【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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原作の意趣返しとなるエピソード、かなっと。






第29話 ザフトよ、いつから第8艦隊がやられ役だと誤認していた?

 

 

 

 更にキラが1機を墜とし、敵の防衛モビルスーツが残り4機となったところでグラハムが、

 

『少年! 残敵掃討は我々(フラッグ隊)に任せるがいい! そのサムライブレードを敵艦へ存分にふるってくるのだっ!!』

 

 フラッグ3機に現在、有効な対艦兵装は搭載されていない。そうであるが故のグラハムの合理的な判断だった。

 

「はいっ! グラハムさんっ!!」

 

 ムウに続きキラもザフト艦隊に突入!

 敵艦からの火線を強引な機動で潜り抜け、残る1隻のナスカ級にパンツァーアイゼンを射出してウインチを巻き上げることで強引に船体にとりつくと、

 

「怯えろ! 沈めぇぇぇっーーーーっ!!」

 

 逆手に持ち替えた”シュベルトゲベール”を迷わずブリッジに突き刺し、力任せに切り裂く。

 開いた大きな破孔にとどめとばかりにイーゲルシュテルンと肩部機関砲を同調射撃で叩き込む!

 75㎜と120㎜の徹甲榴弾によるアンサンブルで乗員もろとも内部を破壊・誘爆させつつ轟沈させたのだ。

 そこに躊躇いは微塵もなかった。

 

「マリューさんにこれ以上、お前たちを近づけさせはしないっ!」

 

 行動原理がぶれないキラは、ナスカ級の爆風すらも利用して、ローラシア級の1隻に飛びかかる。

 まるでその動きは、「モビルスーツ版の八艘跳び」のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて時節は、キラ達が接敵した頃まで遡る……

 

 

 

『では、ハルバートン少将。宜しくお願い致します』

 

「かしこまりました。カガリ代表」

 

 通信が切れると同時に地球連合第8艦隊提督のハルバートンは、

 

「やれやれ、お膳立てを全部たてられた上に、華を持たされてしまったなぁ。これじゃあおんぶにだっこだよ」

 

「よろしいじゃありませんか。これで地球連合、いえ大西洋連邦念願の”華々しい勝利”を大いに期待できるのですから」

 

 と副官の言葉だったが、

 

「いや、今回だけの事じゃないのさ」

 

 少し”史実と異なる”背景を語ってみよう。

 ”デュエイン・ハルバートン”、原作では同じく第8艦隊提督で大西洋連邦におけるモビルスーツの第一人者、GAT-Xシリーズの開発に主導的役割を果たし、同時にマリュー・ラミアスの恩師でもある。

 ここまでのアウトラインは原作と変わらない。

 大きく異なるのは、彼がモビルスーツに関心を持つに至った経緯……原作では、ザフトのモビルスーツだったが、この世界では最低でも数年先んじてモビルスーツの実用化を果たした国が、地球上に存在した。

 言うまでもなくオーブだ。

 

 ハルバートンは大西洋連邦でもモビルスーツ開発を行うよう働きかけると同時に、オーブの当時の主力機であり、環境に応じてバリエーション展開ができる柔軟性を持つ”ティエレン”の導入を強く上層部や関係各所に求めた。

 最初、周囲は懐疑的かつ消極的な反応だったが、彼の意見を積極的に聞き入れる有力な後ろ盾が現れる。

 

 そう、政財界の大物”ムルタ・アズラエル”だ。

 彼と彼のグループは比較的オーブと友好的、かつ良好な関係を持っており、強いコネがあった。

 だが、それでも軍の上層部、特に保守層はモビルアーマーを主体とする従来の兵器体系を変更することに難色を示し、アズラエルの後ろ盾があってもモビルスーツ開発と”第8艦隊に限った実験的運用”を承認させるのが限界だった。

 

 だが、念願だったモビルスーツがハルバートンの艦隊に最初の納入が行われた矢先、状況は一変する。

 そう地球連合全体が、ザフトのモビルスーツにより壊滅的な打撃を受けたのだ。

 

 これが結果としてハルバートンの計画の追い風になった。

 GAT-X開発計画は一気に拡大/大規模化され、ハルバートン自身も准将から「先見性があった」という理由で准将から少将に昇進。

 また、予算が倍増され艦隊には手早く”ティエレン”が定数整備され、オーブから教官を招きパイロットの育成も進んだ。

 こうして、彼が提唱する「モビルスーツの機動的集中運用」を実践できる状況が整ったのだ。

 ちなみにこのティエレン、輸出用に作られた廉価版(いわゆるモンキーモデル)ではなく、見かけこそ初期型と大差ないが機種転換訓練の円滑化を図るために後発のリアルドやヘリオンと同じコックピットレイアウト、ヘルメットマウントディスプレイではなく周辺マルチモードモニターが配置され、コックピットが与圧された現行型だ。

 これを僥倖とするには、大西洋連邦は血を流し過ぎたが、大きな組織が動くには相応の理由が必要だった。

 

 そしてついに、彼の持論の正しさを実戦で証明できる機会が訪れたのだ。

 

「モビルスーツ隊、全機発進せよっ!!」

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 第8艦隊の保有するティエレンの中で、攻撃隊として編成されたのは24機。

 そのうち、半数が対艦装備と言える550㎜ミサイルランチャーを装備していた。

 彼らが到着したのはちょうどキラがナスカ級に続いて跳び移った1隻のローラシア級を、対艦刀の一撃で動力炉を破壊し爆沈させたタイミングだった。

 既に艦隊を守る敵モビルスーツは無く、旗艦を沈めたムウが慌てて戻ってきたザフト攻撃隊の要撃にフラッグ3機と共に入ったために邪魔もない。

 

 第8艦隊のモビルスーツ編成は、4機で1小隊を組むのが通常。

 そして、対艦装備の3個小隊は残るローラシア級3隻にフォーメーションを組んでそれぞれ詰め寄る。

 

「我らに勝利をっ!!」

 

 宇宙に限定すればジンに匹敵するかそれ以上の性能と火力を持つティエレン宇宙戦仕様の、連携のとれた対艦誘導弾の一斉攻撃を食らったローラシア級の運命はあまりにも明らかだった。

 

 大西洋連邦、いや地球連合全体で見ても、開戦以来初めて「ザフトを一方的に殲滅できる戦い」がこうして始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そして一方その頃船団の殿(しんがり)、”プトレマイオス(トレミー)”では……

 

 

「ぜっんぜん出番がないっ!」

 

 戦闘配置ということで、パイロットスーツ姿で愛機”スローネドライ”のコックピットで待機中のネーナがぶー垂れていた。

 

「良い事じゃないか」

 

 と何時ものように淡々と返す刹那に、

 

「刹那はヘリオポリスでちょっとは暴れられたからいいじゃんかー! 私も暴れたーい!」

 

「いや、お前の機体の持ち味はGNステルスフィールドによる妨害と攪乱だろう?」

 

 今度は冷静に返すティエリア。

 

「ジンとかシグー相手なら、普通に撃墜できるもん!」

 

 スローネドライの性能とネーナの腕前を考えれば、当然だろう。

 

「今回は幸いにして我々(マイスター)が戦闘に出ることは無かったが、機会はあるさ」

 

「いつよ?」

 

 唇を尖らせるネーナに、

 

「ここまでの戦力を出して一方的に叩かれたんだ。次はザフトも本腰を入れて仕掛けてくるだろう。そうすると、真っ先に狙いそうなのはどこだ?」

 

「軌道エレベーター!」

 

 気色を浮かべるネーナにティエリアは頷き、

 

「そうなれば、我々は総員出撃となるだろう。そこでなら大義名分を得て存分に暴れられるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




冒頭のキラ、実は”08小隊”のあの御方のあのシーンのオマージュです。
乗っているのはB-3グフ・カスタムではなく、撃破するのはガンタンクではなく戦闘艦ですがw

この世界線のキラ、色々と吹っ切れている(振り切れている訳でも、擦り切れている訳でもない)ので、「特にそうする必要がある場合」でもない限り、別に不殺(殺さず)なんてまどろっこしい事はしないでしょう。
行動原理的に特にマリューが絡むと。

そして、ある意味、今回の主役であるハルバートン提督。
見事、原作の敵討ちに成功したようですが……まあ、オーブとの絡みが濃い事w
そして、バックが当然のようにカガリとツーカーの某盟主王という。

この戦いで生き残った以上、きっと彼にはこれからも活躍の場があるでしょう。

ガンダム・マイスターたちの活躍は、まあいずれ。


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