【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
C.E.71年12月8日
さて、いよいよキラとマリューの結婚式当日である。
オーブにおける結婚式は、やはり再構築戦争(第三次世界大戦)と故国の喪失、暗黒時代にC.E.の始まりとオーブの建国といった歴史の激流の影響から、かつて披露宴やらお色直しやらあった「日本式の結婚式」とは大きく様変わりしていた。
身も蓋もない言い方をすれば、簡略化しているのが一般だ。
基本的に神前式など伝統様式にこだわりがないのであれば、むしろ全般的には西洋式に近い。
親族の顔合わせなどが必要な場合は式の前別途会食などでコンパクトに済ませ、結婚式当日の大まかな流れは、こんな感じだ。
新婦の親族(普通は新婦の父親)が花嫁を控室にまで迎えにいき新郎の待つヴァージョンロードの手前までエスコート。
その後、今度は花婿と花嫁は共にヴァージョンロードを歩き、祭壇の前で永遠の愛を神に誓う。
オーブが日本人の末裔だと如実に示すのはまさにここで、まず祭壇は確かにキリスト教風のそれだが……風なだけで厳密には正統なそれではなく、「慶事に相応しい祭壇っぽく見栄えのいい各会場で工夫を凝らす事が大事」であるという。
そう、本物のカソリックやプロテスタント様式ではないので、教会ではなく結婚式場にこんな「誓いの」施設があっても構わないという訳だ。
更にアバウトなのは愛を誓う神で、”唯一神の家”である教会ではなく式場であるなら基本的に何でもよい。
例えば、祭壇はキリスト教のそれっぽいのに祀られているのが土着宗教の豊穣神”ハウメア”やポリネシア一帯で広く信仰されている”カナロア”だなんてのは珍しくもなんともない。
加えて、誓いを問う教会なら神父なり牧師なりが務める役目が、神職者だけではなく推薦を受けた一般人なんてことも普通にある。
ある意味、簡易的な仲人役も兼ねているって感じだろうか?
宗教的な意味よりも、「誓う神は何であれ夫婦として誓う」事に意味がある……多分、そんな所だろう。
そして、お決まりの指輪交換と誓いのキスが〆となり、その後は会場を移してケーキカットを合図に参列者のバイキング形式の立食パーティーへと移行する……というのが大雑把な流れだ。
現代日本に比べると、大分カジュアルな感じになっているようだ。基本的にお色直しっていうのもやらないし、誓いの後は新郎はタキシード。新婦はウェディングドレスのままパーティーへと直行する。
さてさて、では肝心のキラとマリューの結婚式に移ろう。
因みに予約が取れたのは結婚式場、ランクは中の上ってところで、ハウメア祭壇&教会形式の”誓いの間”とパーティー会場がセット予約できるタイプ。
そして185話で語られたようにマリューにエスコートする親族は参列していないので、こういう場合は新郎であるキラが控室まで迎えに行きそのままエスコートするのが慣わしだ。
そして、親族席にはキラの両親が「二人の両親」として列席。
ちなみに双子の姉であることがメジャーではないが、特に隠す気もないカガリはラクスを連れ立って普通に親族席に座る予定だ。
いや、なんかそうなると血縁を勘ぐる以前の問題のような気がするが。
さて、そんな一幕を切り抜いてみると……
「う~、緊張する」
「ははっ。お前がそうなるなんて珍しいな?」
タキシードをばっちり決めたキラに、正装である”ワインレッド(小豆色)の衣”を纏うカガリ。
何というか、姉として祝福する気全開なようだ。
「そりゃ僕だって緊張するさ。あっ、でもカガリ……その式場代、ありがとう」
「なに。ご祝儀の代わりだ。浮いた金は子育てにでも使っておけ」
なんの話をしてるかと言うと、今でもオーブに残る”ご祝儀文化”。
いや、ご祝儀泥棒対策に全て電子(量子?)マネー化されているのは御愛嬌だが……要するに「結婚式に新婚生活に何かと入り用だろうからご祝儀する」というカンパに似た精神は健在であり、オーブの慣例としては式場を予約した段階で前金(予約金)を払い、ご祝儀が入った式後に残金を払うというのが一般的だ。
だが、招待状から式場を知ったカガリは、「ご祝儀の先払いは受け付けてるか?」と問い合わせ、オッケーとの事だった(例えば、式に参加できない招待者がご祝儀だけ贈ることもあるのでこれも一般的)残金を全部払ってしまったのだ。
式場から”残金が全額入金されました”の通知メールを見た時、キラはかなり驚いて「誰かが間違えて入金したのでは?」と会場に問い合わせ、カガリより「全額支払われた時に、キラ・ヤマトから連絡が入ったら私が払ったことを伝えてくれ」と言伝があったので情報開示。
キラが大慌てで確認すると、
『サプライズ大成功だな』
と上機嫌のカガリから返答。カガリ曰く、
『私はあまり金のかかる趣味は持ってないからな。こういう時くらい弟に貢がせろ』
と押し切ったらしい。まあ、確かにカガリに浪費癖が無いのは事実だが、さすがのラクスもこれには苦笑を禁じえなかったらしい。
「そういえば、ラクスは?」
「一足先に花嫁を拝みに行ってるぞ?」
こういうストライクでフリーダムな所は如何にもラクスだ。
「ただいま戻りましたわ~♪」
「よお、おかえり」
軽く手を上げて迎えるカガリに、
「にゅふふふ♡ 一足先にウェディングドレス姿のマリューさん、たっぷり堪能させていただきましたわ♪」
「それを新郎の僕の前で言うかな?」
と妙にそわそわしてるキラに、
「キラは後ほどしっかり見れるんだから、いいじゃないですの?」
「それはそうだけどさぁ」
「ケチな男は持てませんわよ?」
「マリューさんにだけモテれば問題ないよ」
「……中々良い切り返しですわね?」
軽く驚くラクスに、
「僕だって日々成長してるんだ。ずっと、いじられっぱなしって訳じゃないからね?」
「じゃれるのもいいが、キラ、そろそろ迎えに行く時間じゃないのか?」
そう左腕に巻いた、正装に合わせたのか伝統的なデザインの機械式クロノグラフを見やるカガリ。
やっぱりと言うべきか、どっからどう見てもメンズウォッチだ。ただしベルトはメタルバンドではなくレザーに変更されている。
というか”精巧な機械式時計の国産製造技術”がオーブに継承され根付き、この時代でも残っているのは中々に驚きだ。
「あっ、そうだった!」
と走りだそうとするキラに、
「せっかくのタキシードが乱れるぞ。こういう時くらいはエレガントに動け」
なんかイノベイドの1人が声的に言いだしそうなセリフを放つカガリに、
「子供ですわね♪」
クスクスと笑うラクス。
「わかったよ。あとラクスはうっさい」
なんだかいつもの三人であった。
⌚⌚⌚
控室にノックして入った瞬間、キラは絶句し、
「マリューさん、とっても綺麗だ……」
他に言うべき言葉が見つからなかった。
「そ、そう? 嬉しいわ♡」
そして、結婚式が始まる。
さて、いよいよシリーズ全体のクライマックス・シーンの一つ、もしキラルートというストーリーがあるとしたら、ベスト・エンドのシーンですね。
緊張のタキシード・キラにワインレッドの正装で参列のカガリ、なんかちょっとステージ衣装っぽくもあるドレスでちゃっかり先んじて花嫁姿を確認するラクス、そして……マタニティ・ウェディングドレス姿で微笑むマリュー……
とりあえず、「幸せが始まる」空気感が出てればな~と。
ちなみにサブタイは、初代OVA「ああっ女神さまっ」のED、”Congratulations!”からですね。
ちなみにこの曲、結婚式の報道とかのバックとかに良く流れているので、何気なく聴いてた皆さんもいるかもしれないです。
さて、次回はきらまりゅの結婚式の後編、レギュラーメンバー以外にもこう色々と顔を見せてくれる面々がw
どうか応援よろしくお願いいたします。
いや、今回と次回に関しては、祝福してもらえると嬉しいです。