【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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キラ vs サーシェスのイベント戦です。
果たして結果は……






第38話 プリミティブな衝動(イナクト改造案含む)

 

 

 

 さて、原作00の”イナクト・カスタム”と言えば、原型であるイナクトからの改修点は、

 

  ・頭部及び両肩のエネルギー受信アンテナの大型化し電力供給量を拡大

  ・サーシェスの要望により装甲削減による軽量化や反応速度の向上

  ・ブレイドライフル、大型ソニックブレイド(プラズマソード機能付き)など一部武装の追加や変更

  

 などである。

 この世界線でも製造元がモラリア共和国のPMCトラストからオーブのモルゲンレーテ社に変わっただけで概要は、ほぼ同じだ。

 つまり、あの”三次元殺法じみた変則的な戦い方”ができるのだ。

 

 一方、キラの”ストライク”は”フラッグ・ストライカー”の装着でイナクト・カスタムと同等の空中機動力を手に入れ、また外部からの無線受電により、少なくとも「エネルギー切れによるフェイズシフト・ダウン」の危険性は無くなった。

 

 武装は扱いなれた左肩のビームブーメラン”マイダスメッサー”と左腕の”パンツァーアイゼン”装備のバックラー、右肩のコンボウェポンポッド。

 後はストライカーのビームサーベル×2に、改修によりアーマーシュナイダーより変更されたイナクトと同じプラズマソード機能付きソニックブレイド×2、そしてビームライフルだけというシンプルな物だ。

 

 無論、これは「これ以上重くすると、サーシェス教官に翻弄されて手も足も出なくなる」というキラの判断だった。

 

『さあて、ボウズの腕前がどんだけ上がったか俺に見せてみろよぉっ!!』

 

 先手は実に楽しそうなサーシェスによる牽制の為のミサイル攻撃。

 これは相手の姿勢を崩す定番なので、キラは驚きもせずにかわすのではなく、あえて右肩のコンボウェポンポッドに装填していた散弾弾頭のアンチ・ミサイル・ミサイルと頭部のイーゲルシュテルンで迎撃。

 

 爆風に紛れて横滑りの移動をしながら、左手に持ち替えたビームライフルの射撃でサーシェスを牽制しながら、マイダスメッサーを右手で掴んで投擲する! 

 不規則な軌道で飛ぶビームの刃にサーシェスは臆することなく

 

『あらよっと!』

 

 死角から迫るビームブーメランを機体を捻らせる事で難なくかわし、同時に未来が見えていたようにキラへとリニアライフルの銃口を向けるのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 一進一退の激しい攻防に見えるが、実際には千日手だ。

 サーシェスのイナクト・カスタムの実体弾兵装ではストライクのフェイズシフト装甲に致命的な打撃は与えられず、ストライクの射撃・投擲武器ではイナクト・カスタムをとらえきれない。

 いや、むしろ「フェイズシフト装甲に()()()()()()」戦い方、きちんと回避運動をこなすキラを褒めるべきか?

 ”回避に専念”と、”防弾性を信じて強引に攻める”という緩急をキラはしっかり使っていた。

 もっともそれぐらいできなければ、食らい付くどころか相手にもならないだろうが。

 

「す、凄い……」

 

 参加チーム全員が陣取る共同観測点からその様子を見ていたマリューは、”キラの底が知れない技量”に改めて驚嘆する。

 改めてザフトのモビルスーツを圧倒したのは、単純な性能差ではなかったことが厭が上でも理解できてしまう。

 

「相変わらずサーシェス君、良い動きするわね。スペック的にはストライクの方が上回るはずなのに、むしろ押し気味に戦いを進めてるわね~」

 

「えっと……エリカ・シモンズ主任ですよね? アストレイ・チームの」

 

 背後からマリューに暢気そうに声をかけてきた美女はにっこり微笑むと、

 

「それにしても、サーシェス君、本当にキラ君の事気に入ってるのね~? あんなにはしゃいじゃって、まあ」

 

「はしゃいでいる……ですか?」

 

 シモンズはくすりと笑うと、

 

「彼、ガッツを見せて食らい付いてくる年下が大好物なのよ。その”簡単に越えられない壁”となることが特にね。壁を乗り越えようと足搔く姿が良いんだって」

 

「えっと……お詳しいんですね?」

 

 何とも返答に困るマリューだったが、

 

「学校の後輩なのよ。サーシェス君は。昔からヤンチャばかりして、なんかそのまま大人になっちゃったって感じね」

 

 そして、エリカは意外な過去を暴露しながら少し懐かしそうな顔をした後に計測モニターを見ながら、

 

「そろそろ決まるんじゃないかしら?」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 彼方から種子が飛来し、弾けるイメージ……

 

(飛び道具が通用しないならば、)

 

「接近戦を仕掛けるしかないじゃないかっ!!」

 

”パァン!”

 

『いいぜぇ! その気迫だぁっ!! だがなぁ……』

 

 ”覚醒(SEED)”状態に至ったキラにサーシェスはニヤリと笑い、

 

『そいつは”前にも見た”ぜ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 と盛り上げておいてなんだが、決着はあっさりついた。

 なんと”サーシェスの()()”である。

 

「そんなぁ……」

 

 しょんぼりルドルフになっていたのはむしろ勝ったはずのキラで、その理由は……

 

『しょうがねぇだろ? 関節系や駆動系がものの見事に逝っちまったんだからよ』

 

 手札と持てる技量を惜しげなく使いまくった近接武器による高機動接近戦は、結局どちらにも”致命的な一撃”が入ることは無かった。

 だが、耐久性を少々犠牲にして軽量化と運動性の向上にリソースを割いたのが裏目に出たのか、サーシェスの操縦に追従できなくなったイナクト・カスタムの方が先に音を上げたのだ。

 具体的には、駆動部品の摩耗やモーターの異常過負荷でアラートサインの大合唱。

 それでレフリーストップとなり、判定により戦闘可能状態であったストライクに軍配が上がった訳だが……

 

「でも、絶対に押されていたのは僕の方じゃないですかぁ」

 

 性能に勝っているはずのストライクで防戦一方となったのだからその言い分もわかるが……でも、ちょっと待ってほしい。

 原作00の刹那&エクシアが押されたあのアクロバティックでトリッキーなサーシェスの猛攻を、キラは”イナクト・カスタムが壊れるまで()()()()()()()()”というのだ。

 そりゃあサーシェスが気に入る訳である。

 ついでに某虎さんは、アークエンジェルがアフリカに落ちてこなくて本当に幸運だった。

 

『あのなぁ。”勝てば官軍”つってなあ、戦場じゃどんな理由であれ、勝った奴と生き残った奴が偉いんだよ』

 

 という実に歴戦の猛者らしいシンプルな見解だが、一番納得いかないのはキラで、

 

「サーシェス教官!」

 

『お、おう。なんだ?』

 

「イナクト・カスタムを更にカスタムしましょう! 高負荷部分や重要区画、ディフェンスロッドにフェイズシフト素材を導入して軽量化で失われた強度を再確保するんです! あと、掌のエネルギー供給ソケットをオーブ/GAT-Xシリーズ双方に使えるユニバーサルソケットに変更してビーム兵器の実装! ビームライフルは確かに発射レートは低いですが教官なら断じて使いこなせます! あっ、このユニバーサル・ソケットは”フラッグ”や”タオツー”にも実装されますよ? 後はえーとえーと、あっ! つま先にソニックブレイドかビームサーベルを装備するとか? そういうの”イージス”にもあるし!」

 

 いきなりイナクト・カスタムの改造プランを騙り始めるキラに、サーシェスは珍しく頬を引きつらせ、

 

『お、おい、ボウズ……』

 

「とにかく、徹底的にイナクト・カスタムを再強化してから、僕と再戦しましょう! ね? ね?」

 

 ちなみにサーシェスの将来の愛機が、爪先ビームサーベルを本当に実装することになるのだが……元ネタが、現在のムウの愛機だとは、意外にも程がある。

 

『わあった。わあったから、まずは落ち着け。な?』

 

 

 

 

 

 

 

 だがこのキラの妄言、聞かせた相手が悪かった。

 エイフマンは接近してきたイナクト・カスタム開発チームに頷くと、その場で合流と提携が決定した。

 さて、フラッグであれイナクトであれ、基本は「量産を前提としたモビルスーツ」であり、当然のように部品は規格化され、可能な限り共用性が図られている。特にフラッグとイナクトは変形機構などから”同一の素体から枝分かれした”モビルスーツであり、共用部分は比較的多い。

 つまり、キラの妄言は「実現可能な範疇」なのだ。

 そして、こうして、

 

”オーバーフラッグ”

”ストライク・ティエレン・タオツー”

”イナクト・カスタムⅡ(サーシェスのイナクト・カスタムと今回の発展プランをフィードバックした発展量産機)”

 

 の大規模並行開発と生産が、こうして決定したのだ。

 もはや、既存技術の積み重ねで行われる上記の機体開発が失敗する可能性は極めて低い。

 ある程度の開発は、それぞれで進んでいるので起きるとすれば遅延ではなく開発の加速だろう。

 

 また、既にティエレンの後期生産型(現行型)からヘリオン後期型、リアルド後期型の時代に「操縦システム統合計画」がなされている。

 初期型のティエレンはHMDに立ち操縦という開発当時としては合理的なコンセプトだったが、これは元々ティエレンが「戦闘もできる汎用性を持った機動作業機」として誕生したゆえの事だった。

 だが、後発の純戦闘用モビルスーツであるヘリオンやリアルドは、操縦席とそれを取り囲むようなマルチモニターの配置で、可能な限り全周囲視界を確保するという、戦闘機のキャノピー式コックピットの延長線上にあるような比較的オーソドックスなスタイルだった。

 実際、パーツの交換により航空機とモビルスーツのリバーシブル構造(厳密には可変機ではない)のヘリオンやリアルドは、戦闘機パイロット出身者が多く、こちらも合理的な判断だったようだ。

 

 そして、実戦においては「戦闘以外の作業効率」も重視されたティエレン型よりもシート&マルチモニター方式の方が、特に高Gでの耐性が高くなるため有利とされ、上記の機体・時代より「モニターの配置や数、コントロールスティックやレバー、フットペダルの形状に差異があっても基本的な配置は同じ」という現在のコックピットの基本レイアウトが完成している。

 

 これは言うまでもなく、「操縦訓練の共有化・シミュレーターを始めとする訓練機材の共用化・機種転換の簡易化」を狙ったもので、究極的に言えば訓練のコストダウンを狙い、同時に利便性を上げる試みだった。

 

 この試みは成功を見せ、現在でもその方針は継承され次世代機の開発に生かされている。

 ここにキラが言及したオーブ/GAT-Xシリーズとの装備共用が達成できる掌のユニバーサル・ソケットが標準装備となるようなので、オーブモビルスーツますます利便性や冗長性、汎用性は上がるだろう。

 

 そして、その成果は数か月以内に披露・発揮されるに違いない。

 無論、ザフト相手にだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、「万全な状態のサーシェスと戦いたい」というプリミティブな衝動で、イナクト・カスタムの改造案をまき散らすキラ君でしたw

いや、確かにこの世界線のサーシェス、確かに丸くなって「焼け野原ひろし」チックだけど……より完璧なコンディションのサーシェスと戦いたいとか、そりゃあ強くなるし、気に入られるわけだな~と。

そして、意外なことにこの世界線のサーシェス、普通にオーブ出身でエリカ・シモンズの後輩であることが判明。
エリカ、絶対に生徒会長とかだったに違いない。サーシェスは盗んだバイクで走り出すどころか、00原作で盗んだモビルスーツで大暴れした”35の夜”をやった男だしw、きっと学生時代からかっ飛んでたんだろうなぁ。

イナクト・カスタムの改造プラン自体は、「基本的にはオーバーフラッグのそれに似ているけど、非なる物」って感じですね。

実は、やがて”イナクト・カスタムⅡ”として完成される量産機とオーバーフラッグは。同じ可変機でも割と特性の違いがあるんですよ。

オーバーフラッグは勿論、防空任務でも強いですがオーブにしては珍しい「長距離侵攻能力・制空戦」に趣を置いた鉾であり鋭い槍である機体で、「無線受電ができない遠隔地のスタンディングアローンの状態でもある程度、戦え」ますし、逆にイナクト・カスタムⅡは「無線受電ができる状態で最高性能を発揮する」ことを前提とした「オーブの機動盾」という位置付けです。
つまり、迎撃・防空任務で真価を発揮するって感じですね。

そして、オーバーフラッグのインターセプトとイナクト・カスタムⅡのモビルディフェンスを潜り抜けても最後に陸地で待ち構えるのはストライク・タオツー……もし、オーブ本国を狙うどこぞの非合法武装組織は苦労するだろうな~w

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