【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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今回は、オーブの年末年始とニューカマーのお披露目イベント回?






第192話 C.E.72年、開始。伊邪那美命と村雨 【挿絵入り】

 

 

 

 

【挿絵表示】

「うふふ♪ 可愛いでしょ?」

 

 まさに(オーブ)のような愛らしい赤子を抱いて、マリューは微笑む。

 翌12月25日もヤマト家はてんやわんやの大騒ぎで、キラは「産んでくれてありがとう!!」とマリューの手を握り泣くし、「生まれてきてくれてありがとう……」と自分の子を抱きしめて泣くしといった具合だ。

 

 流石に出産直後に押し掛けるのも無粋という訳で、とりあえず仕事納め明けの12月28日にカガリとラクスがマリューの病室(個室)を訪れたのが第一陣という訳だ。

 もっとも、母子ともにきわめて健康、産後の肥立ちも良好で大晦日には退院できそうだということだ。

 年末はともかく、新年は自宅で迎えられることにマリューは心なしか嬉しそうだった。

 

「何となくだが、夫婦の遺伝子をバランス良く取り込んでいる気がするな」

 

 髪色はどちらかと言えばキラ寄りで、瞳はマリューと同じくブラウン系だったりする。

 

「ところで、もうお名前は決めたのですの?」

 

 ラクスの言葉に頷き、

 

「ええ。キラ君とお義母さまとお義父さまと相談して……えっと、()()ちゃんってつけようと思うの」

 

「ほう。”ミナ・ヤマト”か……悪くないな」

 

 その後勘の良さにカガリは感心しながら、

 

「”ミナ”ってのは国によって様々な意味を持つ。スペイン語なら”宝の山”、サンスクリット語で”楽しい”、ペルシャ語なら”紺碧”、ラピスラズリの別名ってのもあったな」

 

 世界各国の言語から良い意味を選りすぐって羅列する博識なカガリだが……これは何の因果だろうか?

 おそらく多くの者にとり、ガンダムSEEDという作品で”ミナ”と呼ばれる人物はおそらく一人しか該当しないと思う。

 そう、外伝に登場する”ロンド・ミナ・サハク”だ。

 

 何度か言及しているが、この世界線においてC.E.71年12月時点でサハク家は存在しない。

 過去に存在したかも不明だが、五大氏族と呼ばれる場合は既存の四大氏族にセイラン家を加えた言い方だ。

 実際、旧来の四大氏族制度を五大氏族制度にする改革は、ウズミの戦後処理の一環としてすでに行われていて、C.E.72年4月の新年度を目途にウズミが退陣し、セイラン家を加えた五大氏族制度への移行とウナトの代表首長就任は既に既定路線だ。

 

 そして、まさにこのタイミングでキラとマリューの間に、それもクリスマス・イブに女の子が生まれて”ミナ”と名づけられる……これに因果を感じずにいられるだろうか?

 

「あと、強いて言うなら”美那”とあて、和名表記で”大和 美那”とするなら伊邪那美命に通じるって感じもするな。大和は旧宗旨国(にっぽん)の古代名の一つだし」

 

 ただ、それでも因果から外れてる部分も確かに存在する。

 例えば、この世界線のミナは第一世代コーディネイターなどではなく、キラとマリューの間に産まれた”()()()()()()()()()()()”だ。

 そして、原作での双子の弟”ギナ”も存在しない。

 下世話な話になるが、マリューが退院して直ぐに種付けするとしても、弟(妹になるかもしれない)が産まれるのはどんなに早くてもC.E.72年の秋ぐらいだろう。

 

 原作での「ハーフコーディネイターの悲惨な境遇」から心配な方もいるかもしれないが、少なくともこの世界線のオーブでは心配ご無用。

 「ナチュラルとコーディネイターの共存共栄」を国是に掲げるお国柄だけあり、「ハーフコーディネイターはナチュラルとコーディネイターの友愛の象徴」と認知されていて、露骨な優遇政策・保護政策などはないがむしろ世間的には珍重される部類だ。

 つまり、オーブにおいてはハーフコーディネイターのテロ組織”アンティ・ファクティス”が暗躍できる土壌自体が存在していない。

 蛇足ながらオーブで最も嫌われる行為の一つは、「ハーフコーディネイターをダシにしたナチュラルとコーディネイターの分断(離間)工作」で、元々種族分断工作自体が嫌われるのに、これを国内でやった輩は徹底的に操作され、背後関係を執念深く洗われた挙句に厳罰処分、高確率で国家反逆罪の系譜の罪に処されるのが常だ。

 オーブにおいてはこの手の工作は、国家の根幹を揺るがしかねない大事と認識、国内外問わず放置という選択肢はない。

 特に「ナチュラルとコーディネイターの分断・離間を増長させるような事象」は、国是的にオーブに対する否定と挑戦と見做される。

 

 

 

 とまあ、堅苦しい政治だの種族だのの話は差し置いて……

 予定通り、十分に回復したマリューと娘のミナは、キラが運転する新車に乗って大晦日に帰宅する事になる。

 そう、キラは長期休暇を利用して、ついに念願だった自動車運転免許証と自家用車をゲットしていた。

 車種はフルサイズのRV車、2024年時点で一番イメージに近いのは300系ランクルのGRスポーツモデルだろうか?

 質実剛健な車を選ぶ当たり、キラも割と軍人生活の影響が出ている……という訳ではなく、きっと家族でのアウトドア・レジャーも視野に入れた将来計画を練っているに違いない。

 それと比較的大柄な車だけあってニコルとヒリングやオルガ達が遊びに来た時も重宝するだろう。

 原作アスランがオープンスポーツばっかりに乗っていたことと比較すると面白い。

 

 キラはモビルスーツに乗せるとブッコミ上等だが、車は安全運転。まあ、大事な家族を乗せているのだから当然だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

年のはじめの ためしとて

終なき世の  めでたさを

松竹たてて  かどごとに

祝う今日こそ たのしけれ

 

初日のひかり さしいでて

四方に輝く  今朝のそら

君がみかげに たぐえつつ

仰ぎ見るこそ 尊けれ

 

 

 

 大晦日はバタバタしてしまったが、ヤマト家は新たな家族も増え、未だにオーブで歌い継がれる新年を祝う”一月一日”の歌詞の如く大変お目出度い正月となったようだ。

 流石に元旦からからヤマト家を訪れる無粋者はいなかったが、二日からは年賀挨拶も兼ねてキラとマリューの第一子”ミナ”の顔を見るため、お年玉代わりのお年賀と出産祝いを手に多くの来客があった。

 

 

【挿絵表示】

「あけましておめでとうございます。わざわざ来ていただいて、ありがとうございます」

 

 赤子に負担がかからないように抱きながら来客者に微笑むマリューはすっかり母の顔になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 順風満帆と言っていいヤマト家は良いとして、正月休みなぞ知った事かと言わんばかりに社畜……いや、趣味人共は突っ走っていた。

 例えば、モルゲンレーテでは……

 

「ようやくここまで形になったか……MVF-MX11、いや”ムラサメ”よ」

 

 と担当開発者のチーフが、注連縄(しめなわ)が飾られた次世代標準動力可変モビルスーツの雛形”試製ムラサメ”を感慨深く見ていた。

 「シャルのパンツ見せ回」こと第180話の中で『次期主力機の開発』の話がチラッと出たと思う。

 この場合の主力機とは『()()主力』のことを指す。

 

 ここで特殊機主体の”アロウズ(ARROWS)”はさておき、大して皆様は興味ないかもしれないが……オーブ正規軍の戦後ドクトリンの大筋も少し踏まえて話しておこう。

 

 まず今次大戦でも大活躍したフラッグ隊とGN-X(ジンクス)隊だ。

 まずフラッグ隊なのだがGN-T(疑似太陽炉)を搭載した”GNフラッグ・グラハムカスタム”の性能と実戦運用が良好だったために現行のオーバーフラッグ全機がG()N()オーバーフラッグ”へと改修される運びとなり、同時に管轄が”アロウズ”へと移管される事になった。

 侵攻能力と浸透能力の高いGNオーバーフラッグの特性を考えれば、確かに適材適所とも言える配置だった。

 また、GN-Xは軍の管轄のままだがGN-Xは試作機という位置づけであり、全身のGN粒子関連装置が小型化され、両肩に大型装備用のハードポイントが増設されるなど設計全体を多方面にブラッシュアップした本格量産型”GN-XⅡ”が開発中で、それが正規軍に配備される事も決まっていたが……

 

 肝心のGN-Tの製造元であるソレスタルビーイングの量産限界と、何よりGN-T自体が半ばブラックボックスとしてユニット化されている為、軍では通常メンテくらいしかできず、重度の不具合やオーバーホールが必要な場合はソレスタルビーイングに持ち込むしかないという事情、また通常動力機に比べてコスト高という事もあり、全機のモビルスーツをGN-XⅡにするのは非合理と考えられた。

 また核動力機なのだが……これはニュートロンジャマー・キャンセラー自体の製造コストが高く、量産機に使うならば軍としてはより少数で核動力化のメリットが大きい水中戦用モビルスーツに使いたいと考えていた。

 ニューギニア島東部のオーブへの制式編入で守るべき海岸線が一気に増えたために、この手の機体の必要性が急上昇していたのだ。

 実際、同じくモルゲンレーテ社では、鹵獲したザフトの水中戦用モビルスーツと引き換えに大西洋連邦から技術供与と実機の提供を受けた水中戦用モビルスーツ”フォビドゥンブルー”を叩き台に核動力化した”仮称:Nフォビドゥン・オーブ”を開発中であり、核動力はそちらに優先的に回される事になっていた。

 

 無論、バッテリー駆動の通常動力機としてはストライカーパック対応で汎用性が高い”ストライク・ティエレン・タオツー”があるが、やはりオーブとしては「航空機のように長距離哨戒任務にも無理なく使える」モビルスーツが、それもある程度の数を揃えられる形で必要だった。

 特に国家ドクトリンが、パッシブ・ディフェンスからアクティブ・ディフェンスに切り替わった事により、新造される水上航空(モビルスーツ)母艦との運用も考えなくてはならなくなったのも大きい。

 

 そのための機体がそれこそ”イナクト”()()()のだが……だが、人型形態⇔航空機形態を自在に可変できるようになった傑作機のイナクトだが、その内部構造はその前のモデルである”ヘリオン”の発展型と呼べるものが多く、確かに調達コストや運用コストは安価だがそれと引き換えに性能限界はそう先にあるわけではなかった。

 ならば軍もモルゲンレーテも「いっそ新ドクトリンに合わせた新型機を開発した方が合理的」という考えに至るのも当然と言える。

 

 開発チームにとって幸運だったのは、まだ戦時中だったので開発予算が比較的潤沢でそれなりに融通が利いた事、更にワンオフ機ではあるがより航空機に近い形状に可変する”ガンダムキュリオス”や航空機に近い前世代機の”ガンダムアブルホール”の資料提供をソレスタルビーイングから受けられたことだ。

 

 このような事情が重なり開発が進められたのが、この技術実証デモンストレーター”試製ムラサメ”であった。

 そう、この世界線においてムラサメは、「イナクトの後継機」として戦場を舞う予定だ。

 無論、この試作型を飛ばしてから更なるブラッシュアップが必要だし、おそらくそう……本格的な量産が始まるのは2年後位になるだろうか?

 

 オーブは決して油断しない。隙を見せない。

 戦後日本がどうしてああなり、ああいう結末を迎えたかよく知っているからだ。

 故に、政府も軍も「非恒久的な平和とは、次の戦争までの準備期間」だという事をよく心得ていた。

 新しい命が産まれる反面、この世界では今なお、奪われる命の方が多い。

 

 そう、C.E.72年という年もまた、世界に戦意と悪意が不足することはないのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、”ミナ・ヤマト”ちゃんと、後の”ムラサメ”の二つのニューカマーでした。

まずミナちゃん……言うまでもなく、元ネタは”ロンド・ミナ・サハク”ですね。
ただし、同一人物って訳では決してなく、まずコーディネーターではなくハーフコーディネイターという産まれたというのが大きいです。
原作では、ハーフコーディネイターは悲惨な境遇みたいな感じでしたが、少なくともこの世界線のオーブでは「ナチュラルとコーディネイターの融和と友愛の象徴」みたいに思われているので、オーブ国内の特権や特別な保護政策はこれといって無いですが扱いは良いですね~。
それと双子の弟は居ませんし、弟が産まれるのは早くてもC.E.72年の秋くらいでしょうw

そして、”試製ムラサメ”。
どうやらこの世界線ではエクリプスとムラサメは「別プロジェクト」として動いていて、直接的な繋がりは無いみたいです。
まあ、この時点でまだ試験飛行はしてないですがムラサメの原型機が完成しているってことは、完成度を上げていくのでは?と思われます。
”イナクトの後継機”ってポジションですから、実は何気にハードルが高いw

前話に出てきたエクリプスは、装甲一つとっても別物であることはほぼ確定ですが。

次回は、デビューかな?

あー、それとちょっとお知らせです。
突然ですが……実はストック、あと1話しかありませんです。
月末から月初めに評価が下がったり、イラスト生成AI(AIパイセン)が1週間以上使用不能になったり、ちょっとプライベートが急に忙しくなったりといろいろ重なって、思うように執筆速度が伸びなく、あまり書けてません。
なので明日以降、これまでのように連日更新という訳にはいかなくなるかもです。
とはいえ、予定では残すところあと10話もないので、何とか仕上げようと思っていますが、ちょっとペースが遅くなるのはご了承ください。

最後までどうか応援よろしくお願いいたします。





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