代オーブ国防計画大網が、国家首脳部たちにより話し合われていた。

 オーブ軍58万6千人体制は、開戦直前までのオーブ軍の常備軍兵員定数だった。

 現在、戦争の激化によりこれに予備役の最大動員と、間口を広げた志願兵制度で集めた新兵まで含めると現状の総兵力は100万人近い状況になっていた。

 素晴らしい動員力と言いたいところだが、これは第三次動員まで行った予備役招集、オーブへの新移民(開戦後の移民)の多くがエイプリルフール・クライシスを経験しているために軍への志願率が高かったこと、そしてモルゲンレーテやソレスタルビーイングの社員を臨時徴用で軍属として兵力として換算してるからだ。

 作中、何度か出てきた話題だが、カガリもキラもオーブ三人娘も本来は軍属扱いで、「○○相当の臨時階級」という扱いなのだ。

 カガリはその動かせる戦力と国への影響力の大きさから大将相当、キラは新人ながらエース級だった為に臨時階級ながら昇進して現在はオーブ軍中尉待遇だ。

 ただ、現状では「柔軟な法的解釈」により軍属組も正規軍階級と同じ(=正規軍人扱い)とされている。

 ウズミとしては直ちに予備役の動員解除を行い、労働力として民事に戻し軍を戦前の規模に戻したいと思っているが……

 

「専守防衛(パッシブ・ディフェンス)の路線継承だったら、まあ例えば自動化の進んだモビルスーツ対応の新型艦、ほれネルソン級と置換する”テンリュウ級”とか、整備に旧型より手間のかからないモビルスーツの導入で人員浮かせてどうにかやり繰りできるが……」

 

 

 

 テンリュウ級航宙機動巡航艦

 現在、計画中のモビルスーツ母艦として運用することを前提とした次世代宇宙戦闘艦で、デザイン的にはその細長く鋭角的なシルエットから原作00のバイカル級航宙巡洋艦に酷似しているが、船首下部の突き出た”ラム・バウ”部分を除けば全長330mとオリジナルよりややダウンサイジングされている(それでもアガメムノン級より長いが)。

 イズモ級、アマギ級に続くユニット構造を用いた建造法が採用されており、建造コストの削減と工期の短縮、自動化による省力化をはじめとした徹底的な運用の合理化と効率化を目指している。

 また従来は戦艦級しか運用できなかったモビルスーツの運用を前提に設計された船ではあるが、固定武装も相応の備えがあり基本装備は垂直方向へも指向できるようになった”ゴットフリート改”連装4基8門、110cmレールガンの”ヴァリアント”単装2基2門、その他対空砲やミサイル用VLSなどが基本で、何となく「ローエングリンを装備しないアマギ級」という雰囲気がある。

 モビルスーツの運用能力は常用12機程度らしい。

 計画ではネームシップのテンリュウ以降、タツタ、クマ、タマ、キタカミ、オオイ、キソ、ナガラ、イスズ、ナトリ、ユラ、キヌ、アブクマ、センダイ、ジンツウ、ナカの合計16隻が建造予定となっていた。

 ネーミングは大日本帝国海軍の天龍型軽巡洋艦+5500トン型軽巡洋艦で、イズモ級ないしアマギ級1隻に対し現行のネルソン級と置換する形で2隻のテンリュウ級を貼り付ける事で1個機動艦隊の中核とする方針らしい。

 明らかに現状、艦隊単位でのモビルスーツの機動的運用数がザフトに劣る事を考慮した結果だ。

 現在、イズモ級・アマギ級共にモビルスーツ常用16機とする近代化改修を準備中なので、計画通りに進めば1個艦隊あたりのモビルスーツ運用数は常用で40機、最大で50機近くの機動的運用が可能になる予定だ。

 それらが全て完動状態なら将来的には8個艦隊、宇宙軍だけでモビルスーツ最大400機体制の運用になる。

 しかし、問題となるのは人員確保で……

 

 

【挿絵表示】

「本土攻撃を許しちまった以上、そうも言ってられんだろう?」

 

 オーブ本土直上防衛戦。

 ザフトで言う”オペレーション・スピットブレイク”は、オーブ側の防衛大成功として世間では認知されているが、本来ならば水際阻止が理想なのは言うまでもない。

 まあ、実はやろうと思えば本気で宇宙空間で1機も降ろさせず撃滅できた可能性もあるのだが……それはそれで後に悪影響を残しそうだった。

 それ以前にオーブの宇宙領土であるヘリオポリスの一件もある。

 

「受動的国防から能動的国防、アクティブ・ディフェンスへのドクトリン変更か……クラウゼヴィッツによれば、積極的防衛こそが最も攻撃的になるとされているが」

 

 するとウナトは苦笑して、

 

「そりゃそうだろうさ。積極的防衛ってのは敵にミサイル撃ち込まれる前にミサイル基地を潰せってのが基本だ。要するに『殺られる前に殺れ』だ。解釈によっちゃあ予防戦争自体がアクティブ・ディフェンスその物だからな」

 

 対して専守防衛と日本では知られる消極的防衛の骨子は、攻め込んできた敵にだけ対処する。ウナトの言い方を借りれば、『撃たれた後に飛んでくるミサイルを迎撃する』だ。

 

「しかし、ドクトリンの方針転換を行う以上、軍備の大幅な見直しがいる……オーブにおけるアクティブ・ディフェンスの導入は、領宙・領空・領海の外側で攻め寄せる敵を討つということだ。ウナト、どのくらいの兵力が常備軍として必要なのか最新の概算は出てるか?」

 

「最低常備兵力86万5千人だ。洋上戦力の強化も必須な以上、これ以下は中々な……」

 

 つまり戦前より30万人近く常備軍を増やすということだ。

 パッシブ・ディフェンスとアクティブ・ディフェンスの大きな差は、「自国の近辺で敵を叩くか、敵国の軍事拠点まで行って叩くか」、つまりは行軍距離と兵站補給まで含む投入戦力の差だ。

 当然、後者の方が戦闘エリアは広く、必要とされる兵力も当然、大きくなる。敵の防衛網を超えて攻撃するのだから当然といえるだろう。

 

「厳しいな……元々人口3000万の国家で60万人近い軍勢を維持するのにも難儀していたんだ」

 

 現在の日本を基準とすると、1億2000万人の国家で自衛隊は25万人程度、アメリカでさえも3億4500万人で143万人というところだ。

 現状のオーブがいかに無理して戦力を抽出しているかわかるだろう。

 

「まあ、移民は順調に増えているし出生率も高水準を維持している。一応、来年度には登録人口3300万人にはなるようだが……」

 

「まさか移民を全て軍人として就役させるわけにもいくまい? 老人や子供もだ」

 

 オーブへの移民が軍への志願者が多い理由は、勿論「地球のコーディネイターを”居ない者”として扱いエイプリルフール・クライシスを引き起こし、そのせいで故郷から追い出される羽目になった」事に対する怒りもあるだろう。

 だが、もうちょっと現実的に言えば……オーブに限った話ではないが、慣例的に人手が必要な戦時に従軍すると、国籍収得あるいは永住権や市民権などに優遇措置が取られやすい。

 例えばベトナム戦争の時、米国移民の中で従軍すれば優先的にグリーンカード(米国永住許可証)が得られたという事例がある。

 オーブも明記している訳ではないが……という奴である。

 実際、セルゲイ・スミルノフ、ソーマ・ピーリス義親子は、敵国扱いであるユーラシア連邦出身だというのに、即座にオーブ国籍を収得できている。

 

 

【挿絵表示】

「もう結論は一つしかないでしょう」

 

 そう発言したのは、

 

「政府直轄の常設緊急展開即応集団(タスクフォース)を正規軍とは別に設立し、相対的に軍の負担を減らす……そうすれば、計算上は正規軍の増強は80万人以下、装備の見直しを徹底すれば上手くゆけば75万人程度で抑えられるはずです」

 

 そう、オーブ首長国の最高意思決定会議にオブザーバーではなくワインレッドの衣をまとい正規参加者として場に座るカガリ・ユラ・アスハだった。

 そして、会議参加者に配布した”国家機密”のスタンプが押された資料を見やり、

 

「それこそが独立緊急展開部隊”アロウズ(ARROWS)の本懐であり、骨子なんですよ」

 

 

 

 独立緊急展開部隊”アロウズ(ARROWS)

 ローマ字表記が原作00の”A-LAWS”でないことに注意して頂きたい。

 ”ARROW”は”矢”の事であり、ARROWSとはそのまんま「束になって矢のように現場へすっ飛んでいく部隊」として名付けられた。

 つまりなんかの略語とか頭文字の並べ替えとかではなく、”ブルーインパルス”とかのようにイメージ優先、オーブ国民や大西洋連邦のような英語圏にも周知しやすいように子供でも覚えやすいようにこんな名前になったらしい。

 

「宇宙から大気圏まで何でもござれの万能艦”アークエンジェル”を軸に、20機以下のモビルスーツを運用する『火事場や鉄火場の火消し役』。軍事行動が必要な場合、その初動が大きく物をいう場合がある。しかし、正規軍を動かすのは手続きと手間が多すぎる。オーブ軍はシビリアンコントロール下にある軍隊です。民生の代表者である議会の承認なしに動かすわけには行かないから」

 

 そしてカガリは一呼吸置いて、

 

「ですが、それでは到底間に合わない場合が確かに存在した。例えば、”ケース・パナマ”がそうだったでしょう? あの時は法のグレーゾーンを突いて出動(第91話)しましたが、今後もそういう事態があると想定されるなら、これを契機に政府承認だけで動ける少数精鋭でフットワークの軽い部隊を創設すべきだ」

 

 言ってしまえば「モビルスーツを運用する即応特殊部隊」の創設だ。

 実際に太陽光発電システムの警備・警護に(少なくとも建前上は)限定されているとはいえ、ガンダム・マイスターという実際に少数精鋭の特殊戦力を運用してるからこその説得力がそこにあった。

 

「確かにその通りかもしれんし、パナマの実績が前例としてある以上、法的整備も可能だろう。だがな……」

 

 ウズミは苦悩の表情で、

 

「……それを飲めば、お前への負担がバカにできないものになる」

 

 だが逆にカガリは溜息を突いて、

 

「ご心配は嬉しいのですが……”ウズミ()()()()”、”ウナト()()()()”、今は国難です。もはや個人の負担云々を言っていられる時期はとっくに過ぎている」

 

「しかし、程なくこの戦いは終わるぞ?」

 

「分かっているでしょう? 今回の戦いは始まりにすぎないという事は」

 

 ウズミの言葉をカガリはぴしゃりと打ち切り、

 

「むしろ世界中に次の戦争の火種はばら撒かれている。だからこそ、最悪の事態を回避すべく、友好国に旧式モビルスーツをばら撒き、大西洋連邦に可変機の販売とライセンス生産権を与え、我々は軍備の方向性を転換させようとしている……」

 

「カガリ代表、”次の戦争”はどう見る?」

 

 ウナトの問いに、

 

「何が火種になるか分かりませんが、間違いなく”大火”はユーラシア連邦でしょうね」

 

 カガリは半ば確信をもって、

 

「”ロード・ジブリール”が戦争を望んでる以上は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、2年後に猛威を振るうであろう”アロウズ(ARROWS)”誕生秘話でした。

いくら(主にエイプリルフール・クライシスのおかげで)エネルギー事業の大成功などにより右肩上がりのオーブ経済とはいえ、流石に人口3300万人の国家で常備兵力86万5千人の正規軍を持つのは難しいので、このような形にするみたいですね。
いや、経済が好調なればこそ、人員を民需マーケットに回したいと考えるのは、政治家なら当然の事でしょうけど。
基本的に工業力とか国力って、最終的には労働力の総数がものを言うわけですし。

そして小豆色(ないしワインレッド)の法衣を纏いてしれっとオーブ最高意思決定会議に参加してるレア衣装のカガリw
オブザーバーではなくガチなのがなんとも。

そして、さり気に情報を差し込む新型戦闘艦”テンリュウ級”の情報。
ネームシップは「フフッ、怖いか?」とか宇宙艦娘化したら言いだすんでしょうか?
敵は深宇宙棲艦だったりしてw

一応、原作種運命の「ウナト体制のオーブ」と原作00の「”A-LAWS(アロウズ)”」のオマージュあるいはパロディなのですが、悪魔合体した結果、さっそく次回あたりから可笑しな方向へ流れる気配が……


次回は、苦悩するオヤジと種二次では比較的レアな原作キャラを出してみようかな~と。


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