【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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日常パートに見せかけた、戦後オーブの立ち位置など。
あと、ラクス様w






第190話 クリスマス前のオーブの情景、そして久々の配信など 【挿絵入り】

 

 

 

 

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「お兄ちゃん、デートいっくよぉ~♪」

 

 

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「いや、デートじゃなくてクリスマス準備の買い物だからな?」

 

 そう、ヤマト家のお隣さん、アスカ主任の子供である仲良し兄妹シン&マユだ。

 確かに今は12月半ばでクリスマスももう間近、赤道のすぐそば常夏の国オーブでは現代日本人の感覚だとやや風情や情緒に欠けるが、まあこれがこの国の人々の楽しみ方だ。

 少し重く言えば、祖国を失った民族の末裔にしては、まあまあ平和な光景だろう。

 

 とはいえ、世界情勢を見ればそうも言ってられない状況が続いていた。

 地球連合内の三大国家の意見調整は佳境に入り事務次官協議から国家元首の会合へと繋がろうとしていた。

 

 プラントはプラントで、ザラ派の身柄確保に多大な量力を割いていた。

 停戦合意をしようかという時期にザラ派残党の地球連合あるいはナチュラルに対するテロなど冗談ではなかった。

 カナーバは、今のプラントの置かれた状態が如何に”薄氷の上にあるか”を説いて回る羽目になっていたのだ。

 確かにユーラシア連邦と東アジア共和国が今すぐプラントをどうにかできる宇宙戦力を持ち合わせていないが、オーブと大西洋連邦にはそれがあるという事を都合よく忘れているプラント市民が多すぎたせいだ。。

 特に大西洋連邦は、結局はジェネシスやヤキン・ドゥーエ攻略では使わずじまいだった核ミサイルを数多く保有しているのだ。

 いや……正直、保有艦艇・モビルスーツの多い大西洋連邦と、性能に勝るオーブが徒党を組み今、プラント本国まで押し込まれたら核兵器なぞ使わず通常兵器のみでプラントの砂時計型コロニーはすべて破壊されるという事実を、多くのプラントのコーディネーターは現実として認識していなかった。

 

 何を根拠にしているかわからないが、プラント市民の多くは「守りに徹すれば現有の防衛隊でもプラント防衛は可能」だと考えていた。

 カナーバに言わせれば妄言や妄想の類だが……もしかしたら、そうでも思わないと精神の均衡が保てないのかもしれない。

 

 プラントは防御に徹し、ユーラシア連邦と東アジア共和国は特に宇宙兵力が枯渇しており、大西洋連邦は戦争継続する意思がないという状況のため、プラントと地球連合の間ですでに大きな戦いは起こりえないが、事態は色々と動いている。

 オーブに直接関係ある話としては、大西洋連邦が正式に「ニューギニア島東部(東半分)はオーブ領土である」と公式に発言し、公文書に署名したことであろう。

 『第98話 オーブにも係争地問題があるんだよーという話と”八・八作戦”』でも書いたが、ニューギニア島東部(21世紀だとパプアニューギニア)は、オーブと大洋州連合の係争地となっていた。

 実効支配していたのはオーブだが、大洋州連合は虎視眈々と”奪還”を狙っており、戦争前半期(オーブ参戦前)においてモビルスーツの優位性を生かして予想外に地球連合を圧倒したプラント・ザフトと大洋州連合が手を組むことになった遠因の一つは、この領土問題にもあった。

 

 ニューギニア島と言えば、21世紀でもLNG(液化天然ガス)、原油、金、銅、コバルト、木材、水産物、パーム油、コーヒー、 コプラなど豊富な天然資源や地下資源があることが知られているが、鉱物資源の多くが未採掘の状況で第三次世界大戦(再構築戦争)が始まった為に、地下資源や周辺の海底資源に関しては、ほぼ手付かずという状況であるらしい。

 それ以上にオーブとしてニューギニア島東部を欲しがるのは、旧宗旨国(にっぽん)時代からのある悲願があったからだ。

 曰く、「食料自給率100%を目指す」

 

 いずれ機会を見てちゃんとその時代を書きたいと思うが……

 第三次世界大戦は全体としては生物・化学兵器までも使われたが、核戦争としては全面核戦争ではなく「限定核戦争」の域に収まる規模であったと推察される(人類が絶滅していないのがその理由)。

 そして、結果として引き起こされた地球の人工的な寒冷化「核の冬」は至って小規模になる筈だったが……これも宿命(さだめ)か?

 本来、それまでの地球温暖化と相殺される程度の気温下降だった筈だが……太陽の活動低下期、つまり太陽黒点が発生しない「小氷期」が同時に訪れたのだ。

 規模としては「テムズ川が凍り付いてスケートができた」とされる14世紀半ばから19世紀半ばにかけての時期と同程度かそれを気温換算でやや下回る程度だったが……当然のようにそれは、大規模な飢饉と疫病を齎せた。

 状況は中世のそれよりさらに悪かった。

 放射能汚染物質と化学兵器で大気・水質・土壌が汚染され、生物兵器がレトルウイルスと結びついて新たな伝染病を生み出した。

 そして、核戦争の影響で電力網が死に流通が途絶え、食料も医薬品も生み出せなくなった。

 気温の急落により多くの旧来の生態系は破壊され、海流も気流も地球規模で変動を起こした。

 夏らしい夏が来ないだけでも、農業は容易く破壊されるし、燃料がなければ温室などで人工的な温度上昇による促成も望めない。

 世界各地でなんとか主要部の電力網の復旧を試みたが、燃料が届かねば火力発電は動かず、湖が中まで凍れば水力発電はできない。

 風力発電は地球規模の気流変動でかつてほどの電力は生み出せず、原子力も保守部品や反応物質が尽きればそこで終わりだ。

 また露天掘りなど最低限の労力で掘り出せそうな、石炭などの手軽なエネルギー資源は枯渇気味だった事も災いした。

 

 つまり、「汚染や資源枯渇のある状態で、蒸気機関開発前の文明水準に人類は衰退した」のだ。

 放射能による遺伝子の劣化が蝕む中、疫病や飢饉に人類は恐ろしく弱くなっていた。

 第三次世界大戦による文明崩壊で西暦という概念が消滅してから、C.E.が始まるまでの100年以上を”暗黒期”と呼称することが多いが、最近の研究では第三次世界大戦での直接的な死者よりも、その後の飢饉や疫病で死んだ人類の方がずっと多いことが判明したらしい。

 例えば、西暦時代に発現しなかった新種の疫病ではなく、発現が予見されていた”H5N1亜種インフルエンザ”が世界的な流行をした時、その致死率は30%にも達したらしい。

 それもそのはずで、一説には全世界で5000万人の死者を出した”スペイン風邪(H1N1型インフルエンザ)”は弱毒性であり、致死率は2~2.5%だった。

 しかし、H5N1は()()()であり、医療システムがそれなりに整った西暦末期でもパンデミックすれば先進国でも致死率は最大10%、途上国で最大15%に達すると予見されていたのだ。

 それが文明が崩壊した世界で蔓延すればどうなるかは想像に難くないだろう。

 

 西暦時代、100億に迫ろうかとした人類が最悪の時期は推定人口20億人以下(15億人強という試算まである)まで減らした背景には、医薬品不足もさることながら根本的に食糧不足があったのだろう。

 日本という国が終焉を迎え歴史用語となろうとした時代、その領土だった弓状列島の人口は2000万人を割り込むほどだったらしい。

 

 「食料輸入が一切途絶えた飢餓地獄」の歴史を知っているからこそ、現在のオーブ人はかつての日本人以上に食料の確保に熱意と執念を燃やすのだった。

 とはいえ、ニューギニア島の東半分が領土として確定すれば、21世紀現在の日本領土より広くなるため、農地開拓にしても現在の人口では一苦労だ。

 既に実効支配しているので大きな街はあるし、例えばポートモレスビーやラエはそれなりに都会だが、やはりどれほど機械化・自動化が進んでも本格的な農地開発・資源開発を行うには人手不足なのは否めない。

 故に戦中から増えている各国から迫害・排斥されたコーディネーターやハーフコーディネイターを中心とする移民の多くは、このニューギニア島東部に配されつことになった。

 防衛兵力の駐屯地や基地を兼ねたオーブ国防軍の大規模演習場はあるし、防衛や治安も問題なく、ぶっちゃけてしまうと移民の生活基盤の安定化が最優先とされた。

 オーブで農民をやると、まあ凡そ食いっぱぐれることはない。食料の安定供給が国家の優先事項として高く、また貧困が犯罪の温床となることをよく知っている政府は、相応に法整備を進めていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 無論、大洋州連合も大西洋連邦の「ニューギニア島東部はオーブ領として確定」に”はいそうですか”と即座に納得したわけでは無い。

 当然、反発する訳だが……

  ・結果として。パトリック・ザラに味方した国家=地球人類の裏切者

  ・カーペンタリア湾には、大西洋連邦軍が進駐中(第98話参照)

 という状況で、国際社会で派手に弁舌を振るう事ができなくなっていた。

 特に「パトリック・ザラやザラ派がプラントの主流になっても味方していた」という国際認知が大きく影響しており、大洋州連合は事実上、地球上での国際発言権を喪失していたのだ。

 例えオーブの国力増大が大変面白くないユーラシア連邦と東アジア共和国であっても、「パトリック・ザラに味方した大洋州連合」を面と向かって擁護するのは難しいのだ。

 何しろ、パトリック・ザラの狭軌の産物、”ジェネシス”の砲撃を食らったのは他の誰でもない、ユーラシア連邦と東アジア共和国の宇宙艦隊であり、そのせいで両国の宇宙戦力は壊滅の憂き目を見ている。

 また、そのガンマ線レーザーの二射で死んだ100万人以上の軍人(艦隊乗組員だけでなく、クレーターの基地要員も犠牲者となったのでそれだけ膨れ上がった)の遺族も下手に大洋州連合の肩を持てば黙ってはいないだろう。

 ユーラシア連邦と東アジア共和国は中心国の西暦時代から市民運動が効果的なお国柄ではないが、逆に軍人や退役軍人会の力は強い。

 また軍人の家系が、一族が軍人となる事を名誉とするという風潮があるので当然、遺族は現役・退役軍人や軍属が多い……つまり国家として無視できるものでは無い。

 

 故に地球上の国家で面と向かって大洋州連合の味方をする国はなく、そのため沈黙するしかなかったのだ。

 ユーラシア連邦と東アジア共和国はニューギニア島東部の正式なオーブ領化に対して積極的肯定するつもりもなかったので同じく沈黙した。

 ただ、この場合の沈黙は”黙認”と同じだと認識される。両国はそれを理解した上で、「下手に反対する発言をして、大洋州連合に味方すると国内外に思われるよりはマシ」と結論したようだ。

 結局、ニューギニア島東部の係争問題など自国の利益に結びつく物ではない=他人事なのだから、それで良いと。まあ、膨大な国土を持つユーラシア連邦と東アジア共和国にとり、オーブが実効支配してきた”猫の額程度の狭い土地”が正式に組み込まれたと言っても、現状は大して変わらないという認識だった。

 確かに額面的にはその通りではあるが……シーゲルパパやマレッタなんかをはじめとした多くの移民がここを安住の地と定め、故郷とする事の意味を気づく者は、まだどこにもいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、程よく世界がキナ臭さを残す中……

 

 

 

 

【挿絵表示】

『皆様のお耳の恋人、戦場帰りのラクス・クラインがお届けする”らくらく☆ちゃんねる”、なんか久しぶりの生配信ですわね~』

 

Anzai :せ、戦場帰り

 

ごとP :さらっとトンデモネー事言うなこの歌姫

 

明久 :ラクス、よく無事で! 僕は猛烈に感動している!

 

みや吉:明久さん、ちーす

 

Mama :ラクちゃんが無事に帰ってきてママは嬉しいわ~♡

 

 ※HN”明久”は、熱いコメント(笑)で有名な古参リスナーの一人。”らくちゃん”のリスナー間でも一定の人気を誇る。正体はお察しの通りだと思うが、何故、あるいはどうやって/どうして接続できているのかは不明(基本、オーブはユーラシア連邦と東アジア共和国、大洋州連合からのアクセスはプレクシーを通そうが自動ブロックされる筈だが……)

 

『皆様、ご心配ありがとうございますわ♡ とは言ってもわたくしがしたことと言えば、戦場でほとんど歌っていただけなのですけどね』

 

 ※この時点では政治的な理由でラクスが実はボアズとヤキン・ドゥーエに限れば撃墜スコアは上から数えた方が早く、おまけにジェネシスにトドメを刺したエースの片割れだということは公表されていないので、公式的にはこの発言で問題ない。

 そもそもオーブ軍の方針として、想定される面倒事を避けるため論功行賞は別として”軍属扱い”の者のスコアはあまり公表しないようである。

 

『熱気バサラ様との違いは、ちゃんと軍の許可を取って……というか、むしろ軍からお願いされて歌ったことですわね♪ なので今回の”戦場で歌ってみた”動画は、ちょっと軍の管轄なので残念ながらアップはできませんわ。あっ、でもそのうち歌自体は撮りなおしてアップしますので楽しみにしてくださいませ♪』

 

 ※そりゃ映っちゃいけない物が色々映ってるので。ぶちゃけ軍機扱いの物ばっかの動画になってしまった。

 

KENT :何でもかんでも機密扱いするいつもの軍の横暴

 

ぶち丸:まあ、しゃーねーべ

 

紅  :元プラントの歌姫をザフトにぶつける鬼畜外道っぷりwww

 

『それが政治という物ですわね。とはいえ、久しぶりの生配信で、何も新情報が無いのは寂しいですもの。なので重大発表がありますわ♪』

 

Anzai :えっ?

 

ごとP :えっ?

 

明久 :えっ?

 

『わたくし、今度とある女の子をプロデュースしてネットアイドル☆デビューさせる事にしましたの♪』

 

Mama :ワクワク♪

 

ぶち丸:なんかママが挙動不審なんだが?

 

『という訳で……ちぇーんじ・アイコン、スイッチオンですわ!』

 

紅  :ゲッタ○かいッ!?w

 

 

【挿絵表示】

『じゃん♪ ”ラクスP”、華麗に爆誕ですわ~。ママ、素敵なイラストありがとうございます♡』

 

 

 

 どうやらミーアのお披露目準備は順調なようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、シン初イラスト化&マユ本編初登場(前は通話のみだった……筈)です。
ついでにニューギニア島東部のオーブ正式領土化。

それにしてもこの世界線の地球、書いておいてなんだけど過去に人が死に過ぎだなぁ~と。
まあ、文明崩壊した世紀末的世界で、放射能汚染+小氷河期による食糧不足+強毒性インフルエンザが世界的パンデミックしたらそりゃあ、こうもなるかと。

加えてラクス様、久しぶりの生配信。
実際のリプはもっとあるはずですが、話の都合上、簡易版ということでお願いします。
そして、アイドル&ラクPのSDアイコンをお披露目でしたw

ちなみにまさに南アメリカのシゲル・クライシ氏(笑)率いる”隠里組”が入植するのが、このニューギニア島東部だったりします。
そして、どうやら順調に進んでいるらしいミーアの調きょ……レッスンw

ちなみにリスナーの一人は明らかにどっかの金髪小僧(オルフェ)っぽいですが……なんでユーラシア連邦からはアクセスできないはずのソレスタルビーイングのサーバ管理のチャンネルにアクセスできてるんでしょうかねぇ~(スットボケー

さて、次回はちょっと急展開の予感?

どうか応援よろしくお願いいたします。



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