【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
「えっと……つまり?」
その日、”ルナマリア・ホーク”は困惑していた。
パトリック・ザラの起こした”学徒動員騒ぎ(第137話参照)”と、それを起因した市民クーデターの影響で現在、アカデミーは休校状態になっていた。
ルナマリア自身、まだ新入生だった事もあり動員リストに名が載ることもこともなかったが、そういう理由で現在、自宅待機という状態になっていた。
そして本日、ちょっとした確認事項(アカデミーの再開時期とか)があった為に出かけて帰ってきてみれば、愛すべき妹が……
「あのね、お姉ちゃん……簡単に言っちゃうとこの子、レイ・ザ・バレル君が今日からウチに一緒に住むことになったってことだよ♪」
”
⌚⌚⌚
ホーク家に秘密があることはルナマリアも知っていた。
例えば、妹のメイリンと自分は半分しか血が繋がっていないということも。
例えば、、両親が
それにしても、
「なるほどね。クルーゼさんの異母弟を預かるって事になった訳か……あれ? クルーゼさんって確か
その日の夜……流石に両親やレイの前で妹を事情聴取するわけにはいかないと考えたルナマリアは、思えば久しぶりの姉妹語らいタイムだな~と思いつつ、自分の部屋へと招待する。
そこでミッション・スタート、経緯の確認と相成った。
「ううん。クルーゼさんって、政治的にはノンポリだよ。考え方自体は中道派に近かったみたいだね」
そう返してくる妹に、「へぇ~」と感心するルナマリア。
メイリンの話を要約すれば、「クルーゼがMIAとなって身寄りのなくなったレイ少年をウチで預かることになった」ということらしい。
理由としては、両親の仕事のつながりがどうとかという話だが、正直、、ルナマリアが興味のそそる話ではなかった。
「んで、メイリンはレイくん………だっけ?の事は前から知っていたと」
「だって私がアルバイトで家庭教師していたのレイくんだし」
メイリンによれば、「レイはコーディネートの際の不手際で先天性の疾患があり、昏睡期間も含め長い入院生活を余儀なくされた」らしい。
そして、意識が戻った時に遅れていた学力を取り戻すために白羽の矢が立ったのがメイリン……という”カバーストーリー”のようだ。
ルナマリアも妹が両親の伝手で家庭教師のアルバイトをしていること自体は聞いていたが、同年代の男の子だとは知らなかったようだ。ちょうどその頃はルナマリア自身のアカデミーへの入学などが重なり、気に掛ける余裕はなかったらしい。
「まあ、事情はわかったわ。別に反対はしないから安心しなさい」
「ありがとう、お姉ちゃん。基本的にレイくんの面倒はわたしが見るよ。ちょっと人見知りな所があるし」
まあ、お察しの方もいるだろうが……家庭教師というのも噓ではないが、メイリンがレイの元へ通うようになったのは地球連合と開戦しクルーゼが出ずっぱりで家に帰れないようになってからで、ほぼメイリンが面倒見役、ある意味通い妻状態……は違うか。どちらかと言えば子守り役のそれだったという方がニュアンス的には近い。どうりで懐くはずである。
付け加えるならレイと知り合った「両親の伝手」というのも大元はカナーバからの依頼だ。
「何というか……メイリンも色々大変みたいね?」
「それほどでもないよ」
(カナーバさんの無茶ぶりは、割といつもの事だし)
少々”出自が特殊”なメイリンは、レイ以外にもそこそこカナーバ・ルートからの「表に出せない」頼まれごとが多かったりするので、慣れているといえば慣れていた。他は主に情報学的なそれであるが。
とにもかくにも、こうして姉の了承もとれ、晴れてレイはホーク家の一員となった。
出自は同じでも育ちが原作と違うレイと、出自は違うがルナマリアの妹として生きてきたメイリン……果たしてこの2人がどんな物語を紡ぐかは、今のところ不明である。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、同じプラントでも現役のザフトの人員はそれはそれで忙しい。
基本、今現在ザフトの看板を掲げて活動しているのは、原則として穏健派と中立派の人員からなる”プラント防衛主任務隊”だけだ。
『第172話 南十字星とオーブは今日も快晴、そしてある親子の別離』にあった通り、イザーク・ジュールと副官ポジについたシホ・ハーネンフースもこの部隊に所属だ。
そして、相方であるディアッカ・エルスマンも当然のように同じ所属だ。
当然であろう。実戦経験のある兵士は、ザラ派が壊滅した今となっては貴重であり、若かろうと赤服を遊ばせておく余裕など今のプラントにはない。
「うふふ♪ ディアッカ
「なぁに、リーカをグゥレイトな視点で見てるのさ」
「もう♪ 言ってくだされば、いつでももっとちゃんとお見せいたしますのに♡」
とバックアングルでミニスカートを嬉しそうにちょっと摘まみ上げるガネっ娘。
「グゥレイト!」
……なんかめっちゃ青春を謳歌していた。
ちなみにここ、”ディアッカ隊”に宛がわれたオフィスだ。
「まあ確かにこうして眺めるのも良いんだが、こう覗き見るのもそれはそれで別の浪漫があるんだぜ?」
割と最低なことを言ってるような気がしないでもないが、リーカはニッコリ微笑み、
「う~ん。ちょっと分かりません。とっくにリーカの身も心もディアッカ様の物ですよ?」
なんかいきなりイチャイチャし始めたこの少女、名を”リーカ・シェダー”という。
外伝作品の『機動戦士ガンダム SEED DESTINY ASTRAY』に搭乗する女性パイロットで、原作ではガイアのテストパイロットを務めるが……後の世界を描いた『機動戦士ガンダム SEED ASTRAY 天空の皇女』では闇落ち(?)したついでにトンデモモビルスーツのパイロットとして再登場するお茶目さんでもある。
特徴的なのはザフトでは希少なガネっ娘枠であるということ。
実はリーカ、生まれながらの盲目で、実はメガネもただのメガネではなく視覚デバイスだ。
普通、コーディネイターが(そういう意図で作らない限り)視力が悪いということはないのだが、遺伝子操作技術も完璧ではないという一例と言えた。
まあ、デバイスを装着すれば視覚補正に問題なく、モビルスーツ操縦鵜の腕前も確かで「実力で赤服を勝ち取った」才女でもあった。
あとは背が低くよく子供に間違われる事を気にしている……なんて情報もあるようだ。
この世界線においてはシホの同期でついでに、ディアッカに一目惚れ(浅黒い肌に金髪が好みのど真ん中だったらしい)したガチ恋勢で、シホ同様に念願のディアッカの副官に収まる事ができ、ついでに……
『一目惚れしました! ディアッカ様、付き合ってくださいっ!!』
『グゥレイト! その勢いと思い切りの良さ、気に入ったぜっ!!』
ととんとん拍子で交際が決まり、(多分、お互いに)我が世の春到来でハッピートリガー気味。
蛇足ながらリーカは弾幕至上主義者だ。
ちなみにリーカが自分が「コーディネートに失敗して盲目」だと告白した時も、
『そんなの別に気にしないぜ?』
という漢気溢れた返答に益々惚れ込んだらしい。
どうやらディアッカの幸運値、今生では恋愛面でも作用したらしい。
ついでにリーカは「ガイアのテストパイロット」フラグは圧し折れた臭いが……ガイアのテスパイは闇落ちフラグでもあるので、これはこれで結果オーライではないだろうか?
まあ、その代わりに「おめでた寿退役フラグ」が立つかもしれないが……
イザークはシホを得て、ディアッカはリーカを得た。
イザークとディアッカのバディプレイは見れなくなるかもしれないが、全くもって2年後が楽しみなペア×2である。
ただし、時折リーカを羨ましそうにジッと見ているシホの姿を見ていると……「イザーク、何とかしてやれ」とたまに言いたくなる。
ともあれ、少なくともC.E.72年1月時点でのプラントは、仮初めであろうと若者たちが平和を味わえる環境にはなっていた。
という訳で、ルナマリア&リーカ、イラスト入りで初登場でした。
次世代に向けた伏線を色々仕込んで行こうかと。
少しホーク家をまとめますと、両親は”協力者”枠。
姉は純然たるホーク夫妻の娘で、妹は「ある計画の産物」で結果として半分しか姉とは血が繋がっていません。異母妹なのか異父妹なのかは不明。
ただ、カナーバやレイとの繋がりや突出した電子戦能力は、メイリンの出自が大きく関係しています。
ルナマリア的には、「まあ半分しか血が繋がっていなくても妹は妹だし」って感じで割としっかりお姉ちゃんしてますw
お次はリーカ。
外伝の原作キャラ、しかもアストレイ・シリーズでは作品を跨いで登場するという中々に”しぶとい”女の子ですね~。
まあ、再登場(ロードアストレイのテストパイ)の時は、見事に闇落ちしてたりするんですが……ただこの世界線、「ミナ」がキラとマリューの娘として産まれたばかりなので、『機動戦士ガンダム SEED ASTRAY 天空の皇女』のエピソードの発生条件を満たせないので、遠慮なく闇落ちフラグを圧し折ってディアッカの副官兼彼女にw
実は原作でも結構、個性的で愉快な娘です。
たくさん高評価、本当にありがとうございました。
おかげでちょっとモチベーションを持ち直し、何とかこの195話を形にすることができました。
感想でも書いて頂いた方がいましたが、正直、低評価で執筆やめたり作品消したりする書き手さんは多いし、その気持ちはよくわかるんですよね。
逆に評価が上がると萎えていた執筆意欲が上がるのもまた事実ですし。
本当に皆様の応援があったからこそ、ここまで来れたような物です。
全200話でおさまるか怪しくなってきましたが、ただ残すところ10話はなく残り少なくなってきましたが、どうか最後までよろしくお願いします。