【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
まずは舌戦(?)から……
「お~お。こりゃまた盛大に居るモンだ」
スクリーンに投影される情報にはザフト基準で2個艦隊、6隻の戦闘艦が航路上に鎮座しており、既にモビルスーツを船に張り付かせるような陣形で展開していた。
「実に喜ばしいことだな」
カガリは、そう今にも舌なめずりをしそうな笑みを浮かべる。
「カガリ代表、ザフト艦より通信、来ました」
「結構。繋いでくれ」
(まずは舌戦の時間か)
「ザフトの割には、戦場の流儀を弁えているじゃないか」
☆☆☆
『貴殿らは直ちにラクス・クライン様を解放せねばならないのだっ!!』
長井前口上の後、結果としてそれなりに年配の指揮官はそう切り出した。
(なんだ。ただのDQN、アダルトチルドレンという奴か? まあ、ザフトじゃ珍しくないタイプか)
カガリは、あまり知的遊戯が期待できそうもない相手の登場に内心残念と思いながら、
「それを要求するなら、直ちに戦闘配置と進路妨害を解除し、航路をあけるのが先じゃないのか? 我々がオーブに早く着くほど、それだけ外交交渉は早まり、正規の手続きを経てラクス嬢は無事に帰国できると思うがね?」
無論、この”舌戦”自体もガッツリ録画していた。
加えてカガリは外交チャンネルが現在、凍結中なのを分かっていた上で「誰でも理解できる正論=武器ちらつかせる前に普通は交渉するだろ?」と煽っている。
『ラクス様を解放すれば、そちらの要求を吞もうではないか』
居丈高に言う敵指揮官に、
(ふ~ん……そういうこと言うのか。ならば、最初の手札を切らしてもらおう)
「それを信用しろと?」
そして、カガリは無指向性の広域通信、国際オープンチャンネルで”とある動画”を流し始める。
それは端的に言って”地獄絵図”だった。
降伏した捕虜をジンがアリでも踏み潰すかのように遊び半分に踏み潰し、あるいは腕に掴んで握りつぶした。
まるでトマトを握りつぶしてジュースを絞るように、鮮血の雨をふらせたのだ。
他にも軍事施設ではない明らかに民間人の済む村や街をバクゥが疾走しながら蹂躙し、負傷者があふれた救護施設をミサイルで根こそぎ吹き飛ばしていた。
軍隊とは思えない、いや軍隊を名乗るなら決して行ってはならない暴挙の数々……比喩ではなく、トラウマ物の動画だった。
「これらの蛮行を行うザフトの何を信用しろと?」
『こ、これは……』
絶句する敵指揮官に、
「”ビクトリア攻防戦”で撮られた映像だよ。ザフトは隠蔽を試みたようだったが……残念だったな? 天網恢恢疎にして漏らさず。”目”ってのはどこにでもあるもんだ」
まあ、オーブの裏側で暗躍する者達が記録した代物ではあるが。
「ちなみに今の動画、ラクス嬢もアスラン・ザラも含めたザフトの捕虜にも見れるように手配しておいたからな?」
『き、貴様ぁっ!』
(はい、減点1。指揮官がこの程度で取り乱しちゃ駄目だろうが。動揺は部下に伝播するぞ?)
「ザフトはナチュラルの捕虜はいないとされるが……そりゃそうだな。目撃者を含めて皆殺しにすれば当然、捕虜はいないだろうさ」
『ぐっ……』
(減点2。その態度じゃ、ザフト将兵全てがこういうのをやりかねん組織だと肯定したも同じだぞ?)
「で? 改めて聞くが何を信用しろと? 申し開きがあるなら聞くだけは聞いてやる」
ぶつりと通信が切れて、それとザフト部隊が一斉に動き始めた。
「やれやれ。煽り耐性すらないのか。よくあれで指揮官ができる。あるいはザフトはそれだけ人材不足ってことか?」
カガリのボヤキにアークエンジェルのブリッジに広がるかすかな笑い声が広がる。
どうやら過度に緊張している様子はないようだ。
(どうせ避難船の何隻かを沈めれば、言うことを聞くとか考えているんだろうが……)
カガリは、内心でほくそ笑む。
どうやら、ザフトのモビルスーツとパイロットは、無条件でナチュラルを瞬殺できると未だに本気で信じているようだが、
(ザフトにありがちな”コーディネーター絶対優勢論”ね……果たして、そう上手くいくかな?)
「今の動画、配信の手配を。全世界規模でな」
命じた先は、特殊装備満載でいつでもソレスタルビーイング本部にアクセスできる”
細工は流々仕上げを御覧じろというところだ。
「全艦、戦闘準備。トダカ中佐、しばらく任せる」
カガリは便宜上の大将待遇という事で護衛艦隊を含む避難船団全体の責任者ではあるが、艦隊指揮権を持つ戦闘職、いわゆる提督ではない。
(餅は餅屋だ)
直接戦闘指揮は自分の仕事ではなく、次の自分の出番はハルバートン少将との会話だろうとカガリは心得ていた。
「はっ! お見事でした!!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『キラくん、気を付けてね! 無事に帰って来てくれないと、私、もう……』
通信越しの何やら物理的にではなく情愛的に重みましましなマリューに、
「はいっ! あんな連中、マリューさんには絶対に近づけさせません!」
そして気合いを入れ直し、
「キラ・ヤマト、”ストライク”、いきます!」
(アスランもよくあんな頭のおかしい”
「もしかして、本当に知能指数下がったりしてないよね?」
親友に対して変な心配しだしたキラが操るのは、左肩にマイダスメッサー、左腕にパンツァーアイゼン装備のバックラー、右肩にコンボウェポンポッド、背中にエールストライカーという複合装備の”ストライク”。
ただし、いつもと違うのは、普段は主武装のビームライフルを腰の後ろにマウントし、右手にはこれ見よがしに大型レーザー対艦刀”シュベルトゲベール”を握って出撃している事だ。ついでに、外付けのバッテリーパックも増量している。
どうも今宵のキラは、気迫的にも血に飢えてるような気がしてならない。
ついでにキラの中では、ザフトは武装強盗を通り越してついにテロ組織にまで降格されてしまったようだ。
キラが会敵迄の間、システムに不具合が無いかチェックしてると、
『おおっ! 少年、そのサムライ魂に溢れた装備は良いな! 私も是非欲しいくらいだ!』
そう通信を繋げたのは、ハワードとダリルを引き連れて”イズモ”より発艦した”フラッグ”を駆るグラハムだった。
彼はシュベルトゲベールを一目見て気に入ったらしい。
『また隊長の悪い癖が出たよ』
『いつもすまないな、キラくん』
ちなみに階級を付けないのは、キラがそうお願いしたからだ。
どうにもグラハムを筆頭にムウを含めて階級で呼ばれると座りが悪いらしい。
「いいえ! グラハムさん、ハワードさん、ダリルさん、みんなで宇宙の悪漢共を蹴散らしましょうっ!!」
『良い気迫だ少年っ!!』
敵艦隊攻撃の編成はシンプルだ。
キラの”ストライク”、グラハム達”フラッグ”チーム、そして……
『各員、もう一度作戦を確認するぞ? キラ、復唱』
最も高速で強力なビーム砲を備えた”イージス”を操るムウだった。
「僕とグラハムさんたちで敵艦隊防空網に穴をあけて、ムウさんが速度を生かして一気呵成に突入。敵旗艦に一撃離脱をかけます!」
『その通りだ』
頷くムウに試作型とはいえフラッグの初の実戦ということで興が乗ってるらしいグラハムは、
『ふふっ、”エンデュミオンの鷹”の技量、間近で見させてもらうぞ!!』
『いや、特に見せるほどのものじゃないんだけどなぁ』
逆に反応に困るムウであった。
今回は先任ということで、同格の大尉であっても攻撃部隊長を任されたムウだったが、どうにもキャラが濃すぎるグラハム相手だとどう接してよいか困惑している模様。
(よく坊主、エーカー大尉と普通に会話が成立できるなぁ)
これまた変なところに感心するムウである。
そして、隙あらばイチャつこうとするきらまりゅ(挨拶)
まあ、相手は煽り耐性のないザフトですからねぇ~。
こんなもんでしょう。カガリ的にはもっと舌戦を楽しめる相手の方が好ましいでしょうが。
そして、ついにキラの中では民兵組織ですらなく「ザフト=テロ組織」という図式が成立してしまったというw
実は、このシリーズにおいて、割とこの認識は尾を引きます。
多分、本質的には口に出さないだけで4年後くらいでも変わらないんじゃないかな~と。むしろ、ジェネシスとか、メサイアとか持ち出されたら、益々その認識が強化されそう。
そして、サムライロングソード(大太刀?)を見てはしゃぐハムさんと、ノリに困惑するムウたんという構図。
兎にも角にも戦闘開始!
果たして、結果は……
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