【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

189 / 200
ヤマト姓に変わったマリューさんも、割とトンデモネー人だよねってエピソードです。





第189話 ”Multi-merit Twin Variable Phase Shift Armor” 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、身重のマリューさん連れて新婚旅行(ハネムーン)は流石に無理があるのでそこは流石にキラも自重。

 というか現状、安心して旅行できるのはオーブ国内くらいしかないのが哀しい現実だ。

 なので今年は新婚夫婦仲よく水入らずで、静かにクリスマスと年末年始を過ごす予定らしい。

 

 

【挿絵表示】

「キ~ラ君♡ えへへっ♡ ねぇ、遊ぼ♡」

 

”ぱぁぁぁん!”

 

 ……静かには噓だ。

 今日もヤマト家は賑やかになる……予定だ。

 あー、とりあえず『第175話 不穏のカナーバと不徳のキラ』でカガリが言及した”マリューの後遺症”とやらは順調に発症中。

 おかげで時折、子供のように無邪気に甘えてくる”瞳が♡の甘えん坊なマリューさん”が顔を出し、キラの”種割れHEAVEN状態(?)”が頻発していた。もっとも既にマリューの胎に子供がいるのに初夜もへったくれもないだろうが。

 まあ、最終的には最近容赦が無くなった姉が蛇咬掌(スネークバイト)でオチを付けてくれる(一瞬で絞め墜とすとも言う)ので、心配いらないだろう。

 というか、何となく甘え上手なマリューさんの時は、ちょっと覚醒(SEED)状態の亜種のような気がしないでもない。

 というのも……

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「キラ君、これ新しいモビルスーツの仕様書?」

 

 さて、マリューは産休でキラもまだ溜まった休暇を消化中の筈なのだが、流石に最低限のデータチェックくらいはしておかないと職場復帰した時に本人が仕事の付いていけなく困ることになる……長期休養明けの社会人なら誰もが経験することだ。

 要するに一日中ずっこんばっこんの大騒ぎしてる訳にもいかないってことだ。

 

「そうだよ」

 

 そう、キラが見ていた鹵獲された「ZGMF-X12A”テスタメント”」の技術資料だった。

 

「ザフトの隠し施設で鹵獲された核動力モビルスーツなんだけど、どうも目的がストライカーパックの技術実証機……というか、ザフトでも同じようなバックパックタイプの換装システムを作ろうとしていたみたいなんだ。多分、この”テスタメント”はそのテストベッドだったんじゃないかなって」

 

「ふ~ん。もしかしてモルゲンレーテとソレスタルビーイングで合同研究するの?」

 

「うん。テストベッド機として作られただけあって、ザフト・モビルスーツにしては冗長性や発展性、拡張性が高いから、コックピットブロックと動力部やバッテリー周りを入れ替えて、新技術実験・実証機にしようかって話が出てるみたい」

 

「例えば?」

 

「えっと……」

 

 キラは端末のデータを開いてマリューに見せる。

 今は産休中扱いとはいえ、マリューはモルゲンレーテお抱えの上級技術職、実は機密閲覧権限は上から数えた方が高いエキスパート・エンジニア登録だ。要するにキラが見れる資料ならマリューも閲覧できる権限がある。

 何というか……そこはかとなくモルゲンレーテの思惑を感じる配慮だ。

 

「マリューさんの専門分野だと、可変強度フェイズシフト素材やリニアレール可動のスライド式分割装甲構造とかかな? 後はミラージュコロイド関連の技術とか……」

 

 するとマリューは画面をのぞき込みながらピタッと頬をキラの頬にくっつけるようにしながら、

 

「ねえ、キラ君……ヴァリアブル・フェイズシフト装甲ってトランスフェイズ装甲の『センサーが衝撃や負荷を感知した時に通電して瞬時に装甲材をフェイズシフトさせる』機能を抽出して、その部分を可変電圧できるようにシステムを改良、アイドリング状態の最低限のフェイズシフト状態から最大強度まで自動あるいは任意で可変できるハイブリッド次世代フェイズシフト装甲……であってるわよね?」

 

「う、うん。人によっては『省エネモード付PS装甲』って言ってるけど……」

 

「肝はそこじゃなくて、その構造なら装甲表層部を可変電圧構造にできるから……ミラージュコロイドの制御ができるんじゃないかしら?」

 

「えっ?」

 

「えっとね……」

 

 マリューは自分の端末へ移動しつつ、

 

「結局、ミラージュコロイドって磁場・電磁場の干渉でコロイドを制御するから……多分、可変電圧構造を応用すれば装甲表層でミラージュコロイドのコントロール、例えばモビルスーツの装甲表面全体にゲシュマイディッヒ・パンツァーを展開する……みたいなことできるんじゃないかな?」

 

「えっ、でもそうしたらフェイズシフト装甲としては機能しなくなるんじゃ……」

 

「ううん。装甲内部のフェイズシフトは固定値にして表層電圧だけを可変、磁場発生器も装甲構造材に組み込むといいかな? ただ、これでも強度不足になるのは嫌だから、積層装甲……ヴァリアブル・トランスフェイズ装甲と二重装甲化するっていうのはどうかな?」

 

 つまり第一層のVPS素材は表層を磁場発生器と表層の電圧可変による電磁場形成でミラージュコロイドを能動的制御、装甲内部は可変ではなく固定値の(最低限の)フェイズシフトとする。つまりヴァリアブルとされる機能を装甲表面に集中させミラージュコロイドのコントロールに使うという発想だ。

 ただ、それでは物理攻撃に脆弱性を持ってしまうので、第二層にヴァリアブル・トランスフェイズ(VTP)素材を一種の内張り装甲(ライナー)として使うというのだ。

 VTP装甲は、その名の通りTP装甲から発展した物でセンサーによりディアクティブ(非通電)・モードから最大強度まで衝撃や応力、不可に応じてセンサーによる自動電圧変化で強度を可変させ最適化する、言わばVPS素材の兄弟素材だ。

 

「この方式のメリットって第一層もビーム歪曲だけじゃなくて最低限の防弾性も持つから、受けた衝撃を電気信号に変換してVTPのセンサーと連動させれば敵弾が到達する前に第二層が強度最適化できるのよね」

 

 実はトランスフェイズ装甲の欠点とされていたのは、表層の通常装甲が貫通されTP素材が強度を上げきる前に到達する場合が、特に弾速がある攻撃が命中した際にあったという事だった。

 ディアクティブないしアイドリング状態から通電させ一気にトランスフェイズさせる故の構造欠陥と言える。

 

「まず第一層でビームか実体弾かを判別し、実体弾なら貫通される前に第二層に情報伝達して強度を最適化する……うん。西暦時代の戦車とかでも多層装甲化は珍しくないし、この方式なら電力ロスも小さくて済むかな? むしろセンサー類や磁場発生器をコンパクト化して二層装甲とオールインワンのパッケージにした方がいいかも……それなら構造を単純化できるし」

 

 マリューはそう呟きながらタッチペンを動かし、概略図を仕上げて行く。

 

「これ、コンピュータの性能と電力量が十分なら、ステルスモードとゲシュマイディッヒ・パンツァーを切り替えられる……だけじゃなくて、確か”フォビドゥンブルー”ってゲシュマイディッヒ・パンツァーで水圧制御してたのよね? 同じ流体なんだから大気もいけるんじゃなかしら? ビーム防御に使わないときのゲシュマイディッヒ・パンツァーを大気の整流制御に使えば……うん。空力断熱圧縮も上手く逃がせそう」

 

 何やらマリューは楽しくなってきたらしい。

 戦闘力がほとんど0のこの世界線のマリュー・ラミアス改めマリュー・ヤマト女史、どうやら生粋の頭脳労働派であるようだ。

 しかも割と秀才肌……いや、もしかしたら天才肌かもしれない技術屋ときてる。

 存外に似た者夫婦なのかもしれない。

 

 

【挿絵表示】

「うん♪ こんな感じかな? キラ君、VPSの発展型コンセプト・デザインできたわよ~♪」

 

 そのデザイン・スケッチを見てキラはギョッとした。

 

(す、凄い! 対ビーム/対物理防御に加えて、安全な大気圏突入まで考慮されてる……おまけに構造的にも予算的にも十分に実現可能だ……)

 

 既存技術の組み合わせだというのに、その性能はぶっちゃけ”原作フェムテク装甲なんぞナンボのもんじゃい!”と言ってるようであった。

 

「マリューさん……このデータ、コピーしていい?」

 

「いいわよ? ただのアイデア・スケッチみたいなものだし。あっ、でもその装甲、割と欠点があるかも……」

 

「どんな?」

 

「一応、省エネデザインにはしたけど……多分、電力消費量的に核動力機とかじゃないと使い物にならないかな?」

 

 それは果たして、あってないような欠点な気がする。

 

「ところで、これって名前とか決めてる?」

 

「う~ん……安直だけど、”Multi-merit Twin Variable Phase Shift Armor””MTVPS装甲”とかどうかな?」

 

「いいと思うよ♪」

 

 ちなみに後にMTの発音をもじって”マイティーVPS装甲”や”マイティーアーマー”などとも呼ばれる事になる、オーブの一部の機体の防御力を著しく引き上げる”夢の装甲”が産声を上げた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 

 

 

 さて後日……

 

『急な話で悪いんだが、マリュー』

 

 義理の姉からTV唐突に電話が入り、

 

『産休明けで構わんから、キラと同じく私直轄の独立緊急展開部隊”アロウズ(ARROWS)”の技術部に入って欲しいんだ。テレワークでいいから開発に加わって欲しいプロジェクトがある。ああ、』

 

 戸惑うマリューに、

 

エクリプス(ECLIPSE)って長距離哨戒モビルスーツのな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




荒事とかにはとことん向いてないけど、”甘えん坊モード”が実際(大体、キラが悪い)されようと、その頭脳に陰り無しのマリューさん概念w

むしろ、いい感じでストレス発散だかガス抜きがだかができるようになったので、スペックが上がった疑惑が。
特にキラが側にいるとバフがかかる感じか?
そんな訳で、片手間で新装甲の概念を組み上げてしまいましたが……
そうであるがゆえにカガリに一本釣りされてしまった訳ですがw

さて、次回は年の瀬のオーブの日常風景などを……

どうか応援よろしくお願いいたします。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。