【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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しばらくイカツいモビルスーツの話題が続いたので、少しはGLタグが仕事するようなエピソードを……

まあ、相変わらず大体カガリが悪いというw





第39話 配信の方向性。そして情と熱、あるいはヒストリカル・ミッシングリンク

 

 

 

歌姫計画(Project DIVA)

 ラクス・クラインのオーブ、ソレスタルビーイングのネット配信者デビュー計画だ。

 基本的には「対プラントならび対ザフト・プロパガンダ放送」に分類される……という”建前”だ。

 まあ、余計な手間を背負わない……妙な勢力からの小うるさい干渉を避けるためにも、何事にも大義名分というのは必要になるものだ。

 

 建前に反して、ラクス・クラインの配信方針は、雑談と彼女のキャラに合わせて「歌ってみた」系と奇をてらったものではなく、むしろオーソドックスな内容だった。

 

 

 

「ラクス、”歌ってみた”の選曲は、お前に一任する。好きな歌を歌え。よほどの物じゃない限り、文句はつけんよ」

 

「まあ♡ わたくしを信用してくださるのね♪」

 

 だがカガリは苦笑しながら、

 

「いんや別に。私はただ、お前が楽しく歌えれば、望むままに歌えれば満足なだけだ」

 

「……ばか♡(どうして、貴女はいつもいつも、わたくしの心の奥にずしんと響く言葉をくれるのですの♡ その度にわたくしがどれだけ……)」

 

「だが、一つだけ注意だ。政治的な発言は極力避けろ」

 

「あら? 普通は逆なのでは?」

 

 しかし、カガリはフンと鼻を鳴らし、

 

「噓臭い配信は”私が嫌い”なんだ。自分が信じてない言葉を他人に信じさせるなんてのは政治家(わたし)の仕事、間違っても歌手(お前)の仕事じゃない」

 

 カガリはそう言いきりながら、

 

「喋りたいのなら、だれかの言葉じゃない。お前が伝えたい、お前自身の言葉で喋れ。いいな?」

 

「はい♪」

 

 そして、カガリはコホンと咳払いして、

 

「ここからはお前のファンとしての興味本位なんだが……記念すべき第1回目で歌う曲は決めたのか?」

 

”きゅん♡”

 

(ファン? カガリがわたくしのファン? いえ、以前からそう伺ってはいますけど……)

 

「こう面と向かって言われると、破壊力が違いますわぁ」

 

「はっ?」

 

「いえ。なんでもありませんわ。その歌でしたわよね?」

 

 ラクスが取り繕いながら切り出したのは、

 

「わたくし、”歌ってみた”の中では、”西暦時代の楽曲”をチョイスしようと思ってますの」

 

「理由は、あるんだよな?」

 

 ラクスは頷き、

 

「ええ。再構築戦争……第三次世界大戦で多くの物が失われてしまいましたわ。そう、あまりにも多くの歌が……」

 

 

 

 少しだけ補足しておきたい。

 原作00では多くは語られていない第三次世界大戦……この世界線では、まさにその名に恥じない”世界規模の収拾のつかない大戦争”となったようだ。

 生物・化学・核兵器が世界中の国々で開発され、大国の独占と統制ができなくなったことで、結果として無秩序に使用される羽目となった。

 カシミールの”最後の核”以前に何発の戦略級・戦術級核兵器が使われたか不明だが……結果、額面通りに当時の世界人口は”()()”した。

 皆さんは、奇妙に思わなかっただろうか?

 C.E.70年で、地球人口は「()()()100億人」程度。21世紀前半の世界人口(西暦2020年代に80億人を突破)を考えるといささか少なすぎる。

 また、コーディネーターの作成に用いられる遺伝子操作技術は元々は遺伝子治療、言い方を変えれば「残留放射能で傷ついた、異常な遺伝情報の補正」のために培われたと技術だとしたら、納得できないだろうか?

 あるいは、コーディネーターが元々は「優れた人類を作る」ための技術ではなく、「過酷となった戦後地球環境やより過酷な宇宙で生き残る能力を人類に与える為の”()()()()”」だとしたら……?

 

 いや、その話は今はよそう。

 この世界線にまつわる最大級の秘密と禁忌……”一族”とその存在に気づいたイオリア・シュヘンベルグとその仲間達の確執まで遡らねばならなくなる。それを語るにはまだ時期尚早だろう。

 ここで重要なのは、地球人口は半減、もしくはそれ以下になったという事実だ。

 また、あまりにも大きな戦争災害で復興に手間取り、西暦とコズミック・イラの間には「奇妙な空白期間」がある。

 

 

 

 少しだけこの世界の真実、あるいは真相を話そう。

 この時代、C.E.70年代は西暦に換算すると”2300年代”……偶然か必然か、原作00の年代と奇妙な符号の一致をみせる。

 200年以上未来なのに技術が進んでいない?

 それだけ戦災が大きかったのだ。

 戦争の直接被害で人口は半減、その後の異常気象や疫病の蔓延でどれほどの人間が死んだのか、正確には記録がないのでわからない。

 

 オーブが原作の1000万からその3倍近い人口を抱えるようになった根本的な理由の一つは、この”原作と異なる時間経過”にある。

 あえて言おう。人類は一度、大衰退を起こしたのだ。

 後にプラントに繋がるスペースコロニーが作られた理由の一つは、「地球の再生と復興を諦めた人々」が主導したと言うと、驚くだろうか?

 

 そして、その時間で完全に失われた物、あるいは「忘れ去られた物」は多くある。ラクスの言う通り、あり過ぎるくらいに。

 

 だが、オーブは幸いにして比較的「西暦の残滓」が残っている土地柄だ。

 旧中露を盟主とする東アジア共和国やユーラシア連邦に祖国が飲み込まれ、日本という物が跡形もなく蹂躙されることを拒絶した人々が打ち立てた国こそがオーブだから。

 

 日本とは単純な国土ではない。

 そこに生きる人々、培った文化もまた日本だ。

 日本という国名が、再構築戦争後に他の国同様に旧国名の全世界全面一斉廃絶の盟約(旧世界(せいれき)の遺恨を捨て、新しい時代(コズミック・イラ)にそれを引きずらないという覚悟と決意)の中で二度と使えなくなっても、それでも文化だけは遺したかった……これはそう言う類の”願い”だろう。

 

 そして、その”願い”の一端をラクスは受け取り、歌い継ぐ覚悟を決めた。

 

「私は、旧世界(せいれき)の中で、込められた想いを歌いたい。過去であれ、現在であれ、そして未来であれ、人はそこに生き、喜び、悲しみ、怒り、苦悩し、そして後に続く者に何かを遺して、託して死んでいったのだと。そこには苦しみも多かったけど、幸せも確かにあったのだと。人は、人が生み出す歴史は途切れてなんかいない。時間はただ漠然と流れるのではなく積層され、わたくし達は確かに過去から”今”に繋がり、未来へ伸びてゆくのだと」

 

 それは”熱”。

 カガリとの出会いで灯った、原作では灯ることのなかった”熱”。

 情が熱を帯びて”情熱”となる。

 

「カガリ、私は”この歌”を歌いたいんですの。心から」

 

 そして、差し出された曲名は……

 

「……本気か?」

 

 それはカガリの知る曲でもあった。

 だから、その歌詞の鮮烈さも意味も理解していた。

 

「ええ」

 

「下手をすれば、いや下手を打たなくても、この一曲でお前は今まで積み上げてきた全てを失うかもしれんぞ?」

 

「覚悟の上ですわ」

 

”ぎゅ”

 

 カガリはラクスの細い肢体(からだ)を抱きしめ、耳元で囁く。

 

「ラクス、お前は最高だ……!」

 

”パキッ”

 

 そしてラクスの中で、また一つ心の、あるいは理性の錠前が壊れた。

 

(ねえ、カガリ……貴女は、本当はどうしようもなく無様なわたくしでも愛してくれますか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そして、フェイントで少々「種と00の年代的接合点」を入れてみました。

種もC.E.が西暦の何年に該当するかは明記されてないので、それをいいことに捏造しましたw
そして、ひっそりと”一族”とイオリア一派の間に色々とあるようだと……まあ、このあたりの事情はいずれ。
ただ、アムロ声の黒幕は、”一族”とは決して打ち解ける存在ではないってのは確かです。

とりあえず、西暦年間とコズミック・イラの間に失われ、今は知ってる者も少なくなった歌をラクスは歌ってみたいようですよ?

できれば、「原作ラクスが歌わないような歌」を歌わせてみたいな~と。





いつもご愛読ありがとうございます。
読んで下さる皆様は、この作品が今のところ毎日更新されてる事にお気づきな方もいらっしゃるでしょうが、正直、ちょっとこの先をどうしようか迷ってます。
というのも、ここしばらく更新するたびに評価が下がるという感じになってるんです。
私も一応は書き手なので、当然評価は気にしますし、モチベーションにもなっています。
現状、「仕事が休みの時に数話分の骨組みを書いて、仕事から帰ってきたら肉付けや手直ししてして投稿」って感じなのですが、正直、このスタイルがいつまで続けられるか不安になってきたのが、正直なところ。
ぶっちゃけ、この先の展開を考えると「評価が上がるより下がる要素の方が多そうだな~」とか思ってみたり。
とりあえず、当面は書けるだけ今のスタイルは続けていくつもりですが、この先、更新速度が低下することもあるかと思いますが、その時はどうかご了承ください。

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